ゴーストタウン
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ゴーストタウン(Ghost town)は、かつて人間が居住し、都市や集落が形成されたが、集落周辺にある産業の衰退による過疎化や災害・事故などによる退去により、無人となった場所。廃村。島の場合には無人島化。
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[編集] 経済的な理由での盛衰によるもの
[編集] 鉱山の衰退によるゴーストタウン化
![カリフォルニア州ボディのゴーストタウン](../../../upload/shared/thumb/4/46/Bodie_ghost_town.jpg/250px-Bodie_ghost_town.jpg)
アメリカ合衆国のコロラド州、モンタナ州、カリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州に多く存在する。ほとんどは、ゴールドラッシュの頃に、金鉱を目当てに集まった者たちによって形成された町であった。しかし、金鉱が掘りつくされると、ほとんどがその後ゴーストタウンと化した。
日本でも、北海道や九州北部の炭鉱跡を中心に同様の元鉱山町が存在する。多くは、大きな都市の一部の集落が廃村になったものであるが、長崎県の端島(軍艦島)は町そのものが完全にゴーストタウンと化している(現在は長崎市の一部)。北海道夕張市鹿島地区などもそうである。
[編集] 離農によるゴーストタウン化
[編集] 強制的な移住によるもの
[編集] 状況改善によるもの
[編集] 戦争によるゴーストタウン化
- ゴラン高原にあり、現在シリアの主権下にある都市クネイトラは、中東戦争で大きな破壊を受けたが、崩壊したモスク・教会・病院などの施設を全て「イスラエルの攻撃による」として復旧させず廃虚にしたまま放置しており、町全体が反イスラエル的意図を含んだプロパガンダとなっている。
[編集] 災害によるもの
[編集] 火災、疫病によるゴーストタウン化
オハイオ州ルーカス郡プロビデンスは、1846年の火災により町の商業地区が壊滅して人口が減少し、1854年にコレラの流行で残っていた住民も離散した。
[編集] 汚染によるゴーストタウン化
[編集] 核汚染によるゴーストタウン化
鉱山町でないにもかかわらずゴーストタウンと化した例として、旧ソビエト連邦(現在のウクライナ)にあったチェルノブイリ及びプリピャチが挙げられる。これらの町は、1986年にチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故により、住民全員が避難を余儀なくされ、その後無人となったままである。ただし、この地で最期を迎えることを希望した少数の老人が町に戻ったことがあるという情報もある。その他にもウラル地方での核の汚染により多くの村落がゴーストタウン化している。
[編集] ダイオキシン汚染によるゴーストタウン化
ミズーリ州タイムズビーチにおきたダイオキシンを主とする汚染により一帯から住民が退去している。
[編集] 火山の噴火によるゴーストタウン化
日本の三宅島(東京都三宅村)は、2000年の火山の噴火により住民全員が避難して一時無人島化したが、現在は完全に帰島が許可されている。
同じ伊豆諸島の青ヶ島(東京都青ヶ島村)では、1785年に同様に火山の噴火により住民全員が避難して無人島化、50年を経て住民が戻ったという歴史がある。
またトカラ列島の諏訪之瀬島も、火山の噴火により1813年から1883年までの70年間、無人島となった。
[編集] ゴーストタウンの利用
ゴーストタウンによっては、その後町そのものが映画のセットとして使われたり、逆にゴーストタウンであることを売り物に観光地化したところもある。
- 1970年に集団移住が行なわれ廃村となった長野県飯田市大平地区の大平宿(おおだいらじゅく)では江戸時代中期から昭和初期の民家が廃屋として残っており、財団法人日本ナショナルトラストや飯田市、地元の有志により「いろりの里」として保存・修復され、自炊による宿泊が可能となっている。