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営団05系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

05系第4編成 この編成は前面窓の遮光シート貼付けが行われていない(南砂町~西葛西間にて撮影)
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05系第4編成 この編成は前面窓の遮光シート貼付けが行われていない(南砂町西葛西間にて撮影)

05系電車(05けいでんしゃ)は、東京地下鉄(東京メトロ、旧・帝都高速度交通営団東西線用の通勤形電車。長さ20m・片側4扉のアルミニウム製車体を持つ。

目次

[編集] 概要

1988年昭和63年)に東西線の輸送力増強及び5000系を置き換えるために登場した。

05系の車両数は1994年(平成6年)を以て5000系を上回っている。現在は10連43編成430両が在籍しており、当初計画では2006年度に最終編成として10連4編成40両が新製され、最後まで残存している5000系をすべて置き換える計画であったが、有楽町線13号線用の新型車両10000系の投入による計画変更が発生し、07系の転入になった(この辺の事情については07系の項を参照の事)。このため05系の増備は中止した。

製造メーカーは日本車輌製造川崎重工業近畿車輛日立製作所東急車輛製造の5社である。 18年間に亘って製造されているため、製造時期のロットによって外観や主要機器が大きく異なり、同一系列とは言い難い面もある。名目上の基本性能は下記の通り。

  • 起動加速度:第14編成以外は3.3km/h/s、第14編成は3.0km/h/s(5000系は3.5km/h/s)
  • 常用減速度:3.5km/h/s(5000系は4.0km/h/s)
  • 非常減速度:5.0km/h/s
  • 設計最高速度:第1~33編成は110km/h、第34編成以降は120km/h

[編集] 編成

05系は18年間に亘って製造されているため、途中での仕様の変更が多く、同じ仕様で3年間製造された事がない。先頭車の前面形状も7次車までと8次車以降で異なっている事から、ここでは7次車までの05系と8次車以降の05N系に分けて解説する。

なお、車両の形式は車種構成に関わらず、西船橋方から05-100形→05-200形→・・・→05-000形となっている。本文中、営業用運転台付き車両は「C」、簡易運転台付き車両は「c」、電動車(主電動機4基搭載)は「M」、付随車(主電動機非搭載)は「T」で表している。

[編集] 05系

第1~13編成と第15~18編成は加速・減速時に高周波分巻チョッパ制御特有の、「プー」という音を発する。電機子チョッパとは違い、周波数の違う音が交互に出る。

05系第3編成 1次車は前面窓高さがやや低い(南砂町~西葛西間にて撮影)
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05系第3編成 1次車は前面窓高さがやや低い(南砂町~西葛西間にて撮影)

[編集] 第1~13編成

同時期に製造が開始された日比谷線03系と同一の高周波分巻チョッパ制御(四象限チョッパ制御)車で登場した。編成中の電動車(M)と付随車(T)の構成は5M5Tで、主電動機出力160kW/台。チョッパ制御車の歯車比は5.73。

座席は第34編成以降の車両と同じく20m車体で一般的な3-7-7-7-3人掛けになっているが、窓割が若干異なっている。座席の袖仕切りの形状は6000系以来の流れを組む網棚の高さまでつながっている形状のもので、第24編成まではほぼ同じ形状である。

編成は西船橋方から、CT[05-100] -M[05-200]-M[05-300]-Tc[05-400]-Mc[05-500]-T[05-600]-T[05-700]-M[05-800]-M[05-900]-CT[05-000]で、05-200形と05-800形に2基、05-500形に1基パンタグラフが搭載されている。

製造年次により車内設備が異なるのが特徴である。

[編集] 第1~3編成

1988年(昭和63年)度製造の1次車である。この編成の投入により暫定配置されていた8000系半蔵門線に転属した。

  • 原型となった車両。第4~24編成と比べるとごくわずかながら前面窓の上部高さが低い。
  • 1次車と次項の2次車は表示器の表示方法が独特であり、停車中の一部表示が他車と異なり、次駅が「右から流れてきて止まる」(3次車以降は静止表示)特徴がある。
  • 第3編成のみは日立製チョッパを同系列チョッパ制御車の中では唯一採用している(他車は三菱製である)。

[編集] 第4~6編成

1989年(平成元年)度製造の2次車である。

  • 登場時から自動放送を搭載。
  • 後の車両更新で車いすスペースを設置した。
  • 現在では第1~3編成も自動放送が搭載されたため、車いすスペース・前面窓・冷房装置(後述)が識別点となる。
  • 第4編成は現在も前面窓への遮光シートが貼られていない。

[編集] 第7~9編成

1990年(平成2年)度製造の3次車である。

  • LED式車内表示器の表示ドットが角型から丸型に変更されて見易くなった。
  • また、この編成からJR線用のATS-Pを標準装備した。同時に第1~6編成もATS-Pの設置工事を施行した。

[編集] 第10~13編成

1991年(平成3年)度製造の4次車である。なお、4次車には後述の第14編成も含まれる。

  • 座席がバケットタイプに変更された。
  • 側扉窓が複層ガラスとなり、側扉窓の丸みがやや大きくなった。
  • 第13編成の-913だけは平成17年3月から一時的にSS-122Aという試験台車枠が取り付けられていた。後に試験台車枠は第14編成に譲っており、現在は元に戻っている。
05系第14編成VVVFインバータ・ワイドドア試作車(南砂町~西葛西間にて撮影)
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05系第14編成VVVFインバータ・ワイドドア試作車(南砂町~西葛西間にて撮影)

[編集] 第14編成

ワイドドア車の試作車で、主回路に同時期(1990年)に製造された南北線9000系と同じGTO素子によるVVVFインバータ制御を採用した。4M6Tの構成で、主電動機出力200kW/台。

名目上の起動加速度は3.0km/h/sと他編成の3.3km/h/sより低くなっているが、中高速域での加速性能はチョッパ制御車を上回っている。また東西線を走る唯一のGTO素子インバータ編成でもある。この編成から行先表示器がLED式となった。また先頭車の正面下部に両側の矢印と「WIDE DOOR」をあしらったステッカーを貼付していたが、後に撤去されている。

この編成と第19~33編成の4M6T車は歯車比が7.79と大きい。編成は西船橋方から、CT-M-M-Tc-Tc-T-T-M-M-CTである。

1991年(平成3年)度製造の4次車である。

  • 同編成は平成17年3月から9号車の-914に対して、SS-122Aという試験台車枠が取り付けられていた。後に同編成の電動車に対してSS-122Aが取り付けられている。
深川工場に入場中の05系第15編成 行先表示が日本橋になっている(深川車両基地(深川検車区・深川工場)内ではこの様な事が見られる)(深川車両基地敷地外にて撮影)
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深川工場に入場中の05系第15編成 行先表示が日本橋になっている(深川車両基地(深川検車区・深川工場)内ではこの様な事が見られる)(深川車両基地敷地外にて撮影)

