ポパイ
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ポパイ(Popeye)は、アメリカン・コミックの代表的なキャラクターの1人で、架空の水兵又は船乗りである(作品によって水兵であったり船乗りであったりする)。ハースト新聞社のキング・フィーチャーズ・シンジケートにより著作権が管理、運用されている。
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[編集] 概要
1929年、エルジー・クリスラー・シーガー (Elzie Crisler Segar)により「シンプル・シアター」という作品で生み出されたキャラクターで、初めは主人公ハム・グレイヴィ(Ham Gravy)とその恋人オリーブ・オイル(Olive Oyl)、オリーブの兄カスター・オイル(Castor Oyl)が中心人物の漫画だった。オリーブ達よりも10年遅れて登場したポパイは当初脇役であったが、何をやっても不死身な所から一躍人気キャラクターとなり、ハムの主役の座とその恋人オリーブを瞬く間に奪い去ってしまった。1930年代に入ると、同作の短編アニメ映画がフライシャー・スタジオによって次々と制作されるようになった。今日知られるポパイはこのアニメ版といっても過言ではない。
物語は、ほうれん草を食べると超人的パワーを出すセーラー服姿の男ポパイと、その恋人オリーブ、そしてブルート(ブルータス)の三人をめぐるコメディである。時々物語の舞台が西部劇や中近東などのシチュエーションになったり、他の物語、映画などのパロディになったりする事もある。その場合にはそれに適した役回りを演じることもある。
ポパイのほうれん草パワーは、ほうれん草等の野菜を食べない小学生に野菜が必要な事とを説く際、多くの母親たちが引き合いに出したエピソードでもある。なおこの作品が制作された当時、ほうれん草の缶詰は製造されていなかったが、この作品の影響で製造が開始されたと言う逸話も残る。
1960年代には初めてテレビアニメシリーズが制作され、1970年代にも、ハンナ・バーベラ・プロダクションの手によって新作のテレビアニメが制作された。 1970年代頃には、ポパイそのものがほうれん草のあだ名にもなった。1980年にアメリカで実写映画化されている。監督にロバート・アルトマンをおき、ロビン・ウィリアムズが主役ポパイを演じている。2004年、ポパイ誕生75周年を機にポパイの3DCGアニメがアメリカで放映された。
本作の個性的なキャラクターで人気のある日本とは対照的に、最近のアメリカでは「暴力的」という批判も多い様である。
[編集] 日本での評判
日本でもずいぶん親しまれたコミックで、1959年から1965年までTBSで放映されたテレビアニメは最高視聴率33.7%を記録した(1963年1月27日放送、ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
2006年にはCS放送のカートゥーン ネットワークでも放送されている。
- 日本への紹介は早く、戦前の雑誌『新青年』で漫画の翻訳が掲載されている。
- ポパイ・オリーブ・ブルータスの名前はマガジンハウスから発行された若者向けの代表的な雑誌の名前に採用されている。
- 1969年には阪急ブレーブスのウインドブレーカーに、勇者の冑を着けたポパイのイラストが登場したが、版権元から「使用許諾を得ていない」とクレームがついたため、たった2日でお蔵入りとなった。
- 1978年、日本のバンド「スピニッヂ・パワー」が『ポパイ・ザ・セーラーマン』と言うディスコソングを発表し、40万枚のヒットとなった。
- 1980年代に任天堂からアーケードゲーム、ゲーム&ウオッチ、ファミリーコンピュータ用アクションゲーム『ポパイ』とファミコン用教育ソフト『ポパイの英語遊び』がリリースされた。
- 1988年にスズキから発売している軽自動車『アルトワークス』のCMキャラクターにポパイが起用された。
- 2004年に日野自動車から発売している小型トラック『デュトロ』のCMキャラクターにポパイが起用された。
- 2005年にサミーからポパイのパチスロ機が登場し、全国のパチンコ店に設置された。詳細はポパイ (パチスロ)を参照されたし。
