ふたつのスピカ
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『ふたつのスピカ』は、柳沼行作の漫画作品、及び、それを原作とするアニメ番組のタイトル。
漫画はメディアファクトリーの『月刊コミックフラッパー』で2006年11月12日現在も連載中。単行本化されており11巻まで発行されている。アニメはNHK系列で全20話が放送された。
- 放映期間:
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
唯ヶ浜に日本最初の有人宇宙探査ロケット(と公式発表されている)「獅子号」が墜落し、主人公アスミの母を含め多くの人がその事故の巻き添えで後遺症に苦しんだり死亡するという大惨事を引き起こし、日本の宇宙計画は大きく遅れる事となった。
そんなある日、事故で心を閉ざしてしまった幼いアスミの前に、墜落したロケット獅子号の搭乗員だった高野の幽霊「ライオンさん」が度々現れるようになる。その時から宇宙に関心を示し、ロケットの運転手になる夢を抱き、その目標に向かって物語が動き始める。
[編集] 登場人物
- 鴨川アスミ(かもがわ あすみ) (声優:矢島晶子)
- ロケットの運転手(宇宙飛行士)になる夢を目指し東京宇宙学校に通う、純粋で前向きな女の子。左利き。身長約143センチと小柄だが、宇宙を目指すと決めた時から欠かさなかったランニングのお陰で、足の速さと持久力は宇宙飛行士コースのトップ。一般科目の期末テストにおいては、英語以外は満点をとる実力があるのだが、英語が苦手で赤点だったため、学年順位としては50位付近にいる。宇宙に関する事なら何にでも好奇心を示し、星の位置や距離をほとんど暗記している。母親は獅子号墜落事件の犠牲者の1人(被災後5年間は植物人間状態で生存していた)。学費・生活費を稼ぐため、Benny'sというファミリーレストランでアルバイトをしている。
- ライオンさん(高野) (声優:子安武人)
- 獅子号パイロットの幽霊(?)だが、いつもランニングシューズにTシャツ・ズボンに大きめの手袋という姿で昼間でもお構いなしに出没する。鈴成由子の元恋人。ライオンの被り物をしている。宇喜多万里香に瓜二つの少女(宇喜多万里香と同姓同名の姉の幼少時代)が初恋の相手。普段はアスミにしか見えない(生前の島津タカシにも見えていた)。生前より好きだったハーモニカ(初めて宇宙へ行った楽器という事で興味を持つ)は手放さず、時々演奏する。
- アニメ版では、最終回で宇喜多万里香・府中野新之介・近江圭・鈴木秋にもその姿を目撃される。
- アスミが名付けた愛称の由来である被り物(生前、搭乗していたロケットの名称に「獅子」が付いていたのは偶然である)は、少年時代、唯ヶ浜に療養に来ていた宇喜多万里香(遺伝学的姉の方)が、夢見ていたミュージカル劇「美女と野獣」に登場していたヒロインの様に、自分も(姿を変えられる前はハンサムな王子であった)野獣と踊ってみたいという夢を叶えてあげようと思い、自分が野獣役(勘違いからライオンをモチーフにしてしまった)を演じるためにダンボール紙から作成したライオン顔のお面(この時点では、平面状のお面であった)が、時を経て、獅子号事件で命を落とし浮遊霊となってしまった際に再会した宇喜多万里香(遺伝学的姉の方)の霊の手から再び手渡された(何故か、立体状の造形物に変化していた)。
- 宇喜多万里香(うきた マリカ)/マリカ (声優:木村亜希子)
- どこか影のあるミステリアスな少女。容姿端麗・頭脳明晰だが、無愛想で他人との関わりを嫌う。大財閥の令嬢であるが、彼女の体を過剰に気遣っていた(遺伝学的な意味での)父により、宇宙学校入学までは、事実上、実家に軟禁されて生活していた。義務教育期間も学校への入学を許されず、家庭教師の下で勉強させられていため、人間関係や社会の常識に少々疎いところがある。海へ行く事をアスミ達に誘われても、そこが泳ぐ目的も有する所だとは全く判らなかった、というエピソードもある。
