オールナイトフジ
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オールナイトフジ(All Night Fuji)はフジテレビ系で生放送(一部録画放送)されていた深夜番組である。
略称は「ANF」。タイトルはニッポン放送の深夜ラジオ番組「オールナイトニッポン(All Night Nippon)」(2006年現在も放送中)を意識して付けられた。実際、「ANN」とのサイマル放送が行われたことがある。
- なお、1969年に「オールナイトニッポン」のテレビ版としてスタートした同名の番組があった(司会者:舟木一夫)。深夜番組の草分け的なものであるが、出演者、スタッフ、内容等を引き継いでおらず、全く別の番組であるため、別項オールナイトフジ (1969-1975)で説明する。
目次 |
[編集] 概要
- タイトルこそ「オールナイトニッポン」を意識しているが、番組内容は素人の現役女子大生を多数起用し、文化放送の「ミスDJリクエストパレード」(川島なお美、千倉真理、川口雅代ら女子大生DJが日替わりで担当していた)のテレビ版といった感もあった。深夜放送ブーム、女子大生ブームの火付け役となった。
- 初代司会は秋本奈緒美と鳥越マリ。主な出演者には、デビューしたばかりのとんねるずや片岡鶴太郎をはじめ、レコードも出した「おかわりシスターズ」(山崎美貴、松尾羽純、深谷智子の女子大生トリオ)、のちにアナウンサーになった松山香織や佐野美和(ミス日本、元八王子市市議会議員)らがいる。出演している女子大生たちは「オールナイターズ」と称され、タイトルバックでレオタード姿で踊ったり、またアダルトビデオ紹介コーナーで恥ずかしそうに作品を紹介したりして、男性ファンの心をくすぐった。生放送であり、当時、新宿区河田町にあったフジテレビ前には、オールナイターズ目当てに多くの男が集まったという。
- 放送開始当初はアダルトビデオ紹介コーナーや性風俗店探訪といった性風俗を扱ったコーナーがあったが、放送開始から一年半たった1984年の10月改編で他の民放キー局が同様の生番組を一斉にスタートさせた。
- 1985年初頭にはこれらの番組が衆議院でも問題として取り上げられ、当時の郵政省(現・総務省)からクレームが付き放送内容を変更せざるを得なくなった。各局の裏番組が続々打ち切られる中、「オールナイトフジ」は1985年3月30日放送でいったん終了し、翌週から「オールナイトフジII(実際の番組タイトルはオールナイトフジのまま)」として性風俗の話題を入れない純粋なバラエティとして再スタート。最終的にこの番組は1991年3月30日、第400回を迎えたところで終了した。
[編集] 番組あれこれ
- 番組当初は「ミニコンサート」「ゲストや一部レギュラーの歌」を除き、エンディングまで基本的に生放送されていたが、途中から午前2時半すぎあたりに消化するCM以降を、生放送開始数時間前に事前収録しておき、時間が来たら放送するという形に移行した。いかにも生放送然とした放送であったが、結果的には視聴者を欺くような形にもなってしまっていた。
- 当初からこの番組の「ウリ」のひとつに「放送終了時間未定」というものがあった。現在のように24時間フル放送という状況ではなかった当時、一応午前3時半前後という暗黙の了解はあったものの、当日の番組進行に終了時間が左右されるという珍しいものであった。そんな中、「午前3時半前後に終了する」という暗黙の了解を破り、午前4時すぎまで番組が放送されたことがあり、これがフジテレビ技術局からクレームを受け、「終了時間未定」は維持するも、午前4時前には必ず終了させるようにという決まりができてしまった。途中から番組後半が生放送開始前に事前収録されるようになった経緯のひとつには、この「放送終了時間との兼ね合い」があった可能性も考えられる。
