江川三郎
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江川 三郎 (えがわ さぶろう、1932年7月10日 - )は、オーディオ評論家。
アイデア的工作でオーディオを探求することを得意とする。市販品の改造やアクセサリーの開発をすることが多い。
[編集] ケーブルで音が変わるという説
1975年に「ケーブルで音が変化する」という説を発表したのは有名。このケーブルとは、スピーカーケーブル、電源ケーブル、オーディオ機器を接続するケーブルなど、全てを指す。江川三郎のこの説が世界中に広まったため、世界中のオーディオマニアが音質の良いケーブルを求めるようになった。
しかし、「ケーブルで音が変わる」という説は未だに科学的な証明はされていない。機器を使っての科学的測定によって、音に差異があるという結果が得られていないからである。そもそも「ケーブルで音が変わる」というのが事実であるなら、測定機器それ自体にもケーブルが使われている以上、測定結果すら機器に使われているケーブルに影響されるはずであり、測定機器そのものの精度が疑問視される。つまりケーブルによる変化は、測定機器の測定限界よりも遥かに小さな値でしかないのである。
ただしその事は「ケーブルで音が変わる」という説が事実に反する事を意味する訳ではない。機器の測定限界を遥かに下回る微量変化が、人間が感じる味覚や嗅覚に影響するのは、よく知られた事実だからである。例えば香水の場合は、機器による成分の測定の限界以下の微妙な調合の変化で、香りが全く違ってしまうのである。聴覚にも全く同様の事が言える可能性は、十分ある。
しかしながら、現段階においてはケーブルによる音の変化は、科学的証明もなされていない上に、香水などの場合と違って一般の共通認識にもなっていないのは事実である。香水の場合は香りの違いは「それぞれの好みの違い」という事で優劣は存在しないのであるが、オーディオにおける音の違いは「どちらが原音により近いか?」という事で優劣に結びつく。しかし機器で音の違いの測定ができない以上は、優劣をつけるための客観的な基準が存在しないのである。
それにも関わらず、現在では一本100万円を越えるようなケーブルも市販されている。当の江川三郎もオーディオアクセサリー誌にて、「今の高級ケーブルの価格は行き過ぎている」と語った。
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