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東京都立日比谷高等学校

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東京都立日比谷高等学校(とうきょうとりつひびやこうとうがっこう)は、全日制普通科都立高等学校。所在地は東京都千代田区永田町二丁目。

東京都立日比谷高等学校

東京都立日比谷高等学校通用門

過去の名称 東京府立第一中学校
国公私立の別 公立学校
設置者 東京都
設立年月日 1948年4月1日
創立記念日 1878年9月26日
共学・別学 男女共学
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
学科 普通科(8クラス)
学期 2学期制
所在地 〒100-0014
東京都千代田区永田町2-16-1
電話番号 03-3581-1034
FAX番号 03-3597-8331
外部リンク 公式サイト

目次

[編集] 概要

1878年、現在の文京区本郷に東京府第一中学として開校。戦前は東京府の筆頭中学としてのみならず、いわゆる「府立一中」として全国的に知られていた。「日比谷」の名は、戦後の改称時に当時の菊池龍道校長(第13代・後 駒場東邦中・高創設者、初代校長)が、1899年1929年まで校地のあった旧麹町区西日比谷1番地(現千代田区霞が関一丁目1番)に因んで命名した。

戦前は第一高等学校へ、戦後は東京大学へ全国最多の卒業生を送り出すトップ進学校としての地位を永らく維持していた。創立当初の黎明期から明治中頃あたりまでは、中産階級の育成を目的としたと思われる「中人」または「実業人」などといった具体的な教育像が定まらない中においても、東京府学務課の独特の正則教育の方針もあって上級学校への進学面に重きをおいてはいなかった。草創期に、上位学校への進学を目的とした変則科ではなく正則科に入学した夏目漱石がその後二松学舎や成立学舎に移っていったのは、混沌とした学制混乱期と官公立の宿命としての当時の一中の教育のありかたの一例として見ることができる。1890年に勝浦鞆雄校長(第9代・前 東京府尋常師範(現・学芸大学)幹事)が就任後は、生活指導と進学指導が活発化。それまで私立校(今で云う塾・予備校に相当)の後塵を拝していた進学実績は伸びることとなり、明治後半から終わりにかけて(明治の終わりから大正元年にという見方もある)一躍一高合格者数で首位に踊りだした。既にその名は全国に知れ渡っていたが、この頃から一高-帝大への一貫ルートとして名実共に世間に認知され、人口に膾炙した。ただ、一高を目指す風潮が強い余り、旧制高校への現役合格者数全体でみた場合、特に昭和の時代に入ってから四中(戸山)等に及ばないことなどもみられるなど、伝統的にガツガツした面とは無縁である一方で、このように一高への執着が強かったことも権威主義的である一面としてみられた。

また、1909年川田正澂(第10代・前仙台一中校長)が校長に就任してから、後の時代にかけて連綿と続くリベラルと譬えられる校風が花開いた時期でもあり、政治・経済方面は言うに及ばず文学・芸術方面に至るまで各界に異色な人材を輩出してゆく基盤となっていった。ただやはり世間の詰込学校、或いは規則学校という風評どおり官僚的で厳格な校風で成績にも煩く、この頃(大正9年)、卒業生の為に補習科が設けられもした。 官僚や学者などにならず、漱石や谷崎潤一郎などに代表される文学や芸術方面に傾倒・耽溺していった、今で云うフリーターに近い生活を送っていた一群を総じて「一中くずれ」とも称し、戦前は肩身の狭い思いをしていたこともあったが、戦後に価値観が一変してからは如蘭大会に名士として積極的に招かれていた。

1940年より学区制施行。その年のみ、筆記なしの口頭試問と内申点のみの入試が導入された。1945年3月の入試は定員に満たなかった為、全員合格した。戦後の学制改革を経て、都立一高、さらに現在の日比谷高校に改称した。旧制中学の前半に当たる部分を新制新星中学校(のちの青山中学校)として本校内に設置、その過度期の3年間、日比谷高校の入学試験は実施されなかった。その後は、近隣の番町小麹町中等に日比谷志願の越境入学者が全国から押し寄せるなど、受験過熱化と共に東大ひいては権勢への登竜門として位置づけられることになる。

