西武百貨店
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 171-8569 東京都豊島区南池袋1-28-1 |
電話番号 | 03-3981-0111 |
設立 | 1940年 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | 百貨店業 |
代表者 | 代表取締役社長 大崎文明 |
資本金 | 60億円 |
売上高 | 4761億4300万円(2006年2月期) |
従業員数 | 2451人(2006年2月28日現在) |
決算期 | 毎年2月末 |
主要株主 | ミレニアムリテイリング100% |
関係する人物 | 堤清二 |
外部リンク | http://www.seibu.co.jp/ |
株式会社西武百貨店(せいぶひゃっかてん、The Seibu Depertment Stores, Ltd.)は、日本の百貨店の一つ。かつてのセゾングループ。現在は、そごうと共同のミレニアムリテイリンググループであり、セブン&アイ・ホールディングス傘下。本店は東京都豊島区南池袋1丁目28番1号。
目次 |
[編集] 概要
1940年に、西武鉄道の前身である武蔵野鉄道が、京浜電気鉄道系列の菊屋デパート(京浜デパート)池袋支店を買収し、武蔵野食糧を開設。終戦を迎えるも空襲で池袋は消失。1947年、帝都百貨店を吸収し武蔵野デパートと改称。1949年に西武百貨店と改称した。1950年代前半に順次増改築が進み、関東初の大規模なターミナル型デパートとなる。
1955年、堤清二が取締役店長に就任。父・堤康次郎は政治家になって実業を離れていたが、鉄道・流通一体となった「西武企業グループ」の全国展開を目論みいまだ手腕を振るっていた。しかし、父の死後は相続問題により「西武鉄道グループ」と「西武流通グループ」に分裂(1971年)。安定基盤である鉄道や不動産を失ったことで、流通グループは<西武>を名乗りながらも、いわば単独の道を歩み始める。こうした背景のもと、増田通二が開発した渋谷パルコの成功にヒントを得た「文化戦略」を打ち出し、「西武セゾングループ」と改称してからは急成長を遂げる。地方百貨店との提携店や、西友運営の西武店(LIVINの項目参照)などで店舗網を増やし、もはや西武沿線やコクド(現・プリンスホテル)の拠点を抜け出し、全国制覇が実現した。さらに<西武>を廃し「セゾングループ」と改称、独立色はより鮮明となった。
[編集] 日本一オシャレな百貨店へ
辻井喬のペンネームで小説家でもある堤清二氏は、日本でいち早く欧米の高級ブランドエルメス、ラルフローレンなどを西武百貨店に取り入れ、日本一ブランド力のあるオシャレな百貨店に成長させた。
また、パルコ、ロフト、無印良品、コンラン卿と提携したハビタ館、WAVE、リブロなどの異業態を作り、銀座セゾン劇場、渋谷パルコ劇場、セゾン美術館、パルコ出版などメセナ・文化事業も幅広く手掛けた。
中でも旗艦店の池袋店は、数多くの文化施設から次々に新鮮な企画が打ち出された。新進作家の小物を展示即売するクリエイターズスペース、ビデオ・舞踏・落語などのイベントが行われたスタジオ200、ソフトが豊富だったビデオポート、ビデオ制作のスタジオテック、出張撮影が依頼できるキネテック、貴重盤の多いディスクポート、演劇ショップのワイズフールなど、それは、セゾン文化と呼ばれ一世を風靡し、西武百貨店のブランド力を益々強固なものにすることに貢献した。
[編集] 国内2位の百貨店グループから日本最大の流通グループへ
1992年、和田繁明が会長に就任。カリスマ堤清二のもと管理機能が不在となり、あらゆる弊害が顕在化している現状を痛烈に批判した『西武百貨店白書』を公表。この中で「百貨店は構造不況」だと指摘している。
バブル崩壊に伴う過去の不動産への過剰投資が重荷となり、パルコ等セゾン文化の中で養われた独自ブランドを手放し、更に最大の収益力を誇る池袋本店を不動産投資信託化して一千億以上の資金を調達するなどして再建に取り組んだ。
西武百貨店の再建に明るい兆しが見えて来た所で2003年6月1日十合(そごう)と西武百貨店の両社は共同持株会社ミレニアムリテイリングを設立し、西武百貨店による(未だ再建が軌道に乗っていなかった)そごうの救済という形で百貨店業界の再編が進んだ。この結果、高島屋に次ぐ国内2位の巨大百貨店グループが誕生することになった。
その後、再建を確かなものとするために野村証券グループなどを引受先とする増資を行い、連結子会社として株式上場を目指していたが、野村プリンシパルファンドと西武百貨店の間で上場時期を巡る意見の対立が顕在化したことに加え、敵対的買収防衛策の観点から、ミレニアムリテイリンググループはセブン&アイ・ホールディングスの傘下入りを決めた。その結果、かつてのセゾングループに匹敵する、国内最大の流通グル-プが誕生した。
なお、関西地区の西武百貨店は1976年(昭和51年)に開店した大津店を皮切りに西武百貨店関西によって運営されていたが、業績不振により西武百貨店(本社)へと統合された。しかし、その後も関西地区での業績は伸びず、関西の西武百貨店のシンボル的存在でイトマン事件の舞台になった「つかしん(塚新)店」(尼崎市。1985年開店)が2004年5月9日に閉鎖される結果ともなった。
