タフィ・ローズ

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タフィ・ローズ（Tuffy Rhodes、1968年 8月21日 - ）は、元プロ野球選手である。アメリカオハイオ州シンシナティ市生まれ。本名は、カール・デリック・ローズ（Karl Derrick Rhodes）。左投げ左打ちの外野手。パワフルな打撃とインタビューなどでの関西弁のトークで人気だった。1996年から2003年まで近鉄バファローズ（1999年から大阪近鉄バファローズ）に所属。その後2004年から読売ジャイアンツ（巨人）に所属していたが、2005年シーズン終了後に自由契約。その後、移籍先を探していたが、2006年 2月16日にシンシナティ・レッズとマイナー契約。しかし、成績不振からマイナーリーグ降格の通告を受け、3月21日に現役引退を表明した。

[編集] 略歴

1986年　ドラフト3位でヒューストン・アストロズに入団。
1990年　メジャーリーグ昇格。
1993年　シーズン途中でシカゴ・カブスに移籍。
1994年　開幕戦のニューヨーク・メッツ戦でメッツのエースであるドワイト・グッデンから3本塁打を放ちメジャーリーグで名が知れ渡る（開幕戦3本塁打は現在もメジャー記録）。
1995年　シーズン途中でボストン・レッドソックスに移籍。
1996年　近鉄に入団。
2001年　 9月24日の大阪ドームでの西武ライオンズ戦で松坂大輔から本塁打を放ち、シーズン55本塁打（1964年の王貞治と並ぶ日本タイ記録。翌年西武のアレックス・カブレラも達成）を達成してパ・リーグ制覇に貢献。
2004年　巨人に移籍。落合博満につぐ史上2人目の両リーグでの本塁打王獲得。同年途中にフリーエージェントの権利を取得し、翌シーズンから外国人登録除外（郭泰源に続き2人目）。近鉄時代とは異なり、中堅手としての起用が主となる。
2005年　 5月29日の試合で球審に暴言を吐いたとして通算9回目の退場処分。金田正一を抜いて最多記録に。打率が低迷し、球団構想と合致しないせいか、8月9日に右肩の故障のためであるとして1軍選手登録を抹消された。その後、帰国し手術を行ったためシーズン中の復帰は絶望となった。そして11月7日、巨人はローズに対し戦力外通告を行ったと発表。
2006年　2005年の年末頃からオリックス・バファローズとの契約へ向け本格交渉している動きがある、と報じられた。その後、2月16日にシンシナティ・レッズとマイナー契約する事で合意、契約に至る。しかしオープン戦では12試合で27打数6安打と奮わず、レッズからマイナーリーグ降格を通達されたため、3月21日に引退する決意を表明した。尚、以前には2006年ないし翌2007年中にも日本球界に戻る意向を示していたが、これは幻に終わった。

[編集] 打撃成績

（表中太字の数字は年度リーグ最多記録）

年度	チーム	背番号	試合数	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	塁打	打点	盗塁	四死球	三振	打率
1996年	近鉄	20	130	501	80	147	29	1	27	259	97	11	58	122	.293
1997年	近鉄	20	135	511	88	157	37	0	22	260	102	22	91	109	.307
1998年	近鉄	20	134	494	81	127	25	0	22	218	70	15	81	120	.257
1999年	近鉄	20	131	491	94	148	38	1	40	308	101	5	71	115	.301
2000年	近鉄	20	135	525	85	143	25	2	25	247	89	6	60	134	.272
2001年	近鉄	20	140	550	137	180	19	0	55	364	131	9	91	140	.327
2002年	近鉄	20	138	534	94	145	31	2	46	318	117	5	76	140	.272
2003年	近鉄	20	138	508	94	140	16	0	51	309	117	7	100	137	.276
2004年	巨人	20	134	523	95	150	17	0	45	302	99	3	77	147	.287
2005年	巨人	20	101	379	54	91	9	0	27	181	70	2	59	125	.240
通算成績			1316	5016	902	1428	246	6	360	2766	993	85	764	1289	.284

メジャー通算成績：225試合　590打数132安打　13本塁打　44打点　14盗塁　打率.224

[編集] 獲得タイトル

本塁打王　4回（1999、2001、2003、2004）
打点王　2回（1999、2002）
MVP　1回（2001）
ベストナイン　6回（1997、1999、2001～2004）