- 父親への反発心が強く、大変な負けず嫌い。努力・鍛錬で、一見、通常の健常者の様に見える。性格が気丈な事もあり、むしろとても強い人間に見えるが、実は姉(正確にはクローンのオリジナル体。名前も同じだった)・(遺伝学的な意味での)母譲りの先天性疾病により、体の調子はあまり良くない。宇喜多財閥傘下の製薬会社が開発(医薬認可されているか否かは不明)・処方した延命効果薬(姉と母が存命の時には、まだ存在していなかった)を飲んで、何とか病の進行を止めている(遅らせているだけかも知れない)。反発している父から少しでも独立したいと望み、途中からアスミの住むかもめ寮に入寮。その後、もう少し社会と関わりを持とうと考え、アスミ・秋・府中野の様にアルバイト(喫茶店アポロ)を始める。
- 延命薬については、単行本第6巻収録「MISSION:26」P42にて、下記の事が判明している。
- 錠剤型とカプセル型の2種類で構成。
- 一昔前までは、投与目的である疾病の正体・発症原因は不明であった(オリジナル体のまりか、まりかの母親、および鈴木秋の母親の闘病期間には間に合わなかった)。
- 薬の飲用を続けないと、死に至るとされている。また体に負担が掛かり過ぎると吐血するなど、かなり深刻な症状のようだ。
- この薬は、既に一般の医療機関に流通していて、宇喜多財閥傘下の製薬会社の利益に繋がっていると思われる(マリカのために開発したと言う父親に、「宇喜多家の利益の為でしょ」と反論し、激昂した父親に頬をビンタされるシーンがある)。
- 府中野新之介/ふっちー(ふちゅうや しんのすけ) (声優:豊永利行)
- 花火屋の息子。出来の良い兄がいるので店は継がない。コミック版では左利き。アスミの幼馴染であり、幼い頃、川で溺れたアスミを助けた命の恩人でもある。いつもアスミのことを気にかけているが、現実感の無いアスミの言動に引きずられる事を怖れてか、少し突き放した態度を取る事がある(いわゆるツンデレ?)。宇宙学校へ入学した動機が、鴨川アスミの身を案じて傍に居たかったためである、という事は半ば公然(鈴木秋・宇喜多万里香からも、よくからかわれる)であり、そのため宇宙への想いは当初は希薄であった。しかし、鴨川アスミが日頃から公言しているライオンさんを、自分も見ることができるきっかけになるのではと思い、徐々に宇宙への関心を持ち始めている。
- 花火職人の祖父は、生前、子供にしか見えないという「緑色に光る星」(アスミもこの星の存在を知っていた)と同じ緑色を再現した花火の製造に挑んでいた。その成し遂げられなかった想いを、祖父は末っ子である新之介に託した。
- 花火卸問屋を営む親類の家に下宿して、宇宙学校に通っている。
- 機械工作に秀でている。また成績も上位をキープしているが、体力面では、普段から鍛錬を怠らないアスミにやや負けている。
- 近江圭(おうみ けい) (声優:大浦冬華)
- 鈴木秋(すずき しゅう) (声優:甲斐田ゆき)
- 政治家(元内閣官房長官)で大企業家でもある父親に反抗して宇宙学校へ進学。眉毛は自分で剃り落としている。つかみどころのない性格だが成績は常にトップ。飄々とした性格で周囲から浮いてしまいがちだが、変わり者揃いの宇宙学校では単に「優秀な生徒」である。また人付き合いは「広く薄く」が信条なようで、あまり他人を詮索しようとはしない。ただ、純粋に宇宙を目指しているアスミには興味があるらしく、「カモメちゃん」なるニックネームを贈ったりしている。(→ワレンチナ・テレシコワ)
- 実家から勘当されているため、仕送り等の経済的支援は一切ない。学費と生活費を自力で稼ぐためのアルバイト等で授業にはあまり出席していない。それでも成績は標準をはるかに超えているため、お咎めは無いようである。宇宙への興味は、同じく宇宙好きだった、母親の祖父(鍋島方・故人)の影響による。腹違いの妹(鈴木さくら)がいる。ポンカンが大好物。国立東京宇宙学校からの推薦枠(一名)で参加したNASAスペースシャトル搭乗員選考試験に合格。訓練の為、学校公認で短期休学する事がある。
- 実母は、鈴木秋が幼少の頃に病死(宇喜多万里香と同じ先天性疾病)。父親が、闘病中の実母にとった冷たい態度と道義に背く離婚、実母がまだ生存中であるにも関わらず強行された再婚が、後の親子間の確執の原因になっている。
- 鍋島方の祖父と宇喜多万里香の父は旧知の仲。
- 3年生になる頃には宇喜多万里香と類似した出血症状(主に鼻から)が起きることを自覚している。
- 鴨川友朗(かもがわ ともろう) (声優:堀内賢雄)
