ブリタイ・クリダニク
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ブリタイ・クリダニク(Vrlitwhai Kridanik)は、SFアニメ作品『超時空要塞マクロス』に登場する、架空の人物。主要登場人物のひとり。劇場用作品『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』での名前(いわゆるコードネーム)はブリタイ7018。
声:蟹江栄司。21世紀に発売されたPSソフトの『スーパーロボット大戦α』、PS2ソフトの『超時空要塞マクロス』では、逝去した蟹江に代わって大友龍三郎が声を担当している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 超時空要塞マクロス
ゼントラーディ軍第118基幹艦隊(ボドル基幹艦隊)・第67グリマル級分岐艦隊司令。最初のマクロスへの攻撃で、幻の反応兵器を所有している事等から、地球人が今まで相手にしてきた敵とは違うと言うことに気づき、殲滅せずに様子を見ることにする。単独での戦闘能力は凄まじく、素手でバトロイドと渡り合い(柿崎機のVF-1Aと一条機のVF-1Jを格闘戦で大破させている)、短時間なら真空中でもパイロットスーツなしで活動可能(現にバーミリオン小隊の活躍でエアロックから放り出された後、他のエアロックから艦に戻った上で、前述の通り二機のバトロイドを大破させている)という強靭な肉体の持ち主。乗艦はノプティ・バガニス5631(いわゆるブリタイ艦)。
頭部の半分は金属製のカバーに覆われているところからも、歴戦の勇士であることが推察できる。ゼントラーディ人としては珍しく広い展望を持ち、戦略眼も長けており、幾度となくマクロスを窮地に陥れた。
地球人を捕虜にして基幹艦隊に戻った際に、捕虜を取り逃がしてしまうという失態を演じ、一時前線から下げられるものの、その経験を買われ再び前線に復帰。部下の兵士達が文化に感化されていくのを目の当たりにし、上からの命令と兵士達の気持ちの間で板挟みとなるが、最終的には地球人との共存の道を選び、マクロスと独断で停戦協定を結び、ともにボドルザー総司令の率いる基幹艦隊と戦った。
戦後もマイクローン化することなく、新統合軍の宇宙艦隊司令官に就任し、地球の技術で修復・改造されたブリタイ艦を駆り、地球防衛の任や文化の保守に尽力している。
人類にとってゼントラーディ人とのファーストコンタクトがブリタイだったのは、ある意味最大の幸運だったと言えるかもしれない。
[編集] 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
劇場版においても、ゼントラーディ軍第425基幹艦隊所属のブリタイ7018アドクラス艦隊司令である。マクロスからの捕獲品や映像により、マクロスを運用しているのが敵対しているメルトランディではなく地球人であり、地球人がマイクローンであること、男女が共に生活しているということが判明し、衝撃を受けていた。
リン・ミンメイ以下4名を捕虜して捕獲することに成功し、彼女らをゴルグ・ボドルザーの元へ送還しようとしたが、その直前メルトランディの奇襲に遭遇。リン・ミンメイ、リン・カイフン以外の捕虜は脱走したものの、前述2名をボドル基幹艦隊へ送り届ける。
ゼントラーディの設定変更により外観こそグロテスクになったものの、中身はTV版同様、広い視野と展望を兼ね備えている。基幹艦隊への航海中にはリン・ミンメイとも頻繁に接触したのであろう、作中後半ではリン・ミンメイ直伝の「冗談」というものを言い放ち、副官であるエキセドル4970を驚かせた。
リン・ミンメイとの接触、ボドルザーの数万隻もの味方を巻き込んでまでのメルトランディに対する砲撃への反感などが遠因となり、ミンメイの歌う「愛・おぼえていますか」によって文化の素晴らしさと重要性に目覚め、最終決戦の最中に艦隊ごとマクロスへの援護に転じた。間奏に合わせてボドルザーへの反逆の意思と文化への思いを説きながらマクロス側へ転進するシーンは、今作品の最大のクライマックスシーンと言える。この時のブリタイの思いと呼びかけに、その他大勢のゼントラーディや、生き残っていた各々のメルトランディが共感してマクロスを援護している。
ボドル機動要塞との交戦中、乗艦を中破擱挫させられながらも主砲により機動要塞の装甲を貫き、マクロスのために要塞内部への突入口を開くなど、同作品の「もう1人の主人公」と言っても過言ではない活躍を見せた。