[編集] 第15~18編成

ワイドドア車の量産車で、主回路は初期ロットと同じ高周波分巻チョッパ制御、編成構成は5M5Tに戻る。第14編成と同じく先頭車の正面下部に両側の矢印と「WIDE DOOR」をあしらったステッカーを貼付していたが、後に撤去されている。この編成から2・9号車に車いすスペースが用意されている。

1992年(平成4年)度製造の5次車である。このグループの第18編成が営団地下鉄最後のチョッパ制御車となった。

05系第24編成アルミリサイクルカー(南砂町~西葛西間にて撮影)
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05系第24編成アルミリサイクルカー(南砂町~西葛西間にて撮影)

[編集] 第19~24編成

主回路に同時期(1992年)に製造された千代田線用の06系有楽町線用の07系と同一のIGBT素子のVVVFインバータ制御を採用した。窓割もこの2形式と同一に変更され、座席が4-6-7-6-4人掛けとなっている。また、6・7人掛け部の窓は2分割されていない。但しこの2形式とは雨樋付近の構造が異なり、この2形式は側面も張り上げ屋根になっているのに対し、この編成は張り上げ屋根になっていない。

そのうち、第24編成は廃車になった5000系アルミ車(5453号)から一部の部品がリサイクルされた車両(アルミ・リサイクルカー、後述)で構成している。以降は第33編成まで4M6Tの編成構成となっている。主電動機出力205kw/台。

このグループまでは運転台が回転式ツーハンドルで、当初速度計(黒地白文字)には車内信号を表示するスペースがなく、CS-ATC改造時には速度計ごと大型のもの(白地黒文字で電照可)に交換されている。ブレーキハンドルは06系・07系と同様に固定式となったが、基本的な乗務員室内のレイアウトは第18編成までと大きくは変更されていない。

前面窓の内部にはインバータ制御車である事を示す小さな「V」マークが貼付されているが、インバータ車でも第14編成及び後述の第25編成以降には貼付されていない。なお、同編成以降の「05N系」は全編成がインバータ制御なので区別の必要がないためである。

このグループから第33編成までは側面の窓の一部が固定窓となっており、開閉できるのは両側面2ヶ所ずつの計4ヶ所で、固定窓には「この窓は開けられません」と表示されたステッカーが窓の上部に貼られている。冷房装置は角に丸みのある、直方体に近い形状となった。

編成は西船橋方から、CT-M-T-M-Tc-Tc-M-T-M-CTで、各M車にパンタグラフが1基ずつ搭載されている。

[編集] 第19~21編成

1993年(平成5年)度製造の6次車である。

  • 第19・20編成は冷房装置の交換を受け、第31編成以降のやや角ばった形状のものになっている(第20編成は2006年(平成18年)2月頃交換)。
  • 05-120(第20編成西船橋側先頭車)は現在も前面窓遮光シートの貼り付けが行われていない。なお、反対側の05-020には貼り付けられている。
  • このグループから妻引戸の幅が100㎜拡大され、900㎜となった。
  • 車いすスペースの脇に2人分の座席を設置している。

[編集] 第22~24編成

1994年(平成6年)度製造の7次車である。

  • 前述の様に第24編成はアルミリサイクルカーである。
  • JR東日本に合わせて、4号車に弱冷房車を当初から設定(後に、前のグループに対しても設定)。

[編集] 05N系

05系第33編成(南砂町~西葛西間にて撮影)
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05系第33編成(南砂町~西葛西間にて撮影)

[編集] 第25~33編成

第24編成の投入で東西線からは5000系の非冷房車が一掃され、冷房車は延命工事も受けていたため、05系の投入は一旦中断し、1999年度から投入が再開された。同編成の登場から5年が経過していたため、全面的に見直されて製造され、別形式とも思わせるスタイルで登場した。

主回路はIPMの2レベルに変更したVVVFインバータ制御を採用した。4M6T構成、主電動機出力は205kw/台。

また、正面のデザインをリニューアルした(前照灯尾灯は丸型となり斜めに設置され、この部分には飾りの様な製形品が付けられている。前面窓下部も左右が斜めになっている。またスカートを設置した。)事から「05N系」や「新05系」とも呼ばれている(このあたりは京急の新1000形に似ているが、京急とは異なり、正式には従来通りの05系のままである。)。鉄道雑誌など会社(当時は営団)が発信する外部向け資料には正式に「05N系」と表記されている事が多い。そのため、ここでは表記を「05N系」に統一する。但しNが05系の前に表記されて「N05系」とされる事もある(なお、2000年2月に発売されたSFメトロカードには「新05系」が表記されていた。)。

車体に巻かれているラインカラーのうち青系の2本は、濃い方の帯はやや紺色に近くなり、明るい色の帯の色も変更され、2色の帯の色の差が大きくなった。また車外転落防止幌が新製時から取り付けられた。なお、第1~24編成は改造で設置している。

室内座席は片持ち式となり、座席袖仕切りは大型の丸みを帯びたものとなった。ロングシート中間の握り棒はない。袖仕切りの形状自体は同時期製造の9000系(4次車以降)と同じ形状のものだが、05N系は完全片持ち式であるのに対し、9000系のものは小型化されながらも脚台が残っている。また、同形式のものは荷棚の横に6000系以来の一体型袖仕切りの名残りともとれる製形品が取り付けられているのに対し、05N系では取り付けられておらず、袖仕切りの手摺りと荷棚との接合部は一般的な構造となっている。車端部の貫通路扉が茶色に変更された(13次車では再び他の部分と同じ色になった)。

運転台は左手操作のワンハンドルマスコン(力行4ノッチ・常用ブレーキ8ノッチ・デッドマン装置付き)となった。乗務員室内の配色がこれまでの緑系から薄茶色系に変更になった。なお、ワンハンドル車でも非CS-ATC装備で登場した車両は速度計が黒地だが、CS-ATCへの改造時に白地のものに交換されつつある。このグループの途中から正面運転台窓ガラスの上部に遮光シートが貼付された。

編成は第19~24編成同様、西船橋方から、CT-M-T-M-Tc-Tc-M-T-M-CTで、各M車にパンタグラフ1基ずつ搭載。

[編集] 第25~27編成

1999年(平成11年)度製造の8次車である。

  • 第19~24編成と同じくIGBT-VVVFであるが、制御装置は1C2M方式となった。また、東芝製であったものを三菱製に変更した。
  • IGBT素子が大容量化されたため、ベクトル制御の採用。

