国際刑事裁判所
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国際刑事裁判所(こくさいけいじさいばんしょ、the International Criminal Court、略称:ICC)は、個人の国際犯罪を裁く常設国際裁判所である。1998年7月17日に国連外交会議において採択された国際刑事裁判所規程(ローマ規程、ICC規程)に基づき、オランダのハーグに設置された。日本は未署名。
国際司法裁判所(ICJ)と混同されることがあるが、国連の司法機関であり法律的紛争を扱う国際司法裁判所とはまったく異なる裁判所である。
目次 |
[編集] 目的
国際関心事である重大な犯罪について責任ある個人を訴追・処罰し、将来同様の犯罪が繰り返されることを防止する。
[編集] 国際刑事裁判所規程
国際刑事裁判所規程(The Rome Statute of the International Criminal Court)
- 国際刑事裁判所の設立条約は、1998年7月17日、国際刑事裁判所の設立に関する全権大使国際連合外交会議において採択された。この設立条約は60カ国以上の批准を受けて2002年7月1日に発効した。そして、2003年3月11日に国際刑事裁判所が正式に発足した。
[編集] 管轄
- 時間的管轄 - 国際刑事裁判所規程が発効した2002年7月1日以降に行われた犯罪に限り管轄権を有する。
[編集] 管轄権行使の前提条件(対象となるケース)
次の場合には、国際刑事裁判所は上記の犯罪について管轄権を行使できる。
- 犯罪行為地国が締約国である場合
- 被疑者国籍国が締約国である場合
- 犯罪行為地国または被疑者国籍国である非締約国が、国際刑事裁判所の管轄権を受諾する宣言を行った場合
- 国連憲章第7章に基づいて行動する安全保障理事会が事態を国際刑事裁判所に付託した場合
[編集] 管轄権の行使(訴訟の提起)
以下の3通りの方法により、訴訟が提起される。
- 締約国が国際刑事裁判所の検察官に事態を付託する
- 国連憲章第7章に基づいて行動する安全保障理事会が国際刑事裁判所の検察官に事態を付託する
- 国際刑事裁判所の検察官が捜査を開始する
上記1および3の場合は、前述の[管轄権行使の前提条件]のうち1-3のいずれかの条件を満たしていなければならない。
[編集] 被害者に対する賠償
国際刑事裁判所は被害者のための信託基金を設立しており、裁判所は、適当な場合には、信託基金を通じての賠償を命令することができる。信託基金は個人と集団の双方を対象としている。賠償金は直接個人または援助組織などの団体に送られる。被害者に対する賠償は、必ずしも有罪の判決を受けた者だけが行うのではなく、政府や国際機関、個人からの補助金が使われる場合もある。
信託基金では、市民の支援や募金を求めている。
[編集] 特徴
国際刑事裁判所規程において注目される条文
- 前文・第1条(裁判所)
- 国際刑事裁判所は、国内刑事裁判権を補完する。
- 第7条(人道に対する罪)第1項g
- 人道に対する罪として、「強かん、性的奴隷、強制売いん、強制妊娠、強制不妊、又は類似の重大性を有するその他の性的暴力」が規定された。このうち、「性的奴隷」は、第二次世界大戦中の旧日本軍のいわゆる「従軍慰安婦」が念頭に置かれた規定である。(性暴力が人道に対する罪として初めて規定されたのは、旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所規程で、第5条に「強かん」の規定がある。同様に、ルワンダ国際刑事裁判所規程第3条にも規定がある。)
- 第27条(公的地位の無関係性)
- 国際刑事裁判所規程は、その公的地位に関りなく、すべての者に平等に適用される。国家元首や議員、公務員であっても、規程に基づく刑事責任から免除されない。そのため、伝統的な国際法の下では訴追できなかった現職の国家元首や閣僚であっても訴追の対象となる。(このような規定は、ジェノサイド条約第4条や旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所規程第7条にも見られる。)
- 第36条(裁判官の資格、指名及び選挙)8項a(iii)
- 裁判官の構成は、男女の割合が公平でなければならない。裁判官のジェンダーバランスが考慮された。これは、国際刑事裁判所が対象とする事態に女性に対する性的暴力が多く含まれるためである。
