大阪府立天王寺高等学校
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大阪府立天王寺高等学校(おおさかふりつ てんのうじこうとうがっこう)は大阪市阿倍野区にある公立の高等学校。
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[編集] 概要
府第五中学、天王寺中学以来の伝統を汲み、また公立校としては府内1,2を争う進学校としても知られている。通称『天高』。『エルハイスクール』『スーパーサイエンスハイスクール』に指定されている。また理数科の倍率は公立高校の中でトップに立つほど高い(約4倍ほど[要出典])。普通科も公立高校の普通科の中では高い倍率になっている。
比較的自由な校風で、標準服のブレザーはあるが私服での登校が可能。ほとんどの生徒が私服で登校している。購買部で学ラン用のボタンが売っているが、それは野球部の生徒が主に学ランを着る習慣があるからである。自由な校風ではあるがパーマをかける、髪を染める等のことは禁止であり、登校時の私服にも男子のハーフパンツ禁止等の制限はある。また携帯電話も持ってくることは原則禁止である(実際には持ってきており、授業中に使用しなければ注意されない)。この点を見ると完全な自由と言うわけではない。
全国高等学校ラグビーフットボール大会で2度の優勝経験がある。
公立高校としては珍しく山荘(あしび山荘)を所持している。この山荘は野外生活体験学習(学校行事を参照)に使われる
[編集] 沿革
- 1896年 大阪府第5尋常中学校として創立、大阪府第一尋常中学校(現大阪府立北野高等学校)から生徒188人を受け入れ、東成郡西高津村(現天王寺区下寺町1丁目)の大蓮寺境内で授業開始
- 1897年 東区東平野町大字南平野(現天王寺区上本町8丁目、現大阪国際交流センター所在地)に校舎完成
- 1899年 大阪府第5中学校に改称
- 1901年 大阪府立天王寺中学校に改称
- 1919年 東成郡天王寺村三明(現阿倍野区三明町2丁目4番23号)の現校地に校舎が完成し、移転
- 1927年 失火により1棟を残し校舎が焼失、1929年に新校舎が完成
- 1945年 空襲により、校舎の一部が焼失
- 1948年 大阪府立天王寺高等学校に改称、学制改革により大阪府立夕陽丘高等学校(旧制夕陽丘高等女学校)と教職員・生徒を半分ずつ交換して男女共学に
- 1971年 服装自由化実施
- 1992年 新校舎(現校舎)完成
- 1993年 理数科を設置
- 1994年 2学期制を実施
- 1996年 創立100周年記念式典
- 1998年 台風により『あしび山荘』が損壊、2000年に新『あしび山荘』完成
- 2003年 エルハイスクールに指定
- 2004年 スーパーサイエンスハイスクールに指定
[編集] 設置課程
- 全日制
- 定時制
- 定時制については廃止が決まっており現在生徒の募集が行われていない
[編集] 教育方針
校訓に『自由闊達 質実剛健』、生徒指導方針として『授業第一主義 鍛錬主義』を掲げる。
2学期制を採用。また、完全学校週5日制(いわゆるゆとり教育)への対応として平成14年度より45分×7限という授業スタイルをとっている。
[編集] 学校行事
この学校では授業と同じく学校行事も重視しており、個性的な行事も多く存在する。
[編集] 運動会
毎年5月末に実施される。目玉種目はプログラムの後半に続けて行われる、2年男子の『マスゲーム(高校生体操、組体操、棒倒し)』と3年男子の『陸上ボート』であり、地元では一種の名物となっている。 また、運動会のはじめには、この学校独自の体操である『天高体操』を行う。(通常の体育の授業でも行う)
ちなみに、『これは祭(遊び)ではない』という考えから、『体育祭』とは言わない。
[編集] 水泳訓練
『臨海(学校)』とも言う。大阪のほとんどの学校では廃止されているが、伝統的に続けている。1年生のみの行事。生徒の泳力に応じて訓練をする。
[編集] 野外生活体験学習
『林間(学校)』とも言う。1年生のみの行事で、奈良県の山中に所有している『あしび山荘』に1クラスずつ1泊する。 一見楽しそうにも聞こえるが、実は山荘まで山道を数時間歩かなければならないため、天王寺高校随一のキツイ行事とも言われる。
ちなみに、『あしび山荘』には電気も水道もガスも通っていない。
なので、もちろん風呂はなく、水は生徒たちで汲みに行かなければならない。また料理するときは薪を使う。
この行事は毎年、台風が来て中止になるクラスが発生することが多い
また『あしび山荘』で星空を見れるのは10年に1度と言われているくらい雨天や霧の発生、延期などが多い。
[編集] 文化展示発表会