- アスミの父親。今日子の被災後は、男手一つでアスミを育てて来た。今日子の治療費完済、アスミの学費捻出等のため、日々建設現場で働いている。かつては獅子号開発チームの一員で、佐野教官とは同期であった。獅子号の事故後は被災者への補償担当に奔走していて、今でも事故慰霊碑の参拝は欠かさない。技術者としては並ではあるが、ひらめきと危機意識は人一倍在ったため、この辺りでロケット開発では重要視され、その周囲に寵愛された事から、佐野はあまり良い感情を抱いていなかった模様。
- 鴨川今日子(かもがわ きょうこ) (声優:笠原弘子)
- 鈴成由子(すずなり ゆうこ) (声優:水野理紗)
- アスミが小学生時代の担任。高野(ライオンさん)とは恋人だった。アスミが取り持ったライオンさんとの再会でけじめも付き、今では他の男性と所帯を持つに至る。性格的には真面目だが、真面目すぎて問題を抱え込んでしまうタイプ。
- 佐野先生(さの) (声優:増谷康紀)
- 宇宙学校の教官で宇宙物理学を担当。獅子号の開発案コンペで自案が敗れるきっかけを生み、採用された対案の開発プロジェクトに引き続き加われた鴨川友朗を恨んでおり(単なる嫉妬心だけではなく、自案が採用されていれば、痛ましい獅子号墜落事件の膨大な犠牲者も生じていなかったという自信・自責の念も絡む)、娘のアスミにもそのまま同じ感情を抱いていた(この他、大学在学中に一方的に片思いしていた女性が鴨川友朗と交際、後に結婚しアスミを出産している事、他、交際相手だった恋人を獅子号墜落事故で亡くしてしまった事なども絡む)。実際には鴨川友朗も途中から獅子号開発チームから更迭されていて、鴨川友朗が支持していた案が事実上反故にされていた当時の実情を後から知らされる。
- 宇宙学校を退官後、和解した鴨川友朗の制止・警告も受け入れず、獅子号墜落事件の真相調査を独自に進めていたが、獅子号開発に横槍を入れて純国産化を事実上断念させた張本人が実は元の職場の上司(学年主任)であったと知り、同人の暴言をきっかけに傷害事件を起こしてしまう。その後、経緯は不明だが、すぐに釈放され、鴨川友朗が抱く将来の構想、民間宇宙旅行会社への参画を誘われる。
- 塩見先生(しおみ) (声優:菅原淳一)
- 宇宙学校の教官。宇宙学校の入学試験ではアスミの面接を担当した。性格は温厚だが宇宙に対する思いは強く、また熱血的な一面も持つ。佐野教官に獅子号墜落事件の真相を伝え、友朗やアスミに対する恨みが誤解であったことを気付かせた。
- 西田先生(にしだ) (声優:高塚正也)
- 宇宙学校の教官。担当は体育、実技、訓練全般。緑色の体育着にマッチョな体格が特徴。厳しくも温かく生徒を見守るが、近江圭からは「鬼」呼ばわりされている。ただし出来る事なら担任した生徒たちの希望を可能な限り叶えたいと常々考えており、標準よりも小柄過ぎて宇宙服のサイズが無かったアスミが在籍出来るよう、根回しした人でもある。
- 柴田かさね(しばた かさね) (声優:半場友恵)
- アスミと府中野の唯ヶ浜小時代の同級生。(クラスは別だった)父親を獅子号の事故で亡くし、自身も左腕に重度の火傷を負い、現在もその痕が残っている。その傷跡を理由にクラスメートからイジメを受けてきたせいか意固地で気性の激しい性格となり、孤独な毎日を送り学校も休みがちであったがアスミと出会い徐々に心を開き友達となった。しかしアスミの父が獅子号被災者の遺族係として自宅に来た社員と知るとアスミに怒りをぶつけ、疎遠となってしまう。間もなく治療のために大病院の近くに引越しをすることになり、アスミとちゃんとした仲直りができないまま別れることになってしまった。
- 坂下リンゴ(さかした りんご) (声優:石井順子)
- アスミが住む「かもめ寮」の寮長代理。宇宙学校医学部の上級生。
- 同学部に合格するのは、東京大学合格よりも難関と世間で噂される程であるが、当人はいたってマイペースで、そんな苦労は微塵も感じさせない。寮にいるときはジャージに突っかけ、半纏といった妙な格好でうろついている。面倒見もいい性格である。
- 徳島みかん(とくしま みかん)
- 原作コミックスにのみ登場。新しく東京宇宙学校に入学してきた下級生。かもめ寮に入寮してくる。長所は視力の良さ。
- 宇喜多万里香(うきた まりか)
