藍より青し
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『藍より青し』(あいよりあおし)は文月晃の漫画作品。略称は「藍青」。
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[編集] 概要
タイトルは『荀子』勧学篇の言葉「青は藍より出でて藍より青し」から取ったものだと思われる。荀子の思想は、人間の天性は悪だが後天的努力(学問を修めること)により矯正できるとするものであり、そこから転じて、最初は頼りなさそうな人物であった花菱薫が人間的に成長していく様を物語の軸に据えていることを表していると思われる。尚、1972年度のNHK朝の連続テレビ小説『藍より青く』とは、タイトルの語源以外に接点はない。
白泉社の漫画雑誌『ヤングアニマル』にて1998年から2005年17号(8月26日発売)まで連載。単行本は全17巻で発売されている。そのほかにドラマCDやノベライズ、キャラクターグッズなども発売されている。
アニメは、2002年4月から第一部が、2003年10月から第二部(タイトルは『藍より青し ~縁~』)が放映された。また、PS2やPCでゲームも発売されている。
作品の舞台地域は埼玉県朝霞市・志木市周辺で、東武東上線(劇中では北武線)の10030系と思しき電車や池袋駅(薫と葵が再会した場所)・朝霞台駅・志木駅周辺と酷似した風景を劇中に見ることができる。ただし桜庭館(住人の住まい)のモデルは埼玉県ではなく北九州市戸畑区にある西日本工業倶楽部が所持する国指定重要文化財旧松本邸である。
『ヤングアニマル』連載のマンガにしては珍しく性行為のシーンはほとんど無く(女性登場キャラのヌードは多々あるが)終盤の138話にて薫と葵の一回があるのみである。
大団円ではなく恋愛関係について解決しないまま終わった問題が多々あり、後半の急すぎる展開もあり終わり方に関して不満の声が多い。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
明立大学に籍を置く平凡な大学生・花菱薫。だが実は、花菱財閥総裁・花菱優二を父に持つ、花菱財閥次期当主となる人間だった。薫の母・本条久美と父・花菱優二とは正式な夫婦関係はなく、そのために薫も母・久美も、周囲からは様々な誹謗中傷を受けてきた。薫が5歳の時に父・優二が他界し、その後は祖父・花菱源一郎(優二の父)から花菱家当主になるために、限りなく虐待に近い「帝王教育」を施されるようになった。
薫はそんな花菱を嫌い大学入学を機に花菱との縁を切り花菱家を出て行った。しかし、薫には幼少の頃より薫を心から想ってくれている女性がいた、その名は桜庭葵。桜庭呉服店(さくらデパート)の跡取り娘であり、花菱次期当主なる人間と婚約関係を結んでいた女性である。桜庭家と花菱家は様々な交流があり、葵は幼い頃から薫を慕っていたが、薫は葵の気持ちに気づいていなかった。
薫が花菱家を出たことで葵と薫の婚約は破棄され、桜庭家では他の縁談が進められていたが、葵は薫への思いを断ち切れず、薫を追って桜庭家を出てしまった。 互いに跡取りの使命を捨てて巡り会った二人だが、一緒に暮らすにはあまりにも困難な状況だった。だが、桜庭呉服店の使用人で葵の後見人・神楽崎雅という唯一の理解者を得て、二人は桜庭の別荘(洋館)で一緒に暮らすことになった。
桜庭のスキャンダルを防ぐ為、葵と雅が洋館に、薫が洋館の離れ(使用人の住む寮)に住む事になった。やがて薫が所属する写真部の仲間もこの離れに集まり始め、洋館の離れは彼らのアパートと化してしまった。その為、雅は洋館の管理人、葵はアパートの大家として振舞うことになった。
[編集] 登場人物
声優の記載はアニメ・ゲーム版/ドラマCD版である。
- 花菱薫(はなびしかおる) - 声優:保志総一朗/同左
- 本作の主人公。明立大学の学生で、写真部に所属。花菱財閥の次期当主として育てられたが、その厳しく辛い環境に嫌気がさし、家を出て下宿生活をしていた。そんな折に許婚の桜庭葵と出会い、葵のほか数人と共に桜庭館に住むことになる。(後に放逐され母方の姓〔本条〕を名乗る)真面目で優しい性格。