[編集] ハプニング
この番組では生放送のためハプニングが続出した。 有名なところではとんねるずの石橋貴明がテレビカメラを壊したり、松本明子が放送禁止用語を言ったハプニングがあった。
- 石橋貴明テレビカメラ破壊事件
1985年1月19日放送の同番組内で「一気!」を熱唱中、石橋が箱型のテレビカメラ(東芝PK-31A)が載せられたペデスタル(雲台、昭特製作所製)を何度も揺すっているうち、ペデスタルのバランスが崩れてフロアにドスンと音を立てて倒れた。倒れたカメラをスタッフがすぐに立て直すも、とんねるずの二人は顔面蒼白。木梨は「俺しらねーよ…」と何度もつぶやいていた。曲終了後、MC陣がその場を取り繕った。カメラは一見故障していないように見えたが、レンズが破損した。また、カメラ本体の精密部品が衝撃により放送に耐えうる画質・機能を維持できなくなり、結局廃棄処分となった。このカメラとレンズは合わせて当時の価格で約1千万円したが、保険により弁償された。その後、フジテレビの歴史や過去の番組を振り返る特番等で、このシーンが何度も放送されている。
- 松本明子放送禁止用語絶叫事件
1984年3月31日放送分でのこと。当日はニッポン放送の深夜番組「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」とのドッキング放送となり、「オールナイトニッポン」用のアナブースをフジテレビ第4スタジオ内に設置、オールナイトニッポンはそこから放送されていた。
テレビとラジオのサイマル放送時、ラジオブース内でANNのDJ笑福亭鶴光や鶴太郎らにそそのかされた松本は鶴光の「4文字の言葉を何か言うてみぃ」という質問に対して、放送禁止用語(女性器の俗称)を発言し、以後半年間タレント活動を自粛し謹慎させられることになった。
[編集] 「オールナイトフジ」と「夕やけニャンニャン」
平日の夕方にANFの高校生版としてスタートしたのが、同じく一世を風靡した伝説的番組である夕やけニャンニャンである。スタッフ陣はオールナイトフジとほぼ同じ。路線的にも素人の女子学生でグループを構成し、歌を出す・写真集を出すなどして「安い費用で自前のタレントを作り出し、視聴者と共に育てていく」路線を確立した。
- オールナイトフジと違い、平日夕方の帯番組であり、番組開始当初は7局ネット。おニャン子の人気上昇と共にネット局が増え、最終的に23局ネットまで拡大したが、「おニャン子」人気の低落や番組自体のパワーダウンもあり、惜しまれつつ1987年8月一杯で終了した。とんねるずはこの両番組をきっかけにブレイクしたと言っても過言ではない、おニャン子と人気を二分いや、完全に上回っていたため、番組後半には、自らの番組も多忙になり、出演回数も減ったため
というのが、夕やけニャンニャンの終了に結びついた事は事実である、その後のとんねるずの活躍ぶりはご存知の通り、夕やけニャンニャン終了後は、その後スタッフなどもとんねるずのみなさんのおかげです、とんねるずのみなさんのおかげでしたなどを担当し、現在もフジテレビのバラエティの中枢を担っている。
[編集] 主な出演者
[編集] 司会
- 秋本奈緒美(1983年4月-1984年9月)
- 鳥越マリ(1983年4月-1984年9月、1985年10月-1986年3月)
- 松本伊代(1984年10月-1986年3月、のち姉妹番組「夕やけニャンニャン」でも司会を担当している)
- 麻生祐未(1984年10月-1985年3月)
- 山崎美貴(1985年10月-1986年3月、オールナイターズより事実上昇格)
- 岡安由美子(1986年4月-9月)
- 尾関真美(1986年4月-9月)
- 寺田理恵子アナウンサー(当時、1986年4月-9月)
- 高樹沙耶(1986年10月-1987年10月)
