世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン) |
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SMAP の シングル | ||
リリース | 2003年3月5日 | |
ジャンル | J-POP | |
レーベル | ビクターエンタテインメント | |
チャート順位 | ||
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売上枚数 | ||
SMAP 年表 | ||
freebird (2002年) |
世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン) (2003年) |
友だちへ ~Say What You Will~ (2005年) |
『世界に一つだけの花』(せかいにひとつだけのはな)は、SMAPが歌う楽曲で、2003年の代表曲の一つである。ビクターエンタテインメントから3月5日にリリースされた。作詞・作曲・編曲は槇原敬之。
目次 |
[編集] 概要
この曲は元々アルバム『SMAP 015 / Drink! Smap!』(2002年7月発売) の収録曲であったが、アルバム発売当時より、SMAPのメンバーはこの曲が同アルバム中で1番好きな曲だとコメントしており、ファンの中では広く周知されていた。この曲が世間一般に知れ渡ったのは、SMAPのメンバー、草彅剛が主演したテレビドラマ『僕の生きる道』(関西テレビ放送制作、フジテレビジョン系列・2003年1月~3月放送)の主題歌となったことによる。
ドラマ放送開始直後からシングルリリースの要望が多数寄せられたため、メンバーの歌唱パートの入れ替えなどのアレンジを行い、2003年3月5日、『世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン) 』としてシングルカットされた。この曲の振付はKABA.ちゃんが担当した。なお、同ドラマの中でシングルヴァージョンが唯一使われたのは主人公の最期の後のエンディングである。
ちょうどシングルヴァージョンが完成した直後であり、発売直前であった。アレンジ面やその抜群のタイミングから未だにその初OAエンディングは評価が高い。
この歌の主題は、競争で一番になるよりも各々が持つ個性が大事だというものである。その内容が、長引く不況による閉塞感、競争社会に対する疲労感や無力感といった当時の世相に合致し、幅広く支持を集めることになる。さらに、この曲は第76回選抜高等学校野球大会の開会式の入場行進曲に選ばれた。
なお、このシングルCDのジャケットには多くの企業看板が描かれているが、これはSMAPもしくは各メンバーがCMに出演した企業のものである。
「SMAP 015 / Drink! smap!」に収録されている「アルバムバージョン」、シングルカットされアレンジが加えられた「シングルヴァージョン」、「SMAP 016 / MIJ」に収録された「オルガンバージョン」とこの曲には全部で3パターンある。
カップリングの『僕は君を連れてゆく』も『らいおんハート』の『オレンジ』、『freebird』の『Song 2 ~the sequel to that~』に次いで高い評価を得ている。
[編集] 収録曲
- 世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)
- 作詞・作曲・編曲:槇原敬之 / ストリングスアレンジメント:門倉聡
- 僕は君を連れてゆく
- 作詞:工藤哲雄 / 作曲・編曲:都志見隆
- 世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン) [ミュージック・トラック]
- 僕は君を連れてゆく [ミュージック・トラック]
[編集] 記録
- 初動セールスはオリコン調べで63万枚、プラネット調べで60.7万枚。
- オリコンシングルチャートで39週ぶり(中38週あけ)の1位返り咲き。(これまでの記録は松田聖子『ガラスの林檎/SWEET MEMORIES』の11週ぶり(中10週あけ)の1位返り咲き)
- オリコンシングルチャートで一度39位まで落ちてからの1位返り咲き。(これまでの記録は松田聖子『ガラスの林檎/SWEET MEMORIES』の一度12位まで落ちてからの1位返り咲き)
- 2003年度の「セガカラiメロディ」でアルバムバージョンが年間1位、ロングバージョンが年間9位、シングルバージョンが年間46位と年間トップ50に3バージョンがランクイン。
- オリコンカラオケチャートでは2003年3月3日付から7月7日付まで17週連続1位(当時歴代2位タイ)、通算では40週1位(ORANGE RANGEの『花』に抜かれるまで歴代1位)
- 2003年5月には売り上げ枚数が200万枚を突破。特にシングルCDのセールスが低迷する中、ダブルミリオン・セラーは福山雅治の『桜坂』(2000年) 以来、3年ぶりの快挙である(オリコン調べによる)。またシングルの出荷枚数ではMISIAの『Everything』(2000年)以来の200万枚突破となる。
- スキウタ~紅白みんなでアンケート~1位(白組1位)
- オリコン歴代シングルセールス9位。
- 2006年現在、21世紀で最も売れた曲である。
[編集] その他
