MARVEL SUPER HEROES
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MARVEL SUPER HEROES | |
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ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
対応機種 | アーケード(CPS-2) セガサターン プレイステーション |
開発元 | カプコン |
発売元 | カプコン |
人数 | 1~2人 |
メディア | CD-ROM + 1M RAMカートリッジ(SS) CD-ROM(PS) |
発売日 | 1995年11月(AC) 1997年8月8日(SS) 1997年9月25日(PS) |
デバイス | 1レバー + 6ボタン |
『マーヴル・スーパーヒーローズ』 (MARVEL SUPER HEROES) は、アメリカン・コミックスを題材とする2D対戦型格闘ゲーム。カプコンが開発し1995年11月に同社よりアーケードゲーム(CPS-2基板)として出荷され、家庭用ではセガサターン、プレイステーションに移植された。
なお本項においてはゲームタイトル及び当時の記述に基づき、マーベルではなくマーヴルに表記を統一する。
目次 |
[編集] 概要
マーヴル・コミックのスーパーヒーロー・悪役達が、それを持つものに無限の力を与えるという「インフィニティ・ジェム」を求めて闘いを繰り広げる。マーヴルのクロスオーバー(作品間をまたがって展開する作品)シリーズの『The Infinity Gauntlet』を原作とし、ゲームとしては『X-MEN Children of The Atom』の続編に当たる。
キャプテン・アメリカ、超人ハルクなど独立タイトルを持つ人気ヒーロー達が競演するとあって、特にアメリカで大いに人気を博した。日本においても、東映の特撮作品でよく知られるスパイダーマンに人気が集まり、またスーパーヒーローならではの派手な演出が話題を呼んだ。
前作『X-MEN』の派手さはそのままに、よりシステムを洗練させている。特徴的なのは、相手を上空にはじき飛ばしさらに追撃する「エリアルレイヴ」で、これは後の『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズに引き継がれることになった。一方で、永久コンボがいくつも見つかるなど対戦バランスの調整に課題を残した。
[編集] システム
[編集] スーパージャンプ
高さ2画面分にも及ぶ大きなジャンプ。レバーを素早く下、上と入力する(または、キックボタン3つを同時に押す)ことで使用可能。次に述べるエリアルレイヴの重要な要素となる。
[編集] エリアルレイヴ
後のシリーズを方向付けることになった特徴的なシステム。エリアルレイヴとは、端的に言えば空中連続技のことで、相手を空中に跳ね上げそれをスーパジャンプで追いかけて追撃する連続技を特にそう呼ぶ。
各キャラクターの通常技の中には、それぞれ相手を上方向へ大きく吹き飛ばす特性を持っているものが存在し、これらはエリアル始動技と呼ばれる。エリアル始動技に限り、ヒットさせた瞬間にレバーを上に入れることで隙無くスーパージャンプに移行できるという特徴があり、これによって吹き飛ばした相手を追いかけて追撃することができる。さらに、スーパージャンプ中は一部のキャラクターを除いて、「弱P→弱K→中P→中K→強P→強K」の順に攻撃を繋げる(チェーンコンボ)ことが可能になっており、エリアル中にこの特性を生かすことで派手な連続技を決めることができる。
前作『X-MEN』でも空中連続技自体は工夫次第で可能であったが、エリアルレイヴという名称は今作からである。
[編集] インフィニティ・ジェム
原作に登場する、無限の力を持つ「インフィニティ・ジェム」であるが、ゲーム中では使用者を一定時間パワーアップさせる効果がある。ジェムには以下の6種類がある:
- パワー - 攻撃力が上がる
- タイム - 動きがスピードアップする
- スペース - 攻撃を食らってものけぞらない、スーパーアーマー状態になる
- リアリティ - 攻撃する度に、火の玉やつららなどを同時に飛ばす
- ソウル - 体力が回復する
- マインド - インフィニティ・ゲージ(後述)が増加する
これらの効果に加え、各キャラクターには「得意ジェム」がそれぞれ1種類あり、通常の効果に加えさらに特殊効果を得ることができる。例えば、スパイダーマンの得意ジェムはパワーで、使用すると自分の分身を発生させる効果がある。
ジェムを使用する際近くに相手がいれば、ダメージはないものの相手を吹き飛ばす効果がある。また、相手の攻撃をガードしている最中にも使用でき、相手のラッシュから脱出するのに使える(ジェム・カウンター)。
ジェムは、対コンピュータ戦では相手の所持しているものを奪うことで得られる。対人戦では、どちらかの体力が一定量減るごとに、体力の減った側にジェムが降ってくる。いずれの場合も、必殺技を受けたキャラクターはジェムを落としてしまい、多くは相手に奪われる結果となる。
[編集] インフィニティ・ゲージ
体力ゲージの下にある別のゲージは「インフィニティ・ゲージ」と呼ばれ、攻撃を出したりダメージを受けたりする度に溜まっていき、これが溜まりきると強力な必殺技「インフィニティ・スペシャル」、ガード中に相手に反撃できる「インフィニティ・カウンター」を使うことができる。
インフィニティ・ゲージは溜まりきるとストックとして保持することができ、ストックの数だけインフィニティ・スペシャルまたはインフィニティ・カウンターを使用できる。ストックの上限はキャラクターごとに設定されており、強力なインフィニティ・スペシャルを持つキャラクターほどストック上限が少ない傾向にある。
[編集] ストーリー
かつてヒーローたちが倒したはずの強敵・サノスが死の女神デスの力で復活し、無限の力をもたらす宝石インフィニティ・ジェムを手に入れた。サノスはデスの寵愛を得るために全人類の半分を抹殺するなどの凶行を繰り返す。この宇宙的危機を救うためにヒーローたちが立ち上がり、サノスを倒すべく彼の宮殿へと向かった。
[編集] 登場キャラクター
()内に英語版ウィキペディア内の各キャラクター記事へのリンクを示す。
[編集] ヒーロー
- キャプテン・アメリカ (Captain America)
- 第二次世界大戦中、対ナチスのために志願して特殊血清を投与され、超人兵士となった。ヒーローチーム「アヴェンジャーズ」のリーダーであると同時に、マーヴル・ユニバースの全てのヒーロー達のリーダー的存在である。
- 飛び道具や対空必殺技などを備える、オーソドックスな性能のキャラクター。得意ジェムはパワーで、攻撃力が上がり技が多段ヒットするようになる。
- ハルク (Hulk)
- 科学者ブルース・バナー博士が実験の失敗でガンマ線に曝されて突然変異した怪力の大男。マーヴル・ユニバース最強のパワーを持つ。
- 攻撃力は非常に高く、相手のガードの上から体力を削ることができる特殊能力を持つ。だが機動力に欠け、また身体が大きいために連続技のいい的になってしまい苦戦を強いられる。得意ジェムはタイムで、弱点のスピードを補強するほか、通常技をボタン1回で3発素早く出せるようになる。
- アイアンマン (Iron Man)
- ベトナム戦争で心臓に重傷を負い、生命維持装置として科学の粋を集めたパワードスーツを身につけている。アヴェンジャーズの一員としてキャプテン・アメリカらと共に戦う。
- 飛行能力、空中ダッシュで画面中を自在に動き回り、上空から落とす「スマートボム」を盾にして強襲する戦法が強力。得意ジェムはソウルで、通常技が電気をまとうようになり、これを当てると相手のインフィニティ・ゲージを減少させる。
- スパイダーマン (Spider-Man)
