荒俣宏
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荒俣 宏(あらまた ひろし、男性、1947年7月12日(戸籍上は7月17日) - )は、「博物学者」(異論もある)、収集家、小説家、神秘学者、翻訳家、浅井企画所属のタレント。現在は玉川大学客員教授。日本SF作家クラブ会員。『世界大博物図鑑 第2巻 魚類』でサントリー学芸賞受賞。血液型はB型。元々左利きだったが、現在は右利き。身長185cm。 妹は漫画家の志村みどり。弟はメガロパ海洋生物研究所所長の荒俣幸男。親戚は日本カイトフォトグラフィー協会の会長の室岡克孝。
目次 |
[編集] 人物
- 1947年7月 東京都台東区鶯谷にて父一男、母ミツの長男として生まれる。
- キリスト教系の幼稚園に入園。
- 1952年 家業が傾いた為、一家揃って東京都板橋区に夜逃げ。雑貨屋を始める。
- 1953年 弟、荒俣幸男誕生。
- 1954年 板橋区立板橋第七小学校入学。
- 1959年 二度目の夜逃げ。東京都練馬区へ移る。
- 1960年 日本大学第二学園中学校入学。
- 1963年 日本大学第二学園高等学校入学。
- 1966年 私淑している紀田順一郎の出身校である慶應義塾大学法学部に入学。
- 在学中よりヒロイック・ファンタジーの翻訳活動を開始する。
- この頃水木しげると出会う。
- 1970年 日魯漁業(現ニチロ)入社。魚と触れ合う事を目的とした入社だったが、プログラマーとしての雇用だった為、9年で退社する。
- サラリーマンとして働きつつ翻訳家としても働き、雑誌『怪奇と幻想』の編集に携わる。この頃の睡眠時間は3時間。
- 1979年 日魯漁業(現ニチロ)退社。埼玉県狭山市に引っ越す。
- 1988年2月 漫画家の杉浦日向子と結婚。「美女と野獣」と揶揄される。1箇月後に破局、半年後に離婚。
- 離婚原因は『荒俣不倫説』と『荒俣不潔説』の2説が流布している。当初は『荒俣不能説』を含めた3説であったが、後に識者達によって否定された。いずれにしても荒俣側に問題があったのは一致した見方である。
- 1994年8月 元JALのスチュワーデスの原泰子と再婚。
日魯漁業を退社後は平凡社の社屋に半ば住み着きつつ『世界大百科事典』の改訂版の編集に参加し、また自らも多くの記事、特に各項目の民俗的コスモロジーに関わる記述を多数執筆したが、同時期に書いた長編小説『帝都物語』が日本SF大賞を受賞し、一躍、小説家としての道を歩み始める。
世界大博物図鑑の資料として博物学の古書を購入し、1億4000万円の借金を背負うが、『帝都物語』により得た印税1億5000万円で返済する。この古書の図版を基に近代初頭の博物学の黄金時代を紹介する多くの手彩色博物学研究書を編集・出版。博物学書ブームを起こした。これらの博物学研究書の多くも古巣の平凡社から出版している。このライフワークから「博物学者」と呼ばれる機会が多いが、自ら自然物の収集を手がけて動植物、鉱物等の研究に携わるのではなく、黄金時代の博物学者の残した遺産を収集、研究の対象としている事を考えると、「博物学研究家」あるいは「博物学史学者」と呼ぶ方が的確であろう。名品・珍品収集の為に、ebayを始めとする世界中の様々な競売に参加している。
また、神秘学・妖怪研究に於いては水木しげるに師事し、培ってきた幅広く深い知識量は、自身の著作に独特の持ち味を与えるほど。各メディアに登場する機会も増え、自他共に「日本オカルト界に荒俣あり」と認められるまでになった。
- 子供の頃の夢は『隠居』。
- 仇名はマタンゴ。
- 幼い頃から海洋生物に興味を持っていた。現在も熱帯魚飼育を趣味としている。
- ビブロマニア(書籍収集マニア)としても有名。本を買う為に消費者金融を頼った事もある(当時無職だった為融資は断られる)。今まで書籍に費やした費用は約5億円。現在でも毎日本を3~4冊読んでいる。
- 翻訳活動期に使用していた筆名に団 精二があるが、これはイギリスの幻想作家ダンセイニ卿の名を捩ったものである。この時の造語に、魔道、魔道士がある。志村みどりという筆名も用いていた。
- 極度の甘党としても知られており、「若い頃には深鍋に15杯分の汁粉を作って食べていた」「時間を惜しむあまり普通の食事をせず、代わりに編集者の持参するお菓子が主食状態となっていた」等の逸話を持つ。
[編集] 主な著書
[編集] ノンフィクション
- パラノイア創造史
- 奇っ怪紳士録
- ジンクス
- 目玉と脳の大冒険
他多数
[編集] 小説
- 帝都物語
- 地球暗黒記
- シム・風水シリーズ
- 妖怪大戦争
- レックスムンディ
[編集] 翻訳
他 ロード・ダンセイニ リン・カーター ハワード・フィリップス・ラヴクラフト ロバート・E・ハワード 等
『ダ・ヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン著・越前敏弥訳 角川書店刊)の解説も務めた。
[編集] 監修
[編集] その他の活躍
- 水木しげるの漫画作品中に「アリャマタコリャマタ氏」として度々登場している。
- アニメ『カスミン』ではヘナモン指南(妖怪監修の意)を務めた。
- 『トリビアの泉』等のバラエティー番組にも度々出演。
- TBSの朝の情報番組『ウォッチ!』にコメンテーターとして出演。
- 2005年1月末よりPHSウィルコム(旧DDIポケット)のCMに出演。
- 映画妖怪大戦争の「プロデュースチーム『怪』」のメンバー。
- Gyaoの水木サン大全に出演。
- MBS「ちちんぷいぷい」の月曜レギュラー。
- NHK総合「今夜は恋人気分」にゲスト出演
- 日本テレビ「いつみても波瀾万丈 」にゲスト出演
- 荒俣宏関連の映画