[編集] 第28~30編成

2000年(平成12年)度製造の9次車である。

  • 仕様は8次車と同様であるが、9次車から11次車までのWS-ATC5000系の流用である。

[編集] 第31~33編成

2001年(平成13年)度製造の10次車である。

  • 内装の細部が簡素化され、乗務員室と客室の仕切りドアの着色ガラス(オレンジ色)の使用廃止などが行われている。
  • 同時に冷房装置の冷媒に代替フロンを用い、さらに出力の向上したものに変更された。この冷房装置はこの後に製造された車両にも搭載されている。角ばった直方体の形状のものである。
  • VVVF制御が日立製となったため、形状が変更されている。
  • 補助電源装置はDC-DCコンバータからSIV(制止型インバータ)に変更。
05系第38編成 パンタグラフ降下(5→3基)が行われている(浦安駅にて撮影)
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05系第38編成 パンタグラフ降下(5→3基)が行われている(浦安駅にて撮影)
営団時代の第37編成(2003年10月4日頃・営業開始前)
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営団時代の第37編成(2003年10月4日頃・営業開始前)

[編集] 第34~39編成

車体の窓割は営団とこれに乗り入れる鉄道事業者で協議して定めた規格に基づいたものとなり、座席は標準的な3-7-7-7-3人掛けとなっている。7人掛けロングシートには3+4で区切る握り棒が設けられた。また前照灯自動車などにも普及しているキセノンランプ(HID)を搭載し、視認性の確保も併せて行っている。このグループから再び5M5T構成に戻る。7人掛け部の窓は2分割されており、開ける事ができる。

半蔵門線の08系を基に設計されている。座席袖仕切りも同形式と同様の角張った形状のものとなった。但し線区による違いを除いても、以下のような相違点がある。

  • 雨樋付近の構造が異なり、08系は側面も張り上げ屋根であるが、この編成ではそうなってはいない。なお05系でも第40編成以降では形態は異なるものの、側面も張り上げ屋根となっている。
  • 正面LED行先表示器は英字併記されていないままである。
  • 車内のLED式旅客案内表示器も1段表示である。

運転台のブレーキ段数表示計は08系と同様の力行ノッチも表示する表示灯式のものとなった。主電動機出力165kw/台。設計最高速度が120km/hに向上した。165kW車の歯車比は6.21。

なお、このグループから集電装置はシングルアーム式パンタグラフとなっている。このグループでは編成中の一部パンタグラフ降下(5→3基)が行われている。当初は第35編成で行われていたが、現在では第34編成を除き3基使用となっている。降下部の側面上部には黄色い印が付けられている。なお、第33編成以前の菱形パンタグラフ搭載車では5M5T編成がパンタグラフ5基、4M6T編成が4基である。

編成は西船橋方から、CT-M-M-T-Mc-Tc-T-M-M-CTで、05-200形と05-800形に2基、05-500形に1基パンタグラフが搭載されているが、前述の様に05-200形と05-800形のうちの各1基は現在使用されていない。

[編集] 第34~36編成

2002年(平成14年)度製造の11次車である。

  • VVVFインバータ制御装置が10次車の日立製から三菱製へ変更される。
  • 上記の変更に伴い、1C4M方式となる。
  • 電動車比率を5M5Tと引き上げたため、編成全体出力は3280kWから3300kWとなっている。
  • 第35編成はパンタグラフ降下試験に最初に使用された編成である。

[編集] 第37~39編成

2003年(平成15年)度製造の12次車である。

  • 帝都高速度交通営団の民営化直前である2003年12月2004年1月に投入されたため、営団地下鉄を証明する「Sマーク」で見られた時期が大変短く、貴重な写真とされている。この中で第39編成は営団としては銀座線1300形を嚆矢とする新製車の最終車両であったが、特にそれを示すステッカーなどは貼付されていない。
A-Trainの05系第41編成(南砂町~西葛西間にて撮影)
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A-Trainの05系第41編成(南砂町~西葛西間にて撮影)

[編集] 第40~43編成

東葉高速鉄道との協定により日立製作所提唱の『A-train』の構体を採用し、東葉高速2000系と共通の設計となった。東葉車も東京メトロが一括で発注し、そのまま譲渡の形を採っている。

西武鉄道東武鉄道、東葉高速鉄道、東京地下鉄との共同研究により車両規格を共通化している他、いわゆる「標準車両」の規格にも適合し、今後は他線を含めて車両増備はこのタイプの車両に統一される予定であり、13号線・有楽町線用の10000系はこの車両をベースに設計された。

このグループは当初よりパンタグラフは3基搭載である(なお10000系では再び5基搭載に戻っている)。衝突事故や車両火災の対策が実施され、車両の角を斜めにし、有毒ガスの原因であるFRPの使用廃止など安全対策が強化された。側扉窓が単層式(初期の車両は単層ガラスだったが途中から複層ガラスに変更)に戻った。車内の旅客案内表示器はこれまでの後付け設置から製造時に扉と一体化した組み込みに変更された(周辺色は銀色)が、全扉配置から千鳥配置に削減され、代替として「このドアが開きます」「反対側のドアが開きます」の表示ランプが設置された。固定窓である車端部の窓は車体とほぼ段差がなくなっている。

特徴として、中間車には必ず座席のないスペースが確保され、営団時代に製造された第34~39編成と比較すると、3~8号車までの3人分の座席が1ヶ所ずつ削減されて18席少ない。また座席が他のA-trainに採用されているものと似ているものとなり、1人分ずつ区分された形状にはなっているものの、着席部に合わせた凹みはなくなり、実質的にはバケットシートではなくなった。袖仕切りの形状も再び変更されている。天井から出ている手摺の支持具は、旧型車時代から続いた、中空構造のものから変更され、棒状のものになった。

運転台上辺は第25~39編成までは直線であったが、段差のあるものとなった。なお、東葉高速2000系とは前面非常口上部の室内側処理が異なる。

概要にある通り、このグループは当初東葉高速車を含めて19本の投入となっていたが、10000系の投入に伴う07系の有楽町線から東西線への転属に伴い、2004年度に製造された第40~43編成4本(13次車)と東葉車11本(当初の予定通り)の15本で終了となる。なお、製造当初JR乗り入れ不可の編成もあったが、その後乗り入れ可能となった。

編成は西船橋方から、CT-M-M-T-Mc-Tc-T-M-M-CTで、05-200形・05-500形・05-800形に各1基パンタグラフが搭載されている。

[編集] 編成表

  • 左側が西船橋方、右側が中野方
  • 下線は車椅子スペース設置車
  • 斜体はフリースペース設置車
  • ◇は菱形パンタグラフ
  • <・>はシングルアームパンタグラフ
  • 太字の車両は西船橋側のパンタグラフは現在使用していない
  • 日付は書類上のものである為、実質的な車両自体の完成日ではない

160kW主電動機5M5T編成(第1~13編成及び第15~18編成)

