花田清輝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
花田清輝(はなだ きよてる、1909年3月29日 - 1974年9月23日)は、作家・文芸評論家。アニメ脚本家の花田十輝は孫。
[編集] 人物
福岡県生まれ。京都大学文学部中退。上京し「軍事工業新聞」(現・日刊工業新聞)記者などを経験する。この時期には、中野正剛と関係を持ちながらも、時流に距離を置いた発言をしていた。
戦後、新日本文学会に入会。また、出版社真善美社の経営にかかわり、第一次戦後派作家の作品を出版する。1950年代前半には雑誌「新日本文学」の編集長となるも、日本共産党と対立し編集長を罷免される。1956年には吉本隆明と戦争責任論をめぐって論争を繰り広げた。1961年の日本共産党の第8回党大会にあたって、党の規律にそむいて、党運営を批判する声明書を所属のことなるものたちとの連名で公表、党を除名される。以後、共産党とは距離を置きながら左翼的な立場で評論活動を行う。
映画や演劇の評論も多く手がけ、総合芸術・共同制作の実現を目標とした。日本のアヴァンギャルド芸術論のさきがけ的存在であり、岡本太郎・安部公房など影響を与えた芸術家も多い。
著書に『復興期の精神』『鳥獣戯話』(毎日出版文化賞)など。ガロアの群論について、よく言及したことでも知られる。
未来社より『花田清輝著作集』(全7巻、生前の出版)、講談社より『花田清輝全集』(全15巻)がそれぞれ刊行されている。
川本三郎からは、エッセイの文中においてランティエ(高等遊民)ではないが「魅力のある悪家老」と評されている。
[編集] 作品
- 復興期の精神
- アヴァンギャルド芸術
- 近代の超克
- もう一つの修羅
- 鳥獣戯話
- 小説平家
- 随筆三国志
- 日本のルネッサンス人