サガット
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サガット プロフィール
サガットは、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズ等に登場する架空の人物。
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[編集] 概要
タイ出身の格闘家。彼のステージにはワット・ポーの涅槃仏がある。眼帯、それと『ストリートファイターII』(以下『ストII』)以降は大きな胸の傷痕がトレードマーク。胸に傷をつけたのはリュウだが、目に関しては作品ごとに設定が違い、『ストリートファイター』での設定では幼い頃に虎に襲われたのが原因(この時その虎のために目だけでなく両親も失い、その復讐のためにムエタイを習得したという設定)、『ストII』の設定では若い頃のチンピラとのケンカが原因、『ストリートファイターZERO』(以下『ストZERO』)以降の設定ではダンの父である火引強(ヒビキ ゴウ)との戦いが原因、となっている。
格闘スタイルはムエタイ。2メートルを大きく超える巨漢である。フルネームは設定されていないようだが、1994年の実写映画版では"Viktor Sagat"という名前だった。ユーザーからの通称はサガ夫。
「隻眼の猛虎」と呼ばれムエタイの帝王として君臨していたが、初代『ストリートファイター』にてリュウの必殺技「昇龍拳」に敗れる(胸の傷ができたのはこの時)。なお、一番弟子のアドンはこの事件がきっかけでサガットを憎むようになる。それ以降リュウを宿敵と見なし、雪辱と復讐を誓った修行で昇龍拳に対向した新必殺技「タイガーブロウ」(後に改良して「タイガーアッパーカット」に改名)を会得する。また、実力に目をつけて声をかけてきたベガの誘いにのってシャドルー所属の身となるのも、この時期である。
かくして長いインターバルの後にリュウと再び拳を交える機会が巡って来るが、その激闘で何か感ずるところがあったのか名声も復讐心も空しいものと考えるようになる。それ以降のサガットは“唯一自分と肩を並べる好敵手”としてリュウとの戦いを楽しみだし、その反動の様にシャドルーには非協力的に(と言うより疎遠に)なる。そのためか『CAPCOM VS. SNK』シリーズではキム・カッファンや春麗といった対悪人専用開始前デモを持つキャラクターらから、シャドルー四天王中で唯一悪人扱いされていない。
父親を殺された復讐に燃えるダンの事は、復讐の事しか頭にないその姿が、かつての自分と同じに見えるらしく、あまり高い評価はしていない。
キャラクターとしては、キックボクシングを題材にした梶原一騎原作の漫画『紅の挑戦者』のカリスマ的なムエタイ選手である「ガルーダ」や、同じく梶原一騎原作作品である『空手バカ一代』に登場するムエタイ最強戦士である「闇の帝王レーバン」がモデルと思われる(レーバン自体がガルーダのモデルでもある)。名前は、実在のムエタイ選手だった「サガット・ペッティンディー」が由来ではないかと思われる。
なお、プロフィールの嫌いなものに昇龍拳を挙げているが、他作品のキャラクターにはこれのパロディないしオマージュと思われるケースがある(『餓狼伝説』シリーズではダック・キングがテリー・ボガードの必殺技「ライジングタックル」を挙げ、『侍魂』シリーズではタムタムが覇王丸の必殺技「孤月斬」を挙げている)。
アニメ『ストリートファイターII V』では麻薬使用の冤罪で収容されている元チャンピオンの囚人という設定でシャドルーとの絡みはない。
『ストII』の頃、タイガーショットを撃つ時「タイガー」と言っているのだが、これが「あいぐー」にしか聞こえない、という声が多かった。これは『スーパーストリートファイターII』で声が新しくなっても相変わらずそのままで、既にこれがサガットのキャラとして認識されていた。しかし『ストZERO』からは、はっきりと「タイガー」と言う様になった。
[編集] 必殺技
- タイガーショット
- 両拳を胸の前で合わせて突き出し三日月形の気弾を打つ。『ストリートファイター』時の唯一の必殺技。
- グランドタイガーショット
- しゃがんで足元にタイガーショットを撃つ。しゃがんでいる相手に当らないが飛び越えにくい「タイガーショット」と、簡単に飛び越えられるがスライディング等でくぐれない「グランドタイガーショット」でセットになっている。
- タイガーアッパーカット
- ジャンプしながらのアッパーカット。初代『ストII』では一撃技だが、後の作品では多段ヒット技に。この技が未完成だった状態を「タイガーブロウ」と呼称した。
- タイガークラッシュ
- 跳び膝蹴りを放つ。旧名「タイガーニークラッシュ」。元々ダンの父・火引強が使っていた技「断空脚」をコピーした物らしい。
- タイガーフェイク
- 『ストリートファイターEX』シリーズの技。その場で掛け声とともに1回転するフェイントで攻撃ではない。
[編集] スーパーコンボ
- タイガージェノサイド
- 「タイガークラッシュ」の後「タイガーアッパーカット」を一回または二回連続で放つ。威力は高いがあまり役に立たない。とはいえ『スーパーストリートファイターII X』ではこれが唯一のスーパーコンボである。
- タイガーレイド
- 蹴り技を連続で放つ。こちらは安定した性能を誇る。
- タイガーキャノン
- 「タイガーショット」の強化版。「タイガーショット」同様にタイトルによっては足下に撃つ「グランドタイガーキャノン」がある。
- アングリーチャージ
- ZEROシリーズのみのスーパーコンボ。胸の傷を抑え、「タイガーブロウ」の攻撃力を高める。
- タイガーストーム
- EXシリーズにおけるメテオコンボ。ストレート・ダウンブロー・膝蹴りの三発を叩き込んだ後、膝蹴りで浮いた相手に強力なタイガーキャノン(黄色)を放つ。最初の三発がヒットする際、タイミングよくパンチボタンを入力すると威力が上昇するという仕組みになっている。3つ成功するとフィニィッシュのタイガーキャノンが紫色になる。
[編集] 各作品における位置づけ
- ストリートファイター
- リュウが戦う最終ボス。後の作品に継承されていないが、リュウの師の仇という設定で、波動拳をコピーしてタイガーショットを編み出したとされる。
- ストリートファイターIIシリーズ
- 四天王の一人として、ベガの直前の対戦相手。当初はサガットも含めボスキャラの存在は伏せられていて(自分以外の使用可能な通常キャラ7人を倒す事でM.バイソン、バルログ、サガットの3名が登場、その3人全員を倒す事でさらに最後のボス・ベガが登場するという構成だった)、『ストリートファイター』からのファンは彼の意外な再登場に喜んだ。ちなみに、この頃は226cmの身長に対して78kgという無理のある体重設定がされており、この事は後々までネタにされる事になる。
- ストリートファイターZEROシリーズ
- リュウに敗北した直後、あるいは再戦した後。体重設定が前述の78kgから109kgへ大幅に増加した(しかしそれでも「まだまだ軽過ぎる」という指摘の声はある。例えば身長209cmのジャイアント馬場の体重は130kg以上であり、223cmのアンドレ・ザ・ジャイアントにいたっては200kgを優に超える。サガットの身長で109kgではかなりの「痩せ型」という事になってしまうのである)。
- ストリートファイターEXシリーズ
- リュウと再戦した後。他キャラより遅れてEX2PLUSからの登場となる。
- ストリートファイターIIIシリーズ
- ゲームには登場しないが漫画版『RYU FINAL』において健在が確認できる。