ゼントラーディ人
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ゼントラーディ人は、『超時空要塞マクロス』に登場する巨人型の異星人の名称。
劇場版では男性はゼントラン、女性はメルトランという区別がされている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
古代のプロトカルチャーが遺伝子操作によって戦闘目的のために造った人種。プロトカルチャーが自らを模倣して造ったため、外観こそ人類と酷似しているが、内部的にはかなり手が加えられており、内臓の数や位置が人類と異なる臓器もある。闘争本能の肥大化など、DNAレベルでも手が加えられており、第一次星間大戦後一度は地球に帰化したゼントラーディ人のなかには、破壊衝動を抑えきれず、暴動を起こす者が相次いだ。
TV版と劇場版では設定が異なる。TV版ではゼントラーディ人の敵対勢力は監察軍で、ゼントラーディの男性と女性は同じ艦艇には乗っていないものの統一された指揮系統の元で活動していた。劇場版では、プロトカルチャーが単性生殖を実現させた結果、男(ゼントラーディ)と女(メルトランディ)に分断され戦闘に至ったとされている。戦闘に特化された種族のため、美術・音楽などの文化に免疫がなく、男女の恋愛行動に対して異常な反応をする点はTV版、劇場版とも共通している。
肉体を地球人サイズに縮小する「マイクローン化」や、逆にマイクローンを巨人サイズに戻す技術などを持っている(厳密に言えば、そのための機械であるマイクローン装置を持っている)。
TV版の中盤以降、および『マクロス7』などの続編では旧ブリタイ・アドクラス艦隊将兵の多くがマイクローン化して新統合政府に参加しており、地球人とゼントラーディ人のハーフも生まれている。『マクロス7』はTV版の設定を受け継いでいるが、男性をゼントラーディ、女性をメルトランディと呼ぶこともある。
プロトカルチャー言語から発展した独自の言語体系を使用しているようであるが、TV版では演出上の都合もあり、最初から完全な翻訳機が存在していた。劇場版では、より未知の異星人としての印象を強めるため、当初は独特のゼントラン語を使用しており、「デ・カルチャー(意訳:そんな馬鹿な)」などが有名。作中で次第に地球の言語とゼントラン語が混合して使用されるようになった。
劇場版では、早瀬未沙が片言ながらもプロトカルチャー語で書かれた愛・おぼえていますかの歌詞カードの翻訳や、プロトカルチャーからのメッセージを理解できたところから、統合軍も西暦1999年に墜落してきたマクロス内部に残存していた資料やデータなどから、ゼントラン語(メルトラン語)をある程度解読しているものと推察できる。
[編集] ゼントラーディ軍
ゼントラーディ人は種族全員が戦闘員であり、ゼントラーディ軍の将兵である。
ゼントラーディ軍は1,000個以上の「基幹艦隊」に分かれて行動している。1個基幹艦隊は移動司令部である超大型要塞と500万隻近い宇宙戦艦、搭載された無数の戦闘ポッドで構成される。当然全ての基幹艦隊に識別ナンバーが割り振られているが、便宜上、総司令官の名前を冠した名称で呼ばれる。第一次星間戦争の際、人類と交戦した基幹艦隊は、ゼントラーディ軍第118基幹艦隊(通称:ボドル基幹艦隊)である。基本的に基幹艦隊同士の接触などは行われず、お互いの艦隊の位置も命令系統上位の将兵までしか知らされていない。総司令官戦死の際は、残存艦隊は速やかに一番近い他の基幹艦隊に撤退するよう規定されている。
ゼントラーディ人は兵器を創造する技術を持ち合わせておらず、使用している兵器は全てプロトカルチャーが建造した自動工場で製造される。標準的な戦闘ポッド・リガードは約3億を数える工場で常時生産、前線に配備されている。修理技術も持っていないため、全般的に耐久力に主眼を置いた設計・構造となっている(歴戦の戦艦ともなると数万周期(年)前に建造された艦が現役で戦っていたりする)。
基本的に一つの工場で単一の兵器が大量生産されているようである。戦闘等で工場が破壊されるとその工場自体の修復も不可能なので消耗する一方となり、例えば大昔に生産工場が全て失われた戦闘ポッド・グラージや偵察艇ケルカリアなどはゼントラーディ全軍を通じて希少品となっている。
反応弾に至っては、監察軍との開戦当初に全ての生産工場が戦火で失われ、幻の兵器として言い伝えのみがゼントラーディ全軍に伝わっていた。少数量でも戦局を左右する威力の兵器のため、最優先で両軍とも互いの工場を破壊したのであろう。だが、地球人類の発明した反応兵器と、プロトカルチャーが開発した物が全く同一のものである確証もなく、ゼントラーディ軍に伝わっていた反応兵器とは恐らく熱核兵器全般のことを指すのではないかと思われる。ただし反応兵器も核兵器の一種である。
[編集] 代表的なゼントラーディ人
- エキセドル・フォルモ
- ゴルグ・ボドルザー
- ブリタイ・クリダニク
- ゼントラーディの兵士達
(劇場版ではメルトランディ)