ラジオ日本ジャイアンツナイター
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ラジオ日本ジャイアンツナイターはアール・エフ・ラジオ日本がプロ野球シーズンに放送しているナイター放送のタイトル。
1958年12月、ニュース・スポーツ・音楽を編成の三本柱とした開局したラジオ関東が、翌1959年シーズンより在京局に先駆けて完全中継を行って以来の同局の看板番組。
1977年10月に同局が読売新聞ニュースを放送する見返りとして、読売ジャイアンツ主催ゲームを独占中継する事となり、1979年シーズンより番組タイトルを「ラジオ関東バッチリナイター」から「ラジオ関東ジャイアンツナイター」と改称。巨人軍を徹底的に追い掛ける番組となった。2005年までは「絶対巨人主義!!」をキーワードにヤクルト主催ゲームを除く巨人戦のほぼ全試合を完全中継した。
ラジオ関西とAM岐阜ラジオにネットしている(但し中日主催ゲームはAM岐阜ラジオでは地元でありながら放送権の関係上ネットされない。また月曜日の中継は巨人戦開催時に限定されているが、番組編成の関係でラジオ関西では巨人戦の有無に関わらずネットされない。)が、未だに放送で「ラジオ日本ジャイアンツナイター」としか言わないことも多い。このところようやく改善が始まったばかりである。
また、巨人主催ゲームのみ17:55よりインターネット(ラジオ日本の公式サイトより接続)で試合を聴取することも可能である。また2006年からは後日、巨人ホームゲームのダイジェスト実況をインターネット放送とポッドキャスティングにて配信する。しかしサイト上では主催全73試合を放送・配信とあるが、結局9月24日の対阪神戦で打ち切られてしまった。
2006年シーズンより、広島市民球場やナゴヤドームなどの巨人ビジターゲームの一部を千葉マリンスタジアムの千葉ロッテマリーンズ主催試合の中継に差し替え、ラジオ日本マリーンズナイターとする。
2006年8月からは、ラジオ業界初の試みとして、アメリカ・グアムのFM局FM104での生中継を実施する。
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[編集] 放送時間
- 毎日17:40-試合終了(17:40-17:55は前座番組「プレイボールまで待ちきれない!!」)
- 2004年シーズンまではBSデジタルラジオ「BS日テレラジオ445」でも巨人主催のホームゲームのみだが放送されていた。また2005年シーズンは日曜日の薄暮開催(17時開始のデーゲーム開催扱い)とビジターゲームでのデーゲーム開催が一部行われるため、その場合は放送時間を調整、ないしは録音中継(撮って出し方式)を行った(2006年シーズンはなし)。
- 2006年9月2・3日は中日ドラゴンズ vs 読売ジャイアンツの放送ではなく、西武ライオンズ vs 北海道日本ハムファイターズ(インボイスSEIBUドーム)の試合を中継したが、17時開始の薄暮(準ナイター)開催だったので、この日は試合進行中ではあるものの撮って出し形式(1時間ずれ)による録音放送になった。
- 在京他局と異なり、番組放送終了時にエンディングがある。また、巨人勝利のゲームにおいては、当該試合の一部(試合終了時、得点シーンの一部など、場面は各回異なる)をテーマソングに載せながら終了する。
- 21:30までに試合終了した場合はクッションプログラム「FOR THE GLORY ジャイアンツ・タイムズ」を放送。また21:30以後も試合が続いた場合、以後の番組の時間スライドはせず休止、ないしは時間短縮となる。
- 月曜日のセ・リーグの試合がない場合は18:00-18:30に「柏英樹のスポーツ・スクラム」、18:30-21:00に「松尾雄治のMonday Free Kick」を放送。また野球シーズンオフは日曜日18:00-19:30に「水野雄仁の巨人王国」、19:30-20:00に「まるごとジャイアンツ倶楽部」が放送されている。
[編集] レインコート番組
雨天中止時、あるいは元々巨人戦の開催予定がない日、ヤクルトホームの巨人戦開催日、巨人のビジターデーゲームには「ナイタースタジオ特集」を放送する。場合によっては巨人戦ではなく、その他のカードを中継する場合もあるが優勝に係わるチームの放送権がある場合が多い。
- ずばり!!ジャイアンツプライド(17:55-19:30)
- シンガーソング・ナイター(19:30-21:00)