校舎
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校舎

1967年に導入された都立高校の入試制度改革により、受験者が限られたこともあり志願者層の変化、および戦後民主主義の時代風潮や学園紛争の影響下、1965年の進学指導を中止する申渡しである小尾通達もあり、補習科の廃止や進学指導を中止する動きが広まったことなど教育内容面で大きな変化が起こったことなどもあいまって、東大合格者数トップの座を失い、同じ都立校である西戸山等と比較しても急速に東大合格者数上位校からその名が消えた(但し、1968年度の東大入試における合格者数トップの座は灘高であり、学校群制度の卒業生が出る以前にトップの座は失っていた)。とはいえ、現在でも都立高校入学者選抜での願書出願・合格発表ニュースの主たるソースとしてマスコミが取り上げるなど、全国的に名前の知られた数少ない公立高校の1つである。

2001年度の入学者選抜から主要3教科(国・数・英)において公立高校としては全国で初めて独自入試問題が導入された。導入の目的は学校群など都立校の一連の制度改定以降、時代を下るに連れ次第に顕になっていく受験低年齢化の風潮に棹さして、公の観点から「青少年期に多様で異質なものの接触(丸山眞男)の機会を確保し、独自の判断力を培うエリートの養成校」たろうとする復権の意志にある。国、数、英3科目の自校作成問題の難易は、中~上位私立高入試程度である。それまでの都教育委員会作成の共通問題においては、本校程度のレベルの場合、満点に近い点数を取る受験生が続出し、学力に基づく適切な合否判定が困難な状況であったと推測されるため、自作問題の導入はそうした問題点を解消するという意味でも、校内外で一定の評価がされている。また、同年秋には東京都より進学指導重点校の指定を受け、2003年には都立高校の学区制が完全に廃止されたことなどを背景として進学実績の回復も期待され、2005年春の東大合格者数が14名、早慶への現役合格者数(延べ)が都立校でトップとなるなど、改革施行からわずかの期間で着実に実績を上げつつあることにより、全国公立諸校の「復権」テーマとともにマスコミに注目されるなど伝統校としての強みが改めて注目されている。

2006年度(平成18年度)高校入試は、男子で2.5倍、女子で2.1倍を記録する厳しい戦いとなった。これは、1994年度(平成6年度)以降最高の倍率となった。特に女子の推薦入試では倍率が6.9倍に跳ね上がり、激戦となった。

戦前から戦後にかけて、「一中-一高-帝大」あるいは「番町-麹町-日比谷-東大」などと盛んに喧伝されもし、また「天下の一中」、あるいは「天下の日比谷」としてその矜持を永年に亘って保持してきた。明治から高度成長期にかけては、国家有為のパワーエリート育成の象徴として、戦後民主主義華やかりし時代は、学校群制度制定とともに"保守反動"や"学歴貴族"もしくは学校民主化の象徴として、モラルハザードが云われる現代は、パブリックの復権の象徴として、その時代時代の思潮を反映した人材育成が期待されている。あるいはこうも言える。内申点・面接のみで入学してきた昭和20年卒業生の存在が、ちょっとした騒動の末、時の西村房太郎校長辞任を生んだように、学校群など一連の改定以降、その他都立主要校と比較、東大合格者数を大きく減らしてきたのも、内外の趨勢・期待・批評に学校全体の士気(モラール)が過敏に一喜一憂してしまう体質に大きな起因がある。この学校の成立ち・経緯から見てそれも致し方ないが、学校気質が垣間見せる脆弱性の一側面として見ることができる。

グラウンドに隣接する星陵会館(後援団体である「財団法人星陵会」が運営)は内外の各種催し物等に使用され、外部利用では土地柄から官公界の催事が多い。また1963年以来、全国高体連事務局も会館内に置かれ、会長は通常日比谷高校長が兼ねることになっている。1994年に、その建築物としての歴史的意義を惜しまれつつも老朽化のために取り壊された「講堂」は再建の声も根強く、入学式・卒業式ですら外部施設を使わざるを得ない状況も鑑み、体育館の改修とも平行して検討俎上にあるが、東京都の財政難もあるのと、またその一部に結果の平等を志向する向きや反対する利益集団もあるのか現状では成案には至っていない。

補充学校、分校、本校校舎内で開校など、本校にゆかりのある学校として、都立戸山高校都立両国高校都立大附属高校東京都立大学都立豊多摩高校都立大森高校港区立青山中学校(新制新星中学校として本校に置かれる)等がある。