- 第43条(書記局)
- 書記局には、被害者及び証人部門が設置されるが、この部門には、性的暴力によるものを含む精神的外傷に関する専門知識を有する職員を置かなければならない。
[編集] 裁判所の構成
- 統括部 (Presidency)[1]
- 上訴部 (Appeals Division)[2]
- 裁判部 (Trial Division)[3]
- 予審部 (Pre-Trial Division)[4]
- 検察局 (Office of the Prosecutor)[5]
- 書記局 (Registry)[6]
[編集] 裁判官
- 人数: 18名
- 選出: 裁判官は締約国会議おける選挙によって選ばれる。各締約国が推薦できる候補者は1名である。
- 任期: 9年(ただし、第1回の選挙で選出された裁判官は、抽選により3年間、6年間、9年間の職務に就く)
- 裁判官の選出にあたって考慮される事項
- 世界の主要な法体系の代表であること
- 地理的均衡性
- 男女の割合が公平であること
- 女性及び児童に対する暴力などを含む特定の事項について法的専門知識を持つ裁判官を含めること
現在の裁判官: (女性8人・男性10人、出身地域はアフリカ3人、アジア3人、ヨーロッパ8人、ラテンアメリカ4人である)
- リストA(刑法や刑事訴訟法に関する知識・経験を有する裁判官)10名
- カール・T・ハドソン・フィリップス(Karl T. HUDSON-PHILLIPS)(トリニダード・トバゴ)9年
- クロード・ジョルダ(Claude JORDA)(フランス)6年
- ジョルジォ・M・ピキス(Georghios M. PIKIS)(キプロス)6年
- エリザベス・オディオ・ベニト(Elizabeth ODIO BENITO)(コスタリカ)9年
- エカテリーナ・トレンダフィロワ(TRENDAFILOVA, Ekaterina)(ブルガリア)2006年3月から9年 -女性
- サンユン・ソン(Sang-hyun SONG)(大韓民国)2006年3月から9年 -男性
- モーリーン・ハーディング・クラーク(Maureen Harding CLARK)(アイルランド)9年─(2006年12月に辞任)
- ファトゥマタ・ディンベル・ディアラ(Fatoumata Dembele DIARRA)(マリ)9年
- エイドリアン・フルフォード(Adrian FULFORD)(イギリス)9年
- シルビア・ステイナー(Sylvia STEINER)(ブラジル)9年
- リストB(国際法に関する知識・経験を有する裁判官)8名
- ナバネセム・ピレー(Navanethem PILLAY)(南アフリカ)6年
- ハンス・ピーター コール(Hans-Peter KAUL)(ドイツ)2006年3月から9年 -男性
- マウロ・ポリティ(Mauro POLITI)(イタリア)6年
- アクア・クエネヒア(Akua KUENYEHIA)(ガーナ)2006年3月から9年 -女性
- フィリップ・カーシュ(Philippe KIRSCH)(カナダ)6年
- レネ・ブラティマン(René BLATTMANN)(ボリビア)6年
- アーキ・クルラ(Erkki KOURULA)(フィンランド)2006年3月から9年 -男性
- アニータ・ウサカ(Anita USACKA)(ラトビア)2006年3月から9年 -女性
[編集] 主任検察官
- ルイス・モレノ・オカンポ(Luis Moreno-Ocampo)(アルゼンチン) - 2003年4月21日の締約国会議で選出された。
[編集] 署名国・締約国
- 署名国 - 139カ国(日本未署名)
- 締約国 - 104カ国(日本未加入)
- アフリカ29カ国---(ベナン、ボツワナ、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ジブチ、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、レソト、マラウィ、マリ、モーリシャス、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、シエラ・レオーネ、南アフリカ、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ブルキナファソ、コンゴ共和国、ブルンジ、リベリア、ケニア、コモロ諸島、チャド共和国)
