饗庭孝男
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饗庭 孝男(あえば たかお、男性、1930年1月27日-)は、文芸評論家。青山学院大学名誉教授。フランス文学研究者。日本や西欧の文化や風土、精神、思想を研究する文学者である。
1966年に『戦後文学論』を発表し評論家としての地位を確立する。この作品中の『反日常性の文学』において「近代文学派の「政治と文学」を批判し、戦後文学の存在意義について説いた。
フランス文学に関する代表的な著書に『フランス文学史』(白水社)、『フランスの文学』(有斐閣)、『パリ 歴史の風景』(山川出版社)、『フランスのロマネスク』(山川出版社)などがある。代表的な文芸評論に『小林秀雄とその時代』(文芸春秋)、『日本近代の世紀末』(文芸春秋)、『幻想の都市』(新潮社)、『知の歴史学』(新潮社)、『西行』(小沢書店)、『芭蕉』(集英社)などがある。
地方文化に焦点を当てた著作が多く、2004年に文芸雑誌「新潮」に発表した『故郷の廃家』が反響を呼び、第30回滋賀県文化賞を受賞する。滋賀県高島市の文化を自身と饗庭家の歴史と重ね合わせ描いたこの作品で「私小説」ならぬ「私歴史」という新たなジャンルを確立した事でも注目された。
「NHKフランス語講座」「フランス散策」や日本経済新聞の「名詩の風韻」などに連載を持っている。また、「朝日カルチャーセンター」でヨーロッパの文化・芸術についての講義も行っている。
[編集] 経歴
- 1930年 - 滋賀県大津市に誕生
- 1953年 - 南山大学人文学部フランス文学科卒業
- 1967年 - フランス政府招聘教授としてパリ大学と国立高等研究院に留学
- 1984年 - 甲南女子大学大学院教授
- 現在 - 青山学院大学名誉教授
[編集] 研究分野
- フランス文学
- 日本近代文学
- 比較文学
- 比較思想
- 比較文化
[編集] 著書
- 『石と光の思想 ヨーロッパで考えたこと』.平凡社.1998年.
- 『イマジネールの考古学 文学の深みへ』.小沢書店.1996年.
- 『恩寵の音楽』.音楽之友社.1984年.
- 『神なき詩の神学 抒情のイメージと実存』.青土社.1972年.
- 『喚起する織物 私小説と日本の心性』.小沢書店.1985年.
- 『ギリシアの秋』.小沢書店.1992年.
- 『経験と超越 日本「近代」の思考』.小沢書店.1994年.
- 『幻想の都市 ヨーロッパ文化の象徴的空間』.講談社.1998年.
- 『故郷の廃家』.新潮社.2005年.
- 『近代の孤独』.集英社.1973年.
- 『幻想の伝統 世紀末と象徴主義』.筑摩書房.1988年.
- 『小林秀雄とその時代』.小沢書店.1997年.
- 『西行』.小沢書店.1993年.
- 『自然・制度・想像力』.小沢書店.1994年.
- 『昭和文学私論』.小沢書店.1984年.
- 『西欧と愛』.小沢書店.1992年.
- 『聖なる夏 ロマネスク教会紀行』.小沢書店.1992年.
- 『太宰治論』.小沢書店.1997年.
- 『知の歴史学』.新潮社.1997年.
- 『中世を歩く 京都の古寺』.小沢書店.1994年.
- 『日本の隠遁者たち』.筑摩書房.2000年.
- 『芭蕉』.集英社.2001年.
- 『フランス 絵画と文学の心』.小沢書店.1990年.
- 『フランス四季暦』.東京書籍.1990年.
- 『フランス文学史』.白水社.1974年.
- 『フランス六章 フランス文化の伝統と革新』.有斐閣.1980年.
- 『文学としての俳句』.小沢書店.1993年.
- 『ユダヤ的「知」と現代』.東京書籍.1993年.
- 『ヨーロッパ古寺巡礼』.新潮社.1995年.
- 『ヨーロッパの四季』.東京書籍.1992年.