[編集] 沿革

正門
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正門
  • 1878年 - 東京府第一中学として創立。
  • 1881年 - 第二中学と合併し、東京府中学校となる。
  • 1887年 - 東京府尋常中学校と改称。
  • 1899年 - 東京府中学校と改称。
  • 1900年 - 東京府第一中学校に改称(二中三中四中が設立の動きへ)。
  • 1901年 - 東京府立第一中学校に改称。
  • 1929年 - 日比谷から現在の永田町に移転。
  • 1943年 - 都制施行により東京都立第一中学校と改称。
  • 1948年 - 学制改革により東京都立第一高等学校と改称。
  • 1950年 - 東京都立日比谷高等学校と改称。男女共学開始。

[編集] 沿革小史

「明治前期中学校形成史 府県別編I」 神辺靖光 梓出版社 の論考によると以下。

  • 学制公布以前、明治政府は小学→中学→大学の規則を公示した。そのモデルとして1870年、東京府中学が元・昌平学校(前昌平黌、のち東大)を仮校舎として設置。すぐに旧岸和田藩邸(現在の日比谷高校の場所)にて開校した。翌年、文部省設置と共に引きとられた。
  • 1872年学制制定により、政府の試作により東京に第一大学区第一番中学(南校)、第二番中学(東京開成学校)が設けられた。これらはのちの東京大学となる。そののち官立東京開成学校(のちの東大)に最大の入学者数を送り出していた官立東京英語学校が官立東京開成学校予科と共に1877年、東京大学予備門(のちの第一高等学校)として発展的統合をした為、それまで中学の役割を担っていた東京英語学校の跡地(旧高田藩邸)に、東京大学初代総理(現 総長)・加藤弘之が文部省普通学務局長(のち初代文部次官)・辻新次と共に、大学予備門に接続する前課程としての東京府中学設立の要請をした。
  • それまで東京には漢学塾や洋学校も含めた各種学校(※注1)が全国の30%にあたる565校もあり、その中で中学校に準じるものの殆どが英語・数学を主とする進学予備校であった。政府や東京府はその学科偏頗をして正規の学校と見做さず、1878年、東京府第一中学設立となった。また此処において小学→中学→高校→大学の進学階梯が完成した。結局、跡地には脚気病院が入ることとなり、東京府第一中学は文京区本郷の旧・玉藻小学校にて開校した(のち、すぐに跡地の旧高田藩邸に移る)。当初、東京府第一中学(1881年から東京府中学)は高等普通教育を教授する機関として独自の正則教育を標榜していたが、設立以来の東大の要請もあり次第に一高、東大への一貫ルートとしての色合いが濃くなっていった。以後も東京府中学と予備門、東大との教員の交流は独特なものがあり、一中→一高→東大とされた所以でもある。

※注1 当時の各種学校には、進学予備校としては日本中学、廃校寸前で高橋是清が進学予備校として復興させた共立学校錦城中学夏目漱石も受験英語を学んだ成立学舎などがあり、漢学塾としては二松学舎、宗教系としては青山学院、軍関係としては攻玉社海軍予備校成城、他に慶應義塾などがあった。

[編集] 特色

  • 伝統的に「100分授業」が知られており、かつては全国各校が取り入れた(現在では、45分枠を2枠連続させた95分授業)。また、戦後の「授業参加」に端を発する「発表授業」(生徒自身がテーマを分担し、自ら授業を行う)も社会科学・自然科学系科目を中心に続いている。
  • 1年次には「数学演習」が、2年次には「第二外国語」等の自由選択科目がある。授業では少人数授業習熟度別授業が行われている。
  • 現行の標準服は、多くの伝統校でも全国的に自由服化が進んだなか、生徒総会、服装問題検討特別委員会での検討を経て、1967年度に最終見直しが行われたものであり、着用義務がある。男子は、一中時代に採用された紺詰襟ホック型式とともに、新制高校に移行してから採用された黒詰襟燻ボタン型式が併用されている。女子は、紺色のテーラーカラーシングル(三つ釦)及びスカート(前後二本ずつの箱ひだ)である(男女ともに、夏季は上着無し、服地色はグレイでもよい、とされている)。

[編集] アクセス

[編集] 諸活動

文化祭、校内誌、学生歌、各種団体等の愛称としてよく用いられる「星陵」は、隣地の日枝神社も含めた周辺一帯の高台が古くから「星野山」、「星ヶ岡」(または星ヶ丘)と呼ばれたことにちなんだもの。学生生活は各種の委員会・部活動が中心となっており、各部とも全国や関東大会出場、都大会上位進出等の経験を誇り、また図書委員会の雑誌『リブラリア』は創刊から50年が経ち、生徒発行のものとしては長い歴史を誇っている。

