富岩鉄道ロコ1形電気機関車

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ロコ1形は、かつて存在した日本の直流用電気機関車である。富岩鉄道が1937年（昭和12年）に製造したもので、富山地方鉄道への合併を経て、1943年（昭和18年）に同社の戦時買収により国有鉄道籍を得たものである。

[編集] 構造

動軸4軸（二軸ボギー台車×2）を持つ、凸型機である。車体は、いわゆる「南海形」と呼ばれるもので、前面に4個、側面に窓3枚と助士席側に乗務員扉を持つ比較的大型の運転室を持つ。電源は、直流600V。集電装置は、菱形のパンタグラフが中央部に載っている。国鉄での廃車時点では、標準品のPS13を装備していた。

台車は、車体に比べて貧相な短軸距（1370mm）の電車用ブリル27GE-1で、主電動機は形式不明の59.68kWのものを4個装備し、直接制御式であった。歯車比は17:75である。

[編集] 経歴

書類上の製造は南海鉄道工場であるが、現車の銘板は「昭和12年木南車輛製」で、南海鉄道が電気機関車の車体更新を行なった際に不要となった旧車体を流用して鋼体化し、電動機も台車も中古品の寄せ集めらしい。1943年の国有化後も、そのまま富山港線で使用されたが、国鉄形式を与えられることなく1949年（昭和24年）11月に廃車となり、土佐電気鉄道に譲渡のうえ同社のED1000形（ED10001）として、安芸線で1972年（昭和47年）10月まで使用された。

安芸線には、1950年（昭和25年）6月15日付けで使用開始され、1956年（昭和25年）5月、制御器を間接式に交換、1960年（昭和35年）3月、粘着力を増すため運転室内に死重として鉄製ブロックを積んで自重を30tとした。

[編集] 主要諸元

電気方式：直流600V（架空電車線方式）
主要寸法（最大長×最大幅×最大高）： 9500×2556×4055
軸配置： B-B
重量： 25t → 30t
1時間定格出力： 240kW（600V定格）
主電動機形式（個数）： K61003A×4
動力伝達装置： 1段歯車減速、釣り掛け式
歯数比： 17:75
制御方式：直接制御 → 間接制御
ブレーキ方式：空気ブレーキ、手ブレーキ

[編集] 関連項目

富岩鉄道の電車
国鉄ED26形電気機関車 (初代)（元富岩鉄道ロコ2）

日本国有鉄道の電気機関車
直流用旧形機関車
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