青田昇

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青田昇（あおたのぼる、1924年 11月22日 - 1997年 11月4日）は、兵庫県三木市出身の元プロ野球選手・プロ野球監督。ポジションは外野手。右投げ右打ち。愛称はじゃじゃ馬。夫人との間に二男六女（一人夭折）がいたが、五女が青田浩子、六女が青田恵子（ともに元タレント）。

[編集] 来歴・人物

元は柔道をやっていたが、高等小学校では柔道部が無かったため野球に転向。滝川中（現在の滝川高）の1年次、1940年の選抜大会に、当時3年生のエースだった別所毅彦とともに出場。1942年に戦争で甲子園大会が中止となったため中退し、同年7月に17歳で巨人に入団。1943年には打率.223、本塁打0本で打点王を獲得する珍しい記録となった。1944年には陸軍航空隊に入隊を志願したため退団したものの、出撃命令を受けることなく終戦となり、1946年に阪急で再びプロ野球に戻った。1948年に巨人に復帰。長打力に優れた打者として川上哲治、千葉茂らとともに活躍。1953年に洋松に移籍、1953年 4月23日にサイクルヒットを達成。1959年に阪急に復帰して、同年に引退。

引退後は阪神、阪急、大洋のヘッドコーチを歴任した。作戦参謀としての能力に優れており、阪神、阪急ではいずれもチームをリーグ優勝に導き「優勝請負人」の異名を取った。1973年には大洋で監督も務め、その後は巨人のヘッドコーチを経て日本テレビ・アール・エフ・ラジオ日本・スポーツ報知の解説者となった。豪放な性格で、大下弘や別所毅彦との交遊は語り草となった。野球解説者の時代にはお茶の間でも親しまれた。解説者としては「巨人びいき」のコメントが多かったが、他球団のファンでアンチ巨人でもあるダンカンややくみつるなどにも「おやっさん」と呼ばれ、慕われていた。また、戦前～自分の現役時代の古い野球・選手をやたらと賛美（「現代のプロ野球は選手が虚弱になり、個性もなくなり、レベルも低下している」と主張）したため、若い野球ファンや記者から反論されることもあった。1997年11月4日死去。享年72。死去の5時間後、高橋由伸が巨人への逆指名会見を開き、「青田の生まれ変わり」とも称された。

妻が年来のローマ・カトリック信者、子供達も全員同信徒であったため、亡くなる直前にカトリック入信、そのため、葬儀はキリスト教式で執り行われた。

[編集] エピソード

1980年後輩の長嶋茂雄監督の要請でヘッドコーチに就任したが、暴力団との交際が表面化。これを詫びる事無く開き直り「山本浩二だって共政会の連中に誘われたら断れないだろうが」などと関係の無い他チームの主力選手を巻き込む発言をして更に問題を大きくし、シーズン前に辞任に追い込まれた。なお、この暴力団との交際がネックになったかは不明だが、青田は野球殿堂入りしていない。
次女・啓子（ひろこ）は小学校の臨海学校の水練中に心臓麻痺を起こし水死。青田は子供達の中でもとりわけ啓子をかわいがっていたため悲嘆は甚大であった。啓子の死後うまれたのが浩子で、啓子を偲んで｢ひろこ｣の読み名をあてた。
だが青田にとって啓子の死の悲嘆は生涯消えることはなく、青田が浩子に｢ひろこ｣と呼びかけたことはついに生涯一度もなかったという。ちなみに青田は浩子を『プーちゃん』（幼少時ふっくらしていたので）とよんでいた。
無類の強肩で、滝川中3年時には手榴弾投げ81メートル50センチの記録を作った。