- ライオンさん(高野)の初恋の相手。アスミと同級の宇喜多万里香と瓜二つで名前も同じ。母譲りの先天性疾病治療・療養の為、スイスへ渡航・移住。その数年後(十数年後?)に帰らぬ人に。採取・保管されていた遺伝子をスイスの医学者が国際法(クローン禁止国際条約)違反を覚悟でクローニングし、アスミ達の出生年前後に代理母より出産したのが、現在の宇喜多万里香(遺伝学的には、出生時期の異なる一卵性双生児の妹とも言える)。なお物語では混乱を避けるため、こちらを漢字で「万里香」(または平仮名でまりか)と表記し、アスミの友人である方は片仮名で「マリカ」と記述している。
- クローニングのオリジナル(遺伝学的に姉の宇喜多万里香)については、その後、死亡が確認されている。
- オリジナル体の方であるまりかは、クローン体の方のマリカと異なり、人当たりも良く温和な性格であった。父親に対しても従順な態度で接していたが、将来の進路についてはマリカと同じく宇宙飛行士、もしくは宇宙関連の仕事に就きたいと願い、これだけは父親の言いなりにならなかった。
- クローン体の方のマリカとの外見の相違として、髪型の一部(左側のみ)を三つ編みにしている点があげられる(実は、クローン体の方のマリカも、父親からの強要で同じ髪型にしていた。父親への反発心を顕わにする様になってから、三つ編みを止めて現在の髪型にしている)。
- 島津タカシ(しまづ たかし) (声優:藤田大助)
- アスミ、府中野と小学校~中学校までの同級生。美術が好きだった。彼も宇宙を夢見ていたが、長らく患っていた獅子号墜落事故後遺症の急性悪化により突然死去する。アスミの初恋の相手(?)であり、実はアスミと同様ライオンさんの姿が見えていた。スケッチ画が上手だった模様。
- 桐生(きりう)
- 原作コミックスにのみ登場。獅子号事故で家族を失った少年。風貌がどことなく島津に似ている。当初は諸所の事情・しがらみで付き合わされた宇宙開発反対運動(バックに特定の政治団体は無い)に参加し、居心地の良さからいつの間にか当人も反対運動に共鳴してしまう。そんな自分とはまるで正反対に自らの強固な意志・進路目標で日々の学業に日夜励んでいるアスミ達、国立東京宇宙学校生徒達を子供じみた単純な嫉妬心から憎んでしまうが、やがてアスミとの交流により心を開いてゆく。かなり有名な進学校に特待生として通っていたが、大学へは進学せず、海外ボランティア活動に参加の為、現在は日本を離れている。ライオンさん同様、頻繁にハーモニカを吹くが、残念ながら腕前は良くない。
- 山本(やまもと) (声優:下崎紘史)
- ボウズ頭。府中野や秋と同室で宇宙学校入学試験(実技)を受けたが、協調性や忍耐力の無さから不合格となった。
[編集] 作品世界での年表
- ? ライオンさんこと高野(小学3年)、唯ヶ浜の別荘に療養に来ていた宇喜多万里香(うきたまりか)に初恋。
- ? 高野が宇喜多万里香(うきたまりか)と友達に。
- その後、宇喜多万里香(うきたまりか)は病気治療・療養の為、スイスへ移住(高野は小学5年)。
- 2007年3月 宇喜多万里香(うきたまりか)、中学、もしくは高校の卒業式で(若かった頃の父親と)笑顔の記念写真撮影(4巻P80)。
- 200?年 高野と拝島(共に高校生)が出会い、一緒に宇宙を目指す。
- 2008年 鈴木秋(4月14日)・府中野新之介(5月31日)・宇喜多万里香(うきたマリカ クローン体の方。12月29日)が誕生。
- 2009年 近江圭(1月31日)・鴨川アスミ(3月3日)が誕生。
- 2010年 高野らの搭乗した純国産有人ロケット「獅子号」が唯ヶ浜へ墜落。高野を含め乗員全員が死亡、さらに唯ヶ浜の住人多数も死傷。
- このときアスミは1歳。
- 柴田かさねの父は焼死、佐野先生の恋人は即死。
- 鴨川友朗(アスミの父)、ロケット技術部門より「獅子号 墜落事故 調査委員会 遺族係」に左遷。
- スイス人医師ブルーノ・ベルナーが「5人のクローン人間を既に誕生させていた」と発表。
-
-
- (後の、新聞報道に依る近江圭の推測では、その内の一人が宇喜多万里香であるとされる。)
-
- 2012年 クローン人間を国際的に禁止。
- 2014年 宇宙開発推進計画、国立東京宇宙学校開校。
- 2015年 鴨川今日子(アスミの母。獅子号墜落事故で被災)、後遺症悪化により死去。
- アスミ(小学1年)がライオンさん(成仏出来ず、唯ヶ浜をさまよう高野の幽霊)と出会う。