[編集] 委員会活動

  • 生徒会役員会・・・平成18年度より新しく作られた(1960年代の学園紛争により、一度廃止されたため存在していなかった)
  • 図書委員会・・・図書室カウンターでの本の貸出・返却作業を主に行う。定期的に機関紙「リブラリア」を発行。「地下三部(下記)」幹部の兼任が多く、OBとの関わりも強い。
  • 雑誌委員会・・・「いてふ台」の発行を行う。
  • 新聞委員会・・・「日比谷高新聞」の発行を行う。
  • 放送委員会・・・昼休みに放送を流すほか、星陵祭のCM放映や体育祭の音響面も担当。
  • 保健委員会・・・星陵祭で展示発表を行っている。
  • 学級委員会
  • 美化委員会
  • 体育大会実行委員会・・・体育委員から有志が集まって構成される。体育大会・球技大会等の運営を行う。
  • 合唱祭企画委員会・・・執行部は音楽部を中心に構成され、前年度から準備を始める。
  • 星陵祭企画委員会・・・委員の中から更に有志を募って構成された「チーフ会」が、執行部として星陵祭(文化祭)を動かしている。星陵祭のすべてを司っていて、半年以上前から準備を始める。総務装飾広報イベントの4部門からなり、それを前年度委員長から指名された委員長がまとめる。各部門のチ―フもほぼ指名制。4000人以上の来校者があるため、チーフ会には常に責任が付きまとう。

[編集] 部活動

  • 陸上競技部・・・大正時代の黄金期はOBの日本記録保持者も数人輩出、近年でも静岡国際優勝者も。関東大会出場者も見かける。
  • 弓道部・・・個人戦で関東大会など上位大会出場者も見かける。部員は運動部最多。
  • 剣道部・・・昨年は関東大会出場者も出した。
  • 柔道部
  • 硬式野球部・・・都準優勝など先の戦争を挟んだ時期が一番強かった。宇野光雄六大学野球の選手らがコーチに来たりした伝統からか、六大学野球で活躍するOBも多い。
  • 軟式野球部・・・硬式から望月秀一らが創部。同好会的色彩が強い。
  • サッカー部・・・近年の運動部では男子入部希望者が一番多い。昭和に入ってから創部された。
  • ラグビー部・・・昭和35年に全国ベスト8、当時全国指折りの東京で昭和50年代まで関東大会最多出場であった。
  • 硬式テニス部・・・かつて久邇邦久が入学、柔剣道共々川田校長推奨スポーツであった。現在ではやや体育会的色彩が強い。
  • ソフトテニス部
  • 水泳部・・・最近、関東大会に出場するなど実力を上げている。
  • 男子バスケットボール部・・・近年でも都大会上位進出。
  • 女子バスケットボール部・・・今年度は春季大会・夏季大会ともに優勝。
  • 男子バレーボール部
  • 女子バレーボール部
  • 卓球部
  • バドミントン部
  • ダンス部
  • 音楽部合唱班・・・数年前までは少人数であったが最近は人数も増え、合唱祭等での活躍も目立つ。今年度NHK合唱コンクールにおいて初出場ながら銅賞受賞。
  • 音楽部オーケストラ班・・・人員を見渡しても最大規模の部。ホールを借りて行われる定期演奏会など校外での活動も盛んである。
  • 邦楽部・・・近年でも安藤政輝が教えに来ていた。
  • 軽音楽部
  • 生活科学部
  • 茶道部
  • フラワーデコレーション部
  • 美術研究部
  • 棋道部・・・全国大会個人の部5位入賞。
  • 演劇部
  • 生物研究会・・・「地下三部」と呼ばれる理系クラブの一角。星陵祭部門賞の歴代1位のタイトルホルダー。機関紙「FieldNote」を発行
  • 化学探究部・・・通称「バケタン『化探』」、地下三部の一角。機関紙「化樂多」を発行
  • 天文部・・・地下三部の一角。今年度星陵祭部門賞第三位。プラネタリウム等の展示を行う。下校時間が5時のため、普段は天体観測が出来ない。機関紙「シグナス」を発行
  • 雑草研究部・・・休部状態であったが、音楽部の一部部員が兼部して再発足。
  • 漫画文芸研究同好会
  • パソコン同好会
  • 物理・地学研究同好会・・・今年度新たに発足した同好会。通称「ブッチ研」
  • 地下三部・・・「生物研究会」「化学探究部」「天文部」の総称。校舎の構造から1階にあたる部分が地下になり、地下独特の薄暗さも相まって皮肉っての総称。三つの部での兼部・提携、図書委員会などとの掛け持ちが多い。

