メルセデス・ベンツ Eクラス

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メルセデス・ベンツEクラス

メルセデス・ベンツEクラス(英語名:Mercedes-Benz E-Classe)は、ドイツの自動車メーカーダイムラー・クライスラー社がメルセデス・ベンツブランドで展開する乗用車の車種である。

1 概要
2 特徴
3 安全性
- 3.1 死亡率の低さ
- 3.2 リコール問題
4 プレミアムワゴン
5 発売履歴
6 発売中のモデル(W211、S211)
7 発売中止のモデル(W211、S211)
8 テクニカルデータ
9 チューニング
- 9.1 チューンメーカーのモデル(W211、S211)
10 映画
11 関連項目
12 外部リンク
- 12.1 ユーザーサイト

[編集] 概要

メルセデス・ベンツEクラス

現在発売されているEクラスは、2002年から販売されているセダン(W211)と2003年から販売されているステーションワゴン(S211)がある。寸法は同社の"Cクラス"と、"Sクラス"の間に位置し、派生車種としてCLSクラスが存在する。なお、Eクラスと同じプラットフォームを利用したオープンタイプの車種は発売されていない。

コンポーネントとしてはまったく異なるが、車格、積載性能(人を乗せるか荷物を載せるかの違いはあるものの)としては、SUVであるMクラスや低重心ミニバンであるRクラスとほぼ同じであり、価格はEクラスが100万円程度高い（日本国内）。また、日本国内では、5人乗りのみ発売されているが、ドイツ本国や欧米ではトランクルールに2人用座席を格納・設置した7人乗車のものも存在する。

メルセデス・ベンツの車種の中では、もっとも一般的な車種であり、2006年上期の販売台数クラス別ランキングでは、一位となっている（わずかな差でSクラス、Cクラスが続いている）。

[編集] 特徴

コンセプト:旧型（W210）のキープコンセプトであるが、よりエレガントな様相を持っている。また、2006年秋のマイナーチェンジ後は、スポーティーな印象を強めている。

価格帯:約700万円から1300万円までの価格帯で日本で発売されている。ドイツ本国をはじめとするヨーロッパ市場やアジア、アフリカ諸国などでは、主にハイヤーやタクシーなどの営業車用途向けを狙った、E200やE220CDIなどの廉価版が存在するが、日本市場でのブランドコントロールにより、ある程度の装備、価格帯のものしか正規輸入されていない。マイナーチェンジを機に全体的な販売価格が上昇した。

内装・装備:日本国内では、エレガンス（茶系の木目の内装で革張りはオプション）およびアバンギャルド（黒系の木目の内装で革張り）が存在する。ヨーロッパ諸国では内装及び装備を簡素化したクラシックなども存在するが、上記の理由で日本国内には導入されていない。なおアバンギャルドは2006年秋のマイナーチェンジによりアバンギャルドS（ドイツ本国には未設定・AMGデザインのアルミホイールとエアロパーツ等を装備）としてバトンタッチとなった（E320CDI及びE350 4MATICはアバンギャルドのままとなっている）。

外装:標準的な仕様のほか、AMGデザインが存在する。なお、E350アバンギャルドSなどでのAMG エアロパーツと、AMG E55などでのAMG エアロパーツは細部が異なっている。

発注から納車までの期間:他の輸入車と同様、国内にある装備・仕様であれば、購入から概ね2～3週間での納車が可能である。なお、求める仕様・装備の車がない場合は、概ね3ヶ月程度の期間を要する。

E280、E350、E500については、当時世界初となった7速オートマチックを装備している。マイナーチェンジ後は、E300、E320 CDI、E350、E550、AMG E63など、FR車の全車種で装備された（4WD車である、E350 4MATICは5速オートマチック）。

[編集] 安全性

[編集] 死亡率の低さ

アメリカの自動車保険業界の非営利団体であるIIHSが、2000年から2003年に起きた事故を調査した結果、もっとも死亡率が低い車であることが発表された（なお、この事故に含まれるほとんどの車種は、現行のW211ではなく、旧型のW210だと思われる）。

[編集] リコール問題

「先進的な技術」として鳴り物入りで導入されたSBC(電子制御ブレーキシステム・ボッシュ製)であるが、その後の度重なる不具合発生およびリコールにより、2006年度のマイナーチェンジにおいて廃止することが決定している。

このため、Eクラスは、前期と後期でそれぞれブレーキ構造が異なり、また、前期の前半と後半ではエンジンとミッションシステム（AT5速からAT7速）が異なるなど、車としての基本要素が頻繁に変更されることとなった。なお、マイナーチェンジ前の後期版であるmy2006では2度にわたるリコールにより安定化が進んであり、故障度合いは格段に少なくなっている。

[編集] プレミアムワゴン

Eクラスワゴン

日本の自動車メーカーでは、レクサス各種や日産・シーマをはじめとするほとんどの高級車では、ステーションワゴンを用意していないが、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ・プレミアム3ブランドは、主力のEセグメントにいずれもステーションワゴン(メーカーやブランドにより呼び名は異なる)を用意しており、通称プレミアムワゴンと言われている。

この中でも、Eクラスのワゴンはもっとも高額であり、一部では「キング・オブ・ワゴン」との呼び声がある。実際には、3つのメーカーで車の目指すところが異なっており、一概に比較することは難しい。

エンジンや装備はなどほぼセダンと共通。ただし、荷物積載時の姿勢変化を抑えるため、セダンにはないセルフレベリング機構を後輪に採用している。またカーゴルームの蓋となるトノカバーは、ハッチバックの開閉とともに連動して開口部が開くようになっている。なお、AMG E63 ステーションワゴンは、地球で量販されているすべてのステーションワゴンの中でもっとも高額であり、もっとも高速である。

