Microsoft Windows 98
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開発元: | マイクロソフト |
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最新版: | Second Edition / 1999年9月10日 |
対応OS: | Microsoft Windows |
プラットフォーム: | x86 |
種別: | オペレーティングシステム |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | Windows 98 ホーム |
Microsoft Windows 98(マイクロソフト ウィンドウズ きゅうじゅうはち)は、1998年にマイクロソフトが発売したオペレーティングシステム (OS)。当初1997年に発売されるとアナウンスされており、Windows 97という仮称でも呼ばれていた。なお、本記事では1999年に発売されたWindows 98 Second Editionを含めて記述する。
目次 |
[編集] 概要
Windows 98は、日本語版が1998年7月25日[1]にWindows 95の後継バージョンとしてマイクロソフトが発売した。コードネームはMemphis。Windows 98の内部バージョンは4.1である。(Second Editionは4.1A)
Windows 95 OSR2以降から引き継いだ機能として、USB、IEEE1394 (ただしWindows 98 4.10.1998では暫定的な対応となっており、正式対応はWindows 98 SEから)などのインタフェースに対応。また、ファイルシステムとしてFAT32にも対応しているため、効率的なディスクスペースの管理ができ、大容量のハードディスクも使えるのもWindows 95 OSR2以降と同様である。
WebブラウザのInternet Explorer 4.0をOSに統合し、ネットワーク上のファイルもローカルのものと同様に操作ができる点も、Windows 95 OSR2.5を踏襲している。
1999年9月10日[2]にはWindows 98 Second Edition (Win98 SE)日本語版が発売された。こちらはInternet Explorer 5.0を搭載し、また新たにDVD-ROMなどのサポート、USB 1.1対応やIEEE1394の対応の強化、他にも機能の拡張や西暦2000年問題などのバグの修正などが行われている。
また、Windows95やWindows98等用にこれらInternet Explorer 5.0や西暦2000年問題対策修正パッチなども無償配布されたため以前のWindowsもそのまま利用可能であった。
Windows 98はWindows 9x系のOSで、Windows 95等と同様32bitと16bitのコード(カーネル)が混在しており、システムの随所でMS-DOSのコードを呼んでいること、メモリ保護が不十分にしかなされていないこと、システムリソースと呼ばれる領域の一部が64キロバイトという狭い領域に制限されていることなどが要因で、動作が不安定になる場合も多い。このため、Windows NT系と比べて安定性は低い。しかし、9x系の安定性についてはドライバやハード面の影響も大きく、Windows 98に最適なデバイスやドライバ、OSや使用ソフトに見合ったマシンパワーがあればさほどブルースクリーンやフリーズに見舞われることはない。また、Windows 2000やWindows XPなど後継のOSよりも要求されるマシンスペックが低く古いソフトも使えるため、1999年以前の古いパソコンやジャンクパソコンを復活させる場合などに最適で、マイクロソフトによるサポートが終了した現在においても、少数ながら愛用している者も存在する。
しかしながら、2006年8月現在、Windows 98に対応する製品はアダルトゲームや性的表現を含まない一部のゲームを除いて大幅に減少しており、段階的にWindows XPなどのNT系統に移行しているのが伺える。なお、Windows 98 SEのリリース要因にはアメリカの放送局CNNの番組に出演していたビル・ゲイツの目の前でWindows 98がクラッシュするというハプニング[1]があったため、リリースしたとも言われている。
直接の後継はマルチメディア機能が強化され2000年に発売されたWindows Meであるが、その翌年にはWindows XPが発売されたため、移行はあまり進まなかった。(Windows XP発売前、9x系以上の安定性を求める企業の業務用などの場合はWindows 2000への移行が多かった。)
Windows 98及びWindows 98SEは2006年7月11日でセキュリティホール対策モジュール提供などのサポートが打ち切られた。今後はセキュリティホールが発見されても対応されない。すなわちこれが意味することは、Windows 9x系(16ビット・MS-DOS系列)オペレーティングシステムの歴史に幕を降ろすという事である。今後は、Windows NT系であるWindows XPやWindows Vistaへのアップグレードが推奨されることになる。
また1999年以前に登場したWindows 98及びWindows 98SEは広帯域接続(ブロードバンド)の普及が本格化する前に発売された為、MTU値等の設定が電話回線に最適化されており、大容量・高速回線で回線本来の性能を発揮できない。
[編集] システム要件
- 486DX 66MHz以上(Pentiumプロセッサ以上を推奨) ※2GHz以上のCPUではインストールできないことがある。
- メモリ 24MB以上 ※メモリ管理プログラムの関係で約1GB以上のメモリを搭載したPCでは基本的に動作することができない(動作させるには、事前にシステムの側でメモリへのアクセスを制限する必要がある[3])。
- ハードディスク 200MB~380MBの空き容量 ※FAT32の制限により1区画は128GBまで。また標準のFDISKでは1ドライブあたり64GBまでしか認識せず。(修正版は別途配布)
- ディスク装置 CD-ROMまたはDVD-ROMドライブ
- ディスプレイ VGA以上の解像度を備えたディスプレイアダプタ
- 入力装置 Microsoft Mouse、もしくは互換ポインティングデバイス
[編集] 対応機種
[編集] 出来事
[編集] 1998年
- 7月25日 Windows 98発売。
[編集] 1999年
[編集] 2004年
[編集] 2006年
[編集] 前・次のバージョン
前:Windows 95 次:Windows Me
[編集] 脚注
- ↑ "「Microsoft(R) Windows(R) 98 」日本語版 7月25日(土)に発売" 1998年6月17日. 2006年8月14日閲覧.
- ↑ "「Microsoft(R) Windows(R) 98 SECOND EDITION 」日本語版 9月10日(金)に発売" 1999年8月20日. 2006年8月14日閲覧.
- ↑ "Computer May Reboot Continuously with More Than 1.5 GB of RAM (English)" 2004年11月17日. 2006年8月14日閲覧.
- ↑ "「Microsoft(R) Windows(R) 98 SECOND EDITION アップデート CD 日本語版」7月30日(金)に受付開始" 1999年7月30日. 2006年8月14日閲覧.