※2005年度は「ギャオス内藤のGIANTS RADIO」。 ※かつては「ジャイアンツ・ミュージックスタジアム」と称して3部構成(ジャイアンツ情報や他球場の試合の経過(第一部)・音楽番組(第二部)・過去の名選手の紹介(第三部))だったが、現在は2部構成。
[編集] リスナー参加企画
- 当番組ではラジオ関西・岐阜ラジオと共同で「ジャイアンツ月間MVP」を2004年度まで制定した。この制度はそれぞれの月の読売ジャイアンツの選手で最も活躍した選手を解説者の意見とリスナーの投票を基に決定したものである。但し解説者の意見も選考の重要なファクターとなるため、必ずしもリスナーの最多得票選手が選出されるとは限らない。
- 月間MVPに選ばれた選手に投票されたリスナーには賞金や選手のサイン入りグッズなどがプレゼントされた。
- 2005年度は交流戦特別企画として、パ・リーグ参加6チームの主催試合(即ちビジター)でそれぞれのホームタウンの名産品をプレゼントする企画を行っている。
[編集] 出演者
[編集] 解説者
- 有本義明(スポーツライター)
- 須藤豊
- 広岡達朗
- 柴田勲
- 長池徳士(福岡放送解説者兼)
- 水野雄仁(日本テレビ解説者兼)
- 内藤尚行(ギャオス内藤として登場、J SPORTS解説者兼)
- 高橋一三
- 関本四十四
- 山本功児
[編集] 実況アナウンサー
[編集] 過去の出演者
[編集] 過去の解説者
- 飯島滋弥(故人)
- 宇野光雄(故人)
- 南村侑広(故人)
- 千葉茂(故人)
- 青田昇(故人)
- 大沢啓二
- 国松彰
- 宮田征典(故人)
- 中村稔
- 江藤省三
- 土井正三
- 村上雅則
- 高田繁
- 高橋直樹
- 江夏豊
- 浅野啓司
- 新浦壽夫
- 篠塚和典
- 屋鋪要
- 平田翼
- 小林聖始
[編集] 過去の実況アナウンサー
[編集] JRN・NRNとの関係
開局当初、基本的に自主製作ではあったが、その頃在京局が全曜日に野球中継を編成していなかった事もあり、東海ラジオ放送、毎日放送、ラジオ関西などと暫定的なネットワークを組んで、関東地区以外の試合中継に対応していた。
1965年5月、JRN・NRNが相次いで結成されると、これらネットワークとは無関係だったラジオ関東は取り残される結果となり、関東地区以外の試合を中継する場合にも現地に乗り込んで製作を行う事になった。この間、ネットワークは岐阜放送、近畿放送(現在の京都放送)の2局しかなく、聴取率も後発であるはずの在京局に差をつけられ、営業面でも苦戦していた。
1974年3月にTBSの株を放出して以来、在京ラジオ局との繋がりを持たなかった読売新聞社は有事の際の報道手段の一つとして中波ラジオ局を持つ事が必要であると判断。1977年在京ラジオ局に対し、「読売新聞ニュース」を自社および系列局で放送する事を条件に読売ジャイアンツ主催試合の中継を認める事を提案。
しかし当時、TBSは筆頭株主であった毎日新聞社が経営悪化に伴い株式を大量に放出した事で、漸く新聞資本から脱却できた時期であった。また、ニッポン放送は総帥・鹿内信隆(当時会長)を通じフジサンケイグループの中核会社として位置していた。さらにJRN・NRNともに地方系列局は地元新聞社の資本が入っている局が多かった。これらの理由から、当初この提案に乗り気だった文化放送を含めた在京局各社は、結局許諾不可能としてこの提案を拒否した。
しかし、ラジオ関東は逆にこの提案を受諾。開局以来放送された「毎日新聞ニュース」は1978年1月1日より「読売新聞ニュース」に切り替わり、読売ジャイアンツ完全独占の「ジャイアンツナイター」がスタートした。読売ジャイアンツ主催試合を中継できなくなったJRN・NRNはこれに対抗。ラジオ関東の完全締め出しを図り、系列局に対しラジオ関東とは「ネットを受けない、送らない、送らせない」三原則を呼びかけた。大洋ホエールズはTBS、ヤクルトスワローズは文化放送とニッポン放送、中日ドラゴンズはCBCと東海ラジオ、阪神タイガースはABC、広島東洋カープはRCCがそれぞれ優先契約を締結した事で、逆にラジオ関東は他のセリーグ球団主催試合が中継できなくなってしまった。
なお、兵庫のラジオ関西はこれまで在阪局に押さえられていた読売ジャイアンツ絡みの試合を中継する事で、営業強化が図れると判断。NRNの申し入れを無視して新たに「ジャイアンツナイター」のネット受け入れを行い、NRNから除名処分を受けた。