- 2003年度の日本レコード大賞の有力候補とされていたが、「歌詞でNo.1よりもOnly 1を唄っている」ということから辞退した。
- 作者である槇原敬之が覚せい剤事件での謹慎中に、住職との対話から歌詞を着想したといわれている。内容には、あらゆる存在に価値を認める「草木国土悉皆成仏」の如来蔵思想が投影されている。
- いくら他にたくさんのバラがあろうとも、自分が美しいと思い、精一杯の世話をしたバラはやはりいとおしく、自分にとって一番のバラなのだと悟るという、「星の王子さま」の話から来ている。よって世情を反映して生まれた等の意見に縛られない槇原らしい曲である。
- 重要なことであるが、数学的な考えだと「オンリーワンならばナンバーワンである」(但し、複素数など必ずしも当てはまらないものもあることに注意)。
- 「ナンバーワンにならなくてもいい」は向上心の放棄だ、と否定的な捉え方をする人もいるが、これはあくまで「自分は自分だ、他人と比較しなくてもいい」という事を強調している。しかし、これに対しても、自分らしさのみを追い求めるニートやフリーターの存在を助長・正当化しているとして、一部で批判される。
- 「花でないものは花屋に並ぶことすらできない、よってそういったものを見捨てている」という批判もあるが、これは2番の歌詞で明らかになる。
- 「ヒトラーのクローンは独裁者にならない(生まれ持ったもの、などという考えはおかしい)」などの批判もある。
- この曲には反戦イメージが重ねられているが、これは花や人間を賛美することで平和の大切さを訴えるという、CDリリース時のSMAPメンバーのコメントによるところが大きい。ドラマ放送からシングル発売当時には世の中がイラク戦争前夜の不安の下にあったため、開戦回避を訴えるメッセージとして反響を呼び、人気に拍車をかけた。同様の反戦コメントは2003年紅白歌合戦の大トリの歌唱前にもなされているが、このようなメッセージを番組中に訴えるということは紅白歌合戦の歴史の中でも異例なことであった。TBS・『NEWS23』において筑紫哲也からも「これは反戦歌だと思う」と評されている。
- B'zの11枚同時シングルリリースにおけるオリコンシングルチャートトップ10独占を阻んだ作品である。これは裏を返せば、この週のチャートTOP10はB'zとSMAPしかランクインしていなかったということである。
[編集] カバー
SMAPが歌うバージョンがヒットしたのち、様々なアーティストによってカバー曲が発表された。作者である槇原もセルフカヴァーしている。
- 女子十二楽坊 - 2003年7月24日発売のアルバム『女子十二楽坊 ~Beautiful Energy~』の第3トラックに収録、胡弓等で演奏。
- 槇原敬之 - 2004年8月14日発売のアルバム『EXPLORER』の第10トラックに収録。
- 小田和正 - 2003年に音楽番組『クリスマスの約束』で歌った。
- ニコラス・テオ - 「onlyone」のタイトルで中国でカバーした。
- マーティ・フリードマン - 2006年6月28日発売のアルバム『LOUDSPEAKER』でカバー、ギターインストの曲。
オリコン週間シングルチャート第1位 2003年3月17日付~2003年3月30日付 (3週連続) |
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前作: I WiSH 『明日への扉』 |
SMAP 『世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)』 |
次作: B'z 『IT'S SHOWTIME!!』 |
オリコン週間シングルチャート第1位 2003年4月14日付 (通算4週) |
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前作: B'z 『IT'S SHOWTIME!!』 |
SMAP 『世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)』 |
次作: KinKi Kids 『永遠のBLOODS』 |
オリコン週間シングルチャート第1位 2004年1月5日付~2004年1月19日付 (3週連続:合算週含む、通算7週) |
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前作: MONGOL800 『ヨロコビノウタ』 |
SMAP 『世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)』 |
次作: KinKi Kids 『ね、がんばるよ。』 |
オリコン年間シングルチャート第1位 | ||
前年: 浜崎あゆみ 『H』 |
SMAP 『世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)』 |
次年: 平井堅 『瞳をとじて』 |
オリコン年間カラオケリクエスト回数 第1位 | ||
前年: 島谷ひとみ 『亜麻色の髪の乙女』 |
SMAP 『世界に一つだけの花』 |
次年: 夏川りみ 『涙そうそう』 |
選抜高等学校野球大会入場行進曲 | ||
前年度 2003年 第75回 平井堅 『大きな古時計』 |
2004年 第76回 SMAP 『世界に一つだけの花』 |
次年度 2005年 第77回 サザンオールスターズ 『君こそスターだ』 |