超時空要塞マクロス (ゲーム)
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1982年に放送されたSFアニメ『超時空要塞マクロス』およびその続編(マクロスシリーズ)については、複数の会社からゲーム作品が発表されている。
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[編集] 概要
主流はVF-1バルキリーを始めとする可変戦闘機を操り、異星人勢力と戦うシューティングゲームであり、三段変形機構を活用して、展開に変化をつける工夫がされている。また、「板野サーカス」と呼ばれるミサイル乱射アクションの再現も重視されている。初期から1990年代半ばまではスクロール方式であったが、以降はポリゴン技術の発達によってバルキリー特有の高機動アクションを3Dフライトシューティングでの再現が可能となり中心となっている。この頃より、アニメシリーズのメインスタッフである河森正治、宮武一貴、板野一郎らがデザイン、監修に加わり、映像作品に登場しないメカニックを含め歴代の可変戦闘機が選択可能となり、プレイバリューが大きく広がっている。
架空のマクロス世界を舞台にしたこれらの作品だが、物語の多くはゲームオリジナルで、アニメシリーズで描かれる「正史」の設定とは異なる(美樹本晴彦デザインのゲームオリジナルキャラクターも多い)。ただし、スタジオぬえ(河森、宮武ら)が関わった作品については、正史とみなされる場合もあるので区別が必要である。
また、本記事に挙げられた以外にもバンプレストの『スーパーロボット大戦シリーズ』や『Another Century's Episode 2』にも、他の番組のロボットと共にマクロスシリーズのメカやキャラクターが出演している。
[編集] 家庭用ゲーム機
[編集] テレビゲーム
- 超時空要塞マクロス (アルカディア)
- 1983年発売。バンダイ。カートリッジ、3800円。
- バンダイが輸入販売した海外ゲーム機アルカディア用。横スクロールシューティング。初のゲーム化と思われる幻の作品。
- 超時空要塞マクロス (ファミリーコンピューター)
- 1985年12月発売。開発ナムコ、販売バンダイ。カートリッジ、4800円。
- 横スクロールシューティングゲーム。劇場版一条輝のVF-1Sを操りゼントラーディ軍と戦う。BGMとしてリン・ミンメイの曲「小白竜(シャオパイロン)」が使用されている。発売はバンダイとなっているが、カートリッジの形状が当時のナムコのオリジナル、およびシールにはナムコの名前が入っている。当時バンダイのゲーム部門が本格的に立ち上がっていないため開発をナムコに委託したものと思われる。
- 超時空要塞マクロス2036 (PCエンジン)
- 1992年4月発売。メサイア(日本コンピュータシステム)。CD-ROM、7400円。
- 横スクロールシューティング。同年制作されたアニメ『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』の関連企画で、共通のパラレルワールド的設定をもつ。2036年、地球への復讐を企むカムジン一派はヌェルド基幹艦隊を呼び寄せ、マクシミリアン・ジーナス、ミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻の長女コミリア・マリアが出撃する。オリジナル機体VF-1SR(VF-1Sの改良型)が登場する。
- 超時空要塞マクロス 永遠のラブソング (PCエンジン)
- 1992年12月発売。メサイア(日本コンピュータシステム)。CD-ROM、7200円。
- 戦術シミュレーション。「超時空要塞マクロス2036」の続編で、2037年が舞台。再びカムジンによりプラド基幹艦隊が呼び寄せられ、謎のメルトランディ軍も参戦する。最終話近くで「愛・おぼえていますか」が流れる。
- 超時空要塞マクロス スクランブルバルキリー (スーパーファミコン)
- 1993年10月発売。ザムス(バンプレスト)。カートリッジ、8800円。
- ウィンキーソフト開発の横スクロールシューティング。2010年が舞台で、VF-1の改良型オリジナル機体は一条輝、マックス、ミリア機から選択可能。音波攻撃によりゲーム中の敵キャラクタを自機のオプションとして使用できる「ミンメイ・キャノン」という要素がある。
- マクロス DIGITAL MISSION VF-X (プレイステーション)
- 1997年2月発売。開発UNiT、販売バンダイビジュアル。CD-ROM、6800円。
