高松琴平電気鉄道1013形電車
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高松琴平電気鉄道1013形電車(たかまつことひらでんきてつどう1013かたでんしゃ)および1063形電車は、高松琴平電気鉄道に在籍した通勤形電車である。いずれももと三岐鉄道の車両で、1983年に入線した。1013形は、もと三岐鉄道モハ120形・クハ210形で1959~1963年 東洋工機製。奇数番号車が制御電動客車、偶数番号車が制御客車で、1013~1017の5両が在籍していたが、1998年および2005年に廃車となった。一方、1063形は、もと三岐鉄道モハ130形で、1966年東洋工機製。両運転台の制御電動客車である1063の1両が在籍していたが、2005年に廃車になった。
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[編集] 概要
車体は18m級の全鋼製車体。窓配置は1013形がC3'-d2D7D2で、客用ドアは片開き、二段窓なのに対し、1063形はC3'-d1.1D1.2.2.2.1D1.1dで 客用ドアは両開き、窓は一段下降式である。雨樋は張上げ屋根となっている。
[編集] 車輌来歴
[編集] 琴電入線前
三岐鉄道モハ120形・クハ210形は、同社初の自車発注の電車である。 電装品は東洋電機製で、自動加速制御・カルダン駆動車であった。モハ120が3両なのに対し、クハ210が2両なのは、同社の在来車と併結が可能で固定編成を組んでいなかったためである。これらの最後に増備されたモハ130のみは両運転台で、前面は同じながら、側面が両開き3扉・一段下降窓に大きく変化した。 ながらく三岐鉄道の主力であったが、輸送力増強のため西武鉄道から大型車を購入したのに伴い、1982年に全車両が廃車になった。
[編集] 琴電入線後
1982年7月、琴電に搬入されたが、竣工は翌年5~6月となった。 琴平線に配置され、130形は1063形に、120形は1013形奇数車、210形は同偶数車となった。
入線にあたり、次の改造が仏生山工場で実施された。 まず車体は、1063は瓦町駅ホームが急カーブ上にあった関係で、中央の客用扉を埋め、他の客用窓と同じ形態の1段窓を2つ新設した。 一方、1013は側窓に保護棒を取りつけた程度である。 下回りは、台車(FS-17A)の改軌が不可能であったため、手持ちの旧型台車である2HEおよびDT30、3Hに交換した。このため、吊り掛け駆動になった。一方、制御方式は1981年に入線した1053形でHL式と自動加速式の併結が実現したため、この車両も自動加速のままとなった。ブレーキは、電磁SMEに変更された。マスコンはHL用に交換されている。
編成は、1063は単独で増結用として運用された。 1013形は1013と1014、1015と1016が固定編成を組み、余った1017は950形950号と編成を組んだ。この1017と950の編成は、当初連結面には貫通扉があるだけで、貫通路が無かったが、後に改造され、これを設けた。
1987年には1015-1016のみ台車・主電動機を新造のものに交換しカルダン駆動化された。 台車は住友FS-350、主電動機は三菱MB-3239A(出力110kw)×4である。
非冷房車であったため、1997年に1100形の代替として1013-1014・1017、2005年に1200形の代替として1015-1016、1063が廃車され、形式消滅した。
[編集] 参考資料
- 南野哲志・加納俊彦『RMライブラリー062 三岐鉄道の車両たち』、ネコ・パブリッシング、2004年10月/ISBN 4777050688
- 小笠原裕一「REPORT 琴電1013・1063デビュー」、鉄道ファン270号、交友社、1983年10月
高松琴平電気鉄道の電車 |
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現用車両 |
営業用(カルダン駆動・冷房車):600形・700形・1070形・1080形・1100形・1200形 営業用(釣掛駆動・非冷房車):20形III・30形III・60形・1000形・3000形・5000形 事業用:デカ1形・13000形 |
過去の車両 |
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