[編集] エピソード

「タフィ」はタフ（tough）からきている。この由来に関しては、幼少時代、顔面に死球を受け鼻血を出したにも関わらず翌日の試合では元気に試合に出場している姿を母親に「タフだ」と言われたから、同様に顔面に死球を受けたにも関わらず試合に出続けた姿を見た監督が「タフな奴だ」と言ったからの2説が一般に流れているが、前者の母親が絡んでくる話は巨人入団後のプロフィールに記載されたものであり、それ以前の近鉄在籍時には監督絡みの話であったことから母親絡みの方が誤りである可能性が高い。
MLB在籍時代、俊足であるローズにはトップバッターとしての活躍が首脳陣から期待されていたが、ローズはホームランバッターとして試合に出たかった為に首脳陣と折り合わず、その夢を実現するために日本に来ることを決意した（ローズが俊足である裏づけとして、来日直後の3年間で48盗塁を記録していることが挙げられる）。
大阪ドーム外野席には55号本塁打が着弾した（とされる）座席を「ローズシート」とし、一番近い入り口に記念プレートを設置し、ホームランボールが当たった座席は特別にローズ色（バラ色）に塗られている。
長い日本での生活にも慣れ、「狼主」と漢字名の名前をサインに使ったりしている。日本語のレベルもかなり高く、漢字も読める。チームメイトとは日本語で会話を交わし、ヒーローインタビューでもインタビュアーの言葉をほぼ理解しているので英訳は必要無く、ローズが英語で話し通訳が和訳する、というスタイルで行われている。また、近寄ってきたファンにも日本語で会話をしている。ちなみに巨人移籍時、発言によるトラブルの発生を避けるため、「記者と会話する際は、基本的に通訳を介して話すように」という契約が交わされている。見逃し三振に倒れ審判に抗議する際、英語を使ったところ、逆上した審判に「日本語でしゃべれ」と言われたというが真相は不明。また、判定に対する文句を英語で言った際、その審判が元オリックス・ブルーウェーブで英語の通訳をしていた人物であり、ローズの発言に対して退場を宣告した。これに対して、ローズは試合後、「あの審判は英語が話せるのを忘れてた。」と発言していた。
2001年にはホームラン記録を樹立。この記録は中村のアドバイスが大きいとローズ本人は語っていた。
2001年に中村とのコンビでの合計本塁打101本、打点263点は日本記録。また、3番ローズ、4番中村、5番礒部公一でのクリーンアップでの合計打点354点も日本記録。(後にコンビ合計の打点は2005年阪神の金本知憲・今岡誠に、クリーンアップ合計の打点も2005年阪神のシーツ・金本知憲・今岡誠に破られた)
来日当初は大阪市中心部から藤井寺球場まで近鉄南大阪線を使って電車通勤していた。大型バイクに乗るのが好きで、その後バイクまたは自動車での通勤が認められた。通勤に日本バイクメーカーカワサキのバイクを使用してた縁で55号ホーマー達成記念にオリジナル仕様の「ローズバイク」が贈られた（同年ファン感謝デーで本人に1台、ファンに1台プレゼントされた）。巨人移籍後は事故による負傷を防ぐため、通勤手段は車のみに切り替えたが、国際運転免許証の更新が切れていたことが発覚し、日本での運転は自粛。その後は主にハイヤーで通勤している。
焼き鳥が好物で近鉄時代は焼き鳥チェーン店によく通っていた。
近鉄時代、凡退や審判への不満でよくヘルメットを壊していた。困った球団が苦肉の策としてシーズン中に壊したヘルメットの数をシールにし、ヘルメットに貼り付けていた。
2001年、シーズン最多本塁打記録の更新に挑んだが、敬遠四球を受けたこともあって達成できず。この時に当時福岡ダイエーホークスのバッテリーコーチであった若菜嘉晴が試合前、監督不在のミーティングで「どうせあいつはアメリカに帰るんだから、俺たちが監督の記録を守ってやらないといけない」と言って敬遠を指示したと述べ、非難を浴びた。このことはアメリカでも新聞に載ることとなり、王貞治の記録を守ろうとする日本プロ野球の閉鎖的な姿勢が非難された。
梨田昌孝には「養子にしたいくらい」と可愛がられていた。
近鉄時代のヘッドコーチ伊勢孝夫を「日本のお父さん」と慕っており、彼がヘッドコーチからフロントへ転進した後も打撃がスランプに陥った際は指示を仰いでいた。
2003年シーズン終了後、ローズ側は2年ないし3年の複数年契約を望んでいたが、近鉄フロントは「外国人選手に対しては1年契約とするのが原則としている。あのブライアントでも1年契約の積み重ねだった」と主張して決裂。ただ、その前オフ、近鉄フロントは中村紀洋との間で5年25億の大型契約を締結しており、その金銭的な待遇の違いと、外国人差別的なフロントの言い分（外国人選手に対しての複数年契約は認めないという話は02年にも言われた）にローズは失望したといわれ、結局交渉は決裂した（当時「どんなに活躍しても『ガイジン』としてしか扱ってくれない」とフロント及び日本プロ野球界を非難している）。近鉄本社の山口昌紀社長は、2004年にローズには年俸10億円を払っていたと発言しているが、真相は不明である。