製造次 車種・車号 車籍編入日 製造所 備考
    
05-100
CT
◇  ◇
05-200
M
    
05-300
M
    
05-400
Tc
◇    
05-500
Mc
    
05-600
T
    
05-700
T
◇  ◇
05-800
M
    
05-900
M
    
05-000
CT
1次車 05-101 05-201 05-301 05-401 05-501 05-601 05-701 05-801 05-901 05-001 1988年10月21日 川重  
05-102 05-202 05-302 05-402 05-502 05-602 05-702 05-802 05-902 05-002 1988年11月7日 川重  
05-103 05-203 05-303 05-403 05-503 05-603 05-703 05-803 05-903 05-003 1988年12月1日 日車 制御装置が日立製
2次車 05-104 05-204 05-304 05-404 05-504 05-604 05-704 05-804 05-904 05-004 1989年6月8日 川重 前面遮光シート未設置編成
05-105 05-205 05-305 05-405 05-505 05-605 05-705 05-805 05-905 05-005 1989年6月21日 川重  
05-106 05-206 05-306 05-406 05-506 05-606 05-706 05-806 05-906 05-006 1989年6月28日 川重  
3次車 05-107 05-207 05-307 05-407 05-507 05-607 05-707 05-807 05-907 05-007 1990年6月28日 川重  
05-108 05-208 05-308 05-408 05-508 05-608 05-708 05-808 05-908 05-008 1990年6月1日 川重  
05-109 05-209 05-309 05-409 05-509 05-609 05-709 05-809 05-909 05-009 1990年6月13日 川重  
4次車 05-110 05-210 05-310 05-410 05-510 05-610 05-710 05-810 05-910 05-010 1991年5月15日 川重  
05-111 05-211 05-311 05-411 05-511 05-611 05-711 05-811 05-911 05-011 1991年5月25日 川重  
05-112 05-212 05-312 05-412 05-512 05-612 05-712 05-812 05-912 05-012 1991年6月7日 川重  
05-113 05-213 05-313 05-413 05-513 05-613 05-713 05-813 05-913 05-013 1991年6月19日 川重  
5次車 05-115 05-215 05-315 05-415 05-515 05-615 05-715 05-815 05-915 05-015 1992年4月11日 川重 ワイドドア車
05-116 05-216 05-316 05-416 05-516 05-616 05-716 05-816 05-916 05-016 4月26日 川重 ワイドドア車
05-117 05-217 05-317 05-417 05-517 05-617 05-717 05-817 05-917 05-017 1992年5月16日 川重 ワイドドア車
05-118 05-218 05-318 05-418 05-518 05-618 05-718 05-818 05-918 05-018 1992年5月31日 川重 ワイドドア車

200kW主電動機4M6T編成(第14編成)

製造次 車種・車号 車籍編入日 製造所 備考
    
05-100
CT
◇  ◇
05-200
M
    
05-300
M
    
05-400
Tc
    
05-500
Tc
    
05-600
T
    
05-700
T
◇  ◇
05-800
M
    
05-900
M
    
05-000
CT
4次車 05-114 05-214 05-314 05-414 05-514 05-614 05-714 05-814 05-914 05-014 1991年8月21日 川重 ワイドドア車 GTO素子VVVF制御

205kW主電動機4M6T編成(第19~33編成)

製造次 車種・車号 車籍編入日 製造所 備考
    
05-100
CT
   ◇
05-200
M
    
05-300
T
   ◇
05-400
M
    
05-500
Tc
    
05-600
Tc
   ◇
05-700
M
    
05-800
T
   ◇
05-900
M
    
05-000
CT
6次車 05-119 05-219 05-319 05-419 05-519 05-619 05-719 05-819 05-919 05-019 1993年6月20日 日車 冷房更新車
05-120 05-220 05-320 05-420 05-520 05-620 05-720 05-820 05-920 05-020 1993年6月27日 日車 05-120前面遮光シート未貼付
冷房更新車
05-121 05-221 05-321 05-421 05-521 05-621 05-721 05-821 05-921 05-021 1993年7月5日 日車  
7次車 05-122 05-222 05-322 05-422 05-522 05-622 05-722 05-822 05-922 05-022 1994年4月21日 近車  
05-123 05-223 05-323 05-423 05-523 05-623 05-723 05-823 05-923 05-023 1994年5月4日 近車  
05-124 05-224 05-324 05-424 05-524 05-624 05-724 05-824 05-924 05-024 1994年5月18日 近車 アルミリサイクルカー
これ以降の編成は外観や室内を大幅に変更した車両(05N系)である
8次車 05-125 05-225 05-325 05-425 05-525 05-625 05-725 05-825 05-925 05-025 1999年11月11日 川重  
05-126 05-226 05-326 05-426 05-526 05-626 05-726 05-826 05-926 05-026 1999年11月18日 川重  
05-127 05-227 05-327 05-427 05-527 05-627 05-727 05-827 05-927 05-027 1999年11月23日 川重  
9次車 05-128 05-228 05-328 05-428 05-528 05-628 05-728 05-828 05-928 05-028 2000年12月21日 近車  
05-129 05-229 05-329 05-429 05-529 05-629 05-729 05-829 05-929 05-029 2001年1月20日 近車  
05-130 05-230 05-330 05-430 05-530 05-630 05-730 05-830 05-930 05-030 2001年1月31日 近車  
10次車 05-131 05-231 05-331 05-431 05-531 05-631 05-731 05-831 05-931 05-031 2002年3月8日 東急  
05-132 05-232 05-332 05-432 05-532 05-632 05-732 05-832 05-932 05-032 2002年3月11日 東急  
05-133 05-233 05-333 05-433 05-533 05-633 05-733 05-833 05-933 05-033 2002年3月22日 東急  

165kW主電動機5M5T・5パンタ編成(第34~39編成)

製造次 車種・車号 車籍編入日 製造所 備考
    
05-100
CT
<  >
05-200
M
    
05-300
M
    
05-400
T
   >
05-500
Mc
    
05-600
Tc
    
05-700
T
<  >
05-800
M
    
05-900
M
    
05-000
CT
11次車 05-134 05-234 05-334 05-434 05-534 05-634 05-734 05-834 05-934 05-034 2003年2月18日 川重 現在もパンタ降下が行われていない
05-135 05-235 05-335 05-435 05-535 05-635 05-735 05-835 05-935 05-035 2003年3月3日 川重  
05-136 05-236 05-336 05-436 05-536 05-636 05-736 05-836 05-936 05-036 2003年2月18日 川重  
12次車 05-137 05-237 05-337 05-437 05-537 05-637 05-737 05-837 05-937 05-037 2003年11月5日 川重  
05-138 05-238 05-338 05-438 05-538 05-638 05-738 05-838 05-938 05-038 2003年11月11日 川重  
05-139 05-239 05-339 05-439 05-539 05-639 05-739 05-839 05-939 05-039 2003年12月6日 川重  


