蒲田行進曲
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『蒲田行進曲』(かまたこうしんきょく)
- 戦前に存在した松竹キネマ(現松竹株式会社)蒲田撮影所の所歌。因みに東日本旅客鉄道の京浜東北線蒲田駅では、発車メロディとして使用されている。1929年、川崎豊と曽我直子のデュエットで、レコードが発売された。
- つかこうへい作・演出の舞台作品。1980年11月、つか主宰の劇団つかこうへい事務所により紀伊國屋ホールで初演。同年、第15回紀伊國屋演劇賞を受賞。つかは1982年に一旦演劇活動を休止し劇団を解散するが、解散公演では本作が再演された。その後も、1999年、2000年、2006年とたびたびキャストを変えて上演されている。本稿で記述。
- 上記の上演用戯曲をつかこうへい自身が小説化した作品。初出は『野性時代』1981年10月号発表の「銀ちゃんのこと」。『蒲田行進曲』と改題、加筆の上、同年11月に単行本化され、1982年1月には第86回直木賞を受賞した。本稿で記述。
- 上記の小説をつかこうへい自身が脚色し、深作欣二が監督した映画作品。1982年に角川春樹事務所製作のいわゆる角川映画として松竹系で公開された。第6回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀主演男優賞・最優秀主演女優賞・最優秀助演男優賞・最優秀音楽賞と各部門を総嘗めにしたほか、映画界の各賞を多数受賞している。本稿で記述。
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[編集] 作品
「新選組」の撮影真っ最中の京都の映画撮影所を舞台に、土方歳三役の俳優・倉岡銀四郎(銀ちゃん)を中心に繰り広げられる、人間味溢れる活劇に仕上がっている。クライマックスシーンの10mの高さの階段から転がり落ちる「階段落ち」は圧巻。後に続編として「蒲田行進曲完結編~銀ちゃんが逝く」が製作された。「熱海殺人事件」「ロマンス」等と並ぶつかこうへいの代表作のひとつであり、舞台、書籍、映画化されている。なお、直木賞の選評で選考委員の一人五木寛之は「蒲田行進曲」を天皇制と身分制度についての影絵文学としている。
[編集] 舞台版主要キャスト
1980年(初演)
1982年(つかこうへい事務所解散公演)
1999年・2000年
2006年
また1996年、宝塚歌劇団月組が石田昌也潤色・演出、題・『銀ちゃんの恋』で宝塚バウホールで上演。
[編集] 映画版キャスト
- 風間杜夫(銀四郎)
- 松坂慶子(小夏)
- 平田満(ヤス)
- 高見知佳(朋子)
- 原田大二郎(橘)
- 蟹江敬三(監督)
- 岡本麗(トクさん)
- 清川虹子(ヤスの母)
- 千葉真一(特別出演・本人役)
- 真田広之(特別出演・本人役)
- 志穂美悦子(特別出演・本人役)
- 萩原流行