2005年に打順を3番から5番に変更されたことについて激怒。日本では4番にチーム最強の打者が座ることが通例になっているがメジャーでは3番最強説が一般的であり（近年ではサミー・ソーサ、アレックス・ロドリゲス、ケン・グリフィー・ジュニア、バリー・ボンズ、マーク・マグワイアが有名である）、ローズにとってはこの打順変更はチーム最強打者という看板を外される「屈辱」に感じられたようである。
2005年、巨人の成績が悪化していた頃に、弘田澄男守備・走塁コーチに守備での緩慢プレーを指摘され、同コーチに対して「投手があれだけ打たれるのも俺のせいか? ジャイアンツなんか大嫌いだ」と発言して掴みかかり、後日オーナー側から罰金を取られた。
日本文化をこよなく愛しており、引退後は故郷の自宅に「和室」を作り、日本刀や日本人プロ野球選手から貰った野球用品を飾る予定。また、日本の野球道具メーカーの品質の高さに感服しており、特にミズノのバットは来日以来使用している。なお、ローズは以前「生まれ変わったら日本人になりたい」と発言している。
大振りしてしまった時に、自分を戒めるためにバットでヘルメット（自分の頭）を叩くクセがある。
ローズはバットを上段に構えてひょこひょこ振ってタイミングを取る独特のバッティングフォームをしているが（一部の書籍では水平打法と記載）、実は98年までは「バットを立てて構える」、99年以降は「バットを寝かせて構える」といった微妙なマイナーチェンジがなされている（2冠王となった99年にフォームを変えたことで成績が良くなったと本人が話している）。また、上段から振り上げるそのバッティングスタイルのせいか、内角低めの膝元に来る球に非常に強かった。
2000年頃まで新聞記者に横浜ベイスターズのロバート・ローズと親戚なのかと尋ねられることが何度もあったそうだが、その度にローズはユニホームの背中部分を見せ、「よく見てくれよ。俺のはROSE（バラ）じゃなくてRHODESだろう?」と呆れながら答えていたらしい。また、その綴りを間違ってユニフォームに書かれたために怒りを示したこともある。
2001年～2003年の近鉄在籍時、ローズは西武ライオンズのアレックス・カブレラと3年続けて本塁打王争いを繰り広げていたが、ローズのせいで2001年、2003年と2度に渡りカブレラは本塁打王を取れなかった選手のシーズン最多本塁打記録を更新した（2001年ローズ55本、カブレラ49本。2002年ローズ46本、カブレラ55本。2003年ローズ51本、カブレラ50本）。
息子が来日するとバッティングの調子が上がっていた（逆に夜遊びできなくなるので下がっていたという説もある）。
日本プロ野球在籍中に9回の退場があるが、これは日本プロ野球記録である。オープン戦での退場という珍しい記録もある。
また、2003年に中村紀洋が西武の青木勇人からデッドボールを受けた際、青木が帽子を取って謝罪しなかったことから一塁ランナーだったローズが激高して突き飛ばし、むち打ち症にさせてしまったことがある。この時、青木は中村しか見ておらず左側からローズが突っ込んでくることがわからなかったため、全くガードしていなかった。これに対し、西武が猛反発し一時ローズを告訴しようとした。ローズの打席で厳しい内角攻めがあり、また、中村に対しても死球直前に厳しい内角攻めがあり、「チームメイトを守るため」とローズが発言していた。
日本プロ野球において、外国人として入団した選手の中で通算本塁打数が1位である。
長期に渡る在日年数により、近鉄に所属する新外国人選手の様々な面での相談役であり、ジェレミー・パウエルには日本野球の攻守に於ける特長や生活に関しても相談を受けていた。なお、パウエルの好物である焼き鳥はローズに教えられたものだとパウエル自身が発言している。
ジョージ・アリアスとは同じ関西球団、アメリカ合衆国出身であったことから非常に仲が良く、アリアスと同じマンションに引っ越した際は、たびたび料理や甲子園球場に招待されていた。甲子園球場でジェット風船を飛ばす姿が新聞記事に掲載されていた。また、その際に新聞記者に取材されており、「僕は阪神ファン。特に井川が好き」とジョークが好きでサービス精神旺盛な彼の性格を表す応答をしていた。
NHK大阪の取材に応える前川勝彦の後ろで、何故か大仏を模した覆面を被って邪魔をしていた。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

近鉄時代のローズの唄

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