- マクロス関連ゲーム初の3Dフライトシューティング。2047年、謎の武装勢力に誘拐されたアイドルグループ「ミルキー・ドールズ」を救出すべく、ステルス強襲揚陸艦ヴァルハラIIIが惑星オルフェウスへ派遣される。使用機体はVF-1Xplus、VF-4G、VF-11B、VF-17D、VF-19A、VF-22S。このうち、VF-4は新たに変形機構がデザインされている。また、隠しユニットとして、VF-1XplusのFASTパック装備が登場する。
- 本作には河森正治が監修、宮武一貴が各種デザイン、美樹本晴彦がキャラクター原案、板野一郎がメカ特技監修など、マクロスシリーズのメインクリエイターが参加しているため、『マクロス7』に続く正史上のストーリーと解釈される。オープニングテーマ曲はFIRE BOMBER。ミルキー・ドールズのメンバーはアオイ・ツワブキ(声:櫻井智)、リアトリス(井上喜久子)、モーリィ(三石琴乃)、ビオレッタ(今井由香)、フリージア(並木のり子)。エンディングのコンサートでは飯島真理作詞・作曲の主題歌「Only You」を歌う。
- 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか (セガサターン/プレイステーション)
- SS版1997年6月、PS版1999年5月発売。開発セガ、販売バンダイビジュアル。CD-ROM、6800円。
- 奥行きを加えた2.5D横スクロールシューティング。劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のイベントをなぞり、VF-1各機体を操る。内容はオーソドックスなシューティングゲームだが、河森正治が監修し旧声優陣が参加した新作ムービーパートの出来が秀逸。劇場版冒頭(土星付近)から遡る戦争勃発時の様子が描かれている。
- 初回特典として、2016年に銀河系中心部で消息を絶ったメガロード-01からリン・ミンメイが最後に残したメッセージカードが付けられた。
- マクロス VF-X2 (プレイステーション)
- 1999年9月発売。開発UNiT、販売バンダイビジュアル。CD-ROM、6800円。
- 前作に続く3Dフライトシューティング。システムを見直し、ダイナミックな視点移動「バリアブルビュー」が導入された。2050年、統合軍特殊部隊レイブンズの活躍を描く。使用機体はVF-1Xplus、VF-11B、VF-17D、VF-19A、VF-22S、VA-3M、VB-6。VB-6は本作のためにデストロイド・モンスターをベースにデザインされた。前作同様、メインクリエーターが参加したため正史上のストーリーと解釈される。
- 2002年には限定1000本のキャンペーン非売品「スペシャルバージョン」が存在した。
- マクロスプラス -GAME EDITION- (プレイステーション)
- 2000年6月発売。開発翔泳社、販売タカラ(現タカラトミー)。CD-ROM、6800円。
- 3Dフライトシューティング。『マクロスプラス』OVA版と劇場版(MOVIE EDITION)を再編集した展開で、プレイヤーはイサム編(YF-19)かガルド編(YF-21)を選択する。演習ステージの後、地球上で両機の一騎打ちに突入する。特定状況で板野サーカスが発生するダイナミック・シチュエーション・システム(DSS)を採用。他にフリープレイモードもある。BGMには菅野よう子のアニメサントラを使用している。
- マクロスM3 (ドリームキャスト)
- 2001年2月発売。翔泳社。CD-ROM、6800円。
- 3Dフライトシューティング。『超時空要塞マクロス』以降の年代、マックス、ミリア夫妻が結成した特殊活動部隊ダンシング・スカルの活躍を描く。タイトルの「M3」とはマックス、ミリア夫妻と、彼らが養子にしたゼントラーディ人の少女モアラミラ・ジフォン(声:半場友恵)の3人の頭文字のこと。使用機体はVF-1J、VF-9、VF-14、VF-3000、VF-5000、バリアブル・グラージ。VF-9、VF-14、VF-3000は本作以外アニメシリーズに登場していない機体である。
- 本作はドリームキャスト生産中止発表直後に発売されたため、最近作の中では目立たない不遇の作品となってしまった。
- 超時空要塞マクロス (プレイステーション2)
- 2003年10月発売。開発セガ(SEGA-AM2)、販売バンダイ。CD-ROM、6800円。
- 3Dフライトシューティング。発売元はバンダイだが、SEGA-AM2(現セガ)のエアロダンシング4開発チームが参加している。プレイヤー(主人公)が序盤の選択肢で、攻撃空母プロメテウスか宇宙空母アームドのどちらに配属を希望するかで、TV版と劇場版のストーリーに分岐するシステム。使用するVF-1各型も、TV版と劇場版の設定がある。バルキリーパープル小隊を始め、サイドストーリー的なキャラクターと原作のキャラクターが同居する。オペレーターのエマ・グレンジャーの声担当は『マクロス7』のミレーヌ・ジーナス、「VF-X」のアオイ・ツワブキに続き櫻井智である。