- 生前の高野の婚約者、鈴成先生は24歳になっている。
- アスミがカムパネルラの森でオリオン2号を発見する。
- アスミが川で溺れる(臨死体験中に母と暫しの再会)。危うく府中野に助けられる。
- アスミと柴田かさね(獅子号墜落事故で父を亡くしている)の出会い、そして別れ。
- 2016年? ライオンさんの教えに従い、アスミ(小学2年)が握力を鍛え始める。
- 2017年? アスミ(小学3年)と同じクラスの同級生、森山柚子の母(獅子号墜落事故で被災)、後遺症悪化により死去。
- 2021年? 島津(獅子号墜落事故で被災)との出会い・獅子号墜落事故被災時の後遺症悪化により死別(アスミ 中学1年)。
- 2024年 アスミ・宇喜多万里香(うきたマリカ クローン体の方)・府中野・近江圭・鈴木秋、東京宇宙学校へ入学。
- この辺りが本編開始部分。
- 2026年 小笠原第二打ち上げセンターから有人ロケット打ち上げ計画(4巻P46)。
- 2027年? 太陽光発電衛星打ち上げ計画。
[編集] 作品に登場する架空の用語・地名(解説)
用語
- JAMSF (じゃむすふ)
- Japan Administration of Manned Space Flight :日本有人宇宙飛行局の略称。
- 獅子号
- HⅣ型ロケット
- 小笠原第二宇宙センター
- 現実世界で実在する種子島宇宙センターをモチーフに作中で創作されたロケット打ち上げ基地。
- 宇宙観測通信所 (千葉県の山中)
- はっぱ星
- 義理ぽんかん
- 宇宙イモ
- オリオン号ロケット
- 2号 (秘密基地)
- 8号 (打ち上げ可能な模型ロケット)
- 28号・29号 (雪像)
- かもめ寮庭 新種の苗木
- 火星のテラ・フォーミング研究の副産物として、改良・開発された苗木。
- こども図かんシリーズ5 うちゅうのひみつ (書籍)
- 宇宙飛行士になるには (書籍)
- 宇宙へ 人類月に立つ 座花隆編集 (書籍)
- 架空の著者名「座花隆」については、立花隆がモデルと思われる。
- 宇宙から見た地球 (書籍)
- 宇喜多財閥
- 鈴木財閥
- 鍋島家
- 和菓子 近江屋
- 府中屋 花火店
- 花火卸 江戸 若松屋
- 府中野の下宿先。
- 国際ボランティア青年団
- 国立東京宇宙学校
- 国立東京宇宙学校 宇宙資料館
- 私立北星高等学校
- ひまわり園 こどもの家
- 鎮魂の碑
- 唯ヶ浜医院
- 山中医院 (内科小児科・外科)
地名
- 唯ヶ浜
- カムパネルラの森
[編集] 国立東京宇宙学校 入学試験・授業カリキュラム等(現在までに判明している物)
[編集] 入学試験内容
- 一次試験(午前): 筆記(おそらく主要五科目、および宇宙史)
-
- 筆記に割り当てられた時間の短さから、その内容は易しいものと考えられる。
- 二次試験(午後): 面接
- 二次試験(実技): 宇宙飛行士養成コースのみに課せられた。
- 閉鎖環境適応テスト
- 会場を、校内からつくば市方面の施設に移して実施。
- 密室の中、3人で7日間のうちにドミノ倒しを完成させる。その本質は忍耐力・協調性・観察力・集中力・問題解決力・発想の柔軟さを見るためのもの。なお、課題であるドミノ倒しが入ったボックスを開く鍵番号として部屋番号を入力する必要があり、誤入力するとテストは中止となる。この部屋番号は地球から恒星までの距離(光年)であり、各部屋に不規則に割り当てられている。
- 途中で意図的なアクシデント(振動と減圧)が加えられ、各受験生の持つ力が試される(体調不良を起こすだけでなく、並べてたドミノも倒れる)。
[編集] 授業カリキュラム
- 一般科目
- 必須科目 年間で100単位を取得しなくてはならない。
- 選択科目
- - 調査中。-
- 各種実習、訓練
- 基礎体力の養成: 毎日のランニングが課せられている。他に筋肉トレーニング(器具多数あり)。
- 着衣水泳訓練: 無重量体感試験の前提となるもの。
- マルチアクシス・トレーナー訓練: 三軸方向に回転する座席に搭乗し、回転する中で簡単な数式(四則演算)を解く。平衡感覚、平常心ならびに判断力の鍛錬が目的。
- アスミ、この訓練でハイスコアを叩き出す。
- 宇宙服のサイズ合わせ: アスミ用の特注服予算確保の件で、職員は侃侃諤諤…?
