なにわ筋線
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なにわ筋線とは、大阪府大阪市浪速区の関西本線JR難波駅及び南海汐見橋線汐見橋駅と、同市淀川区の新大阪駅を結ぶ計画の合計10.2kmに亘る鉄道路線。
大阪府及び大阪市の提案により、2004年、近畿交通審議会答申第8号で「中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」として盛り込まれたが、事業規模が大きく、関係者が多岐に亘る事から、整備手法を検討する必要があるとされ、現時点では事業主体は決定していない。
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[編集] 概要
なにわ筋の地下を通り、大阪市を縦に貫通する路線として計画されているものである。主に南海電気鉄道に於ける都心貫通路線の整備と、梅田貨物線が単線であり同線を走るJR西日本の旅客列車がこれ以上増発しにくく、その上幹線道路と踏切で交差しているため渋滞の原因となっている事などから、建設が検討される様になった。しかし、大阪市及び大阪市交通局の財政が極度に悪化しており、実現を遠ざけているとされる。
JR難波駅は1996年に地下化され、なにわ筋線との接続・直通を意識した構造になっているが、一方の南海汐見橋線については全く手付かずの状態である。なお、南海汐見橋線はなにわ筋線との直通を前提に路線が維持されている状態であり、なにわ筋線が仮に計画中止となれば廃線の可能性も否定できない。
しかしながら、現在建設中である京阪中之島線の第一の目的は、京阪沿線から関西国際空港へのアクセス改善を目的としており、同線が2008年度末に開業する予定なので、開業後には計画が急浮上する事も考えられている。また、大阪北ヤードの大規模再開発によって梅田貨物線の撤去も考えられているので、再開発が進むに連れてなにわ筋線の建設は重要となる。
また、大阪環状線の西区間(大阪~西九条~弁天町~新今宮間)での退避設備が西九条駅しかない状態で、速度差の大きい普通電車と各種優等列車が頻繁に運転されている点や、人身事故が多発しているなどから、外環状線よりも早期に建設するべきとの意見もある。
[編集] 運行形態
未着手の路線であり、詳細な運転計画は全く未定であるが、JR・南海電鉄の空港アクセス列車の運行が想定されている。
JR難波駅からは、主に阪和線の電車が直通するが、JRの梅田貨物線を通る特急「はるか」や「くろしお」系統はすべてこちらに移行するとされている。また、関空快速や紀州路快速もこちらを通り、新大阪駅ないしは京都駅方面まで直通する可能性もある。また、JR大和路線のJR難波止まりの列車が堀江駅(仮称)まで運転される可能性もある。
また、汐見橋からは南海電鉄の電車が直通するが、ターミナル駅が難波駅だけで(天下茶屋で地下鉄堺筋線と連絡するが)、JRに対し劣勢である特急「ラピート」も直通すると見られている。
[編集] 駅一覧
設置駅及び建設ルートは概ね以下の通りである。
※南海は西天下茶屋駅~汐見橋駅間を地下化し、現行ルートとは別に大阪府道 大阪伊丹線(なにわ筋)の地下を通る。
[編集] 接続路線
- JR難波駅:関西本線(JR難波駅)、大阪市営地下鉄御堂筋線・大阪市営地下鉄四つ橋線・大阪市営地下鉄千日前線・南海本線(難波駅)、近鉄難波線(近鉄難波駅)
- 汐見橋駅:南海汐見橋線(汐見橋駅)、大阪市営地下鉄千日前線(桜川駅)、阪神西大阪線(汐見橋駅(仮称)、建設中)
- 堀江駅(仮称):大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線(西大橋駅)
- 玉江橋駅(仮称):京阪中之島線(中之島駅、建設中)
- 福島駅(仮称):大阪環状線・阪神本線(福島駅)、JR東西線(新福島駅)
- 北梅田駅(仮称):東海道本線・大阪環状線(大阪駅)、JR東西線(北新地駅)、大阪市営地下鉄御堂筋線・阪急神戸本線・阪急宝塚本線・阪急京都本線・阪神本線(梅田駅)、大阪市営地下鉄四つ橋線(西梅田駅)、大阪市営地下鉄谷町線(東梅田駅)
- 中津駅(仮称):阪急神戸本線・阪急宝塚本線(中津駅)、大阪市営地下鉄御堂筋線(中津駅)
- 新大阪駅:東海道本線・東海道新幹線・山陽新幹線・大阪市営地下鉄御堂筋線(新大阪駅)
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