- また、劇場版最終ステージを、VF-1S一条輝機のストライクバルキリー装備で出撃すると、原作の劇場版と同じように、プレイヤーキャラは、アポロリーダーから一条輝に代わり、ラストのナビゲートも、エマ・グレンジャーから早瀬未沙に代わる。
- ちなみに部隊名も「アポロ小隊」から「スカル小隊」となる。
- なお、原作キャラクターの一部の声担当が代わっている。
- 一条輝役(長谷有洋→野島健児)
- ヴァネッサ・レイアード役(佐々木るん→佐久間紅美)
- ブリタイ・クリダニク役(蟹江栄司→大友龍三郎)。
[編集] 携帯ゲーム機
- マクロス スペースファイト (ポケットゲーム)
- 1983年発売。タカトクトイス。4950円。
- シューティング。TVシリーズの玩具スポンサータカトクトイスのLSIゲームシリーズ。
- マクロスII (ポケットゲーム)
- 1984年発売。タカトクトイス。4950円。
- 第二弾のシューティング。
- 超時空要塞マクロス アームド1を守れ! (ポケットゲーム)
- 1985年。バンダイ。4800円。
- シューティング。
- マクロス7 -銀河のハートを奮わせろ!!- (ゲームボーイカラー)
- 超時空要塞マクロス トゥルーラブソング (ワンダースワン)
- 2000年3月発売。レイアップ(アップスター)。カートリッジ、3980円。
- オリジナルのマルチエンディングアドベンチャーゲーム(恋愛要素あり)。
[編集] アーケードゲーム
- 超時空要塞マクロス (アーケード)
- 1992年。開発NMK、販売バンプレスト。
- 縦スクロールシューティング。開発元のNMKの作品『サンダードラゴン』のシステムを流用した作品。1プレイヤー側が一条輝、2プレイヤー側がマクシミリアン・ジーナス(なお当時のNMK作品にみられるように、自機の移動スピードが2プレイヤー側がわずかに速い)。基本的に劇場版の「超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか」のストーリーを踏襲している。
- 超時空要塞マクロスII (アーケード)
- 1993年。開発NMK、販売バンプレスト。
- スコアアタック式横スクロールシューティング。『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』のストーリーを踏襲。制限時間内にスコアノルマをクリアする方式。開発にはゲーメストが協力している(タイトルの前にロゴが表示される)。そのため、ゲーメスト誌上でスコアアタックコンテストが開かれた。
- MACROSS PLUS (アーケード)
- 1996年。開発MOSS、販売バンプレスト。
- 縦スクロールシューティング。VF-11、YF-19、YF-21から機体を選択する。ゲームの仕様は所謂東亜プランシューティングに近い。石柱やビルなど、高層の構築物の描写に特徴がある。
[編集] パソコンゲーム
- ミス・マクロス (PC-8801mkII/FM-7コンパチ)
- 1983年発売。テクノポリスソフト。カセットテープ、3200円。
- TVシリーズキャラクターのパズル集。
- 1984年発売。ボーステック。カセット版(MSX、X1turbo)、フロッピー版(PC-8801Mk.II)、カートリッジ版(MSX)、4500円。
- 横スクロールシューティングゲーム。VF-1バルキリーの三段変形を再現している。ボーステックは以降もマクロスゲーム化に関わっている。
- 超時空要塞マクロス リメンバーミー (PC-9801)
- 1993年3月発売。ファミリーソフト。フロッピー、9800円。
- シミュレーション。『超時空要塞マクロス』をベースにしたオリジナル・サイドストーリー。戦場の駒を動かす戦術モードと、マクロス艦内の兵器開発などを進める戦略モードがある。
- 超時空要塞マクロス スカルリーダー (PC-9801)
- 1994年5月発売。ファミリーソフト。フロッピー、9800円。
- シミュレーション。「リメンバーミー」の続編。基本システムに加え、アドベンチャー的艦内モードが追加された。
- 超時空要塞マクロス ラブストーリーズ (PC-9801)
- 1994年7月発売。ファミリーソフト。フロッピー、6800円。
- シミュレーション。ファミリーソフト3部作の最後。ストーリー的なキャンペーン型シナリオをもつ。1995年7月には「スカルリーダー」と「ラブストーリーズ」をカップリングした「コンプリートパック」が発売された。フロッピー版、CD-ROM版各9800円。
- マクロス SINCE1983 (Windows 95/98)