- スキューバダイビング訓練:
- 水槽での擬似無重量訓練: 宇宙服(アスミ用のみ特注品)を着用し、無重力下での労働作業に備えた実技訓練を行う。
- 校外でのマラソン実習: 佐野教官がアスミを呼び出したことに端を発し、5人は実習に参加できず。
- 校外でのマラソン(補習): 参加できなかった5人、山道を使ったマラソンでしごかれる。
- サバイバル訓練:
- 緊急脱出カプセルに入った後、そのまま運搬され山中に放置される。与えられた最小限の装備を使い、5日以内に指定場所へたどり着くというもの。与えられる装備は限られた水と固形非常食とブランケットと方位磁石と位置特定用の無線発信機(通話機能は無い)などだが、カプセル内装を剥がして利用するのは想定内。なおアスミの方位磁石は手違いで欠品していたなど、少々不手際が目立った。
- ※アニメ版はサバイバル訓練~夢の実現を髣髴とさせるシーンで終了。
- 無重量体感訓練:
- サバイバル訓練の後、秋に実施。ジャンボ機を使い擬似的な無重量状態を体験する。この訓練、別名で「ゲロ彗星」と呼ばれている。
- ロボットアーム操作訓練:
- 特別訓練(牢破り):
- 使われなくなった刑務所を使用。各人は独房から脱出し、敷地内の旗までたどり着く。心理的な前向きさを養成する訓練(らしい)。
- 機械の分解組み立て実習:
- 目的を告げることなく学生に無作為に機械を選ばせ、そして分解させる。その後、元通りに組み立てさせるというもの。
- 機械工学上の素養を高めるだけではなく、観察力・記憶力を常時自然に働かせていられるか、突発的なことがらへの冷静な対応を養う訓練。
- 組み立てられなかった場合は、学生の自己負担で弁償。
- 減圧訓練:
- 減圧室の中に一人で入り、急減圧される中で四則演算問題を解く。ギブアップなら酸素ボタンを押し、そこまでの持続時間を計る。持続時間と演算正解率を両方チェックする。減圧環境下での作業感覚を養う。
- 遠心機訓練:
- 遠心加速機へ二人搭乗し3Gの加速度を負荷する。その状況下で指定のボタンを押すなどの作業動作を行なう。
- 課外活動
- 施設見学: 船で小笠原まで赴き、ロケットの打ち上げを見学。
[編集] その他
- 実在の高等専門学校や大学と同様に、単位履修制を取っている。
- 宇宙飛行士養成コースの修業年限は4年。3年生の後半で、4年生へ進級できるかどうかが判定される。年限は異なるが、この点は高等専門学校と似通っている。
- また、単位取得は当然として、実技および訓練の全てをクリアしなければ卒業できない。
- アルバイトは1年生から認められているようだ。認可制/届出制/制限なしのどれにあたるのかは不明。
- オートバイ通学が1年生から認められている。
- 3期制を取っている(「9月から2学期」とコミック中で言及あり)。
- 夏休みが設けられている。しかしカリキュラムの濃密さから、実質的な日数は短いものと考えられる。
[編集] 原作コミックス版とアニメ版の相違点
- 幼少時、アスミが川で溺れた後の対処
- 原作:府中野がアスミを背負い、友朗の家まで運んだ。
- アニメ:府中野が、アスミの溺れた場所まで友朗を連れて来た。
- 入学式の夜、友朗からアスミに渡したもの
- 原作:髪止め。今日子の形見でもある。
- アニメ:万年筆。今日子から友朗へプレゼントされたもの。
- 高校生に成長した柴田かさね(短い交流期間であったが、アスミの幼友達)の登場する場面について
- 原作:ある日突然、何の前触れ・連絡も無く、アスミを訪ねにかさねが上京、かもめ寮の近くの公園で再会する。
- アニメ:サバイバル実習訓練中に倒れ、学校に保護されて、一般病院の病室らしき部屋で安静していたマリカと偶然(?)対面。かさねはマリカを幼友達アスミの通う国立東京宇宙学校の生徒と知り、打ち解け合い、会話する。アスミとの対面シーンは登場しない。