略して『文展』と言う。俗に言う『文化祭』であるが、運動会と同じ理由で『文化祭』とは言わない。毎年9月の初~中旬に1日だけ行われる。夏休み明けからあまり時間がないので、夏休み中にある程度準備をしておく必要がある。 実際には、3日前ぐらいから帳尻合わせが始まるのが常である。1年生は必ず劇をすると言う習慣がある。
当日には各学年の各クラスは舞台発表、飲食店などと言ったものを開く。文化系のクラブは本格的に発表を行うので文展前はとても忙しくなる。
[編集] 海外交流
年に2、3度の割合で、海外(韓国・中国中心)から来日した高校生との交流がもたれる。 さらに、平成10年より春休み前後にオーストラリアの『ホーランドハイスクール』への海外留学を行っている。期間は約2週間。派遣されるのは5名(1年生3名、2年生2名)で、希望者から小論文や面接で選び出す。
[編集] その他
- 入学式
- 遠足
- 修学旅行(2年)
- 文楽鑑賞会(2年)
- 能楽鑑賞会(1年)
- 長距離走大会(1・2年)
- 合唱コンクール(1年)
- 金剛登山(1年)
- 徒歩訓練(2年)
- 卒業式
- 球技大会(1・2年)
- 挌技大会(2年男子)
- 水泳大会(1・2年)
- 音楽祭(天高唯一の祭である)
[編集] クラブ・同好会・有志団体活動
- (陸上)ホッケー部の様に珍しいクラブや、ラグビー部のように長い歴史を持つクラブまで様々ある。
- 大部分の生徒がクラブ、同好会、有志団体に入部している。
- 部活動に入部するほとんどの生徒は運動部に入部する傾向があるようである。
クラブに関しては以下のものがある。
クラブについての活動内容等は大阪府立天王寺高等学校のページの部活動を参照。
- 運動系クラブ
- 陸上競技部
- 水泳部
- 体操部
- 野球部
- ハンドボール部
- ラグビー部
- バレーボール部
- バスケットボール部
- サッカー部
- ホッケー部
- テニス部
- ソフトテニス部
- 柔道部
- 剣道部
- 卓球部
- 山岳部(現在休止中)
- ワンダーフォーゲル部(現在休止中)
- 文化系クラブ
- 数学研究部
- 物理研究部
- 化学研究部
- ロボット研究部
- 美術部
- 文藝部
- 演劇部
- 吹奏楽部
- 軽音楽部
- 放送部
- 茶華道部
- フォークソング部
- 音楽部
- PPURI
- 映画研究部(現在休止中)
- 鉄道研究部(現在休止中)
- 英語研究部(現在休止中)
- 社会研究部(現在休止中)
- 弁論部(現在休止中)
- 新聞部(現在休止中)
- 図書部(現在休止中)
- 同好会
- ランニング同好会(現在活動休止中)
- T.A.C(文藝部と一緒に活動中)
- 囲碁将棋同好会(現在休止中)
- 心理学研究同好会 (現在休止中)
- 有志団体
- ファン
[編集] 出身者
学者
- 折口信夫(民俗学者)
- 福井康雄(天文学者)
- 金森順次郎(大阪大学総長)
- 広原盛明(京都府立大学学長・龍谷大学教授)
- 益澤秀明 (医博、脳神経外科医、コメンテーター、元NTT東日本関東病院脳外科部長)
- 益澤学 (医博、肝臓医、元大阪警察病院副院長)
- 湊博昭(医師、社会精神医学、一橋大学教授)
文化人
- 小野十三郎 (詩人、旧制中学時の生徒。現在の校歌の作詞者でもある)
- 市川雷蔵(俳優・中退)
- 開高健(小説家)
- 小田実(作家、夕陽丘との交換の際、自ら移った)
- 長谷川龍生(詩人)
- 谷沢永一(書誌学者)
- 北康利 (作家、山本七平賞受賞)
経済界
政治・官界
- 泉井純一 (政官(主に通産省)を巻き込んだ泉井石油商事件)
- 鶴保庸介(参議院議員)
- 柳本卓治(自民党・衆議院議員)
- 豊田貞次郎(海軍大将、商工相・外相など、貴族院議員)
- 奥村勝蔵(外務事務次官)
- 藤田国之助(内閣調査官、商工省官僚、中央大学法学部教授)
- 東龍太郎(東京都知事)
- 關淳一(大阪市長、同和地区医療センター芦原病院にヤミ融資を決済)
その他
- 岡田武史(元サッカー日本代表監督)
- 萩原遼(ジャーナリスト)
- 橋爪功(俳優・中退 都立青山高ヘ)
- 松永敏弘(慶大ラグビー部監督)
- 白井晃(俳優)
- 橋本英郎(ガンバ大阪MF)
- 上田高弘(美術評論家、立命館大学文学部教授)
- 草鹿龍之介(連合艦隊参謀長)
- 近藤信竹(連合艦隊参謀長・東宮武官兼侍従武官)
- 東武雄(東京六大学野球・東大野球部投手 / 法大戦で六大学野球初本塁打放つ)
- 井上佳明(元プロ野球選手)
- 今井洋行(元プロ野球選手)
- 井石礼司(元プロ野球選手 / 元慶大野球部)
- 福本正幸(神戸製鋼コベルコスティーラーズ元PR / 元慶大ラグビー部)
- 見先恒郎(大阪ガス在籍 / 元同大ラグビー部SH)
- 金山梨紗(司法修習生、元準ミス日本)
[編集] 所在地・最寄り駅
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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