東京都立西高等学校
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東京都立西高等学校(とうきょうとりつにしこうとうがっこう)は、全日制普通科の都立高等学校。所在地は東京都杉並区宮前。
東京都立西高等学校 | |
過去の名称 | 東京府立第十中学校 |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | 東京都 |
設立年月日 | 1948年4月1日 |
創立記念日 | 1937年 |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 学年制 |
学科 | 普通科(8クラス) |
学期 | 2学期制 |
所在地 | 〒168-0081 |
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電話番号 | 03-3333-7771 |
FAX番号 | 03-3247-1340 |
外部リンク | 公式サイト |
目次 |
[編集] 概要
府立十中を前身とする都立進学校。都立全盛期には日比谷高校・戸山高校等と共に全国で3本の指に入ると言われ、100名を超える卒業生が東大へ進学していた。しかし都立高校の入試制度改革等により受験者が限られたこともあり、進学成績では次第に陰を潜めることになる。 とはいえ、平成に入ってからも東大合格者数は現浪併せて常時20-30人台を数えていたこともあり、現在でも都立を代表する高校である。進学指導重点校として指定され、2002年から独自入試の導入、学区撤廃もあり進学実績は伸びている。日比谷高校と共に、都立復活の象徴として復活が期待されている。
校風は極めて自由であるのが特長で、制服は無く私服で過ごす事が出来る。部活動が活発で、バスケ部や本校が発祥ともいわれる関東大会常連校であるアメフト部は毎年活躍している。また、校歌の他に学友歌という歌があり、運動会や文化祭などの行事では毎回歌い継がれている。1996年には校舎を全面改築した。
少人数授業や習熟度別授業が行われるなど日々の授業が重視されており、「授業が勝負」を合言葉にしている。土曜日には受験対策講座、教養講座や専門講座が行われ、随時補習が開かれる。2年次には英語以外の外国語の履修が可能である。
尚、戦後の新制高校への改組に当たり、当時の地名であった「大宮前」などを校名とする案が出されたが、最終的には仏教用語である「西方浄土」から一字を取ってその校名とした。東京都において、西にあるとは言い難い立地ではあるが、以上の経緯に照らして、方角と校名の関係を捉える必要がある。他の旧制中学の多くが、新制高校への改組に当たり地名をもってその校名としたことと対比すると、この命名方法は特徴的である。また、上述の学友歌における、「地に落ちよひと粒の麦」、「智慧の葡萄の房ひとつ」、「よしたとへ死の谷影を渡るとも」、などの聖書につながる語句の存在は、校名が「西方浄土」という仏教用語から来た事実と合わせて考えると興味深い。
[編集] 沿革
- 1937年 - 東京府立第十中学校として青山で開校。
- 1939年 - 新校舎完成とともに現在地に移転。
- 1946年 - 本校校舎内で開校した府立十八中(玉泉中)を統合。
- 1948年 - 学制改革により東京都立第十高等学校となる。普通科を設置。
- 1950年 - 東京都立西高等学校と改称。男女共学開始。
- 1967年 - 学校群制度導入、旧第三学区内で富士高校と32群を組む。
- 1982年 - グループ選抜制度導入、31グループを組む。
- 1994年 - 単独選抜制度へ移行。
- 2001年 - 日比谷高校・戸山高校・八王子東高校と共に進学指導重点校に指定。
- 2002年 - 国語・数学・英語の3教科で独自入試を導入。
- 2003年 - 学区制廃止。旧第三学区外(特に武蔵野市・三鷹市)からの通学者が増加する。
- 2007年 - 創立70周年。
[編集] アクセス
[編集] 東大合格者数
※左側の数字が現浪、右側が現役合格者数
- 1951年 - 64人 (現役48人)
- 1952年 - 32人 (現役11人)
- 1953年 - 52人 (現役12人)
- 1954年 - 55人 (現役20人)
- 1955年 - 55人 (現役17人)
- 1956年 - 64人 (現役13人)
- 1957年 - 69人 (現役24人)
- 1958年 - 69人 (現役22人)
- 1959年 - 83人 (現役26人)
- 1960年 - 100人(現役30人)
- 1961年 - 109人(現役37人)
- 1962年 - 121人(現役44人 理III 2人)
- 1963年 - 134人(現役48人 理III 3人)
- 1964年 - 156人(現役53人 理III 4人)
- 1965年 - 127人(現役63人 理III 4人)
- 1966年 - 127人(現役57人 理III 3人)