[編集] 学校行事

体育祭・合唱祭・星陵祭の三つを合わせて「三大行事」とされている。他に、英語スピーチコンテストや夏山キャンプ、部活動合宿、OB・OG等を招いての社会人講演会(1年生)・卒業生講演会(2年生)、英語劇鑑賞教室(11月)、スキー教室、柔剣道大会(2月)、修学旅行(2年生)、球技大会など多彩である。

体育祭

  • 毎年五月中旬に実施される。事前練習は一切無くいわゆる「ぶっつけ本番」であるが、実行委員の指揮の下毎年目立ったトラブルも起こらずに進行しており、各出身中学で会長や委員長レベルの役職を経験した生徒たちの能力の高さがうかがえる。赤・黄・青・白の「色団」に分かれ、クラスごとに所属する色団に応じたTシャツ「クラスTシャツ」を作って着るのが伝統となっている。非公開。

合唱祭

  • 毎年六月中旬に実施され、近年では日比谷公会堂を使用している。現校長が赴任して以来、進学重視のため実施時期が早められ、練習時間が短くなってしまったが、毎年3年生はレベルの高い演奏をすることで知られている。2006年の優勝クラスは「俵積み歌」、2005年の優勝クラスは「お伊勢まいり」を歌い、民謡的な合唱曲が多いようである。旗照夫が審査委員長を務めている。非公開。

勝山臨海合宿

  • 千葉県安房郡鋸南町勝山で夏期に行われ、古式泳法の一つである神伝流も指導され、男子生徒は白い褌で泳ぐことが知られている。参加は自由であり、参加中における強制なども勿論ない。初心者でも基本から学ぶことができる。

星陵祭

  • 文化祭の名称である。毎年九月下旬に実施される。全24クラスが45分~50分の劇を教室で発表しており、他の都立高校の文化祭とは一線を画す試みが成されている。ジャンルは多岐に渡るが、最近ではミュージカルや三谷幸喜作品が多い。来校者のみの投票で最も得票数が多かった団体には「星陵大賞」が贈られる。1997年「ウインズ オブ ゴッド」1998年「蒲田行進曲」1999年「二代目はクリスチャン」2000年「私は貝になりたい」2001年「半神」2002年「ライオンキング」2003年「シェイクスピアによろしく」2004年「CATS」2005年「ユタと不思議な仲間たち」2006年「ライオンキング」が星陵大賞受賞。

[編集] 進学指導

2001年度入試において、公立高校としては初めての独自問題の導入。2001年秋に進学指導重点校の一校に指定された。また、勉学面ではOB・OGをチューターとした補習や各大学に合わせた講座の開講、実力テスト・模試などを実施。
学校群制度など都立校の一連の制度改定以降、時代が下り次第に顕になっていく受験低年齢化の流れが世相の当たり前の空気(ニューマ)(山本七平)となってゆくに連れ、公立諸校の無策ぶりを尻目に、私立や国立諸校は各校独自の理念の下、向上心のある良質で優秀な生徒に良質な生活指導・進学指導を施してきたことは紛れも無い事実である。
他方、「12の春を泣かせる」状況も見受けられた。一部に進学率一辺倒を校是とし、社会の高度化・複雑化に伴ない不用な難度の授業指導を展開、進学実績に成果を出す反面、優秀で向上心はあるが視野の狭い唯我独尊的な人物を生み出してきたのも無理からぬところである。かつて13歳頃以降の陸軍幼年学校における教育が、昭和史においてその一部に政治乗っ取りや統帥権干犯を楯に内外各地で暴走を繰り返した原動力になったことは間違いはない(杉山和男)。かくいう一中においても、融通が利いていたと云われる川田校長時代さえ「川田式立身出世主義」として、先の日本の敗戦に一役買ったのだと批判されることも内外から少なからずあった。エリート養成を謳うにしても一芸や一能であってはならず、人間として幅の広い教養を得る機会が確保されている公共空間の場の制度設計が必然であることは明白である。また都立各校にて具体的に「教養」の問題として指摘されているところは、各教科内・間での知識の鳥瞰・整合性をつける時間を確保することである。
進学実績回復の為なら、市場原理から競争・効率性の精神を導入しカネとヒトにも余り手を掛けない方法でゆくか、私立諸校の真似のできない30人学級を実現させるなど既存の教員・施設を有効適切に再配置・再活用してゆくかの二つの考え方に大別されるが、この二つの並立は根源的な意味においても微妙な問題を孕んでいるだけに両者の緊張関係に立った上での併存が求められている。
進学指導重点校としてそのもてる予算・人員面からみても、その他の公立・私学諸校に比べ恵まれた立場にある以上、自らを単純にかっての近代化の時代における東大を頂点とするエリート量産システムの一貫として位置づけるのではなく、この先の時代が見えにくい状況もあり、また先の学習指導要領と入試教科目との乖離の問題にも端的に見られるように文科省の行政方針ひいては東大など既存の最高学府にも改革の姿勢が望まれるところ、難しい立場に立たされているともいえる。