- 放射線を浴び突然変異した蜘蛛に噛まれ、蜘蛛の能力と怪力を手に入れた。力に慢心するが、それが原因で保護者である叔父を失うこととなり、以後は正義のためにその力を振るう。
- 素早い動きでどこからでも連続技に持って行くことが可能で、また身体が細く小さいために敵の攻撃を受けにくく、通常使用可能なキャラクターの中では最強と言われている。得意ジェムはパワーで、相手を挟んで反対側に分身が出現し、攻撃が2倍ヒットするようになる。軽快でどこかコミカルな動きは、マーヴル側から「これまでのメディアで一番スパイダーマンらしい動き」と評価されたほどである。
- ウルヴァリン (Wolverine)
- 手の甲から飛び出す爪と超回復能力を持つミュータントで、ヒーローチーム「X-MEN」のメンバー。ウェポンX計画と呼ばれる謎のプロジェクトの実験体で、爪を含めた全身の骨格に最強の金属アダマンチウムを移植されている。
- 攻撃力はやや低いが、6つのボタンをフルに使用した連続技でそれを補う。得意ジェムはパワーで、ウルヴァリンの動きを追随する残像が発生し、それらも攻撃力を持つ。
- サイロック (Psylocke)
- イギリス人のサイオニック(精神能力者)で、アクシデントで東洋人の女忍者カンノンと身体が入れ替わってしまっている。サイキック・ブラストと忍術で戦うX-MENのメンバー。
- 特殊能力の3段ジャンプがフェイントにも連続技にも有効に働く。得意ジェムはパワーで、身体の前後にサイロックと同じ動きをする分身が発生し、それらも攻撃力を持つ。前作より引き続いての登場となるが、『インフィニティ・ガントレット』原作ではカメオ出演程度。
[編集] ヴィラン
- ジャガーノート (Juggernaut)
- 秘境で発見した宝石の魔力により巨体と強靱な肉体、怪力を手に入れた。粗暴で知性に欠ける。X-MENの指導者プロフェッサーXの義兄である。
- 画面の大半を埋め尽くす巨体であり、スピードはハルクより更に遅いもののリーチの長さでそれを補える。多少の攻撃ではのけぞらず強引に攻撃を当てることができる(スーパーアーマー)。得意ジェムはスペースで、身体が鋼鉄になり投げ技以外の一切の攻撃を受けなくなる。前作で中ボスとして登場し、家庭用を除けば今作で初めてプレイヤーキャラクターとして登場した。『インフィニティ・ガントレット』原作には登場しない。
- マグニートー (Magneto)
- 磁力を自在に操る最強のミュータント。ミュータントによる人類の支配を是とし、X-MENとしばしば対立する。
- 飛び道具の種類が豊富で遠距離での攻防に強く、またダッシュが非常に速く一瞬で近づいて連続技をたたき込むことも可能。ただし防御力がかなり低く設定されており、もろい面もある。得意ジェムはスペースで、一定時間完全無敵となるバリアを張る。バリアは攻撃を当てられるとその分早く消滅してしまう。前作ではラスボスとして登場し、今作で初めてプレイヤーキャラクターとして登場した。『インフィニティ・ガントレット』原作には登場しない。
- ブラックハート (Blackheart)
- 地獄の支配者メフィストの息子。メフィストを倒して支配者の座を奪おうとするがかなわず地獄を追放される。
- 吹雪・雷など数々の魔法を自在に操る。無数の隕石を降らすインフィニティ・スペシャル「アーマゲドン」が強力。得意ジェムはリアリティで、姿を完全に隠すことができるが、プレイヤーからも見えなくなるため使いづらい。『インフィニティ・ガントレット』原作には父メフィストが登場するが、ブラックハートは登場しない。
- シュマゴラス (Shuma-Gorath)
- 異次元の神。ゲームではタコのような姿で登場するが本来は不定形で、見る者にとってもっとも恐ろしいものの姿で現れる。