- 1967年 - 120人(現役46人 理III 1人)
- 1968年 - 102人(現役35人 理III 2人)
- 1969年 - 東大紛争により入試中止
- 1970年 - 100人(現役32人 理III 3人)
- 1971年 - 81人 (現役29人 理III 1人)
- 1972年 - 80人 (現役32人)
- 1973年 - 81人 (現役30人 理III 2人)
- 1974年 - 57人 (現役14人 理III 1人)
- 1975年 - 42人 (現役12人 理III 1人)
- 1976年 - 47人 (現役20人)
- 1977年 - 53人 (現役25人)
- 1978年 - 57人 (現役18人)
- 1979年 - 45人 (現役11人)
- 1980年 - 37人 (現役13人 理III 2人)
- 1981年 - 46人 (現役17人)
- 1982年 - 30人 (現役7人)
- 1983年 - 33人 (現役5人)
- 1984年 - 36人 (現役4人)
- 1985年 - 26人 (現役9人)
- 1986年 - 36人 (現役13人)
- 1987年 - 35人 (現役9人)
- 1988年 - 28人 (現役10人)
- 1989年 - 20人 (現役5人)
- 1990年 - 25人 (現役11人)
- 1991年 - 24人 (現役10人)
- 1992年 - 18人 (現役5人 理III 1人)
- 1993年 - 31人 (現役16人)
- 1994年 - 18人 (現役8人)
- 1995年 - 21人 (現役8人 理III 1人)
- 1996年 - 12人 (現役6人)
- 1997年 - 8人 (現役5人)
- 1998年 - 13人 (現役1人)
- 1999年 - 12人 (現役7人)
- 2000年 - 22人 (現役4人)
- 2001年 - 13人 (現役9人)
- 2002年 - 17人 (現役8人)
- 2003年 - 25人 (現役11人)
- 2004年 - 11人 (現役7人)
- 2005年 - 18人 (現役9人)
- 2006年 - 19人 (現役9人)
[編集] 著名な出身者
[編集] 政治
- 水野清(十中1期) - 元衆議院議員、元建設大臣、元総務庁長官、元自由民主党総務会長
- 今井譲(十中7期) - 元杉並区議会議員
- 脇雅史(西15期) - 参議院議員
- 早川忠孝(西16期) - 衆議院議員、弁護士
- 松野信夫(西22期) - 衆議院議員、弁護士
[編集] 経済
- 羽山昇(十中1期) - 元理想科学工業社長
- 堤清二(十中3期) - 実業家 / 辻井喬 - 小説家、詩人、元西武百貨店社長、元セゾングループ代表
- 佐田昭午(西1期) - 三井倉庫顧問
- 天野順一(西3期) - 日本ユニシス社長
- 下垣内洋一(西5期) - JFEホールディングス社長
- 佐藤安弘(西6期) - 元麒麟麦酒社長
- 宇野明博(西9期) - ディーシーカード代表取締役会長、元ディーシーカード社長
- 渡辺武経(西9期) - ニフティ特別顧問、元ニフティ社長
- 金田好生(西9期) - JR貨物取締役会長、元JR貨物社長
- 木原誠(西10期) - 九州石油社長
- 葛西敬之(西11期) - JR東海社長
- 青木修三(西11期) - リーマン・ブラザーズ証券顧問、元日本銀行監事、元UFJ銀行常勤顧問
- 香山晋(西13期) - 東芝セラミックス社長
- 山口範雄(西14期) - 味の素社長
- 高橋恭平(西15期) - 昭和電工社長
- 鈴木繁(西15期) - 新日鉄ソリューションズ社長
- 片柳彰(西16期) - ディーシーカード社長
- 鈴木滋彦(西16期) - NTTソフトウェア社長
- 小林光(西16期) - キネマ旬報社長
- 古川一夫(西17期) - 日立製作所社長
- 井上健(西17期) - 日本電設工業社長
- 西水美恵子(卒業期未確認) - 前世界銀行副総裁
- 池谷正成(卒業期未確認) - 東京製鉄社長
[編集] 学問・文化
- 大中恩(十中1期) - 作曲家(『いぬのおまわりさん』、『さっちゃん』、『おなかのへるうた』)
- 堀川清司(十中4期) - 東京大学名誉教授、元埼玉大学学長、元武蔵工業大学学長
- 秋山駿(十中7期) - 文芸評論家、作家、元東京農工大学教授
- 橋本賢太郎(西1期) - 日展理事長、日本彫刻会理事長、学芸大名誉教授
- 佐藤登志郎(西1期) - 北里大学名誉学長、学長
- 野末陳平(西2期) - 作家、司会者、元参議院議員、元大正大学教授
- 黒井千次(西3期) - 作家(著書『春の道標』は西高が舞台と言われる)
- 入沢康夫(西3期) - 詩人、フランス文学者、明治大学教授、元明治学院大学教授、元東京工業大学教授
- 荻村伊智朗(西3期) - 元国際卓球連盟会長(世界卓球選手権金メダル12個)
- 江川三郎(西3期) - オーディオ評論家
- 日下弘(西3期) - グラフィックデザイナー
