ジブラルタル
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モットー: Nulli Expugnabilis Hosti(ラテン語) (どんな敵にも征服されるべからず) |
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言語 | 英語(公用語)、 英語の影響を受けたスペイン語方言であるラニト語も話されている。 | ||||
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首府 | ジブラルタル | ||||
座標 | 36°07′N 5°21′W | ||||
女王 | エリザベス2世 | ||||
総督 | フランシス・リチャーズ卿 | ||||
首相 | ピーター・グルアナ | ||||
面積 - 合計 -水面積率 |
6.5 km² - |
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人口 - 総計(2003年推計) - 人口密度 |
27,776人 4270人/km² |
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通貨 | ジブラルタルポンド(ISO 4217: GIP) イギリスポンドも通貨として使われている。 | ||||
時間帯 - ヨーロッパ夏時間 |
中央ヨーロッパ時間(UTC+1) 中央ヨーロッパ夏時間(UTC+2) |
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ccTLD | .gi | ||||
国番号 | 350¹ | ||||
1. 9567 from Spain |
ジブラルタル(Gibraltar)は、イギリスの海外領土の一つである。
目次 |
[編集] 概要
イベリア半島の最南端に位置する。領域は半島になっており、地中海に面し、陸地側はスペインに接している。言語としては英語、スペイン語、ヘブライ語、アラビア語が広く用いられている。 かつてスペインはユダヤ人を追放したことからジブラルタルには独特のユダヤ人コミュニティが成立しており、またモロッコなどからアラビア語を母語とする多くの商人や労働者が渡来し、居住している。
語源はアラビア語のジブエル・アル・ターリクで、「ターリクの岩」を意味する。ジブラルタル海峡を渡ってイベリア半島を征服したウマイヤ朝の将軍、ターリク・イブン・ズィヤードにちなんだ地名で、アラビア語では「ターリクの山」という意味を持つジャバル・ターリク(جبل طارق Jabal Tarik)と呼ぶ。
ほとんどが石灰岩で占められており、農耕などには不向きの地である。対岸(アフリカ側)のスペイン領セウタの山とともに、ヘラクレスの柱と呼ばれる特徴的な岩山があり、平地部は少ない。
また、大西洋と地中海をつなぐ要衝であるジブラルタル海峡を望める良港であるため、軍事的に重要な意味合いを持っている。
[編集] 歴史
人類の痕跡は古く、ネアンデルタール人の遺跡が発見されている。
古代ローマ時代には、カルタゴ領であり、第二次ポエニ戦争でローマ領になっていた。
西ローマ帝国滅亡後は、西ゴート王国の支配下にあった。
711年 イスラム教勢力がイベリア半島に進出し、以後イスラム圏に入る。756年には後ウマイヤ朝が成立。以後変遷を経て1232年からはナスル朝の支配下に入る。
1309年からキリスト教国との間で争奪戦が繰り広げられる。
1462年、カスティリャ王国がナスル朝よりジブラダルを奪回。
1492年にスペイン王国成立。以後スペイン領。
スペイン継承戦争(1701年 - 1713年)のおり、1704年にイギリスが征服、1713年のユトレヒト条約によりイギリス領として認められ、今日に至っている。
現在もスペインはジブラルタルを自国領と主張し、領土問題となっている。
[編集] 政治
イギリスの自治植民地として、1969年の憲法制定以来、高度な自治を行っている。イギリス女王によって任命されるジブラルタル総督は、防衛・外交・治安・財政に関して責任を持つ。首相は、議会の多数党党首より選出され、地域内における問題は、内閣の責任となる。
ジブラルタルにおいては、国家主権の問題が大きく取り上げられる。スペインはジブラルタルに対し、長年、主権を主張しており、2002年にはイギリスとの間で、共同主権の検討がなされた。これに対し、地元の主要政党、ジブラルタル社会民主党(Gibraltar Social-Democrats、GSD)およびジブラルタル社会労働党(Gibraltar Socialist Labour Party、GSLP)は、ジブラルタルのスペインに対する主権の譲渡に強硬な反対を行い、住民投票においても90%以上が反対の意思を示したため、この構想は実現しなかった。
[編集] 地形
イベリア半島最南端近く、ジブラルタル海峡に向かって突き出した岬に位置する。全体的に石灰岩で出来た「ザ・ロック」と呼ばれる岩山が広がり、最高峰がターリク山(426m)である。東側は崖、西側が緩やかな斜面になっている。本土と岩山とは砂州で繋がっている。
岩山の猿
アフリカから連れてこられた猿達が岩山に棲息している、この猿達がジブラルタルからいなくなったら英国がジブラルタルから撤退するとの伝説があるという。この猿達の世話は英国陸軍砲兵隊の管轄だそうである。また第二次世界大戦中に物資不足から猿の個体数が減少したがチャーチル首相が直々に猿の保護を命じたという逸話が残っている。
気候は地中海性の温暖な気候である。
[編集] 主な産業
ジブラルタルの主要産業は軍事関係(約70%)である。観光やタックス・ヘイヴン、オフショア金融などにも力を入れている。
[編集] 交通
50Kmの道路と50Kmのトンネルがある。イギリス軍が防衛のために作ったものである。
ジブラルタル空港はスペインとの国境付近にあり、車が通る幹線道路を横切って滑走路が一本ひいてある。なので飛行機が着陸する時は、踏み切りの遮断機が降り、車は通行禁止になる。
[編集] 住民
スペイン系の住民が67%を占め、イギリス系の住民は13%である。ポルトガル系やイタリア系もいる。
またスペイン本土からの通勤者も多く、昼間人口ではかなりの割合を占めている。
[編集] エピソード
- 1981年、イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃の新婚旅行の第一目的地となった。ジブラルタルの返還を求める立場のスペイン国王フアン・カルロス1世はこれに抗議し、結婚式への参列をボイコットした。
[編集] 関連書籍
「われらが英雄スクラッフィ」 ポール・ギャリコ ISBN 4488194044 第二次大戦中のジブラルタルを舞台にしたユーモア小説