長征 (ロケット)

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長征ロケット(CZ-2F)

長征（ちょうせい, Chang Zheng）ロケットは、中国の衛星打上げロケットで、2段式の長征2C/2D/2E/2F、3段式の長征3A、4段式の長征3Bなどがある。

名称は1934年の長征一万里の故事にちなんだもの。中国語の頭文字を取ってCZ-xxと称する他、英語名称のLong MarchからLM-xxとも称する。

東風5号 (DF-5) 型ICBMを元に、衛星打上げ用として開発したもので、1段目・2段目にはN₂O₄とUDMHを用いた液体ロケットエンジンを使用する。初飛行は1970年で、同国初の人工衛星「東方紅」を打上げ、世界で5番目の衛星打上国となった。

2003年 10月15日に、「神舟5号」有人宇宙船の打上げに用いられた長征2F型は、低軌道人工衛星打上げに用いられる長征2E型の信頼性を向上させ、非常脱出装置などの有人支援機能を追加したものであるという。

[編集] 打ち上げ事故

なお、1970年以降80回以上の打ち上げ成功を誇る長征シリーズだが、大きな犠牲の上に開発されてきた歴史も無視できない。1995年 1月26日に西昌基地より打ち上げられた長征2E型は打ち上げ直後に爆発。巻き込まれて6人の村人が死亡している。

1996年 2月14日には、インテルサット708を搭載し同じ西昌基地より打ち上げられた長征3B型1号機が打ち上げ直後に機体が傾きだしコントロールを失い、そのまま市街地に落下。公式発表だけで500人の犠牲者を出す大惨事に至った。これは宇宙開発史上最悪の死亡事故といわれ、この際に事故の証拠隠滅を図るために軍を事故現場に派遣し残骸回収を行い、海外のマスコミを数時間にわたり隔離などをした。その教訓を元に各部の改善をすすめ、1997年 8月19日に打ち上げられた2号機以降、シリーズ全体で48回連続成功（2005年9月現在）と高い打ち上げ成功率を誇るに至った。