- 銭天牛(西4期) - 作家、占星術師
- 阿刀田高(西5期) - 作家、長岡中学から転校、直木賞作家、(短篇集『ナポレオン狂』)
- 柳田博明(西6期) - 名古屋市科学館長、東京大学名誉教授、元名古屋工業大学学長
- 野々村禎昭(西6期) - 財団法人微生物化学研究会理事長、東京大学名誉教授
- 村崎芙蓉子(西6期) - 医師、作家(著書『こころに赤い聴診器』)
- 海妻矩彦(西6期) - 岩手大学学長
- 平島祥男(西7期) - 国際問題評論家、作家
- 加藤諦三(西8期) - 作家、社会心理学者、早稲田大学教授、元ラジオパーソナリティ
- 黒田恭一(西8期) - 音楽評論家、東急文化村オーチャードホールプロデューサー
- 小倉純二(西9期) - 日本サッカー協会副会長、国際サッカー連盟(FIFA)理事、アジアサッカー連盟(AFC)理事
- 眞鍋圭子(西10期) - 音楽評論家、サントリーホールチーフプロデューサー
- 中島尚正(西11期) - 放送大学副学長、元東京大学工学部長、元東京大学教授
- 山脇百合子(西12期) - 童話画家(童話『ぐりとぐら』『いやいやえん』)
- 藤原正彦(西14期) - 数学者、作家、お茶の水女子大学教授(ベストセラー『国家の品格』)
- 玉村豊男(西16期) - 作家、エッセイスト
- 江波戸哲夫(西17期) - 作家(日本経済新聞連載『サラリーマン生態学』)
- 黒岩義之(西17期) - 医博、横浜市大教授
- 鎌田實(西19期) - 医師 作家(著書『がんばらない』)
- 西垣通(西19期) - 情報工学者、作家(著書『マルチメディア』)、東大教授
- 須田美矢子(西19期) - 日本銀行政策委員会審議委員、元学習院大学教授
- 泉啓子(西19期) - 児童文学家
- 風野健治(西21期) - 東京現像所社長、東宝プロデューサー、(映画『ひめゆりの塔』、『トリック劇場版』、テレビ『サスペンス』等2時間ドラマ多数)
- 榊原洋一(西22期) - 医師、お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授、元東京大学医学部付属病院医長(育児学関連の著書多数)
- 金田一秀穂(西24期) - 日本語学者、杏林大学教授(タモリのジャポニカロゴス監修)
- 島田裕巳(西24期) - 宗教学者、作家、劇作家、元日本女子大学教授
- 黒沼克史(西26期) - ノンフィクション作家(著書『援助交際』)
- 広松由希子(西33期) - 児童作家
- 篠貴裕(西44期) - 陸上100M高校歴代17位、100M東京高校記録 現・保持者
- 中村正治(卒業期未確認)- 京都大学化学研究所教授
[編集] 放送・マスコミ
- 榎本勝起(玉泉中3期) - 元TBSアナウンサー
- 末常尚志(西2期) - 元NHKアナウンサー(『ニュースセンター9時』)
- 相川浩(西4期) - 元NHKアナウンサー(『NHK紅白歌合戦』『想い出のメロディー』)
- 浅海源司郎(西8期) - 元日本テレビアナウンサー
- 滝鼻卓雄(西10期) - 読売新聞東京本社社長、読売巨人軍オーナー
- 木原秋好(西18期) - NHKアナウンサー
- 城ヶ崎祐子(西25期) - フリーアナウンサー、元フジテレビ
- 村尾尚子(西26期) - テレビ朝日(『ニュースステーション』プロデューサー)
- 智田裕一(西36期) - フジテレビアナウンサー
- 細田史雄(西36期) - NHKアナウンサー
- 兼清麻美(西39期) - NHKアナウンサー
- 土井敏之(西41期) - TBSアナウンサー
- 中田有紀(西44期) - フリーアナウンサー(『Oha!4 NEWS LIVE』)、元青森放送
- 鈴木貴彦(西50期) - NHKアナウンサー
[編集] 芸能
- 喜早哲(西1期) - 歌手(『ダークダックス』)
- 若林駿介(西1期) - 音響プロデューサー、日本音響家協会名誉会長
- 納谷六朗(十高併設中1期) - 俳優、声優
- 芳村真理 (西6期)- 女優、司会者、林野庁林政審議会委員
- 松島利行(西10期) - 映画評論家
- 望月真理子(西20期) - 女優
- 毛利蔵人(西21期) - 作曲家
- 那須博之(西22期) - 映画監督(映画『ビー・バップ・ハイスクール』)
- 元道俊哉(西30期) - 作曲家(NHK関連、CM関連の仕事多数)
- 坂本裕介(西33期) - 作曲家、音楽プロデューサー(ユニット「Key of Life」)
- 徳永健(西36期) - イラストレーター、デザイナー、作家
- 高井健(西38期) - 作詞家
- 成田浬(西41期) - 俳優(映画「ホワイトアウト」「世にも奇妙な物語」)
- 高野健一 (西42期)- シンガーソングライター、音楽プロデューサー
- レム色(唐沢拓磨、渡辺剛太)(西51期) - お笑いコンビ(NTV『エンタの神様』、NHK『お笑いオンエア・バトル』、第4, 5回「M-1グランプリ」準決勝進出)