- 通常技の癖が強く扱いづらいものの、インフィニティ・スペシャルの投げ技(正確にはガード不能の打撃投げ。のけぞっている相手もつかめる)「カオスディメンジョン」が強力で、威力もさることながら確実に追撃が入るのが大きい(ジャガーノートの鋼鉄化、マグニートーのバリアも無視してつかめる)。また、コマンド入力後の発動時にも攻撃判定があり、しゃがみガード不可。これを当てて浮いた相手をつかむのが常套手段。得意ジェムはタイムで、技を当てると相手を一定時間石化させる。タイムに限らず他の多くのジェムをカオスディメンジョンを当てるために活用でき、システムの恩恵にあずかっている。特異な外見と、台詞に見られる「~でシュ」という語尾のミスマッチが不思議な魅力を生み、一部に根強い人気を呼んだ。
- マーヴルの歴史中2度しか登場していない非常にマイナーなキャラクターであり、カプコンが使用許可を求めた際にマーヴルの担当者もその存在を知らなかった、という逸話がある。当然、『インフィニティ・ガントレット』原作にも登場していない。
- ドクター・ドゥーム (Doctor Doom)
- 東欧のラトベリア王国で独裁政治を行っている、鎧と鉄仮面を身につけた科学者。ファンタスティック・フォーの宿敵であり、大学ではリード・リチャーズの同級生だったが実験の失敗で退学になったことでリードを逆恨みしている。『インフィニティ・ガントレット』原作ではヒーロー達の味方として登場するが、隙あらばジェムを我が物にしようとたくらんでいた。
- ゲームでは中ボスとして登場する。コンピュータの操作するドゥームはパターンが単純でさほど苦戦しないが、隠しキャラクターとしてプレイヤーが操作する場合は攻撃力が高く使いやすい技も揃っており、相当な強さを誇る。
- サノス (Thanos)
- 木星の衛星タイタン出身。過去にヒーローたちと闘い死亡したが、死の女神デスの力により蘇り、インフィニティ・ジェムを使って破壊を繰り返す。
- ラスボスとして登場し、ステージ開始時にこれまで集めたジェムは全てサノスに奪われてしまう。ジェムを使った六つの特殊なインフィニティ・スペシャルは強力なものばかりで、苦戦を強いられることになる。ただし、対空技がまったく存在しないため、上空からの攻撃には驚くほど弱い。プレイヤーが操作する場合、簡単かつ極悪な永久連続技が存在する。家庭用では、エンディングが二種類ある。
ドクター・ドゥームとサノス、及び後述するアニタは、特殊な設定をした上で隠しコマンドを入力するとプレイヤーキャラクターとして使用可能になる。
[編集] その他
- アニタ
- 『ヴァンパイアハンター』に登場するドノヴァン(Donovan Baine)と行動を共にする謎の少女だが、本作ではアニタ自身がドノヴァンの魔剣ダイレクを使って闘う(ただし彼女の使用する剣はドノヴァンの物よりも一回り小さく、また刀身もピンク色でリボンが付けられているため別の剣という可能性もある)。ドノヴァンの技を模した必殺技では豪鬼や鈴鈴(リンリン)を召喚し、インフィニティ・スペシャルの「ラブフォーユー」は首無しの人形から人形の頭を大量に発射し、ガードしても大きく体力を削り取る。元々お遊びで追加されたキャラクターであり、まともに戦っても勝負にならないほどに凶悪なキャラクターである。家庭用移植版では顔グラフィックも追加された。エンディングは、無い。彼女は落ち物パズル『スーパーパズルファイターIIX』にも登場し、本作と同じく「ラブフォーユー」を使う。
[編集] 移植版
セガサターン版プレイステーション版、どちらもキャラの動きのアニメパターンの削減が目立ちファンにとって満足のいく移植とは言えなかった。
なお、セガサターン版の方は拡張RAMカートリッジ(別売り)に対応しており、使用すると読み込める画像枚数が増えてだいぶ滑らかな動きになる(だがそれでも完全再現ではないようである)。
[編集] 関連項目
- 前作
- VS.シリーズ
- 原作コミック
- en:Infinity Gauntlet(リンク先は英語版)
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