高松琴平電気鉄道1100形電車
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高松琴平電気鉄道1100形電車（たかまつことひらでんきてつどう1100がたでんしゃ）は、高松琴平電気鉄道が保有する通勤型電車である。もと京王帝都電鉄5000系で1969年日本車輌または東急車輌製。1997年（平成9年）に入線した。制御電動客車の1101～1108による2連4編成8両が琴平線に在籍する。
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[編集] 概要
車体は長さ17.5mの鋼製車体。窓配置はC3'-d1D3D3D2で、客用扉は片開き、窓は2段上昇式である。 前面の運転台窓はパノラマラミックウィンドウを採用している。連結面は広幅貫通路で、貫通扉はない。 屋根は張上屋根で、奇数車の連結面寄りにパンタグラフを備える。冷房機はRPU-1508Rを1両あたり6台備える。
電機関連は制御機が日立製作所製、主電動機が東洋電機製である。 抵抗制御式で、制御器1台で出力75Kwの主電動機8個の直並列制御する。
なお、制御機は奇数号車に搭載されている。 台車は東急車輌製のTS-310である。
[編集] 来歴
[編集] 琴電入線前
京王帝都電鉄5000系電車は、1963年に京王帝都電鉄京王線の架線電圧1500V昇圧に合わせて登場した車輌である。琴電に譲渡された車輌は、1969年に最終増備の第9次、10次車で、幅広車体の量産冷房車として登場したものである。
京王5000系は、1986年に非冷房・釣り掛け駆動の車輌から廃車がはじまった。琴電譲渡車はこれより後の1995～1996年に廃車になったもので、最も遅くまで京王に残ったグループであり、京王線でのさよなら運転に使用された車両も含まれている。
[編集] 琴電入線後
長尾・志度線の旧型車代替計画が1990年代に初頭に進められた。 この時、導入車輌の提案をしたのが京王帝都電鉄系列の京王重機整備である。 しかし、この時の提案は種車の廃車計画が予定通りに進まなかった為に実現しなかった。 その代わりに、京王5000系電車が、琴平線の冷房化率向上を名目に導入されることになった。
導入に際しては、以下の改造が、同社北野事業所で実施された。
- 中間電動客車のデハ5000形から改造された1101～1104は、他の車輌から運転台部分を切りだし接合する改造を受けた。また、車輌の順序を入れ替え、パンタグラフが連結面側に来るように変更された。その上で、偶数車（1102、1104）のパンタグラフは撤去された。
- 制御客車のクハ5700形から改造された1105～1108は、中間電動車の部品を使い、電動車に改造された。パンタグラフは奇数車（1105、1107）に新設した。
- 台車・モーターは、京急1000形の廃車発生品であるTS-310（主電動機75Kw×4）に交換。
- 弱め界磁制御をカット。
- 主幹制御器（マスコン）をHL用に交換。制動機をHSC-D（発電制動併用電磁直通制動）から電磁SME-D（非常管併設発電制動併用非セルフラップ式電磁弁付三管式直通空気制動）に変更。在来車との併結および総括制御を可能にするためである。ただし、1100形自体は京王5000系時代と同じ自動加速制御のままである（日立MMC-HTB-20改：直列12段、並列6段）。
- 85km/hまでの速度リミッターの取り付け。
- 連結器を密着連結器から密着自動連結器に交換。
- 電動空気圧縮機を琴電標準のC-1000形に交換。
- ATS、列車無線等、保安装置を琴電用に交換。
- 車内の化粧板、床材、座席モケットの交換。
塗装は、当時の標準塗装（上半分アイボリー、下半分ピンク）ではなく、開店間もない「コトデンそごう」の包装紙の色をイメージした、白地に窓周りに青緑と黒を配したものとなった。俗に「そごうカラー」と呼ばれる。
1997年7月にまず2編成を導入。代替で1013、1014、1017、950の4輌が廃車になった。同年10月に残りの2編成も入線したが、こちらは代替廃車はない。 その後、ラインカラー制導入に伴い、2004～2005年に外板を上半分アイボリー、下半分黄色の琴平線標準塗装に変更した。
[編集] 車歴
- 琴電1101←京王帝都電鉄デハ5023 1969年東急車輌製 1997年入線
- 琴電1102←京王帝都電鉄デハ5073 1969年東急車輌製 1997年入線
- 琴電1103←京王帝都電鉄デハ5022 1969年東急車輌製 1997年入線
- 琴電1104←京王帝都電鉄デハ5072 1969年東急車輌製 1997年入線
- 琴電1105←京王帝都電鉄クハ5772 1969年東急車輌製 1997年入線
- 琴電1106←京王帝都電鉄クハ5722 1969年東急車輌製 1997年入線
- 琴電1107←京王帝都電鉄クハ5771 1969年日本車輌製 1997年入線
- 琴電1108←京王帝都電鉄クハ5721 1969年日本車輌製 1997年入線
[編集] 参考資料
- 岸由一郎「京王重機整備とその仕事」、 鉄道ピクトリアル678号、電気車研究会、 1999年12月
- 鶴通考、沖勝則「地方で対面 車両譲渡の舞台裏」、鉄道ジャーナル409号、鉄道ジャーナル社、2000年11月
- 永井信弘「京王5000系」、鉄道ファン408号、交友社、1995年4月
| 高松琴平電気鉄道の電車 |
|---|
| 現用車両 |
| 営業用（カルダン駆動・冷房車）：600形・700形・1070形・1080形・1100形・1200形 営業用（釣掛駆動・非冷房車）：20形III・30形III・60形・1000形・3000形・5000形 事業用：デカ1形・13000形 |
| 過去の車両 |
| 01形・変1形・10形・20形I・20形II・30形I・30形II・50形I・50形II・70形I・70形II・80形I・80形II・90形 750形・820形・850形・860形・880形・890形・920形・950形・1010形・1013形・1020形・1050形 1053形・1060形・1063形・2000形・6000形・7000形・8000形・9000形・10000形・11000形・12000形 |