[編集] 高校関係者と組織

[編集] 関連団体

  • 如蘭会…同窓会の名称。
  • 星陵会…後援会の名称。

[編集] 高校関係者一覧

[編集] 関連書籍

  • 『東京府立第一中学校』 須藤直勝 近代文藝社 - 大正12年卒の著者が桜田門時代の追憶と共に母校を振り返り、その筆は現代のエリート育成の在りようにまで及ぶ。
  • 「東京府立中学」 岡田孝一 同成社 - 両国高校などに勤務してきた著者による、府立中学の黎明・発展の歴史。
  • 『東京府立第一中学校創立五十年史』 東京府立第一中学校編
  • 『尋中一中日比谷高校八十年の回想』 如蘭会編
  • 『日比谷高校百年史』 上中下 全3巻 同史刊行委員会編 - 上の八十年史と併せて読むと各各の寄稿文の時代背景やらが見えてくるようで面白い。五十年史と併せ3冊とも都立図書館に所蔵してある。
  • 『日比谷高校創立百周年記念レコード』 東芝EMI - 日比谷の歴史や歌、各界OBのインタビューや一中生と梁田貞の校歌独唱など。都立図書館に所蔵してある。ナレーター千田是也・檜よしえ。
  • 『日比谷高校闘争と一教員・生徒の歩み』 大河原礼三 現代書館
  • 『赤頭巾ちゃん気をつけて』 庄司薫 中公文庫 - 学園紛争や東大の入試中止などを時代背景とした、一日比谷高校生(映画版薫役:岡田裕介)の青春物語。映画化(東宝)・VD・DVD。
  • 『白鳥の歌なんか聞こえない』 庄司薫 中公文庫 - 『赤』に続く元日比谷高校生(映画版薫役:岡田裕介)の青春物語。映画化(東宝)。
  • 『青葉繁れる』 井上ひさし 文春文庫 - 仙台一高の劣等生集団と、日比谷高校から転校してきた俊介(映画版俊介役:草刈正雄)らのほろ苦くも爽やかな青春物語。映画化(東宝)。
  • 『男たちへ』 塩野七生 文藝春秋社 - 著書の中で、在籍当時を振り返る。
  • 『母のキャラメル』 ベストエッセイ集 文藝春秋社 - 同書所収エッセイ「日比谷高校の江藤淳」 斎藤明 。
  • 『愉快に日比谷高校』 久野猛 日本加除出版 - 1993~1998年当時の元学校長による著作。河出書房新社77年文藝賞受賞。
  • 『都立高校のすべてがわかる本』 山崎謙 山下出版 - 都立各校の歴史が事細かに綴られている。
  • 『むかし〈都立高校〉があった』 奥武則 平凡社 - 筆者は新宿高校出身。丸山真男庄司薫を参照しながら「都立のエリート文化」がかつて「確かに」あったこと、またそれを破壊した学校群制度やそれに関わった人たちを批判的に検証してゆく。
  • 『父・山本五十六』 山本義正 恒文社 - 府立一中受験のため、一家で青山に引越し青南小に転校してきたこと、父との早慶戦観戦の思い出など。
  • 『もう、きみには頼まない―石坂泰三の世界』 城山三郎 文春文庫 - 尋中時代の交流関係(石坂泰三)が描かれている。
  • 『小説 東大法学部』 大下英治 広済堂文庫 - 星陵祭実行委など、日比谷時代の交流関係(加藤紘一)が描かれている。
  • 『白昼の死角』 角川映画 - 高木彬光原作映画。学士金融・光クラブ事件で戦後のアプレを象徴する山崎晃嗣がモデルの隅田(岸田森)が、鶴岡(夏八木勲)の追憶シーンでは一中の野球投手としてイメージされている。
  • 『スクール・ウォーズ 落ちこぼれ軍団の奇跡』 馬場信浩 光文社文庫 - TVドラマ「スクールウォーズ」の原作。花園出場時の日比谷高校の前後半でフォワードとバックスを入れ替える戦法が山口良治の脳裏に浮かぶが…。
  • 『麻布中学と江原素六』 川又一英 新潮新書 - 麻布学園とリベラルな校風で共通する点に着目して、21世紀に入ってなお実質的なライバルに相応しい学校を府立一中・日比谷高校とみている。
  • 『同級生交歓』 文春新書 - 文芸春秋誌上の同級生交歓シリーズの新書化。谷崎吉井辰野、服部(セイコー二代目)らが学校玄関前に勢揃いしているシーンなど。

