資源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
資源(しげん、Resource)は、人間の生活や産業等の諸活動の為に利用可能なものをいう。広義には人間が利用可能な領域全てであり、狭義には諸活動に利用される原材料である。
各種天然資源や観光資源のような物的資源と、人的資源とがある。
さらに、経済上投入可能な資源として経済的資源という区分もある。
目次 |
[編集] 天然資源
自然を構成し利用可能な資源を天然資源という。天然資源は地球誕生以来存在し、膨大な量になるが決して無尽蔵ではなく、更に、容易に採掘利用可能なものは限られている。産業革命以降、人類はあらゆる資源を搾り取って活用することで産業を成り立たせてきたが、その資源も近い将来枯渇するといわれている。今後、海底資源や未開発地の資源の捜索など、多大な困難が伴い経済的に非効率な開発が必要となることも予測される。このため、「捨てればごみ、分ければ資源」といったキャッチフレーズが示すように、資源の再生利用を積極的に進めようとする動きがある。また、水や石油、希少金属など資源をめぐって戦争・紛争が起こる事が多い。
以下、天然資源の種類とそれを取り巻く問題などを紹介する。
[編集] 水資源
水は人間の生活や産業にとって欠かすことのできない、最も貴重な資源といえる。河川や湖の水だけでなく地下水の利用もある。一方で、洪水や干ばつ、水質汚染、仮想輸入水など多くの問題を抱えている。 世界の水資源利用は農業用水、工業用水、生活用水の順に多い。
[編集] 鉱物資源
鉱物資源は鉄・銅・ボーキサイト・石油・石炭・ウラン鉱等の、有効利用が可能な鉱物である。世界各地に鉱脈があり、様々な手法で採掘されている。地下資源とも言う。産出量が少ないけれど有用な鉱物資源は、レアメタルと呼ばれている。石油・石炭・天然ガス等は化石燃料とも呼ばれている。
[編集] 森林資源
これまで長い時間をかけて成長していた森林は、近年の伐採、焼畑農業や乱開発により急激に減少している。森林の再生は長い時間が必要であり、多くの課題を有している。
[編集] 海底資源
地球の表面積の70.8%は海であり、その海底には石油・天然ガス・メタンハイドレート・マンガンなどの資源が眠っている。これらを海底資源という。これまで利用が困難であった海底に眠る資源を開発する動きがある。これはしばしば政治的な問題とも関わりがあり、尖閣諸島の問題を巡る論点の一つに挙がる。また、イギリスは北海油田の開発によって経済危機を乗り越えた。
[編集] 海洋資源
海洋に生息する生物は多様で、その生態は完全にはわかっていなかった。しかし、最近になってそういった生物の分泌する物質が医薬品などに応用できる場合があると判明し、研究が進められている。
[編集] 電波資源
電波の使用が増加したことにより、割り当てが可能な周波数が枯渇しつつあるため、電波を資源の一つとして考えることがある。
[編集] 人的資源
労働力や創造性など、人間のもつ生産能力を資源に含めて、人的資源 (Human resource) と呼ぶことがある。
[編集] 経済的資源
物的資源や人的資源を含む、広義の経済上における生産資源である。
労働力、土地、原材料などがそれに当たる。資源をどのように配分し何を生産するかは経済体制によって手段が変わり、時代によって目的が変わる。
資源配分の手段
資源配分の目的