165kW主電動機5M5T・3パンタ編成A-Train(第40~43編成)

製造次 車種・車号 車籍編入日 製造所 備考
    
05-100
CT
   >
05-200
M
    
05-300
M
    
05-400
T
   >
05-500
Mc
    
05-600
Tc
    
05-700
T
   >
05-800
M
    
05-900
M
    
05-000
CT
13次車 05-140 05-240 05-340 05-440 05-540 05-640 05-740 05-840 05-940 05-040 2004年11月21日 日立  
05-141 05-241 05-341 05-441 05-541 05-641 05-741 05-841 05-941 05-041 2004年11月24日 日立  
05-142 05-242 05-342 05-442 05-542 05-642 05-742 05-842 05-942 05-042 2005年1月4日 日立  
05-143 05-243 05-343 05-443 05-543 05-643 05-743 05-843 05-943 05-043 2005年3月27日 日立  

[編集] 仕様一覧表

  第1~13編成 第14編成 第15~18編成 第19~24編成 第25~33編成 第34~39編成 第40編成以降
前面形状 角型前照・尾灯
スカートなし
丸型前照・尾灯
スカートあり
前照灯 シールドビーム HID
行先表示装置 字幕 3色LED
車内案内表示器 全扉上設置 千鳥配置
制御方式 高周波分巻チョッパ GTO素子VVVFインバータ 高周波分巻チョッパ IGBT素子VVVFインバータ
MT比 5M5T 4M6T 5M5T 4M6T 5M5T
主電動機出力 160kw 200kw 160kw 205kw 165kw
編成総出力 3,200kw 3,280kw 3,300kw
歯車比 5.73(86:15) 7.79(109:14) 5.73(86:15) 7.79(109:14) 6.21(87:14)
パンタグラフ 菱形5基 菱形4基 菱形5基 菱形4基 シングルアーム式5基
第35~39編成は2基降下中
シングルアーム式3基
側扉幅 1.3m 1.8m 1.3m
運転台 回転式ツーハンドル ワンハンドル
座席形状 区分柄あり 非片持ち式 区分柄なし 片持ち式
座席中間握り棒 なし あり
定員 先頭車:141~143名、中間車:152~155名(10両編成定員:1,506名前後)

[編集] その他の仕様など

ここでは共通事項や基本項目などについて説明する。

[編集] 主要部寸法

  • 車体幅:(少なくとも8~10・13次車は)2,800mm
  • 全幅:2,850mm
  • 全高:
    • 1~5次車4,135mm
    • 6~7次車M車4,140mm・それ以外4,060mm
    • 8~10次車M車4,120mm・それ以外4,020mm(形式図では4,017mm)
    • 11~13次車M車4,080mm・それ以外4,022mm
  • 屋根までの高さ:8~10次車3,645mm、13次車3,635mm
  • 床面高さ:8~10次車1,150mm、13次車1,140mm
  • 連結器中心の高さ:先頭880mm、中間790mm
  • 室内幅:8~10次車2,550mm、13次車2,590mm
  • 側扉高さ:(少なくとも8~10・13次車は)1,850mm
  • 全長:先頭車前面形状に関わらず20,270mm・中間車20,000mm

[編集] 前面

前述のように7次車まで(05系)と8次車以降(05N系)で大幅に異なっているが、基本的な窓配置は、車外から見て右半分を占める大窓上部に行先表示器があり、左半分の2つの窓の内の左側窓上部に運行番号表示器があり、右側窓(非常口窓)上部には車両番号が白字で書かれている。尾灯はLEDである。

ワイパーは右側の大窓のみに設置されている。また、アンチクライマー(車体下部の突起)があり、第24編成までは2段、第25編成以降は1段である。連結器は密着連結器である。非常口扉は横に開く。アンチクライマー上にはそのレールが彫ってある。

05N系4M6T車の途中から運転台側の窓に遮光シートが貼付され、未貼付で登場した車両にも一部(第4編成の両先頭車及び第20編成の西船橋側先頭車)を除き貼付されたが、08系などでは正面の3つすべての窓ガラスに貼付されているのに対し、05系(05N系含む)では運転台ガラス(車外から見て3つのうちの右側の1つ)だけに貼付されている。

行先表示器は、幕式の第13編成まででは英字併記であるが、LED式の第14編成以降では英字併記となっていない(画質が側面のものより低い)。なお、書体は幕車がゴシック体、LED車が明朝体である(側面も同様)。なお、LED車でも前面英字併記の出来る9000系などでは運行番号のみゴシック体となっている。

社紋はマークのみで、営団時代には非常口部のラインカラー帯の部分に取り付けられていたが、民営化時に左側の窓の右上側に変更されている(これにより客室からの眺望がやや悪くなった)。なお、営団時代に社紋の貼られていた部分は、帯ごと貼り替えられたため、現在でもこの部分の帯が他の部分よりもややきれいになっている編成もある。

第30編成の側面(6~10次車)はドア間隔の不揃いな配置である。冷房装置は角の丸い物である(6~9次車はこの形状であるが6次車では交換が始まっている)。乗務員室扉横に見える黒い表記がATS-Pマークである(西船橋~原木中山間にて撮影)。
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第30編成の側面(6~10次車)はドア間隔の不揃いな配置である。冷房装置は角の丸い物である(6~9次車はこの形状であるが6次車では交換が始まっている)。乗務員室扉横に見える黒い表記がATS-Pマークである(西船橋~原木中山間にて撮影)。

[編集] 車体側面

前述の様に、製造年次によって窓配置が異なっていて、A-Trainである13次車のみ張り上げ屋根となっている。どの編成も側窓の上部と側扉の上部の高さが揃っている。なお、先頭車の最前部の側扉より前の部分は後ろの部分と比べてきれいに清掃されている。車外放送用スピーカーは5次車までは車体側面に直接取り付けられているが、6次車以降は冷房装置のきせに内蔵されている。

転落防止幌は7次車までは後設、05N系は新造時から設置である。なお、転落防止幌の高さは1,300mm(13次車)である。

ワイドドア車のみ戸袋窓を設置している。但し、先頭車最前部扉の乗務員室寄りのみ設置していない。

側扉の取っ手は13次車のみ各両開き扉辺り1個で、12次車までは2個(両開きの両側)に付けられている。初期の単層ガラス車は窓の形がそれ以後の車両よりやや角ばっている。室内側の側扉窓支持方式は単層ガラス車は金属押さえ、複層ガラス車はゴムと白色系の製型品による支持方式である。単層ガラス車・複層ガラス車共に室内側の支持具は段差が小さくなっており、単層ガラス車では車外側の段差が大きくなっている。

