江戸橋駅
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江戸橋駅(えどばしえき)は、三重県津市上浜町にある近畿日本鉄道名古屋線の駅。
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[編集] 駅構造
島式2面4線のホームを持つ待避可能な地平駅。東側南端に駅舎があり、ホームとは構内踏切で連絡しており、車椅子での移動は容易。1961年まで伊勢線の分岐駅であったため、構内は広い。
便所は改札内にあり、2004年11月に改修工事を行ったにもかかわらず、男女別、汲み取り式のままである。
- のりば
- 津・大阪・鳥羽・賢島方面(待避線)
- 津・大阪・鳥羽・賢島方面(本線)
- 四日市・桑名・名古屋方面(本線)
- 四日市・桑名・名古屋方面(待避線)
[編集] 特徴
- 2004年秋に、ホーム上の吊り下げ駅名標に「三重大学前」と記載された。
- 急行停車駅にもかかわらず、自動改札機が設置されていなかったが、PiTaPa導入に伴う近鉄名古屋線での自動改札機設置の整備により当駅でも2006年11月17日より設置工事が始まり同年11月27日より利用可能となった。
- 特急通過待ちのための停車時間が長い事で有名(津~中川間での待避ができないため)。急行でさえも特急の連続通過のため10分近く足止めを食らうことになる。ただしここで待避をすれば大抵名古屋まで待避待ちに会うことはない。
[編集] 利用状況
- 2005年11月8日の調査結果によると、1日の利用客は7399人。この数字は…
- 近鉄の全調査対象駅(323駅)中、91位。
- 名古屋線の駅(44駅、他線接続駅含む)の中では、11位。
- 三重県内の近鉄の駅(116駅)の中では、12位。
[編集] 駅周辺
[編集] 歴史
元々この駅は、四日市~津間の諸集落を結ぶために設立された伊勢鉄道(現在の同名会社とは異なる)が高田本山~津間を開業させた際、その一中間駅として設置されたものであった。この時は現在地より100m南方に設けられ、単式ホーム1本を有するだけの小駅であった。
その後、伊勢鉄道は伊勢電気鉄道(伊勢電)と社名を改め、電化した上で北は桑名まで、南は大神宮前(豊受大神宮、俗に言う伊勢神宮外宮の西側)までの延伸を果たし、三重県における一大私鉄に成長する。
だが、この過大な投資と昭和恐慌による乗客低迷で苦境に陥り、1936年に現在の近鉄の直径母体である大阪電気軌道(大軌)の子会社で、この当時現在の近鉄大阪線桜井以東・山田線・名古屋線津~伊勢中川間を開業させ、津~伊勢間で伊勢電と競合関係にあった参宮急行電鉄(参急)に合併される。これに伴い伊勢電気鉄道の路線は同社の伊勢線となったが、この段階では接続駅はまだ設けられず、参急津線の津駅と参急伊勢線の部田駅(元は伊勢電津駅)の間を徒歩連絡としていた。
伊勢電と参急の両社は元からそれぞれ名古屋への延伸を計画していたため、統合後の参急では伊勢電が保有していた免許・路盤を活用し、関西急行電鉄(関急)を設立して建設に乗り出した。そして1938年にこれを完成させるが、同時に参急では津線と伊勢線を同一ホームで乗りかえ出来るようにするため、津線を江戸橋駅まで乗り入れさせる事にした。これに伴い江戸橋駅は両線の接続駅として使命を帯びるようになり、関急名古屋~大神宮前間の列車と上本町~津間の特急電車が日2往復接続を行って、名阪間の新ルートを形成した。
しかし津線は1435mm、伊勢線は1067mmと建設経緯から軌間が異なっており、直通運転は不可能であった。そのため参急では、接続駅を本線から津線が分岐する参急中川駅に改める事にし、同年末に津~中川間を1067mmに改軌した。これに伴い名古屋~中川間が本線の名古屋線となり、伊勢線として残った江戸橋~大神宮前間は支線として扱われるようになった。また名古屋~大神宮前間の直通列車は削減され、多くは名古屋~中川間運転の列車と江戸橋駅まで併結運転をするようにもなった。
1942年に伊勢線の新松阪~大神宮前間が廃止されると、同線は盲腸線と化し、優等列車の運転はなされなくなった。同線は戦後も残ったが、伊勢湾台風の復旧工事で名古屋線が軌間1435mmの標準軌に改軌されたのに対し、伊勢線は1067mmのままで復旧され、完全に孤立路線となって乗客も減少、1961年に廃線となった。
[編集] 年表
- 1917年(大正6年)1月1日 伊勢鉄道一身田町(のちの高田本山)~津(のちの部田)間開通時に開業。
- 1926年(大正15年)9月12日 伊勢鉄道が伊勢電気鉄道に改称。伊勢電気鉄道の駅となる。
- 1936年(昭和11年)9月15日 参宮急行電鉄が伊勢電気鉄道を合併。参宮急行電鉄(伊勢線)の駅となる。
- 1938年(昭和13年)6月20日 参宮急行電鉄津線開業。
- 1938年(昭和13年)12月7日 江戸橋~参急中川間の標準軌から狭軌への改軌の際に、桑名~参急中川間が名古屋線、江戸橋~大神宮前が伊勢線となる。
- 1941年(昭和16年)3月15日 大阪電気軌道との会社合併により関西急行鉄道の駅となる。
- 1944年(昭和18年)6月1日 関西急行鉄道と南海鉄道の合併により、近畿日本鉄道の駅となる。
- 1959年(昭和34年)6月 100m北へ移転。
- 1961年(昭和36年)1月22日 伊勢線廃止。
[編集] 隣の駅
[編集] かつて存在した路線
- 近畿日本鉄道
- 伊勢線
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- 江戸橋駅 - 部田駅
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