しかし、読売ジャイアンツ主催試合の中継が出来ない事で在京ラジオ局は軒並み営業成績が落ち込み、地方聴取者からの不満も集中した。このため読売新聞社と在京ラジオ各局は再交渉に及び、TBSは読売新聞社の条件を受諾。TBSラジオおよびJRNは翌1979年から読売ジャイアンツ主催試合の中継を再開した。この時の条件は、TBSラジオがラジオ関東から番組購入を行う事とし、かつJRN系列局(CBC・ABC・RCC)はラジオ関東に対し製作協力を行う、また関西地区のJRNナイターネット局はラジオ関西に配慮してMBSとABCに振り分けるといった物であった。また、TBSラジオでは「読売新聞イブニングトピックス」「読売新聞けいざい気象現況」「読売スポーツ情報」等が放送され、読売新聞ニュースの放送が復活した。
ニッポン放送はTBSラジオのこの抜け駆けを許さず、ヤクルトスワローズと大洋ホエールズの主催試合の独占中継権を獲得。文化放送ならびにNRN系列局には放送を認めたが、TBSラジオとラジオ関東には放送を認めなかった。また、この時よりNRN・JRNクロスネット局でのNRNナイター放送日が原則水~金曜日と固定された。
その後、日本テレビの働きかけにより日本テレビ系列の兼営局を中心に、月曜日に限り「ジャイアンツナイター」のネットを行う局が増え、札幌テレビ放送(現:STVラジオ)では土日のNRNナイターをジャイアンツナイターに差し替えて放送するようになった。
やがて、佐川急便疑惑に関する一連の報道でTBSと読売新聞社の関係が悪化。読売新聞社の代表者となった渡邉恒雄の判断でNRNも1993年から読売ジャイアンツ主催試合が中継できるようになり、TBSラジオの優位は崩壊。TBSラジオでの読売新聞ニュースは再び打ち切られた。
この頃から関西地区での「ジャイアンツナイター」はABCに代わってラジオ関西が製作協力を行うようになり、ヤクルト・横浜主催試合もどちらかが読売ジャイアンツと対戦を行っている裏カードに限り放送できるようになった。2001年、TBSが横浜ベイスターズのオーナー企業となったのを機に、翌2002年より横浜主催の対巨人戦も中継できるようになった。
一方で、ニッポン放送は、ヤクルトスワローズの主催試合の独占中継権を未だ手放さず、TBSラジオとJRN単独加盟局(CBC、RKB、RBCラジオ)では、ヤクルトスワローズの主催試合は放送されない。なお、NRN加盟局でもHBCは、通常はJRNの野球中継のみネットしている関係でヤクルト主催試合は放送されないが、2006年の交流戦では例外的にヤクルト対日本ハム戦をニッポン放送の協力による自社制作で放送した。これはNRNナイターをネットしているSTVラジオが同カードを中継しなかったためである。(巨人主催ゲームのNRN開放後~2001年は、横浜対巨人戦の裏カードに限り制作・放送されたが、CBCは同じ中日資本でNRNの東海ラジオとの関係上ヤクルト対中日戦のネットが認められず、予備カードまたは雨傘番組に差替え、クロスネットのABC・MBS・RCCはヤクルト対阪神/広島戦ではJRN受けの曜日でもNRNにラインを切り替え、またはニッポン放送(RCCの土・日ナイターは文化放送の場合あり)協力による自社制作で放送した)
※備考:中日主催試合については現在もCBCが裏出し製作をしているため、出演者はCBCの解説者、アナウンサーが務める。但し、ベンチ裏のリポーターについては、ラジオ日本に所属する実況アナウンサーが務める。また、2006年は交流戦のソフトバンク対巨人戦でも、RKBが裏出し制作を行い、RKBの解説者、アナウンサーが務める(試合によりRKBの解説者とラジオ日本のアナウンサーの場合もあり)。また、ラジオ関西、AM岐阜ラジオは現在独立局であるが、それぞれの地域のNRN加盟局で放送しない一部のニッポン放送、文化放送製作番組を番組販売購入という形でネットを行っている。
[編集] 関連項目
- ラジオ日本マリーンズナイター
- 東京ドーム
- 千葉マリンスタジアム
- PRIDE&SPIRIT 日本プロ野球
- ラジオ関西ジャイアンツナイター
- AM岐阜ラジオ ダイナミックナイター
- ダッシュ一番歌謡曲(RFが中日主催試合を放送するときのAM岐阜ラジオ ダイナミックナイターの代替番組)
- CBCドラゴンズナイター
- STVアタックナイター(火曜日・土曜日・日曜日を中心に、2003年度まで放送。)
[編集] 外部リンク
- ラジオ日本ジャイアンツナイター(インターネット中継)