ラインカラーの帯は、前述の様に7次車までと05N系で異なっているが、共に側面には腰部に貼られており、側扉及び乗務員室扉にも貼られている(但し転落防止幌には貼られていない)。05N系の方が貼り付け位置はやや低く、太い帯(水色帯)の幅がやや広くなっている。7次車までは前面と帯がつながっているが、05N系ではデザイン上前面の帯とはつながっていない。

JR線に乗り入れるため、ATS-P取り付け車である事を表すPの文字(四角形で囲まれている)が先頭車乗務員室扉前方に黒字で書かれている。7次車までは濃い方の側帯の中に書かれているが、05N系では側帯より下に書かれている。

冷房装置は全車集中型である。外観は5次車までは一般的なかまぼこ型(但し1次車と2次車以降で外観に細かな違いがある)だが、6次車以降は車外放送用スピーカー内蔵となり、外観も変更された。9次車までは出力42,000kcalである。10次車で容量の50,000kcal化や外観の変更が行われている(後に第19・20編成及び07系第3・4編成もこの形態に交換)。詳細は編成の項を参照の事。

パンタグラフは菱形搭載車はPT43、シングルアーム車はPT71である。

[編集] 行先表示器
  • 各側面に1つずつ設置されている。全車英字併記である(LED車の前面は異なる)。
  • 設置位置はワイドドア車のみ車体中央部の側窓の上に設置されている。それ以外の編成では中央部ではない大窓(6~10次車では6人掛けの部分)の上に設置されている。
    • 窓上での位置は、ワイドドア車と側窓に縦仕切りのない6~10次車では側窓の中央部の上に設置されているのに対し、第1~13編成及び11~13次車では車体中心より(13次車では側扉間隔3,520mmに対し、最も近い側扉から表示器中心までの距離が1,285mm)に設置されている。

[編集] 社紋
  • 各側面に先頭車2個、中間車1個設置されており、このうち全車の側窓上にある小型のもの(以下「小型」と略)はマークのみであるが、先頭車乗務員室扉後ろのみにある大型のもの(以下「大型」と略)には紺地の社名表記もある。

[編集] 小型
  • 設置方法は、営団時代に製造された12次車までは営団マークのプレートを付け替える形で設置されており、車体側面より出っ張っている。13次車は単に貼られているだけである。
  • 設置位置は以下の様になっている。
    • 第1~13編成及び11~13次車では車体中央部の窓上に設置。但し窓の中心部ではなくややずれた位置に設置されている。
    • ワイドドア車では車体中央部の戸袋窓の上に設置されている。
    • 6~10次車では行先表示器を設置していない6人掛け部の窓中央部の上に設置されている。

[編集] 大型
  • 7次車までは営団時代にはこの位置には貼られていなかった(05N系では大型の営団マークを貼り付け)が、民営化時に全編成(他系列でも東西線色の5000系以外の全編成)貼り付けとなった。設置方法は全編成とも単に貼られている。
  • 設置位置は以下の様になっている。
    • 貼り付け空間に余裕のある6~10次車では貼り付け上面が側扉上部とほぼ同じになっている。
    • 貼り付け空間に余裕の少ない1~5次車及び11~13次車のうち、13次車以外では南側側面は号車表示位置と重なってしまうためか、(号車表示位置の異なる北側側面も含め)社紋貼り付け位置が高くなっている。11・12次車は営団時代から高い位置に社紋が設置されている。
    • 13次車では、南側側面の号車表示位置を08系と同様に最前側扉の後ろ側に変更しており、6~10次車と同様の高さに設置されている。

[編集] 車内

6次車の車内(撮影:2006年11月、中野駅)
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6次車の車内(撮影:2006年11月、中野駅)
13次車の車内
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13次車の車内

つり革は東京地下鉄標準の3角形の物で、白色であるが、優先席部は2005年(平成17年)に黄色の物に交換されている。なお、13次車と優先席部のつり革の革は繊維になっている。

座席モケットは7次車まではピンクみがかった赤色で、背もたれの部分に区分柄があるが、8次車以降は区分柄がなくなり、地の色も赤に近い色に変更されている。なお、東西線に転属する07系2次車も2005年~2006年に(転属前に)05系7次車までの物と同一の柄に変更された(なお、座席は7次車までに合わせられた一方で帯は05N系と同じ物になっており、同じ製造時期の05系とは統一されていない)。

10次車までは床は2色だったが、11次車から単色に変更された。

各車間の貫通路扉の窓は6次車以降は下方向に長いもの、8~12次車は茶色、他の編成は室内の他の部分と同じ色である。車間貫通路幅については編成の項を参照。

側扉脇には握るものが設置されているが、12次車までは独立した手摺りだったのに対し、13次車では側扉の枠と一体化した突起に変更された。

車いすスペースは、設置編成には2・9号車に設置されている。車端部が4人掛けの6~10次車では2人掛け分座席が残っている。この部分は窓と重なるため、袖仕切りの形状が異なる。

照明は蛍光灯で、カバーは設置されていない。

8~10次車の運転台(新ATC改造前)
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8~10次車の運転台(新ATC改造前)
11次車の運転台(新ATC改造前) ノッチの表示方法が10次車までとは変更されている
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11次車の運転台(新ATC改造前) ノッチの表示方法が10次車までとは変更されている

[編集] 乗務員室

前述のように7次車までが緑系の配色、05N系が茶色系の配色である。

マスコンハンドルにはデッドマン装置を搭載しているが、JR中央緩行線内では使用されていない可能性がある。

ブレーキハンドルは1~5次車は取り外し式、6~7次車は固定式である。

速度計は120km/hまで目盛りが刻んであるが、新ATC未改造車には数値は100までしか書かれていないものもある。新ATC対応車は白地でオレンジ色に電照できる。非対応車(順次対応改造中)は黒地で、7次車までは車内信号表示スペースのない小型のもの(そのため、新ATC改造時には大型の速度計に交換し、他の計器より突出する事となった。)であったが、8次車以降は当初から表示スペースが用意されている。

10次車まではブレーキ段数を表示する計器(針が回転してブレーキ段数示す)が設置されていたが、11次車以降は力行ノッチも表示できる表示灯式に変更されている。

全編成が乗務員室と客室との仕切りの窓は3ヶ所で、大きさは前面窓同様、運転台真後ろの物が全体幅のおおよそ半分を占め、その右側に乗務員室扉窓、それの右に細長い窓がある。なお、9次車まででは乗務員室扉窓がオレンジ色となっている。東西線内では(客室側から見て)左側の2ヶ所で遮光幕を使用する事が多い。