- アニメには登場しないが、腹違いの弟がおり、その名も薫という。
- 桜庭葵(さくらばあおい) - 声優:川澄綾子/同左
- 本作のヒロイン。薫の許婚で、彼のことを心の底から一途に慕っている。桜庭呉服店の跡取り。薫に相応しい妻になる為に頑張ってきたので、お嬢様育ちにして家事が得意。純粋な性格。いつも和服を着ている。
- スキャンダル発覚対策として、周囲には桜庭館の大家と名乗っている。
- ティナ・フォスター - 声優:雪野五月(アニメ第一部放送当時の表記は雪乃五月)/同左
- 大学で薫と同じ写真部に所属していた。アメリカ人だが、博多育ちで博多弁を喋る。積極的で快活な性格だが、怖がりで寂しがり屋。薫を好いているが、素直に言い出せない。現在は桜庭館に下宿中。
- ティナの薫への思いを描くアニメ版第18話ではエンディングとしてティナ・フォスター(雪野五月)が歌う“I'll Be Home”が使用された。CVの雪野五月は滋賀県出身で博多弁に慣れていない為、アニメ第一部では、ウズメ役の猪口有佳(※福岡県出身)が「方言指導」としてクレジットされていた(猪口有佳の出演機会の無い回のみ)。
- 葵の後見人。桜庭家に仕えていた両親を早くに亡くし、桜庭家に引き取られた過去を持つ。桜庭家に恩返しする為、自分が受けた恩を葵に尽くそうとする。桜庭館では管理人を務めている。当初は葵が花菱家から飛び出した薫を慕うのに反対していたが、徐々に認めつつある。一見クールだが、内面は優しい。後に桜庭家の養子となる。
- ティナ同様、薫と同じ写真部に所属。桜庭館にハウスキーパーとして住み込んで暮らしている。不器用でドジなところもあるが、前向きで何事にも一生懸命。実は薫の事が気になっている。巨乳でメガネっ娘。
- 美幸紡績の社長令嬢であり、その関係で薫とは幼い頃に知り合って以来、彼に想いを抱くようになる。イギリス留学中は、早く帰りたい、早く薫に会いたいという一心で猛勉強した末に、計2年飛び級し、16歳で明立大学に帰国子女枠で編入してきた。普段は非常に高飛車だが、薫の前では丸っきりキャラが変わり、アプローチも積極的。
- 西園寺琉伽(さいおんじるか) - 声優:堀内賢雄
- 繭の世話係を務める男性。両親が仕事で忙しく留守になりがちな為、代わりに彼女の面倒を見ている。
- 水無月ちか(みなづきちか) - 声優:桃井はるこ
- 妙子の従姉妹。祖母の旅館を手伝っていたが、高校進学の際に桜庭館へ引っ越してきた。薫を兄の様に慕う。いつも小麦色の肌をしており、元気いっぱい。学校では水泳部に所属。
- ウズメ(フェレット) - 声優:猪口有佳
- ティナが飼い始めたが、なぜか雅になついている。
- 小宮夏樹(こみやなつき) - 声優:こやまきみこ
- 水無月ちかの級友且つ同じ水泳部員。快活で溌剌とした性格。言葉遣い等に男勝りな所がある。
- 相澤千鶴(あいざわちづる) - 声優:能登麻美子
- 水無月ちかの級友且つ同じ水泳部員だが、水泳は苦手。大人しくおっとりとして優しい。一途な努力家でもある。
- 鈴木 - 声優:中井和哉
- 大学で薫と同じ写真部に在籍していた。薫が来ていなかった間に部長になった。いつもサングラスをかけている。無類の鉄道マニア。
- 佐藤
- 鈴木と同じく薫が来ていなかった間に副部長になった。アイドル趣味の強い人間でもある。
[編集] アニメ
[編集] 第一部
アニメ版の第一部は2002年4月10日から9月25日までフジテレビ、関西テレビ、東海テレビで放映された。全24話。
フジテレビでは水曜日の深夜に放映されたが、フジテレビの機器メンテナンスのため放送できない週が多かったため、終盤の数週間は一度に2話を放送するという特別編成が組まれた(関西テレビ、東海テレビでは週遅れで通常通り1話ずつ放映)。
オープニングは石田燿子が歌う“永遠の花”、エンディングにはthe Indigoの“名も知れぬ花”が使われた。(最終回はエンディングも“永遠の花”である)