- アジア・大洋州12カ国---(アフガニスタン、オーストラリア、カンボジア、タジキスタン、フィジー、マーシャル諸島、モンゴル、ナウル、ニュージーランド、大韓民国、サモア、東ティモール、)
- 中東1カ国---(ヨルダン)
- ヨーロッパ39カ国---(アルバニア、アンドラ、オーストリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、グルジア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サン・マリノ、セルビア共和国、スロヴァキア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、マケドニア、イギリス、モンテネグロ共和国)
- 北アメリカ1カ国---(カナダ)
- 中南米22カ国---(アンティグア・バーブーダ、アルゼンチン、バルバドス、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ国、エクアドル、ホンジュラス、パナマ、パラグアイ、ペルー、セントヴィンセントおよびグレナディーン諸島、トリニダード・トバゴ、ウルグアイ、ベネズエラ、ガイアナ、ドミニカ共和国、メキシコ、セントクリストファー・ネイビス)
[編集] 国際刑事裁判所への反対
- アメリカは国際裁判所規程の起草段階で重要な役割を果たしたが、国際刑事裁判所規程が採択された1998年の国連外交会議では反対票を投じた。 クリントン政権時は2000年の12月31日に国際刑事裁判所規程に署名したものの、批准しない旨を公表していた。 ブッシュ政権に移行後は、国際刑事裁判所規程が発効する直前の2002年5月6日に署名を撤回している。署名の撤回は過去に例がなく、署名を撤回することが国際法上可能であるかという問題を含め、多くの議論を呼んでいる。
- アメリカは、国際刑事裁判所は政治的に利用される虞があるとして、国際刑事裁判所に対して強硬な姿勢をとっている。これは自国軍将兵が戦闘区域での不法行為(主として非戦闘員虐殺など)により訴追される事を防ぐ為、退いてはアメリカの無謬を主張する為と見られる。対ICC政策としては、自国民を国際刑事裁判所に引き渡さないことを約する二国間協定(Bilateral Immunity Agreements、BIAs)の締結を各国に要請したり、安全保障理事会で国連平和維持軍(PKO)の国際刑事裁判所からの訴追免責を認める決議を2002年(決議1422)及び2003年(決議1487)に採択したりしている他、国際刑事裁判所に対する協力を禁止し、アメリカ国民に国際刑事裁判所からの訴追免責を与える法律(The American Servicemembers' Protection Act:ASPA)を制定している。ASPAは、アメリカとBIAsを結ばない国(NATO諸国及び一部の同盟国を除く)に対する軍事援助を停止することも規定しており、これに加えて、2004年、アメリカ議会は、アメリカと二国間協定(BIAs)を締結していない国際刑事裁判所規程締約国に対する経済援助を停止するという修正案を含む2005年度予算を可決、12月8日、ブッシュ大統領がこれに署名した。
[編集] 最近の動き
- 2004年1月29日、国際刑事裁判所は、国際刑事裁判所の検察官がウガンダにおける捜査を開始することを発表した。ウガンダでは、18年に渡り政府と武装勢力「神の抵抗軍(the Lord's Resistance Army、略称:LRA)」との間で紛争が続いており、重大な人権侵害が行われている。 特に、子どもに対する犯罪が深刻で、LRAにより多数の子どもが誘拐され、強制的に少年兵にされたり、性的搾取を受けたりしている。 このような状況に鑑み、2003年12月、ウガンダのムセベニ(Museveni)大統領が国際刑事裁判所検察官に事態を付託(ウガンダは締約国である)、捜査が開始されることとなった。 尚、これは発足したばかりの国際刑事裁判所にとって初の捜査となる。