- 吉田美江(1986年10月-1987年10月)
- 中村あずさ(1987年11月-1988年2月)
- 石野陽子(現:いしのようこ)(1987年11月-1988年2月)
- 杉本彩(1987年11月-1988年2月)
- 森尾由美(1988年3月-1988年9月)
- 麻木久仁子(1988年3月-1988年6月)
- 相楽晴子(1988年10月-1990年6月)
- 梶原真理子(1988年10月-1989年8月)
- 有賀さつきアナウンサー(当時、1989年9月-1990年6月)
- 田中美奈子(1989年9月-12月)
- 伊藤智恵理(1990年1月-6月)
- 千堂あきほ(1990年7月-1991年3月)
- 相沢なほこ(1990年7月-1990年9月)
- 大家由祐子(1990年10月-1991年3月)
- 成田路実(1990年10月-1991年3月)
※相楽については、森尾(・麻木)・田代時代に存在した「延長戦」からそのままスライドする形で司会を担当した。ちなみに延長戦の司会者は相楽のほか、桑野信義・ダンプ松本が務めた。
[編集] オールナイターズ(初代~2代目)
- 山崎美貴(おかわりシスターズ)
- 松尾羽純(おかわりシスターズ)
- 深谷智子(おかわりシスターズ)
- 松山香織
- 井上明子(おあずけシスターズ)
- 片岡聖子(おあずけシスターズ)
- 渡辺裕子(よまわりシスターズ)
- 芳ヶ野恭子(よまわりシスターズ)
- 長島佐紀江
- 須田ちよの
- 家村寿美子
- 末松千鶴
- 坂口朱美
- 立見里歌(その後、おニャン子クラブへ)
- 内海和子(その後、おニャン子クラブへ)
- 中西真弓
- 島野圭子
- 古田知恵美 ほか多数
[編集] オールナイターズ(3代目)
- 岩見真弓
- 土井朋子 ほか多数
[編集] オールナイターズ(4代目以降)
- 阿部由美子
- 広石恵子
- 阿部夏子
- 新穂さゆり
- 諏訪有香
- 杉原美輪子
- 井田早苗
- 広瀬美保
- 秦朋恵
- 新関捺実 ほか多数
[編集] シーエックス
- 七瀬なつみ
- 比嘉ひとみ
- 岡部真美
- 望月知子
- 森田典子(青田典子)
- 守口文子
- 清水美奈子
- 湯浅けい子 ほか多数
[編集] 他レギュラー、準レギュラー、マンスリーなど
- 片岡鶴太郎(1984~1985まで司会格で出演)
- とんねるず
- ドジ井坂(井坂啓美)
- 小森和子
- 結城貢
- B21スペシャル
- 田代まさし(1988,2~9まで司会格で出演)
- 桑野信義
- ダチョウ倶楽部
- 豊丸
- 所ジョージ
- 稲川淳二
- ビシバシステム
- ちびっこギャング
- ウッチャンナンチャン(当時は「ウッちゃんナンちゃん」だった)
- パワーズ
- 大竹まこと
- RUSH
- 春一番
- 黒木香
- モロ師岡
- 松村邦洋
- ナース井手
- モッコリーズ&ペニーズ(とんねるずの舎弟軍団)
[編集] 名物コーナー
- あなたのパンツ見せて下さい
- 女子大生初体験レポート
- ミニコンサート
- 洋楽情報
- ビデオソフト情報
- 小森のおばちゃまのロストバージン
- 結城先生の真夜中のお料理教室
- エアロビクス
- 真夜中のゲーム大会
- 鶴太郎劇団
- とんねるずのなんでもベストテン
- とんねるずなわけだぁ
- とんねるずの舎弟コーナー
- サーフィン情報
- スキー情報 ほか多数
[編集] オールナイトフジ・リターンズ
[編集] 概略
1994年4月-9月にかけて放送。好調だった前番組『殿様のフェロモン』の後を継ぎ、『オールナイトフジ・リターンズ(オールナイトフジR)』と題して番組が復活したが半年で終了となった。
番組ネット局はフジテレビと岩手めんこいテレビ(mit)の2局。
[編集] 番組あれこれ
