飯島真理

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飯島真理（いいじままり、1963年 5月18日 - ）は茨城県土浦市生まれのミュージシャン、声優、女優。

[編集] 来歴・人物

国立音楽大学ピアノ科在学中（後に中退）、シンガーソングライターを目指してレコード会社でレッスンを受けていたが、周囲の勧めでSF テレビアニメ『超時空要塞マクロス』(1982年~)の声優オーディションを受ける。声優経験どころかアニメ事情にも疎かったが、初々しさと表現力を買われ、作中のアイドル歌手、リン・ミンメイ役に抜擢される。劇中では声当て以外にも、「私の彼はパイロット」、「愛は流れる」など架空の歌謡曲を歌い、振り付けも自ら考案した。作品の人気とともにこれらの楽曲と飯島の名はアニメファンに浸透し、「架空のキャラクターから現実の歌手が生まれる」というボイスアイドルの先駆例となった。なお、テレビ版のリン・ミンメイの曲はサントラに収録されたものの、シングルカットはされていない。

飯島真理個人としてのデビュー曲は1983年にリリースされた「夢色のスプーン」で、この曲はNHKで同年4月から1年間放映されたスプーンおばさんの主題歌である。同年、ファーストアルバム「ROSE」で本格的にデビュー。このアルバムは坂本龍一のプロデュースである。また、ラジオ番組「ミスDJリクエストパレード」のパーソナリティのひとりも務めた。

1984年、劇場版『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』でもリン・ミンメイ役を務め、主題歌「愛・おぼえていますか」（安井かずみ作詞、加藤和彦作曲）を歌った。個人として最大のヒット曲となり、オリコントップ10内にチャートイン（最高7位）。「ザ・ベストテン」等の歌番組に数回ほど出演した。「愛・おぼえていますか」はアニメソングの名曲のひとつとなり、のちに桜井智、下川みくにらがカヴァーしている。

以降、アニメ分野から離れアーティスト活動に専念。同年にはTBS系列のクイズ番組「わくわく動物ランド」エンディングテーマ「１グラムの幸福」もリリースした。この曲も後年TBS系ドラマの主題歌として近藤名奈がカヴァーしている。1987年にはMoon Records (現:ワーナー系) に移籍。

1989年、音楽プロデューサーのジェームス・スチューダーと結婚し米国へ移住。同年にはビーチ・ボーイズのアルバム「スマイル」に於いてブライアン・ウィルソンと共同で制作にあたっていたヴァン・ダイク・パークスのソロ・アルバム「Tokyo Rose」の制作に誘われ、アルバム中の「Calypso」のフィーチャーリング・ヴォーカリストとなる。その後ロサンゼルスを拠点に活動するも低迷、後にジェームスとは離婚する。その後は自主制作CDを発表する等のインディーズ活動を地道に続け、まれに来日して小規模なライブ活動を行っている。女優業に挑戦するなど、40歳を越えた今も個人で精力的に活動している。

[編集] 超時空要塞マクロスとのつながり

飯島の歌手デビューのきっかけとなり、今日まで関係の深い『超時空要塞マクロス』であるが、劇場版公開後にはアニメファンとの間に悲しい行き違いが生じている。本人はアニメ分野での貴重な経験を活かし、音楽界でシンガーソングライターとして自立することを目指していたが、ファンは現実の彼女にもリン・ミンメイ像を投射し、コンサートでも架空のヒット曲を歌って欲しいと願った。また、作中でリン・ミンメイがやや自己中心的なキャラクターだったことも、同一視される傾向に影響していた。このため、飯島は意識的にマクロス関連から距離を置き、久しくシリーズの続編や企画に関わることを止めていた（これは飯島の周囲のスタッフ陣も気を遣ったという）。

その後、米国で個人活動を始めた後は、現地アニメファンのマクロス支持熱に驚き、かつての掛替えない経験に誇りを持てるようになって徐々にわだかまりを解くようになる。そして1990年代半ばからマクロス関連イベントやゲーム制作に関わり、たとえば、1995年には続編「マクロス7」でヒロイン、ミレーヌ・ジーナス役を演じた桜井智に楽曲提供を行ったり、ゲーム「MACROSS DIGITAL MISSION VF-X」の主題歌『Only You』のほか挿入BGMの曲を書き下ろしている。他にも1996年、一条輝役の共演者長谷有洋が不慮の死を遂げた直後に行われたライブでは、長谷への追悼の意をこめた楽曲をアンコールで歌っている（このうち長谷への追悼曲「忘れない」は今もアルバム未収録曲である。）。