- 国際刑事裁判所は元アメリカ連邦検察官のクリスティーン・チャン(Christine Chung)をウガンダにおける捜査の指揮官とした。 チャンの母国・アメリカ合衆国は、国際刑事裁判所は政治的に利用されうるとして国際刑事裁判所に対して強硬姿勢をとっているが、チャンが選ばれたことにより、そのアメリカ国民によって国際刑事裁判所が政治的な道具ではなく、刑事裁判所として実効的に機能することを証明できると期待する声もある。
- 2004年6月23日、アメリカ合衆国は、国連平和維持活動(PKO)要員に対する国際刑事裁判所の訴追免責決議案を取り下げる旨を発表した。この訴追免責決議案は安全保障理事会において2002年に採択され、1年毎に更新されていたが、決議案が6月末に失効することを受け、2004年6月17日に国連事務総長コフィー・アナンが免除決議案の更新は「安保理及び国連の信頼性を損なう可能性がある」として更新に反対の意を表明していた。 アメリカ合衆国が決議の更新を断念した背景には、イラクにおける捕虜の取り扱いが各国の不信と反発を招き、安保理で採択に必要な賛成が得られない見通しであったことがある。
- 2004年6月23日、国際刑事裁判所の主任検察官ルイス・モレノ・オカンポはコンゴ民主共和国における虐殺や拷問などについて公式に捜査を開始したと発表した。捜査の対象となるのは国際刑事裁判所規程が発効した2002年7月1日以降に行われた犯罪である。 今回の捜査は国際刑事裁判所が行う初の公式捜査となる。 主任検察官は、「国際刑事裁判所による捜査開始は、不処罰の防止や被害者の保護に向け、国際司法にとって重要な一歩である」と述べた。 国際刑事裁判所では既にコンゴ民主共和国における捜査を行っていたが、これは申立てのあった事態が国際刑事裁判所の管轄となる事件かを検討するための予備的なもので、公式の捜査とは区別される。 コンゴ民主共和国では1990年代からの政府と反政府勢力との間の紛争により数百万人にのぼる市民が殺害されており、レイプや拷問、拉致、違法な少年兵の使用などの重大な人権侵害の事態が複数の国家や国際機関、NGOから報告されている。
- SOURCE: ICC Press Releases (July 23)
- 2004年7月26日、国際刑事裁判所は7月26日から7月30日にかけて検察局と書記局の職員を公式にコンゴ民主共和国へ派遣することを発表した。職員は当局や市民、NGOの代表らと非公開の会議を開く予定である。今回の訪問は将来の協力の可能性を見ることを目的としている。
- SOURCE: ICC Press Releases (July 26)
- 2004年9月6日から9月10日まで第三回締約国会議が開かれる。
- 2004年9月8日、第三回締約国会議おいて、ガンビア出身のFatou Bensouda氏が副検察官として選出された。Bensouda氏はルワンダ国際刑事裁判所で弁護人をつとめており、選挙では78票中58票を得て当選した。任期は9年で、2004年11月1日からポストにつく。
- SOURCE: ICC Press Releass (Sept. 8)
- SOURCE: ICC Press Releases (Sept. 22)
- SOURCE: ICC Press Releases (Sept. 23)
- SOURCE: CICC
- 2004年10月4日、国際刑事裁判所の裁判所長Filippe Kirschと国連のアナン事務総長は、国際刑事裁判所規程第2条に定める、国際刑事裁判所と国連の関係についての枠組みを規定した協定に署名した。同協定は、国際刑事裁判所と国連の役割及び協力について定めたもので、代表の交換や、国際刑事裁判所の国連安保理へのオブザーバー資格、運営上の協力、司法上の協力などを定めるもので、その内容は、2002年9月3日から9月10日に開かれた第一回締約国会議において承認されていた。
- SOURCE: ICC Press Release, UN Press Release L/3077
- 2004年12月22日、リヨンにおいて、国際刑事裁判所の検察局と国際刑事警察機構(ICPO) との協力の枠組みを定めた協定への署名がなされた。同協定は、犯罪の予防や刑事司法の分野における協力を定め、双方の機関の間の情報提供や、容疑者及び逃亡者の捜索を可能にする他、国際刑事裁判所検察局にICPOの通信ネットワークやデータベースの利用を許可するもの。