- 日本のユニバーサル・スタジオ・ジャパンではポパイがエントランス(入り口)でグリーティングを行っている。
- 『ポパイ』の名は社名や店名などでも数多く採用されており、特に業務用ソースなどを製造・販売しているポパイ食品工業は、ロゴマークにほうれん草を模っていた。
- 東京ヤクルトスワローズのホームランを量産する外国人選手(アレックス・ラミレスなど)のテーマソングに、ポパイのテーマが使われる。
[編集] 登場人物
※声優は日本語吹き替え版
- ポパイ(Popeye:声:浦野光)
- 水兵(船乗り)の、セーラー服姿でいつも口にパイプを銜えている、ひしゃげた顔の小男。両腕には錨の形の入れ墨をしている。普段は温厚でお人好し、子供(特にポパイに似た四つ子の甥)に対する面倒見もいい。力持ちだが、ブルートと比べるとやや劣る面もある。恋人オリーブを巡ってブルートといつも騒ぎを起こし、最初は自力で対応しようとするが、物語が終盤に近づいていよいよ危機的状況になると、缶詰に入ったほうれん草(初期の新聞連載時はキャベツだった)を食べて超人的なパワーを生み出し、ブルートをやっつける。殆どの場合、缶詰は缶きりを使わず、握り潰して開封する。地面にほうれん草の種をまき、見る見る成長したほうれん草をちぎって食べたこともある。ほうれん草だけでなく、わかめを食べても超人的な力を発揮する場合がある(ポパイ曰く、「ワカメは海のほうれん草」)。困った時の口癖は「なんてこったい!」。
- オリーブ・オイル(Olive Oyl:声:京田尚子)
- ポパイの恋人。痩せっぽちで決して美人とはいえないが、牧場や店を興したりなどして自活しているしっかり者の女性。気が強いところもあり、ポパイがだらしない態度をとるとブルートへ浮気に走ることもある。
- ポパイの同僚で恋敵。ヒゲ面の身長2メートルを越す大男。物語冒頭ではポパイと仲良くしている事が多いが、オリーブに惚れており、ポパイから何とか奪い取ろうと画策しすぐに喧嘩を始める。だが最後には必ずポパイにやられている損な役回り。別人の悪役としても登場する事がある。
- ウィンピー
- 太った中年男性。無類のハンバーガー好きで、いつも片手に食べかけのハンバーガーを持ち歩いている。ハンバーガー欲しさにポパイに金をせびる事も。
- スウィーピー
- オリーブの甥のませた赤ん坊。かなり賢く、言葉を話す。時折目を放した隙に危険な場所へ出歩き、騒動を起こしてはポパイ達を困らせている。
- ジープ
- 超能力を持った犬のような動物。「ジープ」の名は、第2次世界大戦時にアメリカが開発した4輪駆動車に採用された。
[編集] 戦争と「ポパイ」
1942年の太平洋戦争の最中には、ポパイが日本軍の海軍と戦うという、プロパガンダ的なエピソードもあった。サブタイトルは"YOU'RE A SAP,MR.JAP(君は馬鹿者だ、ミスター日本人)"
ある日ポパイが航海していると、一艘の日本人(この日本人は釣り目で出っ歯、眼鏡というステレオタイプな描写がなされている)の乗ったボートがあった。ポパイは錨で捕まえようとしたが、この日本人はポパイに平和条約を結ぼうと言い出し誓約書を書かせるが、次々と意地悪を始めた。怒ったポパイはこの日本人を追い詰めると逃げ出してラッパを吹いた。その合図と共に、今度は巨大な日本の戦艦が浮上してポパイを攻撃。遂にポパイはほうれん草を食べ一気に反撃に出る。戦艦は一見立派で強そうであるが、寄りかかるだけで壊れるほど作りは脆弱であった。そしてポパイは"MADE IN JAPAN"と書かれた戦艦の部品の破片をあざ笑いながら握り潰す(当時の欧米での日本製品の評価は粗悪の代名詞であった)。一方戦艦の中では指揮官がガソリンと爆薬を飲んで自害を図る。それを知ったポパイは退避。日本軍の戦艦は爆発し、まるで水洗トイレの様に海中に回りながら沈んでしまう。
このエピソードの他にも昭和天皇やアドルフ・ヒトラーを模したキャラクターが登場するエピソードが存在する。
なお、太平洋戦争中は、この様なアニメを利用した戦意高揚のプロパガンダ映画は日本でも多く作られている(『桃太郎 海の神兵』など)。
[編集] 日本国内地上波放送時の前後番組
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