- アスミのバイト先
- 原作:「Benny's」
- アニメ:「Capella」
- ※原作の「Benny's」の名称は実在のファミリーレストラン「デニーズ」から来ていると思われ、その関係での変更の可能性が高い。
- 塩見教官が佐野教官を屋上へ呼び出し誤解を解く場面
- 原作:喫煙している。
- アニメ:タバコではなく、コーヒーに置き換えられている。
- マリカがクローンであること、先天的疾病があること
- 原作:明示された。
- アニメ:明示されていない。
- マリカが抱えていた人生上の問題を告白する相手・場所
- 原作:相手はアスミ達、場所はオリオン2世号傍。
- アニメ:相手は柴田かさね、場所は病院。なお内容は、「姉であり母でもある私と同じ名前の人がいた。でも、その人は死んでしまった」とクローン人間らしき事を示唆する告白に留まっている(明示したも同然の台詞ではあるが、この言い方だと例えば父娘間の近親相姦で生まれた、という解釈も成り立つ)。
- ライオンさんの本名
- 原作:不明。鈴成先生の婚約指輪に彫られている"T"の文字のみ明らかにされている。ただしおぼろげながらも墓碑の銘が「高野家」と読めるページはある。
- アニメ:高野姓である事が明確になっている。
- 獅子号の宇宙船部分について
- 原作:運搬ロケット機体(名称は同じく獅子号)は頻繁に登場するものの、形状などを描いたシーンは登場していない。
- アニメ:設計図らしき物が大型画面に映し出されるシーン(開いた太陽電池パネルがライオンのたてがみを連想させる形状になっている)が登場し、「獅子」が名称に採りあげられた経緯らしき背景が伺い知れる。
- 鈴木秋の鴨川アスミへの呼び方
- 原作:「アスミくん」
- アニメ:「カモメちゃん」
- マリカの髪の毛の色
- 原作:■空五倍子(うつぶし)色
- アニメ:■草色
- ※これについては、マリカの髪の毛の色に限らず原作とアニメは絵柄やキャラデザインが全く異なっているため、その差異の一部分に過ぎないかもしれない。
- その他、アニメ版最終回関連
- ラストシーンでマリカがアスミを「鴨川さん」ではなく「アスミちゃん」と呼ぶ。また病院の場面でも「アスミ」と(寝言で)呼んだ事がある。
- ラストシーンでライオンさんがアスミ、マリカ、圭、秋、府中野の前に姿(素顔)を見せる。
[編集] 現在までに挙がっている作品中での(判明していない)謎
- アスミがロケット運転手(宇宙飛行士)の他に抱いているもう一つの夢について。
- アスミがライオンさん(高野は、同郷の英雄になり損ねた時の人でもあった)の正体をどこまで把握し、何故、ライオンさんには一切、尋ねないのか。
- 獅子号事件で死亡した直後の高野(ライオンさん)が、三途の川手前にある草原で再会した宇喜多万里香(遺伝学的姉の方。コスモスの花を摘んで持っていた)と交わした会話の内容。
- ライオンさんが成仏出来ない(三途の川を渡れなかった)理由(この世に思い残している事)。
- 宇喜多万里香(遺伝学的姉の方)の晩年の様子、及び高野同様、成仏出来ない理由。
- 宇喜多マリカの母親、及び、鈴木秋の妹(鈴木さくら)の風貌・人となり。
- 宇喜多マリカと一緒にクローン出産した4名(選別の手前、マリカが患っている先天性疾病には罹っていないと思われる)の死因(クローン人間であった事との相関性)、それが今後、マリカにまで及ぶ危険性。
- 宇喜多家と鈴木家(と鍋島家)の関係。
- 両家の交流。他、何故、(感染者が少ない病にも関わらず)双方の母方の家系に集中して、作中の先天性疾病が遺伝感染し続けているのか等。
- 獅子号墜落事故(即死を免れた)被災者の後遺症について、直接の(科学的)原因。