[編集] 床下機器

この節は執筆の途中です この節は、書きかけです。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。

検査などで塗られる色は明るい灰色である。

台車は、ボルスタレスの空気ばね台車である。

ブレーキは電気指令式回生制動を持つ。

[編集] 旅客案内設備

最初に製造された第1~3編成以外は最初からすべて自動放送を搭載し、この3本も2000年頃に自動放送を設置したため、現在はすべての編成で自動放送を流している。但し車掌の訓練のため1日の乗務の中で1回は自動放送を使用せず、自らの肉声による放送をする事になっているため、作動しない事も多々ある。主に肉声放送は朝夕のラッシュ時(特に浦安駅基準で午前8時前後の30分間に運行されている中野方面の列車が多い)に多いが、日によっては昼間に行われる事もある。

前述の通り、05系は第25編成以降が外観や車内設備をフルモデルチェンジした「05N系」として製造されている。この中には第24編成までとの差異点が前述した点以外にも存在する。

[編集] 他社線での自動放送

営団の東京メトロ移行時より「05N系」のみ東葉高速鉄道線東日本旅客鉄道(JR東日本)線でも自動放送に対応している。このうち第37~39編成は製造時にJR用の自動放送を搭載したが、異常が発生したため、営業開始前に撤去されていた。

放送は相手会社の仕様で、英語放送は同一人物(クリステル・チアリ)でありながら、発音やアクセントが異なっている。また、JRの場合、中野・三鷹・西船橋・津田沼(いずれもJR線の最終停車駅の時に限る)以外は発車後すぐに放送が流れる。これは同じ区間を走行するE231系800番台よりも放送の流れるタイミングが早い。

また、津田沼発の列車に限り西船橋直前の放送が一部異なる場合がある。JR車の場合、乗り換え案内は「総武線の各駅停車、武蔵野線京葉線はお乗り換えです。」だが、メトロ車の場合は「総武線の各駅停車・武蔵野線・京葉線・東葉高速線はお乗り換えです。」となる放送も用意されている。しかし、現在はJRもラッシュ時には乗り換え案内を省略する事が多いため、ラッシュ時しか直通列車が存在しないので実際には流れない事が多い。なお同じ時間でもE231系800番台はここでは必ず流れている。

初期車の車内表示器周辺四角いLEDによる表示である。側扉窓は金属押さえである。
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初期車の車内表示器周辺
四角いLEDによる表示である。側扉窓は金属押さえである。
13次車の車内表示器周辺側扉窓は金属支持であるが初期車とは多少形状が異なる。
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13次車の車内表示器周辺
側扉窓は金属支持であるが初期車とは多少形状が異なる。

[編集] 車内表示器について

第1~24編成扉の中央部を中心にほぼ対称形状のものが取り付けられているが、第25~39編成では横に機器が別付けで付いており、左右対称ではない形状となっている。第40~43編成では完全に左右対称ではないが一体化された形状となっている。全車1段表示である。

[編集] 東西線内

第1~24編成は制御装置の性能が低いため、文字数の変化に対応できていない。2文字の駅名と4文字の駅名でも「中 野」(間隔は1文字分)、「高田馬場」、「神楽坂」(3文字と4文字の場合間隔はなし)などの様に間隔の空き方がバラバラである。

「05N系」では4文字基準となり、2文字の場合特にスクロール時は「中    野」、「高田馬場」、「神 楽 坂」と位置が同じ所になる様に、間隔が大きく開いている。

その他、スクロール中のナンバリングは05N系以外は英語表示のみに表示されている。

[編集] 東葉高速線・JR線内

営団時代は第34~39編成のみが対応していたが、東京メトロ移行時に第25~33編成も対応する様になった。現在、東西線内では走行中はスクロールしたままであるが(「次は 高田馬場(T-03)」→「Next Takadanobaba(T-03)」となる)、JR線では表示内容が営団時代のままで、「この電車は 三 鷹 ゆき」と2文字でも間隔が大きく空かなかったり、スクロールは英字のみでナンバリングにも非対応で、日本語は静止表示となる。

その他、東京メトロ車であっても東葉高速線内でパスネットカードの広告表示があるが、第37編成以降はかつて営団時代に東西線内での広告・お知らせ表示で「Sマーク」が表示されていた様に東葉高速鉄道の「Tマーク」が前後に表示されているが、第25~36編成は表示できないため通常のひし形が代わりに表示されている。

[編集] 民営化以後の自動放送の移り変わり

民営化前は日本語のみの自動放送が05系とJRのE231系800番台で使用されていたが、細部が第1~33編成とそれ以外で異なっていた。変更点は中野方面からの列車の落合駅(到着前にも放送が追加された)と東陽町駅(従来車が木場駅発車後すぐに流れたのに対し、やや時間を置いてから流れていた)の放送のみであった。

民営化後は放送が一新され、同時に英語放送も追加されたが、東西線は準備の関係で05系の第4~18編成が日本語のみでスタートした。2004年4月時点では駅を発車してしばらくしてから放送が流れる様(例として中野方面の列車では西葛西駅発車後の放送が荒川鉄橋に差し掛かったあたりで流れている)になり、駅到着時にはすべての駅で「足元にご注意下さい」も放送されていた。しかし、夏頃に英語放送が搭載されていなかった第4~18編成に追加した際には「足元に…」は主要駅及び電車とホームの間に隙間が大きく開いている駅のみに変更された。この頃から平日の朝7:00~9:30、夕方17:00~19:00、夜23:00以降に運行される列車は乗り換え案内(日本語・英語)・行先・次駅(共に英語)が省略される様になる。これらは利用客から「放送が長すぎる」「足元に…が毎回流れてうるさい」とのクレームが重なったためと会社側は説明している。なお、この変更は程なくして最初から英語放送も使用していた編成にも実施され、同時期にメトロ全線で変更された。

さらに、2004年暮頃から放送の流れるタイミングが順次発車後すぐに変更になり、同時に第1~24編成の車内表示器の表示内容が変化した。

2006年現在、05系を含め各線のメトロ車はすべて新しい放送に統一され、東葉高速2000系など各線に乗り入れる他社線車両も自動放送搭載車は概ね新放送が使用されているが、現在でもE231系800番台のみは2004年4月導入の旧タイプを使用している。そのため、すべての駅で「足元に・・・」が流れる他、発車後しばらくするまで放送が流れないなど、05系とは違った放送が流れている。2006年秋頃に有楽町線から転属する07系についても、有楽町線時代に05系や東葉高速2000系と同様に新しい放送に更新されているため、新タイプとなると思われる。

また、乗降促進ブザーの声は旧営団時代の放送のまま「扉が閉まります。ご注意下さい」が2回流れる。なお転属する07系に関しては不明である。

注:現在でも第20編成のみ時折、旧放送(但し旧放送であるのは流れるタイミングのみ。「足元に…」は主要駅でのみ流れる)が流れる場合があるが、その理由や原因は不明。

[編集] ワイドドア車

東西線では2006年現在、JRグループ以外の日本の鉄道路線の中で一番混雑率が高い路線となっている。

  • 木場門前仲町間/7:50~8:50(平均混雑率197%)(2004年11月調査時)