- 2005年1月6日、国際刑事裁判所の検察官は、中央アフリカ共和国政府から事態の付託を受けた。対象となるのは、中央アフリカ共和国の領域において、国際刑事裁判所規程が発効した2002年7月1日以降に行われた犯罪である。国際刑事裁判所検察官への付託は、ウガンダやコンゴ共和国についで三件目となる。国際刑事裁判所の検察官は、今後、申立てのあった犯罪の重大性や、中央アフリカ国内の関係裁判所による手続きに関する情報を収集して捜査を開始するか否かを判断する。
- 2005年3月15日、ケニアが98番目の締約国となった。(ケニアは1999年8月11日に署名していた。)CICCのアフリカコーディネーター、アングロフォン氏は、ケニアは深刻な紛争が続いているウガンダやスーダンとも国境を接しており、ケニアの批准はこの地域における平和と正義に大きな希望を与えるものであると評価した。
- SOURCE: CICC Media Statement (Mar. 15)
- SOURCE: CICC
- SOURCE: CICC Press Release
- 2006年1月26日、締約国会議にて、新たに6人の裁判官が選出された。6人中5人は、すでに国際刑事裁判所裁判官の任についた経験を持つ。(最初の3年の任期を終え、再選を果たした。)尚、新たに選出された裁判官は東ヨーロッパ出身である。6人は、2006年3月より9年間その任にあたる。
- SOURCE: CICC
- 2006年3月17日、コンゴ民主共和国の首都キンシャサにて武装勢力、コンゴ愛国者同盟(Union of Congolese Patriots:UPC)の指導者と見られているトマス・ルバンガ(Thomas Lubanga)容疑者が戦争犯罪の容疑で同国の治安当局によって逮捕され、ハーグの国際刑事裁判所に移送された。同裁判所の第一予審法廷は、ルバンガ容疑者が15歳未満の児童を徴兵し戦争行為に参加させた容疑について十分な根拠があると判断し、2006年2月に極秘逮捕状を発行。同時にコンゴ政府に対しルバンガ容疑者の逮捕と引渡しを求め、同年の3月14日付けで書記局を通じてその旨をコンゴ政府側に通達していた。極秘逮捕状は3月17日に公開された。国際刑事裁判所に対する締約国の協力による逮捕はこれが初めて。
- SOURCE: ICC Press Release (Mar. 17)
- 2006年8月18日、コモロ諸島が101番目の締約国となった。(コモロは、2000年9月22日に署名していた。)
- 2006年8月22日、セントクリストファー・ネイビスが102番目の締約国となった。(セントクリストファー・ネイビスは、未署名だった。)
- SOURCE: CICC
- 2006年8月30日、日本政府は、2007年7月中に国際刑事裁判所規程(ローマ規程)に批准し、同条約に加入する方針を表明した。2007年1月からの通常国会で、加入のための承認手続きとともに、犯罪人の引き渡しや証拠の提供など国際刑事裁判所との具体的な協力内容を定めた関連国内法の整備が図られる。またこれに関連し、外務省の来年度予算概算要求に国際刑事裁判所への分担金として19億8000万円が計上された。
- SOURCE: 各社報道
- 2006年10月6日、中央アフリカが国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(APIC)の批准書を寄託。APICの41カ国目の締約国となった。
- SOURCE: CICC
- 2006年10月13日、国会の参院予算委員会にて、安倍晋三総理大臣が公明党の魚住裕一郎議員の質問に対する答弁で「国会の承認を得ることができれば、07年中にICC規程(条約)の締約をめざして必要な作業を着実に進めていきたい」と、政府首脳として初めて正式にICCへの加盟を表明。現役総理大臣として初めて具体的に条約加盟の日程に言及した。
- SOURCE: 各社報道
- 2006年10月18日、韓国が国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(APIC)の批准書を寄託。APICの42カ国目の締約国となった。
- SOURCE: CICC
