ナウル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
- ナウル共和国
- Republik Naoero (ナウル語)
Republic of Nauru (英語) -
(国旗) 国章 - 国の標語 : God's Will First
(英語: 神意を第一に - 国歌 : ナウル我が祖国
-
公用語 英語、ナウル語 ¹ 首都 公式の首都無し ² 最大の都市 ヤレン 大統領 ルドウィッグ・スコッティ 首相 なし 面積
- 総計
- 水面積率世界第192位
21km²
極僅か人口
- 総計(2004年)
- 人口密度世界第192位
12,809人
610人/km²GDP(自国通貨表示)
- 合計(Xxxx年)
xxx,xxxオーストラリア・ドルGDP(MER)
- 合計(Xxxx年)世界第xx位
xxx,xxxドルGDP(PPP)
- 合計(2001年)
- 1人当り世界第193位
6,000万ドル
5,000ドル独立
- 日付英豪新の信託統治から
1968年1月31日通貨 オーストラリア・ドル (AUD) 時間帯 UTC +12(DST: なし) ccTLD .NR 国際電話番号 674 - 注1 : 公用語に関する情報が錯綜しており、未確定。
注2 : ヤレンは最大の居住地。公式の首都の無い唯一の国である。
ナウル共和国(ナウルきょうわこく)、通称ナウルは、太平洋南西部に浮かぶ珊瑚礁の共和国。バチカン、モナコに次いで面積が小さい、ミニ国家である。
目次 |
[編集] 国名
正式名称は、Republik Naoero (ナウル語: 発音)。
公式の英語は、Republic of Nauru 。通称、Nauru 。
日本語による表記は、ナウル共和国、通称、ナウル。また、漢字では「瑙魯」と表記する。
旧称、Pleasant Island 。
[編集] 歴史
- ポリネシア人とメラネシア人がナウル島の先住民である。
- 1798年 イギリスの捕鯨船ハンター号の船長ジョン・ファーンがナウル島を「発見」する。ファーンはプレザント島 (Pleasant Island) と命名した。
- 1888年 ドイツ領となる。翌年、豊富なリン鉱石が発見された。
- 1906年 リン鉱石の採掘が始まる。
- 1914年 第一次世界大戦の過程でオーストラリアが島を占領。イギリスの支配下に入る。
- 1920年 国際連盟委任統治領となる。イギリス、オーストラリア、ニュージーランド3国の委任統治下にあったが、リン鉱石はイギリスが採掘していた。
- 1940年 第二次世界大戦が始まり、ドイツの仮装巡洋艦がイギリス商船を攻撃している。
- 1942年 日本軍が占領。
- 1946年 1月1日にアメリカ合衆国が占領。
- 1947年 国際連合信託統治領になる。
- 1968年 1月31日、イギリス連邦内の共和国として独立(1970年まではリン鉱石の権利がイギリスに残っていた)。ナウルの首長、ハマー・デロバートが初代大統領になる。
- 1976年 バーナード・ドウィヨゴが大統領に就任(~1978年)。
- 1987年 南太平洋非核地帯設置条約に調印。
- 1989年 初めてリン鉱石の産出量が減少する。
- 1999年 地球温暖化による海面上昇を解決するため国連に加盟。ただし、ナウルは中華民国(台湾)を国家承認しているため、中華人民共和国(中国)の妨害にあって加盟が危うかった。隣国のキリバスと同時加盟だが、キリバスは中国と国交を持っていたにも拘らず、ナウル加盟を支持していたため、巻き添えになりかけた(キリバスは後に中国と断交し、現在は台湾と国交)。このころには唯一の収入源ともいえるリン鉱石がほぼ枯渇したため、政治的な奇策を繰り出すようになる。
- 2001年 オーストラリアに向かったアフガニスタン難民を受け入れる。その見返りとして、オーストラリアから援助を引き出した。しかし、難民はオーストラリア入りを希望していたため、2003年末にはハンガーストライキによる抗議が始まる。結局、難民はオーストラリアに引き渡された。
- 2002年 台湾との国交を断絶し、中国と国交樹立。中国から1億3000万ドルの援助を引き出した。
- 2003年 2月21日、BBC放送が諸外国からナウルへの通信が途絶したとのニュースを配信。政変やクーデターが推測されたが、資金的な事情で通信設備が維持できなくなったことが後に判明。
- 2004年 オーストラリアから1,700万ドルの無償資金供与を受ける。
- 2005年 5月、台湾と復交。
- 2005年 8月、日本外務省はナウルに対して無償資金協力(ノンプロジェクト無償資金協力)を行うことを決定した。このノンプロジェクト無償資金協力は、ナウルの経済構造調整計画の実施を支援するもので、ナウル政府が経済構造改善の推進に必要な商品を輸入する代金の支払いのために使用される。
- 2006年 4月、台湾の援助で旅客機を購入。以前所有していた旅客機は財政危機により差し押さえられていた。
[編集] 政治
国会の定員は18人。国会議員は3年ごとに選出される。共和制を採り、国会議員の中から、大統領を選出する。大統領が内閣を任命する。複数の政党が存在し、民主党とナウル党が主要政党である。
長年デ・ロバートが大統領と評議会議長を独占してきたが、1989年の選挙で、ドウィヨゴが新大統領に就任した。
[編集] 地方行政区分
ナウルは行政上、14の地区に分けられる。地区は以下の通り。
ヤレン地区に政庁があることから、一般にナウルの首都はヤレンとされる。しかしナウル政府はあくまでも公式に「首都」なるものの存在を公表しておらず、またヤレンは都市ではなく地区である(それどころかナウルに「都市」は存在しない)ことから、ヤレンを正確に首都と定義することはできない。ヤレンの人口は2004年現在で1100人。
[編集] 地理
