セルフカヴァー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
セルフカヴァーとは、ポピュラー音楽の分野で使われる言葉で、主にシンガーソングライターが過去に他人へ提供した曲を自身の演奏、歌唱によって発表するもの、また広い意味では過去に自分で製作した曲をリアレンジして自らの演奏と歌唱によって発表することである。
日本の有名なものでは、SMAPに提供した『世界に一つだけの花』を作詞作曲者の槇原敬之がのちに自身の歌唱で発表したものや、同じく槇原敬之が作曲し、イギリスの人気グループ・ブルーに提供したGIFTを作曲者自身が『僕が一番欲しかったもの』として発表したもの、また、福山雅治が松本英子に提供した『Squall』をリアレンジして自身で歌唱したものなどがある。
近年では、作詞家のみ、作曲家のみといった者が楽曲提供を行うことが減ってきたために、このセルフカヴァーも増える傾向にある。有名シンガーソングライターが曲を書いたということでのヒットと、製作者自身の歌唱によるヒットという二重の利益が見込める点でも需要がさらに高くなっているといえる。
また、近年ではあまり見かけないもののサザンオールスターズや大滝詠一のようにライブのみで自身の提供曲を歌う場合もある。ただし、この場合はソフトウェア化の希望が殺到するのでアーティストの意向とは別に大半が後に音源化されてしまうという状況も生んでいる。このことについてサザンの桑田佳祐は自身の作った恋人も濡れる街角のセルフカヴァーのソフト化の希望が多いということで、「（中村）雅俊のライブ行けよ~!」とラジオでコメントしている。
テレビ番組のミュージックステーションではセルフカヴァーが過去の自分のヒット曲を再び歌い直すことのような説明がされたことがあったが、それは正確には｢リメイク｣であり、本来のセルフカヴァーの意味は提供曲を自分で歌うことであるが、Mr.Childrenの桜井和寿が自身の楽曲をBank Bandとして再演する等の例が増えてきたために定義が次第に曖昧になりつつある。
[編集] 日本の代表的なセルフカヴァー
- 黄砂に吹かれて 工藤静香→中島みゆき
- 慟哭 工藤静香→中島みゆき
- 春なのに 柏原芳恵→中島みゆき
- しあわせ芝居 桜田淳子→中島みゆき
- この空を飛べたら 加藤登紀子→中島みゆき
- かもめはかもめ 研ナオコ→中島みゆき
- 永遠の嘘をついてくれ 吉田拓郎→中島みゆき
- You don't know 石嶺聡子→中島みゆき
- 宙船（そらふね） TOKIO→中島みゆき
- 想い出だけではつらすぎる 柴咲コウ→中島みゆき
- セーラー服と機関銃 薬師丸ひろ子→来生たかお（来生たかお版のタイトルは「夢の途中」）
- スローモーション 中森明菜→来生たかお
- セカンド・ラブ 中森明菜→来生たかお
- シルエット・ロマンス 大橋純子→来生たかお
- 楽園のDoor 南野陽子→来生たかお
- Choo Choo TRAIN ZOO→中西圭三
- Timing（タイミング） ブラックビスケッツ→中西圭三
- 冷たいキス ICE BOX→中西圭三
- 瞳・元気 永井真理子→辛島美登里（辛島美登里版のタイトルは「瞳・元気～都会のひまわり～」）
- Keep On“Keeping On” 永井真理子→辛島美登里
- 頑張って、頑張って… 林原めぐみ→辛島美登里
- 愛を今、信じていたい 堀ちえみ→小室哲哉（小室哲哉版のタイトルは「思い出を置き去りにして」）
- Good Morning-Call 小泉今日子→小室哲哉
- 50/50 中山美穂→小室哲哉
- TOO SHY SHY BOY! 観月ありさ→小室哲哉
- 世界中の誰よりきっと 中山美穂＆WANDS、WANDS→織田哲郎
- このまま君だけを奪い去りたい DEEN→WANDS→織田哲郎
- 愛を語るより口づけを交わそう WANDS→織田哲郎
- チョット 大黒摩季→織田哲郎
- 咲き誇れ愛しさよ Wink→織田哲郎
- 揺れる想い ZARD→織田哲郎
- 翼を広げて DEEN→織田哲郎
- 瞳そらさないで DEEN→ZARD
- あなたと共に生きてゆく テレサ・テン→ZARD
- 明日もし君が壊れても WANDS、ZARD→大野愛果
- 手ごたえのない愛 DEEN→小松未歩
- 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう WANDS→小松未歩
- この街で君と暮らしたい、大空へ、渇いた叫び FIELD OF VIEW→小松未歩
- 青い空に出逢えた 辻尾有紗→小松未歩
- 全部だきしめて KinKi Kids→吉田拓郎
- 襟裳岬 森進一→吉田拓郎
- たどり着いたらいつも雨振り モップス→吉田拓郎
- 我が良き友よ かまやつひろし→吉田拓郎
- 夏をあきらめて 研ナオコ→サザンオールスターズ
- 恋人も濡れる街角 中村雅俊→サザンオールスターズ（上記のライブのみの例）
- My Gift to You CHEMISTRY→Skoop On Somebody
- HAPPY HAPPY GREETING KinKi Kids→山下達郎
- 空のオカリナ 岩男潤子→谷山浩子
- 桜色舞うころ 中島美嘉→川江美奈子
- STARS 中島美嘉→川口大輔
- ラブラブ♥マンハッタン TOKIO→グループ魂（作詞・作曲をメンバーが担当）
- 涙そうそう 夏川りみ→森山良子（作詞を担当）、BEGIN（作曲を担当（一番最初にシングルで出した為、正確にはセルフカヴァーではない。）
- Yellow Yellow Happy ポケットビスケッツ→爆風スランプ（作曲・編曲をメンバーのパッパラー河合が担当）
[編集] 世界の有名なセルフカヴァー
- Say What You Will SMAP→エリック・クラプトン
- Stay with me ピーター・セテラ→ボビー・コールドウェル
- Heart of Mine ボズ・スキャッグス→ボビー・コールドウェル
- I Call Your Name ビリー･J･クレイマー&ダコタス→ビートルズ
- the Cross ～愛の十字架～ (洋題 Crying In The Shadows) 本田美奈子→ゲイリー・ムーア
[編集] 関連項目
 |
この「セルフカヴァー」は、音楽に関連した書きかけ項目です。加筆、訂正などをして下さる協力者を求めています。（ポータル 音楽/ウィキプロジェクト 音楽） |