- 2006年10月23日、モンテネグロ共和国が103番目の締約国となった。(モンテネグロは、連合国家セルビアモンテネグロとして2001年9月6日に批准していたが、2006年6月3日に連合を解消し、2006年6月28日に独立国として国連に加盟。192カ国目の国連加盟国となっていた。ローマ規程に署名していないことになるので加入手続きをとった。)また、同国は国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(APIC)の批准書も同日に寄託。APICの43カ国目の締約国となった。
- SOURCE: CICC
- 2006年11月3日、ウルグアイが国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(APIC)の批准書を寄託。APICの44カ国目の締約国となった。
- SOURCE: CICC
- 2006年11月9日、コンゴ民主共和国の武装勢力、コンゴ愛国者同盟(Union of Congolese Patriots:UPC)の指導者と見られているトマス・ルバンガ(Thomas Lubanga)被疑者の罪状を確認する公開予備審問が、3週間の日程でハーグの国際刑事裁判所第一予審法廷で開かれた。審問は28日に終了する予定で、これによりルバンガ被疑者の罪状が確認されると、コンゴは国際刑事裁判所による初の公判が行われる案件となる。
- SOURCE: ICC Press Release (Nov. 9)
- 2006年11月20日、アイルランドが国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(APIC)の批准書を寄託。APICの45カ国目の締約国となった。
- SOURCE: CICC
- 2006年11月20日、イタリアが国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(APIC)の批准書を寄託。APICの46カ国目の締約国となった。
- SOURCE: CICC
- 2006年12月1日、第5回締約国会議(Assemblies of States Parties=ASP)が閉幕。2007年度の通常予算に約8,887万EUR(約137億円)、運営資本金に約740万EUR(約11億円)がそれぞれ承認され、CANZ(カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)諸国が提示したICC予算の負担比率に対する国連分担金負担比率と同等のシーリング(上限)適用案も採用された。これにより日本が提示した加入条件が整ったため、日本の来年度加入が確実視されることとなった。また、被害者信託基金(VTF)の理事には現職の4名の再選が認められ、昨年度から欠員となっているアジア枠(女性)の選出については来年1月ニューヨークで行われるASPの再開協議まで延期されることが決定した。
- 2006年12月10日、アイルランド選出のモーリーン・ハーディング判事(第一審裁判部)が、母国アイルランドの高裁判事に就任するため、同国の法律の規定に従って国際刑事裁判所判事の職を辞任。後任は次回締約国会議の再開協議(2007年1月、ニューヨーク)で選出されることとなった。
[編集] 現在付託されている事態
3つの締約国がICC検察官に事態を付託している。
- 中央アフリカ共和国
- コンゴ民主共和国
- ウガンダ共和国
国連安全保障理事会からは一つの事態がICC検察官に付託されている。
- スーダン(ダルフール地方)
[編集] 現在捜査中のケース
- ウガンダ
- コンゴ
- スーダン(ダルフール地方)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- International Criminal Court - 国際刑事裁判所公式サイト
- The Rome Statute of the International Criminal Court - 国連法務部の関連サイト
- Coalition for the International Criminal Court - ICCについて活動しているNGO連合のサイト
- 国際刑事裁判所問題日本ネットワーク(JNICC) - NGO連合に加盟する日本のNGOの公式サイト
- 国際刑事裁判所(ICC)資料庫 - ICCに関する日本の動きをまとめたJNICC公認の総合情報資料庫
- 国際刑事裁判所(ICC)と日本 - ICCに関する日本と世界の動きをまとめたJNICC公認ブログ
- 日弁連(意見書)