[編集] 第二部
アニメ版の第二部は、『藍より青し~縁~』のタイトルで2003年10月12日から12月28日までテレビ埼玉、テレビ神奈川、千葉テレビ放送、関西テレビ、東海テレビ、11月からテレビ西日本、北海道文化放送で放映された。全12話。第一部と同じくフジテレビ系列を基本としながらも、関東地区だけ独立UHF放送局での放送となった。
上記の事情により、関西テレビ・東海テレビ・テレビ西日本・北海道文化放送初のUHFアニメとなったが、これ以降はしばらくこの4局でのUHFアニメ放映はなかった。しかし、関西テレビ・東海テレビでは2005年7月から『プレイボール』でネットを再開し現在に至る。
- オープニング:“たからもの”(石田燿子)
- エンディング:“I Do!”(the Indigo)
- 第九話 白妙~しろたえ~ のみ“presence”(the Indigo)
前作から二年後を舞台にしている。花菱・桜庭の問題は、前作のアニメでほぼ解決していたため、原作のような急展開にはならず、後半はティナを中心として描いていた。
なお、2004年7月からテレビ埼玉、テレビ神奈川、千葉テレビ放送、サンテレビジョンで再放送された。再放送にしては珍しくスポンサー(ジェネオンエンタテインメント)がついた。余談だが、サンテレビでは初めての放送であったが(関西地区の本放送は関西テレビ)、新聞のテレビ欄には「再」のマークが付いていた。
[編集] スタッフ
- 監督:下田正美
- シリーズ構成:あみやまさはる(無印)→金巻兼一(~縁~)
- チーフライター:金巻兼一(無印)→不在(~縁~)
- キャラクターデザイン:岩倉和憲
- 総作画監督:中山由美
- デザインワークス:長谷川眞也、楠本祐子(無印)→楠本祐子(~縁~)
- 美術監督:東潤一
- 色彩設定:石田美由紀(無印)→佐藤直子、石田美由紀(~縁~)
- 撮影監督:大河内喜夫(無印)→黒澤豊、大河内喜夫(~縁~)
- 音響監督:三間雅文、柏倉ツトム(無印)→柏倉ツトム(~縁~)
- 編集:西山茂(タバック)
- 音楽:増田俊郎
- 制作:J.C.STAFF
[編集] その他
- 作者はなんらかのラブコメを連載しようと考えており、当初は「葵(ヒロイン)が暴走族」といったトンデモ設定のプロットもあったそうだが、担当に一蹴されたという。
- 連載が赤松健の『ラブひな』と同じ時期があり、また各種メディアミックスの展開も赤松作品と同様に進行していたことから「和風『ラブひな』」と一部で呼ばれていた。また、2002年のアニメ化の際に、ヤングアニマル増刊スペシャルにて文月と赤松の対談が実現した。その内容はファイナルファンブックにも掲載されている。
[編集] 関連商品
[編集] DVD
- 藍より青し ―藍青特報版―
- 藍より青し 第一巻~第八巻(各三話収録)
- 藍より青し~縁~ 最愛
- 藍より青し~縁~ 第一巻~第六巻(各二話収録)
[編集] CD
- 藍より青し 音絵巻/電脳絵巻
- 藍より青し 歌絵巻
- 藍より青し 葵唄 -あおいうた-
- 藍より青し 藍青放送局
- 藍青音盤一 "桜"
- 藍青劇版一 "向日葵"
- 藍青劇盤二 "秋桜"
- 藍青音盤二 "寒椿"
- 藍青~縁~音盤 "松"
- 藍青~縁~劇盤一 "竹"
- 藍青~縁~劇盤二 "梅"
- HCD「藍より青しの夏休み」
- HCD「藍より青し~旅情編~」
[編集] 本
- 藍より青し 第一巻~第十七巻 原作コミック
- 藍より青し~花鳥風月~ TVアニメビジュアルブック
- 藍より青し ノベライズ
[編集] ゲーム
- 藍より青し PS2
- 藍より青し ~春夏~ WindowsXP,2000,Me,98用
- 藍より青し ~秋冬~ WindowsXP,2000,Me,98用
[編集] 外部リンク
フジテレビ 木曜26時後半枠 | ||
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