ニューギニア島から東に2000kmの位置にある周囲19kmのナウル島からなる。赤道よりわずかに40km南に位置し、メラネシアに属する。周囲の島からは孤立している。例えば北東のギルバート諸島からは約500km、南西のソロモン諸島からは約1000km離れている。
ナウル島はサンゴ礁のうち発達の段階が進んでいない裾礁である。島の中央部は良質のリン鉱石(グアノ)からなる台地であり、採鉱用の一時的な施設を除くほぼすべての建造物は海岸沿いに並んでいる。台地は島の面積の約80%を占めており、標高は約70mである。
リン鉱石は海鳥の糞に由来する。約90年間に及ぶリン鉱石採掘のため、島の中央部は一切の車両通行が不可能なほど荒れており、何の利用もできない状態になっている。
[編集] 気候
南緯32分(東経166度55分)という位置にあるため、ケッペンの気候区分では熱帯雨林気候 (Af) に属しており、一年中気温、降水量ともに変化がない。ただし、年ごとの降水量の差は大きい。1月の平均気温は27.9℃、7月は27.8度である。年間降水量は1994mm。
ナウル島には河川が存在しないため、飲料水などはすべて雨水に頼っていた。しかし、リン鉱石の輸出によって一人当たりのGNPが3000ドルに達していたため、海水淡水化プラントを稼働させ、海水から淡水を得ている。
[編集] 経済
主な産業は鉱業。輸出品目は、リン鉱石のみ。1995年時点の輸出金額は3000万ドル。2005年時点の値は不明。輸入品目は、80%以上が食料品。貿易相手国はオーストラリアが50%を占める。
2002年時点でも5万5000トンのリン鉱石を採掘しており、99%以上を輸出している。農業は進んでおらず、ココナツ栽培、養豚がわずかに見られる。漁業には全く関心がなく、2002年時点の漁獲高はわずか20トンに過ぎない。
20世紀末まではリン鉱石の輸出によって、オーストラリアとニュージーランドを除くオセアニア諸国のなかではもっとも経済的に繁栄していた。ほぼすべての食料品と工業製品はもちろん、政府職員を除くほぼすべての労働者も出稼ぎ外国人に依存しており、国民は働く必要がほとんどない状態だった。貿易依存度は輸出、輸入とも110%という異例な値である。1989年にリン鉱石の採掘量がはじめて減少し、21世紀に入ってリン鉱石がほぼ枯渇すると、政治的、経済的な奇策に走った。海外からの資金流入と国際金融業の参入を狙って、ほぼすべての規制を廃したが、マネーロンダリングの抜け穴になることを理由としてアメリカ合衆国から批判を浴び、頓挫した。対テロ戦争以降はアフガニスタンからオーストラリアに向かう難民を受け入れており、2005年時点ではイラク難民の比率が高い。
ナウルは現在、電力不足・燃料不足・飲料水不足が深刻化している。
[編集] リン鉱石
最盛期には年間200万トンの鉱石を輸出していたナウルも資源の枯渇が進み、2002年時点でも5万5000トン、2004年には数千トン規模にまで採掘量は減少した。枯渇した資源の回復は見込めないが、かつて掘削した岩滓を整理すれば、なお総量100万トン程度の資源量は確保できるという識者もいる。ただし、毎年のように続く政変、公務員への給料未払いなど混沌としたナウルの政治・経済情勢下では、長期的な視野を持って問題を整理、解決できる能力は全くないものと思われ、このまま閉山に向かうものと考えられる。
[編集] 交通
[編集] 国民
詳細はナウルの国民を参照
住民は、ナウル人が58%、その他の太平洋の島の出身が26%、華人が8%、ヨーロッパ人が8%である。
宗教は、ほとんどがキリスト教。2/3がプロテスタントで、1/3がローマ・カトリックである。
[編集] 文化
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
---|---|---|---|
1月1日 | 元日 | New Year's Day | |
1月31日 | 独立記念日 | Independence Day | 1968年のこの日に独立したことに由来 |
3月か4月 | 復活祭 | Easter | 変動祝日 |
5月17日 | 憲法記念日 | Constitution Day | 1968年のこの日に憲法が制定されたことに由来 |
10月26日 | アンガム・デイ | Angam Day | 太平洋戦争により減少したナウル人が1949年に戦前と同じ人口の1500人にまで回復したことを記念する |
12月25・26日 | クリスマス | Christmas |
[編集] 関連項目
- ナウル関係記事の一覧
[編集] 外部リンク
[編集] 公式
- 政府公式サイト
[編集] その他
![](../../../upload/shared/thumb/3/39/Flag_of_the_Commonwealth_of_Nations.svg/58px-Flag_of_the_Commonwealth_of_Nations.svg.png)
- イギリス連邦加盟国
- アンティグア・バーブーダ | イギリス | インド | ウガンダ | オーストラリア | ガイアナ | ガーナ | カナダ | カメルーン | ガンビア | キプロス | キリバス | グレナダ | ケニア | サモア | ザンビア | シエラレオネ | ジャマイカ | シンガポール | スリランカ | スワジランド | セーシェル | セントクリストファー・ネイビス | セントビンセント・グレナディーン | セントルシア | ソロモン諸島 | タンザニア | ツバル | ドミニカ国 | トリニダード・トバゴ | トンガ | ナイジェリア | ナウル | ナミビア | ニュージーランド | パキスタン | バヌアツ | バハマ | パプアニューギニア | バルバドス | バングラデシュ | フィジー | ブルネイ | ベリーズ | ボツワナ | マラウイ | マルタ | マレーシア | 南アフリカ | モザンビーク | モーリシャス | モルディブ | レソト
このページはウィキプロジェクト 国のテンプレートを使用しています。