[編集] 店舗
- 池袋(東京都豊島区)
- 渋谷(東京都渋谷区)
- 有楽町(東京都千代田区)
- 札幌
- 旭川
- 秋田(旧ほんきん西武)
- 筑波
- 所沢
- 船橋・渋谷店と並んで多店舗展開のスタートになった店舗。
- 東戸塚(横浜市戸塚区):オーロラモール。ダイエー東戸塚店ともに核テナント。
- 福井:福井西武(旧だるまや西武)
- 沼津
- 岡崎:イオン岡崎ショッピングセンター
- 大津
- 高槻
- 八尾
[編集] かつてあった店舗
西武百貨店が運営していたことのある店舗。西友が運営していた店舗はLIVINの項目を参照のこと。
- 函館 西友経営であったが、のちに西武百貨店運営に。2003年閉鎖。
- 松木屋 青森の老舗百貨店。セゾングループがまだ30社程度だったころからのグループ企業。2003年閉鎖。
- 仙台 旧緑屋店舗。クレディセゾンから業務委託を受け、ams西武仙台店として営業していたが2003年8月10日閉店。同じ建物に現在は仙台ロフトが入居中。
- 宇都宮 ロフト館(1999年3月閉館)/商業複合ビル「Festa」として再オープン。本館(2002年12月閉店)/長崎屋が2003年11月に「ラパーク長崎屋宇都宮店」オープン。
- 大宮 ロフト転換。現在もロフトとして営業中。
- 川崎 2003年8月10日閉店。2004年3月ヨドバシカメラ・マルチメディア川崎ルフロンとしてリニューアルオープン。
- 鎌倉 1959年9月に開店したが、小規模店であったため1973年2月に閉鎖。
- 志澤 西武系の老舗百貨店、以前は神奈川・静岡に店舗があった、本店は小田原。1997年閉鎖。
- 八王子 1991年に錦糸町西武に移管、1993年閉鎖。小田原店、八王子店は閉鎖後、温泉施設に。
- 軽井沢 夏季のみ営業の店舗であったが1990年代に閉鎖。跡地は西武鉄道系のショッピング店舗へ。
- 小松 西友としてオープン後西武となったが閉鎖。現在は小松大和。
- 浜松 1997年12月閉鎖。跡地はザザシティ浜松西館。
- 豊橋 豊橋丸物と提携・改名。2003年8月10日閉鎖。
- 尼崎 塚新西武(つかしん内)。2002年9月、全館(7フロア)から2フロアへと規模縮小。2004年5月9日閉店。(※グンゼタウンセンター つかしんで詳述)
- 神戸 神戸ハーバーランド内。1994年閉鎖、わずか2年ほどの営業で史上最も短命。跡地は、パソナにより「神戸ハーバーサーカス」が入居したもののこれも撤退し、現在は「ビーズキス」。
- 高知 旧名「とでん西武」、2002年12月25日に閉鎖。
- 静岡 2006年3月31日閉店。同店が入居していた「田丸屋ビル」を改装し、「静岡パルコ(仮称)」が開店予定(2007年春)。
- 富山 2006年3月31日閉店。
[編集] 計画のみで出店に至らなかった店舗
- 新百合ヶ丘(川崎市麻生区) - スポーツクラブ「リボン館」併設の複合店舗としての計画だったが、バブル崩壊後で財政事情などにより出店断念。なお出店予定地はイオングループのマイカルによる「新百合ヶ丘サティ・ビブレ」「コナミスポーツクラブ新百合ヶ丘」として現在営業中。
- 広島駅前(広島市南区) - 広島駅南口再開発事業Bブロックの核テナントとして内定していたが、経営悪化で1996年に出店計画を中止。
- 中百舌鳥駅(堺市北区) - 中百舌鳥駅前再開発事業の商業施設として落札したが、そごうとのトラブルや、バブル崩壊などで1993年に出店計画を中止。「堺市の中百舌鳥副都心計画」を参照。
[編集] セゾンカードの勧誘
西武に限らずクレジットカードの勧誘合戦がスーパー・百貨店を問わず熾烈になっているが西武の場合勧誘がしつこいとの批判の声が上がっている。具体例では「通路を歩いていたら声をかけられ、断ってもなかなか引き下がらない」「クラブオンカードのポイントを商品券へ引き換える際に担当者から切り替えをしつこく迫られた」などである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
日本の大手百貨店 |
伊勢丹 | 西武百貨店、そごう(セブン&アイ系) | 大丸 | 高島屋 松坂屋 | 三越 |阪急百貨店(阪急百貨店グループ系) 日本の百貨店のページで「全国的に展開」とされているものを掲載。 |
- セブン&アイ・ホールディングスグループ
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コンビニエンスストア: セブン-イレブン 総合スーパー(GMS): イトーヨーカ堂 大型ショッピングセンター: Ario(モール・エスシー開発) ファミリーレストラン: デニーズ | ファミール スーパーマーケット(SM): ヨークベニマル | ヨークマート | カドヤ | サンエー | ザ・ガーデン自由が丘(シェルガーデン) 百貨店: そごう、西武百貨店(ミレニアムリテイリング) | ロビンソン百貨店 専門店: ロフト | メリーアン 金融サービス: セブン銀行 | アイワイ・カード・サービス IT/サービス業: セブンドリーム・ドットコム | セブンアンドワイ
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