トヨタ・クラウンコンフォート
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クラウン・コンフォート (CROWN COMFORT) は、1995年12月に登場したトヨタ自動車が生産するセダン型の乗用車である。タクシーとして用いることを前提に開発されたもので、従来のクラウンに比べ、後部座席の窓枠が垂直に近くなることやマフラーが左側にあるなどの違いがある。
製造はトヨタグループの関東自動車工業東冨士工場(静岡県裾野市)で行われる。通称クラコン。
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[編集] 概要
クラウンの派生車種だが、クラウンとの結びつきは弱く、ベースはX80系マークIIセダンとなる。形式名はYXS10となる。
同時に発売開始された姉妹車のコンフォートと同様、後席の寸法および後部トランク容積を可及的大きくとり、料金メーターや無線機といったタクシー用機器設置スペースを設けるなどのタクシー向けに特化された設計が特徴である。ボディ構造はコンフォートとほぼ同一だが、コンフォートが小型タクシーなのに対して、こちらは運転席の寸法を10cm延長して中型タクシー向けとした。またフロントグリルやホイールキャップはコンフォートと異なっており、デザイン的にはクラウンのイメージを崩さない配慮がなされている。市販ガソリンモデルのあったコンフォートとは違い、現行モデルではタコメーターは全グレード持たない。
[編集] グレード
グレードは直列4気筒OHVエンジン(3Y-PE)搭載のスタンダード、デラックスAパッケージ、デラックス及び、直列6気筒DOHCエンジン(1G-GPE、形式GXS10)搭載、布シート、タコメーター、ウッドパネル等上級仕様のスーパーデラックスが設定されていたが、スーパーデラックスは個人タクシー向けでクラウンセダンのモデルチェンジに伴い設定を廃止した。また、2002年からエアバッグ、ABSが標準装備となったがレス設定もあり、レス車の方が多い。
[編集] 特装車
TECS(Toyota Excellent Conversion Series)車として、身障者や高齢者のタクシー利用に配慮した、後部座席がドア側に回転する「ウェルキャブ」も設定されている(コンフォートにも設定)。なお同車は改造申請による持ち込み登録となっている。また、後席左側の屋根が開くスイングルーフもある。
なお、余談ではあるが、この車種のタクシーは行灯を含めた全高が高くなり、都内の一部高架下が通行不能になる事態が発生し、対策として行灯の形状に変化が現れた物も登場した。(特に東京無線)
[編集] 歴史
- 1995年12月、YS130クラウン営業車の後継として登場。
- 1999年1月、平成10年排出ガス規制適合。排ガス記号がE-からGF-となる。
- 2000年、平成12年排出ガス25%減で良-低排出ガス認定(☆)を受ける。排ガス記号がTA-に変更される。
- 2001年、クラウンセダンのモデルチェンジでスーパーデラックス及び6気筒エンジン廃止。
- 2002年、運転席エアバッグ、ABS標準装備(エアバッグはレス設定あり)。
- 2004年、平成17年排出ガス規制適合。排ガス記号をABA-に変更。同時にヘッドライトのマニュアルレべリング機構を、サイドフラッシャー標準装備。