- 二人のマリカの関係。遺伝子だけ共通した別人の様だが、二人目の方のマリカが一人目の方の万里香の生前の記憶をフラッシュバックで頭に浮かぶ場面の登場など、実は魂も共通(但し、人格は別個)の生まれ変わりではないかと思わせる伏線も登場している。その一方で、オリオン二号の前で二人(万里香は無言に微笑む霊体)が対面する場面が登場したりと、別人説の裏付けらしき点もある。
- 佐野先生がアスミの母に寄せてた想い。
- 子供しか目視観測出来ない謎の緑の星の正体。
- 生前の高野が抱いていた(科学的に不可能な)夢(宇宙から打ち上げ花火を鑑賞)に、実家が花火職人である府中野が今後どう絡むのか。
[編集] 由比ガ浜 = 唯ヶ浜のモデル説を裏付ける類似点の数々
- 唯ヶ浜駅のモデル。江ノ島電鉄極楽寺駅(由比ガ浜駅から2つ西隣の駅。鎌倉市)とされている。
- 原作 第43話(単行本9巻)の桐生の回想中に唯ヶ浜駅の登場シーンがあり、駅舎看板にて「江ノ島電鉄」によく似た名前の「阿ノ島電鉄」(架空の私鉄路線)併記が見られる。
- 唯ヶ浜駅の構造。由比ガ浜駅と同様、単式ホーム1面1線の地上駅である。
- アスミが志願時に出した成績証明書。現住所欄に「神奈川県鎌倉市唯ヶ浜町4…」と記載されている(アニメ版)。
- 唯ヶ浜、由比ガ浜のいずれも、夏に花火大会が開催される。
(アニメ版の唯ヶ浜駅は海を見通せる場所にあり、その点では鎌倉高校前駅に似ている。 柳沼の原作、及びアニメのエンディングに提供した挿絵などは、江ノ電の風景を詳細に画像化しているものの、アニメ本編中では大掛かりにアレンジされている。)
[編集] 主題歌
[編集] 放映リスト
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[編集] スタッフ
- 原作:柳沼行
- 監督・シリーズ構成:望月智充
- 脚本:望月智充、中瀬理香
- キャラクターデザイン:後藤真砂子
- 設定考証・コンセプトデザイン:小倉信也
- 美術監督:込山明日香
- 色彩設定:一瀬美代子
- デジタルコンポジット:伊藤正弘
- 編集:岡祐司
- 音響監督:郷田ほづみ
- 音楽:三宅一徳
- アニメーション制作:グループ・タック
[編集] 関連商品
[編集] 単行本
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[編集] 関連項目
- 由比ガ浜 ※ 唯ヶ浜のモデル説が濃厚。
- 宇宙航空研究開発機構
- 国立高等専門学校機構 ※ 国立東京宇宙学校は、高等専門学校と設定されている。
- ワレンチナ・テレシコワ
- サリー・ライド
- ユーリイ・ガガーリン
- ジョン・グレン (議員)
- クローン
- 法源 ※ 国際条約について記述。
- カール・セーガン ※ アスミがライオンさんから貰った本「COSMOS」の著者。
- 宇宙船
- ロケット
- スピカ
- 近似死体験
- 霊能力
- 花火
- 美女と野獣
- 銀河鉄道の夜
- ハーモニカ
- コスモス(秋桜)
- コロンビア (オービタ) ※ 2003年2月1日、大気圏突入時に空中分解、墜落。
- チャレンジャー (オービタ) ※ 1986年1月28日、打ち上げ後の上昇中に爆発、そして墜落。
- 長征3B型 ※ 1996年2月14日、打ち上げ後に制御不能となり市街地へ墜落。公式発表では死傷者約500人。
- ヒドラジン
- ロケットエンジンの推進剤
[編集] 外部リンク
[編集] 公式サイト
[編集] ファンサイト
- 「ふたつのスピカ」舞台探訪
- ふたつのスピカ同盟
- ふたつのスピカとは
- ふたつのスピカ 感想のコーナー
- えむいち ふたつのスピカ・アーカイブス
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