日産・セドリック営業車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この項目を作成された方へ: 項目はまだ削除されていません。どうか怒らないでください。その代わり、議論に参加し、この項目が削除の方針に該当する編集かどうか検討してください。
セドリック営業車は、日産自動車が製造・発売する乗用車(タクシー専用モデル)。一般、官公庁向けの自家用も存在する。セドリックセダンを参照。
現在は日産車体が製造している。
目次 |
[編集] 概要
2004年で生産終了したハードトップの最終型がY34型なのに対し、セダンは1987年6月のY31型以来、マイナーチェンジを重ねながら現在も継続生産されている。
登場当初は「セドリック」「グロリア」として発売された。内装は高級車であるセドリックの一種としては最低限(特にスーパーカスタムタクシータイプ以下のグレード)ではあるものの、運転席シートは乗務員が長時間乗務することを考慮して、上級のものを設置している。また、インパネもタクシーメーターや無線機、タコグラフなどの搭載を考慮して、これらの収納スペースを多くとっている。
なお、1990年代半ば頃までは、Y31型の、自家用モデル(セダン・4ドアハードトップとも)のガソリン車(VG30E・VG20Eエンジン、自然吸気)を整備工場でLPG車に改造するケースも都内のハイヤーや個人タクシーで見られた。グレードはオリジナル、カスタム、スーパーカスタム、クラシック、クラシックSV、ブロアムがあり、オリジナル、カスタムが法人向けでスーパーカスタムからブロアムが個人向けである。また、スーパーカスタムとクラシックSVは法人向けもある。
[編集] 輸出
海外向けも生産されており、右ハンドルを採用する香港、マカオ、シンガポールへの輸出を行っている。現地では日本と同じくタクシーなどとして数多く使用されている。
[編集] 歴史
- 1987年6月 Y31型発売。
- 1991年6月 ビッグマイナーチェンジ。4気筒エンジンはCA20PからNA20Pに変更。
- 1995年8月 マイナーチェンジ。運転席エアバッグのオプション設定、テールランプのデザイン変更、3ナンバー車のフロント部分を大幅変更(5ナンバーはグリルのみ変更)。
- 1998年一部改良。ラジオアンテナを全車ガラスアンテナに変更、上級グレードに新設計のオーナーインストの設定がされた。
- 1999年8月 一部改良。安全性能および仕様装備の向上を図る。また、直列6気筒SOHCディーゼル RD28型に替わりRD28E型を設定。あわせてグロリアセダンをセドリックセダンに統合した。
- 2002年6月 一部改良。法人タクシー向けに4気筒「クラシックSV」を設定。オリジナルに全席パワーウィンドウと電動リモコンメッキフェンダーミラーのオプション設定、 自家用モデル及びガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、直列6気筒LPGエンジン搭載車を廃止。直列4気筒NA20P型LPGエンジン搭載のタクシー仕様のみとなる。
- 2004年1月 V型6気筒SOHC VG20E型エンジンをベースとするVG20P型LPGエンジン搭載の「ブロアム」を設定。
- 2005年11月 一部改良。内装がブルーからグリニッシュグレイへ内装色変更、上級グレードの木目調パネルの明るさ変更、パワーウィンドウ標準装備(今までの非装着車は運転席・後席左のみ)、ウインカーのクリヤー化、ヘッドライトレベライザー、LEDハイマウントストップランプの装備がされた。
[編集] エンジンの種類
- CA20P 2000cc・直列4気筒LPG(NJY31、Y31前期型まで)
- NA20P 2000cc・直列4気筒LPG(QJY31、Y31中期型以降)
- RB20P 2000cc・直列6気筒LPG(MJY31・CMJY31)
- VG20P 2000cc・V型6気筒LPG(BJY31・CBJY31)
- RD28 2800cc・直列6気筒ディーゼル
- RD28E 2800cc・直列6気筒ディーゼル(2002年廃止)
※3ナンバー車には形式名の最初にCが付く
[編集] 自家用との違い
- 屋根にウインカー装着用のルーフドリップモールが付いている(ライバル車であるトヨタ・クラウンコンフォートには装着されない)。
- 自家用にはないLPGエンジンの設定(ハイヤーなどはVG30E・20Eを整備業者でLPG改造してもらっている)
- タクシーインスト、ハイヤーインストの設定。
- コラムMTの設定。
- エアバッグ、ABSは標準装備ではなくオプション。
- ハザードスイッチがウインカーレバー先端にある。
- ビニールシートの設定。
- 5リンクコイル式リアサスペンション。
[編集] 特装車
- ブライダルセダン(後席左側の屋根が開く。和装花嫁が乗降の際、角隠しをクリアするための機構。)
- 介護タクシー(助手席回転シートと後席回転シートがある)
[編集] 海外輸出先の近況
- 以前より香港(中国)とシンガポールへのタクシー市場向けにライバル関係のトヨタ・クラウンとともに輸出してきた。当初はLPGではなくディーゼルエンジンのみ輸出してきたが、排ガス規制の波は日本に限らず海外でも及んでいる。そのため、ディーゼルに代わりクリーンで経済的なLPG車を導入している。
- 香港的士(HONG KONG TAXI)
- 九龍・新界などの地区によって色は異なる。上部はともにシルバーだが、九龍・香港島エリアは赤。新界地区はライトグリーン。空港周辺ランタオ島のものはブルーと空港から行先別にも異なる。香港へ訪れる際には是非とも注意されたい。
- シンガポール・シティタクシー(SINGAPORE TAXI)
- 都市国家シンガポールにはシティキャブ、TIBS、SMRT、Comfortが存在し、シンガポール人の足として活躍している。このセドリックの他にロンドンタクシーとベンツ、クラウンも存在している。過去にはトヨタ・コロナタクシーも存在していた。陸路で隣国マレーシア・ジョホールバルへ乗り入れできるタクシーもあるが、事業者によってはマレーシアへは行かれない場合もあるようなので事前の確認が必要となる。
- マレーシア・ジョホール州タクシー
- 首都・クアラルンプールと共に日本車が多数活躍している。セドリックも長い間輸出しているが、大半がシンガポールで使用したものばかりである。ジョホール州の会社でも、シンガポールへ向かうタクシーが多数ある。