[編集] 進学実績

東大合格者数の大きな増減が目立つが、その他主要大学合格者数を見ていくと、21世紀に入るまでは年毎の増減は別としてそれ程の起伏の変動は目立たなかったと云える。とはいうものの、時代時代での数字の後退は否めなかった。21世紀以降は各大学合格者数とも持ち直しつつ、慶大など一部大学では全高校中、ベスト10内外にランクインするなど、全般的に上昇傾向が見えている。

東大合格者数(1952年~2006年)

  • 1952年・・・82人(1位)
  • 1953年・・・99人(1位)
  • 1954年・・・106人(1位)
  • 1955年・・・107人(1位)
  • 1956年・・・99人(1位)
  • 1957年・・・108人(1位)
  • 1958年・・・127人(1位)
  • 1959年・・・169人(1位)
  • 1960年・・・141人(1位)
  • 1961年・・・166人(1位)
  • 1962年・・・184人(1位)
  • 1963年・・・167人(1位)
  • 1964年・・・193人(1位)
  • 1965年・・・181人(1位)
  • 1966年・・・128人(1位)
  • 1967年・・・134人(1位) ←学校群制度導入(従来の合同選抜制入試廃止)、日比谷は三田高校九段高校との3校で群形成
  • 1968年・・・131人(2位) ←灘高校に1位の座を譲る
  • 1969年・・・ (大学紛争により東大入試が行われず)
  • 1970年・・・99人(5位) ←学校群制度導入以降初めての卒業生
  • 1971年・・・57人(-)
  • 1972年・・・52人(-)
  • 1973年・・・29人(-)
  • 1974年・・・14人(-)
  • 1975年・・・16人(-)
  • 1976年・・・21人(-)
  • 1977年・・・16人(-)
  • 1978年・・・14人(-)
  • 1979年・・・15人(-)
  • 1980年・・・9人(-)
  • 1981年・・・4人(-)
  • 1982年・・・4人(-) ←都立校グループによる合同選抜制入試導入(学校群制度廃止)
  • 1983年・・・5人(-)
  • 1984年・・・6人(-)
  • 1985年・・・6人(-) ←都立校グループによる合同選抜制入試導入以降初めての卒業生
  • 1986年・・・10人(-)
  • 1987年・・・10人(-)
  • 1988年・・・11人(-)
  • 1989年・・・10人(-)
  • 1990年・・・8人(-)
  • 1991年・・・7人(-)
  • 1992年・・・8人(-)
  • 1993年・・・1人(-)
  • 1994年・・・7人(-) ←都立校単独選抜制入試導入
  • 1995年・・・4人(-)
  • 1996年・・・3人(-)
  • 1997年・・・6人(-)
  • 1998年・・・2人(-)
  • 1999年・・・2人(-)
  • 2000年・・・6人(-)
  • 2001年・・・3人(-) ←公立校としては初めての自校作成問題入試導入
  • 2002年・・・5人(-)
  • 2003年・・・5人(-) ←学区制度廃止
  • 2004年・・・3人(-) ←自校作成問題入試以降初めての卒業生
  • 2005年・・・14人(-)
  • 2006年・・・12人(-) ←学区制度廃止以降初めての卒業生

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