君主制
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君主制(くんしゅせい)は、君主が支配する統治形態(政体)である。君主政ともいう。現代では通例、共和制の対義語として用いられ、君主制の国を君主国、共和制の国を共和国と呼ぶ。君主の称号によって、王制(王政)、帝制(帝政)、首長制(首長政)などと呼ぶこともある。
政治思想の概念としては、一人の人間が終身で支配する政体を指す。歴史上のほとんどの事例がこの定義におさまるが、例外もある。歴史学では、君主制のうち君主の権力が制限されない政体を絶対君主制(専制君主制)といい、憲法によって制限される政体を立憲君主制という。近代以降、徐々に後者の形体を持つ国家が増加していき、絶対君主制を敷く国は現在では数えるほどしかない。また、時同じくして君主制を敷く国家そのものも減少していった。
政治分析の基礎概念として君主制をとりあげ、他の政体と区別して論じたのは、君主を持たないポリスが多数あった古代ギリシアの思想家である。君主制の国がほとんどを占めていた地域では、君臣の関係のような限定的問題を越えて、君主制を国家一般と別に把握する動機が生まれなかった。近代になって、君主制が共和主義者によって脅かされるようになると、ギリシア・ローマの伝統を復活させて君主制を論じる政治思想が登場した。
[編集] 現在の君主国一覧
帝国
2006年現在、皇帝を元首とする国家は存在しないが、「日本国」の天皇の対外的称号は「皇帝(emperor)」となっている。
王国
- イギリス
- オマーン
- オランダ
- カンボジア
- サウジアラビア
- サモア
- スウェーデン
- スペイン
- スワジランド
- タイ
- デンマーク
- トンガ
- ノルウェー
- ネパール
- バーレーン
- ブータン
- ブルネイ
- ベルギー
- マレーシア
- モロッコ
- ヨルダン
- レソト
公国
首長国
その他
その他、イギリス連邦内のエリザベス女王を元首とする国を立憲君主国に含める場合もある。
[編集] 20世紀に君主制から共和制に移行した国
- アルバニア
- イタリア
- イラク
- イラン
- エジプト
- エチオピア
- オーストリア
- 韓国・北朝鮮(1910年に日本によって併合され、李朝が国土の支配権を喪失し、日本による立憲君主制。1948年8月13日に米国軍政から独立後、南北に共和国が成立した)
- カンボジア(1970年共和制移行、内戦ののち1993年王政復古)
- ギリシャ
- スペイン(1931年共和制移行、1975年王政復古)
- セルビア(旧ユーゴスラビア)
- 中国
- チュニジア
- ドイツ
- トルコ
- ハンガリー
- フィジー
- ブルガリア
- ブルンジ
- ベトナム
- ポルトガル
- モンゴル
- ラオス
- リビア
- ルーマニア
- ルワンダ