安閑天皇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
安閑天皇(あんかんてんのう、雄略天皇10年(466年) - 安閑天皇2年12月17日(536年1月25日))は、第27代の天皇(在位:継体天皇25年(531年)2月7日 - 安閑天皇4年(535年)12月17日)。広国押武金日天皇、勾大兄皇子。
- 御子、広国押武金日(ひろくにおしたけかなひ)命、勾(まがり)の金箸(かねはし)宮に坐しまして、天の下治らしめしき。この天皇、御子無かりき。(分注、乙卯の年の三月十三日に崩りましき。)御陵は河内の古市の高屋村にあり。(『古事記』)勾の金箸宮は、奈良県高市郡。
目次 |
[編集] 別名
和風諡号は、『古事記』に広国押建金日命(ひろくにおしたけかなひのみこと)、『日本書紀』に広国押武金日天皇とある。また『日本書紀』では、諱を勾大兄皇子(まがりのおおえのみこ)としている(‘まがりのおいねのみこ’とも読む)。
[編集] 系譜
継体天皇の長子。母は尾張目子媛(おわりのめのこひめ)。
- 皇后:春日山田皇女(かすがのやまだのひめみこ、仁賢天皇の皇女)
- 妃:紗手媛(さてひめ、許勢男人大臣の女)
- 妃:香香有媛(かかりひめ、紗手媛の妹)
- 妃:宅媛(やかひめ、物部木蓮子大連の女)
皇子女はなし。本朝皇胤紹運録に豊彦王(とよひこのみこ)を挙げるが、所拠不明である。
[編集] 事績
継体天皇に譲位されて即位する。そのとき既に66歳であり、わずか4年で崩御した。 安閑天皇の治世の出来事としては、屯倉の大量設置(30ヶ所以上に上る)、それに伴う犬養部の設置が挙げられる。
なお、『日本書紀』に引く「百済本記」によれば、531年頃に天皇と太子・皇子が共に薨去したという所伝があるといい、継体天皇の死後、安閑天皇・宣化天皇の朝廷と欽明天皇の朝廷が並立していたとか、2朝間に内乱があったと見る説もある(辛亥の変)。
後世、神仏習合の教説で蔵王権現と同一視されたため、明治時代の神仏分離以降に、従来蔵王権現を祭神としていた神社で安閑天皇を祭神とし直したところが多い。
[編集] 皇居
都は勾金橋宮(まがりのかなはしのみや、現在の奈良県橿原市曲川町か)。なお、1889年から1956年まで存続していた「金橋村(高市郡)」はこの宮号から採られていたが、今ではわずか駅名などを留めるに過ぎない(JR桜井線・金橋駅)。
[編集] 陵墓
古市高屋丘陵に葬られた。 大阪府羽曳野市古市五丁目の高屋城山古墳(前方後円墳・全長122m)に比定される。
[編集] 関連項目
![]() |
歴代天皇一覧 | ![]() |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 神武 | 2 綏靖 | 3 安寧 | 4 懿徳 | 5 孝昭 | 6 孝安 | 7 孝霊 | 8 孝元 | 9 開化 | 10 崇神 |
11 垂仁 | 12 景行 | 13 成務 | 14 仲哀 | 15 応神 | 16 仁徳 | 17 履中 | 18 反正 | 19 允恭 | 20 安康 |
21 雄略 | 22 清寧 | 23 顕宗 | 24 仁賢 | 25 武烈 | 26 継体 | 27 安閑 | 28 宣化 | 29 欽明 | 30 敏達 |
31 用明 | 32 崇峻 | 33 推古 | 34 舒明 | 35 皇極 | 36 孝徳 | 37 斉明 | 38 天智 | 39 弘文 | 40 天武 |
41 持統 | 42 文武 | 43 元明 | 44 元正 | 45 聖武 | 46 孝謙 | 47 淳仁 | 48 称徳 | 49 光仁 | 50 桓武 |
51 平城 | 52 嵯峨 | 53 淳和 | 54 仁明 | 55 文徳 | 56 清和 | 57 陽成 | 58 光孝 | 59 宇多 | 60 醍醐 |
61 朱雀 | 62 村上 | 63 冷泉 | 64 円融 | 65 花山 | 66 一条 | 67 三条 | 68 後一条 | 69 後朱雀 | 70 後冷泉 |
71 後三条 | 72 白河 | 73 堀河 | 74 鳥羽 | 75 崇徳 | 76 近衛 | 77 後白河 | 78 二条 | 79 六条 | 80 高倉 |
81 安徳 | 82 後鳥羽 | 83 土御門 | 84 順徳 | 85 仲恭 | 86 後堀河 | 87 四条 | 88 後嵯峨 | 89 後深草 | 90 亀山 |
91 後宇多 | 92 伏見 | 93 後伏見 | 94 後二条 | 95 花園 | 96 後醍醐 | 97 後村上 | 98 長慶 | 99 後亀山 | 100 後小松 |
北朝 | 1 光厳 | 2 光明 | 3 崇光 | 4 後光厳 | 5 後円融 | 6 後小松 | |||
101 称光 | 102 後花園 | 103 後土御門 | 104 後柏原 | 105 後奈良 | 106 正親町 | 107 後陽成 | 108 後水尾 | 109 明正 | 110 後光明 |
111 後西 | 112 霊元 | 113 東山 | 114 中御門 | 115 桜町 | 116 桃園 | 117 後桜町 | 118 後桃園 | 119 光格 | 120 仁孝 |
121 孝明 | 122 明治 | 123 大正 | 124 昭和 | 125 今上 | ※赤字は女性天皇 |