また、マクロスでの自身の代表曲となった『愛・おぼえていますか』を1993年発表の「The Classics」で、『天使の絵の具』を1995年発表の「Best of the Best」でリメイクしている。 2002年には、マクロス放送20周年企画のひとつとして、セルフカバーアルバム「Mari Iijima sings Lynn Minmay」を発表。このアルバムの製作には元夫のJames Studerも協力している。

2006年、米国で発売開始された英語吹替版DVD「Super Dimension Fortress MACROSS」では、22年ぶりにリン・ミンメイの声当て（すべて英語吹き替え）を担当することになった。日本原作アニメの声優が、海外版で同一キャラクターを演じるのは史上初の試みであり、現地在住の長い飯島ならではの仕事といえる。

[編集] 声優としての活動

「超時空要塞マクロス」シリーズ（リン・ミンメイ）
「クールガール」（アスカ）

[編集] ディスコグラフィ

[編集] シングル

夢色のスプーン／リンゴの森の子猫たち（1983年　NHK アニメーション「スプーンおばさん」OP・ED）
きっと言える
愛・おぼえていますか／天使の絵の具（1984年　東宝映画「超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか」主題歌・ED）
1グラムの幸福（TBS系クイズ「わくわく動物ランド」ED）
セシールの雨傘（1985年）
遥かな微笑～黄土高原～（1986年）
People!People!People!（1987年　日本テレビ系「ワールドクイズザ・びっくり地球人!」ED）
鏡よ！鏡～I wanna marry you～（1988年）
still（1989年）
secret
Don't leave me lonely tonight（1990年）
さよならが言えない
僕らは天使じゃない
Love is a miracle（1991年　フジテレビ系妻たちの劇場・「家族あわせ」主題歌）
キ・ラ・イ（1993年　関西テレビ系「さんまのまんま」OP）
Don't fade out!～フェイド・アウトはやめて！～（1994年　テレビ朝日「週刊地球TV」ED）
Is there anybody out there?（1995年）
Forever Young～君に会いたい～（1996年　フジテレビ系「上岡龍太郎にはダマされないぞ」ED）
三日月のカヌー（1997年　テレビ東京「ねらわれた学園」主題歌）
Friends～時空を越えて～（1997年　桜井智とのデュエット　「超時空要塞マクロスＴＶ版放映15周年記念」）
Eternal Love～光の天使より～（2002年　ゲーム「ギャラクシーエンジェル」OP）
Eternal Love 2003（2003年　ゲーム「ギャラクシーエンジェル　Moonlit Lovers」OP）

[編集] オリジナルアルバム

ROSE（1983年）
blanche（1984年）
Midori（1984年）
KIMONO STEREO（1985年）
Coquettish Blue（1987年）
Miss Lemon（1988年）
My Heart in Red（1989年）
It's a love thing（1990年）
Believe（1991年）
Different Worlds（1993年）
Love Season（1994年）
Sonic Boom（1995年）
Good Medicine（1996年）
Europe（1997年）
Rain & Shine（1998年）
No Limit（1999年）
Right Now（2001年）
Silent Love（2003年）
WONDERFUL PEOPLE（2004年）

[編集] 企画アルバム

Starlight,Moonshadow（1985年）
飯島真理SONGメモリー（1986年）-「超時空要塞マクロス」のリン・ミンメイ全曲集
The Christmas Song（1989年）
For Lovers Only（1990年）
Something Special Live（1990年）-ライブアルバム
Merry Christmas,Melody（1990年。「The Christmas Song」に2曲追加）
Mari Iijima sings Lynn Minmay（2002年）

[編集] ベストアルバム

VARIEE（1984年）
GOLD（1986年）
The Classics（1993年）
Best of the Best（1995年）
Mari picks "The Ultimate Collection"（2005年）

[編集] 楽曲提供

小川範子 - 『もう一度会いたい』
小泉今日子 - 『二人』
斉藤由貴 - 『親知らずが痛んだ日』（作詞：田口俊）、『眠り姫』（作詞：斉藤由貴）
櫻井智 -　『あなたへのLove Song』、『あいたくてもあえない』『MY TOWN』（作詞：桜井智）
Milky Dolls（桜井智、井上喜久子、三石琴乃、並木のり子、今井由香） - 『Only You』（ゲーム『MACROSS DIGITAL MISSION VF-X』主題歌）