[編集] 発売履歴

2002年
- 6月:E240、E320
2003年
- 8月:E240ステーションワゴン、E320ステーションワゴン
- 11月:E320 4MATIC、E500、AMG E55、E320 4MATIC ステーションワゴン、E500ステーションワゴン、AMG E55ステーションワゴン
2005年
- 2月:E350、E350 4MATIC、E350ステーションワゴン、E350 4MATIC ステーションワゴン

  これに伴いE320シリーズは発売終了。

- 8月:E280、E280 4MATIC、E280ステーションワゴン、E280 4MATIC ステーションワゴン

  これに伴いE240シリーズは発売終了。

2006年
- 8月28日:マイナーチェンジを実施。ラインナップが大幅変更される。
  - E300、E300 ステーションワゴン
  - E300 アバンギャルドS、E300 ステーションワゴンアバンギャルドS
  - E320 CDI アバンギャルド、E320 CDI ステーションワゴンアバンギャルド
  - E350 4MATIC アバンギャルド、E350 4MATIC ステーションワゴンアバンギャルド
  - E350 アバンギャルドS、E350 ステーションワゴンアバンギャルドS
  - E550 アバンギャルドS、E550 ステーションワゴンアバンギャルドS
  - E63 AMG、E63 AMG ステーションワゴン

[編集] 発売中のモデル(W211、S211)

下記のそれぞれに、セダンとステーションワゴンがラインナップされている。

E300/E300 AVANTGARDE S - 3.0リッターのV型6気筒 DOHCエンジンを搭載し、231馬力を発生する。最高速度は240Km/h。
E320 CDI AVANTGARDE - 3.0リッターのV型6気筒 DOHC ディーゼルエンジンを搭載し、211馬力を発生させる。2006年8月に日本投入された。
E350 AVANTGARDE S - 3.5リッターのV型6気筒 DOHCエンジンを搭載し、272馬力を発生する。最高速度は250Km/h(スピードリミッター作動)。
E350 4MATIC AVANTGARDE - 3.5リッターのV型6気筒 DOHCエンジンを搭載し、272馬力を発生する。駆動形式は4WDで、このグレードのみ5速AT。最高速度は245Km/h。
E550 AVANTGARDE S - 5.5リッターのV型8気筒 DOHCエンジンを搭載し、387馬力を発生する。最高速度は250Km/h(スピードリミッター作動)。
E63 AMG - 6.3リッターのV型8気筒DOHCエンジンを搭載し、514馬力を発生する。最高速度は250Km/h(スピードリミッター作動)。

※最高速度は、速度リミッターを解除しないままサーキットでの速度測定を行った値であり、ドイツ本国で発売されている取り扱いマニュアルに記述されている物である。実際に発売されるモデルでは、日本への正規輸入車を含め、BMWとの紳士協定により全車種で210Km/hまたは、250Km/hのスピードリミッターが設定されている。最高速度の記述が時速250Km/hの場合は、実際にはそれ以上の速度が期待される。

[編集] 発売中止のモデル(W211、S211)

E240
E280
E320

[編集] テクニカルデータ

太字日本で現在販売中のモデル。 ※[ドイツ語サイトより抜粋] ※すべてセダンでのデータ

	エンジン出力 (kW/PS)	最高速度	0-100km/h到達時間(s)	日本導入
E 200 CDI	90/125	203 km/h	12,1 sec	未導入
E 200 CDI	100/136	214 km/h	9,9 sec	未導入
E 220 CDI	125/170	227 km/h	8,4 sec	未導入
E 270 CDI	130/177	230 km/h	9,0 sec	未導入
E 280 CDI R6 RPF	130/177	228 km/h	9,2 sec	未導入
E 280 CDI V6	140/190	241 km/h	8,6 sec	未導入
E 320 CDI R6	150/204	240 km/h	7,7 sec	未導入
E 320 CDI V6	165/224	250km/h(スピードリミッター動作)	6,8 sec	導入(2006年8月)
E 400 CDI	191/260	250km/h(スピードリミッター動作)	6,9 sec	未導入
E 420 CDI	231/314	250km/h(スピードリミッター動作)	6,1 sec	未導入
E 200 NGT	120/163	230 km/h	9,6 sec	未導入
E 200 Kompressor	120/163	230 km/h	9,6 sec	未導入
E 200 Kompressor	135/184	230 km/h	9,1 sec	未導入
E 240	130/177	236 km/h	8,9 sec	導入
E 240 4MATIC	130/177	223 km/h	10,6 sec	導入
E 280	170/231	250km/h(スピードリミッター動作)	7,3 sec	導入
E 300	170/231	250km/h(スピードリミッター動作)	7,3 sec	導入(2006年8月)
E 320	165/224	245 km/h	7,7 sec	導入
E 320 4MATIC	165/ 224	240 km/h	8,4 sec	導入
E 350	200/272	250km/h(スピードリミッター動作)	6,9 sec	導入
E 500	225/306	250km/h(スピードリミッター動作)	6,0 sec	導入
E 500 4Matic	225/306	250km/h(スピードリミッター動作)	6,3 sec	導入
E 550	285/388	250km/h(スピードリミッター動作)	5,3 sec	導入
E 55 AMG	350/476	250km/h(スピードリミッター動作)	4,7 sec	導入
E 63 AMG	348/514	250km/h(スピードリミッター動作)	4,5 sec	導入(2006年8月)