国語 (教科)
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国語(こくご)は、日本の学校教育において、日本語および言語表現の理解、言語による表現方法の獲得などを目的として行われる教科であり、初等教育(小学校の段階)から中等教育(中学校・高等学校の段階)に設けられている。戦前の中等教育では国漢科とされていたものがおおむねこれに該当する。
内容は相当に多岐にわたっており、学習段階ごとに含まれる分野が異なっている。初等教育段階においては、日本語の読み書き、読解能力の育成、作文教育など、狭義の意味での国語(ただしいずれも口語文法による現代日本語に限定されている)に加え、書写(書道の一種)が含まれている。中等教育段階では、以上の内容に加え、日本語による古典作品(文語文法にもとづく)の読解、漢文の読解、などがさらに加わり、教育現場では、前者を古文、後者を漢文と称し、二つをあわせて古典と呼んでいる。必然的に、これに対して口語文法による言語表現の読解は現代文の名を以てせられることが多い。また高等学校の段階では、書写は国語科から切り離され、書道として芸術科に区分されるようになる。また、作文教育を独立させ、大学入試への対応を旨として小論文と呼ばれる授業・科目が設置されることもある。教科「国語」は、「英語」、「数学」と共に主要3教科と位置づけられ、重視されている。
なお、口語文法の学習は通常中学校で、文語文法の学習は通常高等学校で行われる。
なお、小学校と中学校の国語の学習内容については、「漢字を覚えること」「語彙・諺・慣用句などを覚えること」「文学鑑賞」「説明文の読解」が学習内容の全て(もしくはメイン)のように思われることも多い。しかし、実際には、それらだけが全てではなく、口頭表現や作文など表現力の育成も行われている。
漢字を覚えることは確かに日本の国語学習のなかで大きな比重を占めており、多くの児童・生徒(少なくとも一般的な学力のもの)にとって学習負担も大きい。また漢字を覚えないと国語学習全体(ひいては他科目の学習)にも大きな支障を来すのだが、この件については理解を要する。
同様に文学作品(詩歌・物語)や説明文を鑑賞させて、それから教訓などを学んだり感動したり情操を養うことなどが国語の勉強と思われがちだが、これも国語教育の一部に過ぎない(あるいは本来の国語教育ではない)。
中学校・高等学校の国語科担当教員については、しばしば出版作品・映像作品(フィクション・ノンフィクションともに)で、生徒の心の教育に情熱を注ぐ人物として描かれることが多い。「3年B組金八先生」の主人公などがその好例である。しかし、これは作家などに学校時代国語を得意科目としていたものが多くそれで国語科担当教員に好印象を持っているためである可能性もある。実際の国語科担当教員は必ずしもこのような人ではなく、また他科目を担当する教員にもこのような人は多い。
また、中学校・高等学校において(特に中学校で)女性教員の比較的多い科目の一つでもある。
[編集] 国語総合(過去は、国語I・国語II)
国語は、大学入試センター試験の受験科目でもある。 「国語総合」は高等学校学習指導要領で定めらていた教科「国語」の科目の1つである。2003年(平成15年)以降に入学した場合の学習指導要領では、すべての高等学校において「国語表現I」との選択で、必ず履修する必履修科目(必修科目)と位置づけられている。以前の「国語I」と比較すると「話す・聞く」「書く」の分野をより重視する内容である。
なお、1994年(平成6年)~2002年(平成14年)に入学した場合の学習指導要領では、「国語I」と「国語II」は、ともに高等学校学習指導要領で定めらていた教科「国語」の科目の1つであり、このうち「国語I」については、すべての高等学校において必ず履修する必履修科目(必修科目)と位置づけられていた。また、大学入試センター試験では、「国語I」または「国語I・国語II」の2つの試験があり受験生が選択して受験するものであった。しかし、国語という教科で同じような構成の試験を2つ行うことに批判の声もあった。(現在は「国語」1科目に統合)
[編集] 大学入試現代文の代表的著者
『入試評論文読解の頻出作家 100』 (明治書院、1997年)には、下記の著者名が挙げられている。これらの著者は、大学入試はもとより、高等学校教科書、さらには高校入試、中学入試などにも取り上げられることが多い。
同書では、下記の 100 人は「いちばんよくでる 超頻出作家 10 (1~10)」 「やっぱりよくでてくる 重要作家 20 (11~30)」 「これからの注目株 新定番作家 20 (31~50)」「かなり気になる 要チェック作家 20 (51~70)」 「ここまでフォロー 外せない作家 30 (71~100)」 というように頻度別に分類されている。刊行後、既に10年近くが経過しているので、更なる変化は当然生じているが、国語教育において好んで取り上げられる著者群に関する格好の資料となろう。
- 大岡信
- 山崎正和
- ■小林秀雄
- 加藤周一
- 外山滋比古
- 中村雄二郎
- ■山本健吉
- 森本哲郎
- ■和辻哲郎
- ■中村光夫
- ■磯田光一
- ■伊藤整
- 鈴木孝夫
- ■唐木順三
- ■高橋和巳
- ■吉川幸次郎
- ■林達夫
- ■柳田國男
- 高橋英夫
- ■森有正
- 霜山徳爾
- ■丸山真男
- 養老孟司
- 村上陽一郎
- 加藤秀俊
- 多田道太郎
- ■上田三四二
- 尼々崎彬
- ■夏目漱石
- 山折哲夫
- 河合隼雄
- 中埜肇
- ■柳宗悦
- ■寺田寅彦
- 高階秀爾
- ■桑原武夫
- 市川浩
- 中村明
- 中西進
- 池上嘉彦
- 中沢新一
- 山口昌男
- ■中村真一郎
- ■遠藤周作
- 竹西寛子
- 多木浩二
- ■坂口安吾
- 古井由吉
- 木村敏
- 梅原猛
- ■井上靖
- ■福澤諭吉
- ■石川淳
- ■武満徹
- ■福田恒存
- ■谷崎潤一郎
- 西部邁
- ■金田一春彦
- 上野千鶴子
- 梅棹忠夫
- ■中野孝次
- ■小此木啓吾
- ■森鷗外
- ■湯川秀樹
- 大江健三郎
- 饗庭孝男
- 柄谷行人
- ■九鬼周造
- ■正岡子規
- 岸田秀
- ■白洲正子
- ■辻邦生
- 赤瀬川原平
- 吉本隆明
- 五木寛之
- 大庭みな子
- 岡田敦子
- ■亀井勝一郎
- 池内紀
- ■三木清
- ■池田弥三郎
- 荒俣宏
- ■鈴木大拙
- ■山路愛山
- ■三島由紀夫
- 森毅
- ■吉田健一
- 今村仁司
- ■花田清輝
- ■正宗白鳥
- ■津田左右吉
- 吉見俊也
- ■中谷宇谷郎
- 吉田秀和
- 小松和彦
- ■篠田一士
- 秋山駿
- ■今西錦司
- ■河盛好蔵
- ■宮本常一
■は故人。