- この番組が立ち上がった経緯のひとつとして、当時「とんねるずのみなさんのおかげです」(木曜21時)が半年間の休止となり、その枠で別のスタッフがとんねるずで番組を作ることになったため、担当番組が一旦なくなったことから、土曜深夜の枠を任されたという話がある。
- 最終回、ヒロミが「オールナイトフジの最終回を2回やるとは思わなかった」と発言していたが、フジテレビ深夜の編成方針としては当時半年(2クール、1クール=3か月)単位で番組改編をしていくという前提があったため、当初の予定通りの放送回数をもって終了した。
- 開始当初は毎週90分の生放送をやっていたが、途中から生放送の数時間前に翌週分を完パケ収録するという「2本撮り」になり、隔週生放送という形になった。
- 現在まで人気を保っている某男性人気アイドルグループが番組内のあるコーナーにゲスト出演した際、そのメンバーに当時未成年者が含まれていたため、そのコーナー自体が本当の生放送であったにもかかわらず「このコーナーは事前に収録されたものです」というおことわりスーパーを出した回があった。
- 放送時期がちょうど夏を挟む時期にあったため、「FNSの日・平成夏休みバラエティー」の深夜枠として「オールナイトFNSスペシャル」という特別バージョンがフジテレビ系全国ネットで1度だけ放送された。
[編集] 主な出演者
[編集] 司会
- 川上理英子
- 神田うの(この番組が本格的な芸能活動としては最初の仕事となった)
[編集] レギュラー
[編集] 新オールナイターズ
[編集] 番組から発生した楽曲
- 「女子大生にさせといて」(第1期オールナイターズ)
- 「恋をアンコール」、「心はシーズンオフ」、「素顔にキスして」、「虹色のカノン」(おかわりシスターズ)
- 「東京カンカン娘'84」(おあずけシスターズ)
- 「OH!!PARTY!!」(山崎美貴・片岡聖子)
- 「借りたままのサリンジャー」、「涙のあとに接吻(くちづけ)を」(山崎美貴)
- 「床上手」、「IEKI吐くまで」(片岡鶴太郎)
- 「女子大生にまかせなさい!!」(第2期オールナイターズ)
- 「いい画面(え)撮ってね、藤江ちゃん!」(藤江ちゃんとオールナイターズ)
- 「セーラー服を脱いじゃってから」(第2期オールナイターズ)
- 「小言」(結城貢)
- 「今夜はイヤイヤ」、「個人授業は指輪はずして」(ミミズ三匹)
- 「KISS ME ON THE WEEKEND」(シーエックス)
[編集] ネット局
- フジテレビ
- テレビ静岡(1984年3月最終週-1986年3月)★自社制作番組編成のため、金曜から土曜へ映画枠の移動に伴い打ち切り
- 石川テレビ(1984年10月-)★一旦打ち切られた後、ネット再開
- 秋田テレビ(1984年10月-不明)
- 愛媛放送(1984年10月-不明)
- 富山テレビ(1986年4月-不明)
- 新潟総合テレビ(不明。番組中後期)★番組途中からの飛び乗りネット
- 長野放送(不明。番組中後期)★番組途中からの飛び乗りネット
- テレビ熊本(不明。番組中後期)★番組途中からの飛び乗りネット
- ★フジテレビ以外は第2期放送時のネット局である。1984年3月以前はネット局なしの関東ローカル。
- ★オールナイトフジRのネット局は同項参照のこと。
- ★一部ネット局では、途中で放送を終了する「飛び降り」や、途中からネットする「飛び乗り」があった。
- (飛び降り…秋田テレビ、愛媛放送。飛び乗り…新潟総合テレビ、長野放送、テレビ熊本。なお石川テレビもネット再開後は飛び乗りだったもよう。)
[編集] 関連項目
- オールナイトニッポン
- エンドレスナイト(系列の関西テレビ放送で同時間に放送されていた番組)
- なんとなく、クリスタル
- エブナイ
- お色気番組