タクシー
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タクシーとは、旅客が指定した目的地まで旅客を輸送する営業用自動車である。経営形態の差異により、主に複数の運転者・複数の車両により経営許可を受けた法人(企業)により運営される、いわゆる法人タクシーと、運転者自身が1両の車両のみを用いて運行する個人タクシーに分類される。
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[編集] 歴史
[編集] 仕組み
タクシーは駅や空港・港・観光地・市街地などに設けられたタクシー乗り場から乗車するのが基本である。電話で指定した場所まで呼び出すことも可能である。上級のホテルやレストランなどでも、タクシー乗り場を常設したり、利用者の要求に応じてタクシーを呼び出してくれるサービスを行っていることもある。大都市ではタクシーが空車状態で走行する、いわゆる流し営業が行われている都市もあり、その場合は空車を表示しているタクシーを見つけ次第、その場でタクシーに向かって手を上げることで乗車することができる。
タクシーに乗り、運転手に行き先を告げると目的地まで行ってもらえる。
[編集] 料金制度
[編集] 運賃料金
タクシーの料金を徴収する上で、主に2種類のシステムがある。一つは走行距離や走行時間から運賃を自動的に計算するメーター制、もう一つは事前に運転手との交渉によって料金を決める交渉制である。
- メーター制
- 車内に料金計算・表示用のメーターを設置し、走行距離や走行時間に応じて比例した運賃を収受するシステムである。初乗り運賃が基本であり、所定の走行距離に達するか、所定の走行時間に達するごとに運賃を一定額ずつ上乗せしてメーターに表示していく。降りるときに、その時点で表示されている料金を支払う。料金メーターの誤差はあり得るものの公平性・明朗性の高い料金収受方式であり、先進国あるいは先進国と同等の生活水準を持つ国では標準的な方式である。
- 交渉制
- 乗車前に運転手と交渉し、料金を決める方式。メーターの設置費・維持費はかからないが、交渉力の差で料金が変わってしまうため、公平性・明朗性に欠ける。発展途上国ではこの方式のものが多い。
このほか、市内を均一料金としている例もあるが、数は少ない。 日本国内では相対運賃や不当な差別的運賃は道路運送法により禁じられている。
[編集] チップ
一部の国(主に欧米文化圏)ではチップの概念があり、提示された料金よりいくらか上乗せして払う慣習がある。ヨーロッパや北アメリカの国々では料金の10%~15%程度をチップとして上乗せして支払う。他の欧米文化圏では、釣り銭を受け取らなかったり、ごく小額の小銭を手渡したりすることでチップとする慣習の国もある。
チップを受け取ることで、運転手は満足なサービスを行おうという気持ちから客の荷物を運んだりと運転以外のサービスをする。
[編集] 車両
主に4ドアセダン型の乗用車が使われる。タクシーであることが一目でわかるよう、屋根上に表示灯を設置しており、方向転換や停止することが多いことから屋根の上に方向指示器を付けている車両が多い。都市ごとに統一された塗装が施されている場合が多いが、日本などでは同じ都市内でも不統一である。
なお、自動ドアを採用している国・地域は、日本、中国領の香港、マカオのみで、それ以外の国ではすべて手動ドアである。
[編集] その他
表示灯が赤く点滅したときは「強盗」など緊急事態発生を示しているので警察に通報したほうがよい。最近は空車などを表示する所に(SOS)や(助けて)と表示するものもある。
[編集] タクシーに使用される主な車種
- シンガポール (Taxicabs of Singapore)
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- こちらもクラウン、セドリックを使用しているが、ドアは自動ではない。
なおこれらの他にも、個人タクシーやタクシー会社ごとの方針などにより他の車種を利用している場合もある。 例えば、東京都内では、トヨタ・クラウンアスリートやメルセデス・ベンツSクラスを利用した個人タクシーが実際に営業している。