- 1998年10月発売。レイアップ(アップスター)。CD-ROM、5800円。
- シミュレーション。マップ式戦術戦闘指揮ゲーム。歴代の可変戦闘機が登場する。
- マクロス アナザーストーリー (Windows 95/98)
- 1999年12月発売。レイアップ(アップスター)。CD-ROM、8800円。
- シューティング+リアルタイムシミュレーション。「SINCE1983」の続編。オリジナルのマルチストーリーが展開される。
- (VO)2001年6月、(VOXP)2002年7月発売。ボーステック。CD-ROM。7800円。
- 3Dフライトシューティング。訓練モードとキャンペーンモードの他、オンラインで最大8人の対戦機能あり。「VOXP」はWindows XP対応および追加要素を付加したマイナーバージョンアップ版。
[編集] その他のゲーム
[編集] ボードゲーム
- ツクダホビー シミュレーションゲームシリーズ
- DOG FIGHT(ドッグファイト)
- 1ユニット=1機として、宇宙空間での戦闘を行う。当時、最も難しく、リアルであると言われた航空機での戦闘シミュレーションゲーム「空戦マッハの戦い(エアーウォー)」をベースに、慣性や3次元モーメントの記録や再現を取り込んだため、ゲームの難易度は極めて高く、1人のプレイヤーが2機以上を操作するのは困難であった。相当に慣れたプレイヤー同士でないと、接敵すらできずに時間が過ぎて行くことが多い。
- CITY FIGHT(シティーファイト)
- DOG FIGHTのシステムで、大気圏内戦闘および地上戦(マクロス艦内での戦闘)を取り扱ったもの。
- SPACE FOLD(スペースフォールド)
- このゲームの説明書に多人数ナンパゲーム「マクロスライフ」が収録された。
- 1ユニット=1小隊とした戦略級シミュレーションゲーム。マクロスが太陽系外周から地球圏に帰艦するまでを取り扱う。
- VF-1 VALKYRIE(バルキリー)
- DOG FIGHT(ドッグファイト)
- 超時空要塞マクロス Love is Passing Away
- バンダイ パーティージョイシリーズ No.48
[編集] レーザーディスク、VHD
- 超時空要塞マクロス SFチャレンジゲーム
- 1985年。開発小学館ビデオ、販売東芝EMI。9800円。
- アドベンチャー。ビデオディスクのランダムアクセス機能を活かして、ビデオディスクプレーヤー本体のみで遊ぶことの出来る家庭用ゲームソフト。プレイヤーはリモコンでチャプターを選択しながらゲームを進行させていく。『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のビデオ発売元でもあった小学館ビデオから、レーザーディスク方式とVHD方式の各ソフトが発売された。
[編集] 携帯電話ゲーム
- 超時空要塞マクロス (NTTドコモ 504i、504isシリーズ)
- 2003年4月ダウンロード開始。ボーステック・モバイル。月額315円。
- 擬似3Dシューティング。i-mode用ゲーム配信サービス「i Game 大好き!」シリーズのひとつ。
[編集] タイピングソフト
- 超時空要塞マクロス 愛打 タイピングバルキリー (Windows 98/Me/2000/XP )
- 超時空要塞マクロス 愛打2 タイピングプロトカルチャー (Windows 98/Me/2000/XP )
- (愛打)2002年7月(愛打2)2003年1月発売。SSIトリスター。CD-ROM、(愛打)5800円(愛打2)6000円。
- ゲーム的要素のあるタイピング練習ソフト。計21ステージで、一条輝の訓練を通じてタッチタイピングを学べる。「愛打2」では選択機体数が13に増え、ムービーとともに劇場版ストーリーを体験できる。
[編集] 発売されなかったゲーム
米国のGameTeckがNINTENDO64向けに「ROBOTECH:CrystalDreams」と命名された3Dシューティングを開発していた時期があり、これをトミー(現タカラトミー)が「超時空要塞マクロス アナザーディメンション」として日本で発売する予定が一時あった。しかしながらGameTek倒産により開発が停止され、日の目を見ることはなかった。
[編集] 外部リンク
- ファミリーソフトのソフト一覧(リメンバー・ミー、スカルリーダー、ラブストーリーズ)
- マクロスプラス -Game Edition-(翔遊社HP)
- マクロスM3(翔遊社HP)
- PS2 超時空要塞マクロス(バンダイHP)
- 超時空要塞マクロス 愛打(SSIトリスターHP)
- 超時空要塞マクロス 愛打2 (SSIトリスターHP)
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