国鉄ED37形電気機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ED37形は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した直流用電気機関車である。
[編集] 概要
もとは、奥多摩電気鉄道(現在のJR東日本青梅線の一部)が新線開業用に1943年(昭和18年)に東京芝浦電気に1両を発注した電気機関車(1020形(1021))であるが、1944年(昭和19年)の完成時には、奥多摩電気鉄道が戦時買収のため国有化されており、直接国有鉄道に納入された。
本形式は、東芝標準型といわれる凸型車体の電気機関車であり、数多くの同系機が各地の私鉄に納入されている。国鉄籍を得たものでは、宮城電気鉄道引継ぎのED35形がある。
落成後も国鉄形式を付与されることなく西国立機関区(後の立川機関区)に配置され、青梅線、南武線で貨物列車の牽引用に使用された。一時、作並機関区(仙山線)に転属したが、1952年(昭和27年)1月に宇部線に移り、宇部港駅構内の入換え用や小貨物列車の牽引用となった。
また、同年、他の私鉄買収電気機関車とともに国鉄形式を付与され、ED37形(ED371)と改称された。さらに1961年(昭和36年)には、ED29形(2代。ED2911)に改称されている。
1962年(昭和37年)に浜松機関区に転属し入換え用に使用されたが、1963年(昭和38年)11月に廃車解体された。
[編集] 主要諸元
- 全長:11050mm
- 全幅:2800mm
- 全高:3840mm
- 重量:42.0t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:B-B
- 1時間定格出力:440kW(1350V定格)
- 1時間定格引張力:6875kg
- 主電動機:SE150形×4基
- 動力伝達装置:1段歯車減速、吊り掛け式
- 歯車比:17:79=1:4.65
- 制御方式:非重連、抵抗制御、2段組合せ制御
- 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
- ブレーキ方式:EL14B空気ブレーキ、手ブレーキ
- 台車形式:板台枠、イコライザ式
日本国有鉄道の電気機関車 |
---|
直流用旧形機関車 |
EB10/AB10・ED10・ED11・ED12・ED13・ED14・ED15・ED16・ED17・ED18・ED19・ED23・ED24 ED50・ED51・ED52・ED53・ED54・ED55(計画のみ)・ED56・ED57 EF10・EF11・EF12・EF13・EF14・EF15・EF16・EF18・EF50・EF51・EF52・EF53・EF54・EF55・EF56・EF57・EF58・EF59・EH10 |
アプト式機関車 |
EC40・ED40・ED41・ED42 |
私鉄買収機関車 |
ED20・ED21・ED22・ED25・ED26・ED27・ED28・ED29・ED30/ED25II・ED31・ED32・ED33/ED26II・ED34/ED27II・ED35/ED28II ED36・ED37/ED29II・ED38/ケED10/デキ1(旧宇部)・ロコ1(旧富山地鉄)・デキ501(旧三信)・ロコ1100(旧南海) |
直流用新性能機関車 |
ED60・ED61・ED62・EF60・EF61・EF62・EF63・EF64・EF65・EF66・EF67・EF90 |
交流用機関車 |
ED44・ED45・ED70・ED71・ED72・ED73・ED74・ED75・ED76・ED77・ED78・ED79・ED90・ED91・ED93・ED94・EF70・EF71 |
交流直流両用機関車 |
ED30・ED46/ED92・EF30・EF80・EF81 |
開発史 |
日本の電気機関車史 |