このため、ラッシュ時の乗降時間短縮を目的に前述のワイドドア車と呼ばれるドア幅1.8m(但し乗務員室後ろのみ通常幅1,300mmのドア)の車両が1991年~1992年に5編成製造された。しかし、JRなどで導入されている6扉車と比較した場合、乗降に掛かる時間は6扉車の方が短く、ドア幅が広がった分開閉時間が掛かる事で余計な乗降や駆け込み乗車が多く発生し、時間短縮どころか遅延の原因を生み出す結果となり、第14~18編成の5本でワイドドア車の製造を中止した。なお、登場時は先頭車の正面に両側の矢印と「WIDE DOOR」を表すステッカーを貼付していたが、汚れが多かったため5年程で撤去されている。

東西線では東葉快速に使用される平日の1運用(この運用のみ05系限定)を除いてすべての運用が05系や5000系に関係なく運用されており、ワイドドア車も他の編成と共通運用で日によっては日中も運転されているため、乗車できる機会は多い。この車両は1両辺りドア1ヶ所に付き2人分、1両辺りで16人分、1編成では156人分も座席が少ないため、混雑緩和にこそその威力を発揮するが、前述の通り座席の減少や遅延の原因ともなり、また乗客がドア付近に集中し易く結果的に乗降の妨げとなるため、ラッシュ時でさえ利用者からの評判はあまり良いものではないとされている。登場当時は営団の車両紹介でもこの車両の存在を大々的にPRしていたが、近年では紹介されないか、されてもほとんど内容までは書かれていない事が多い。

過去に小田急電鉄でも1000形の一部編成を幅2mのワイドドアで製造したが、やはり失敗し、2000形で採用した1.6m幅に改造された例がある事から、ドアを通常幅に戻して座席を他の車両と同じにすべきとの声も根強い。

なお、ワイドドア車はドア付近のスペースが広くなる事から、新製段階からドア付近も線路方向に手摺りとつり革が装備されている。混雑時の事故防止がその最大の理由だが、これは他編成にも波及し、05系全編成がドア付近での手摺りとつり革の増設工事を終えている。

[編集] 運用など

[編集] 運用

東京地下鉄車の運用(S運用)すべてに入る事ができる。

種別表示は普通の場合は無表示である。優等列車の場合、種別名が2文字で表示される(通勤快速・東葉快速はそれぞれ通快・東快と表示される)。千代田線車両やかつての半蔵門線車両が種別を省略していないのとは対照的である。

種別表示の色は次の様になっている。

  • 幕車:快速は赤地白文字、通快は白地の紺系色の文字、東快は白地赤文字。
  • LED車:快速・東快は赤文字、通快は黄緑文字。

なお、幕車に限り、東葉勝田台の「東葉」の文字がやや小さく表示される。

東京メトロ1周年ヘッドマークを掲出して運転していた当時の第42編成(南砂町~西葛西間にて撮影)
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東京メトロ1周年ヘッドマークを掲出して運転していた当時の第42編成(南砂町~西葛西間にて撮影)

[編集] ヘッドマークを装着した列車

05系を使用したヘッドマークつき列車には以下のような物があった。

  • 妙典駅開業時には前面にステッカーを貼り付けた。なお、同駅開業直後に営業を開始した05N系にも貼り付けられた。
  • 東京ミレナリオに伴う臨時列車「東京ミレナリオ記念トレイン」では、2003年(平成15年)は05N系が使用された(翌2004年は東葉高速2000系を使用。マークは前年と同じものを使用)。ヘッドマークはステッカーで、B線列車は九段下行として運転された。最初の2日間(12月20日・21日)は第30編成が使用されたが、1日置いた3日目(23日、最終日)は別編成が使用された。なお、第30編成は22日にはマークを貼ったまま朝のラッシュ時のみの運用に入っていた。
  • 東京地下鉄1周年記念ヘッドマーク付き列車では各系列1編成ずつに取り付けられ、05系では第42編成が使用された。ヘッドマークは各系列共通の円形の物である。なお、東西線では5059編成にも付けられ、西船橋や中野でマーク付き列車が並ぶシーンも見られた。
  • 東葉高速鉄道との相互直通運転10周年を記念して第36編成に円形のヘッドマークが付けられた。05N系と2000系の絵が書かれたもので2000系と共通のヘッドマークであった。
東京地下鉄移行期の第10編成 前面左側窓上部の黒い部分に東京地下鉄マークが隠されている。なお、東葉快速にも関わらず運行番号がK(JR車の運用)になっているが、深川車両基地内ではこの様に本来存在しない運用や行先が表示されている事も多い(深川車両基地敷地外にて撮影)。
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東京地下鉄移行期の第10編成 前面左側窓上部の黒い部分に東京地下鉄マークが隠されている。なお、東葉快速にも関わらず運行番号がK(JR車の運用)になっているが、深川車両基地内ではこの様に本来存在しない運用や行先が表示されている事も多い(深川車両基地敷地外にて撮影)。

[編集] 検査・改造など

重要部・全般検査及び改造工事は深川工場で行われる。編成を2分割しても走行できる様になっており、中間車連結面を後部にして自走している姿がよく見られる。なお、編成の中間に簡易運転台があるが、非先頭車を先頭に走行する場合、簡易運転台ではなく無車籍の牽引車を使用している。

[編集] 改造工事

05系が受けた改造工事には以下の様な物がある。

[編集] C修繕工事(初期車)

現在の東京地下鉄の方針では車両を40年間使用する事としており、10年と30年で小規模更新、20年で大規模更新となっている(但し、実際には更新工事の時期はそれよりもやや遅く受けている車両が多い。)。

05系は初期の車両についてC修繕(小規模な更新工事)を受けている。詳細は深川工場の項を参照の事。

なお、近年では6次車が冷房更新を受けているが、時期的には10年目の小規模更新とも言える。冷房交換については前述の編成の項及び深川工場の項を参照の事。

[編集] 新ATC対応改造

車内信号に対応していなかった車両には速度計の交換などが実施されている。詳細は運転台の項を参照して頂きたい。

[編集] その他

7次車までに対する転落防止幌設置。前面遮光シート未貼り付け車への貼り付けなどが行われた。

また、東京地下鉄への移行期には先頭車の前面下部と側面にあった営団マークを撤去し、先頭車の前面上部、乗務員扉と乗客扉の間、及び側面に東京地下鉄のマークを貼り付け、側面については前面は黒で、側面は営団マークを上に貼って(乗務員室扉付近の物のみ単に無地で隠した)隠していた。

[編集] 関連商品

[編集] Nゲージ鉄道模型

マイクロエースから、8次車である第27編成をプロトタイプとした塗装済み完成品が発売されている。営団時代のものが発売されており、現在では入手困難品。

車体金型を06系・07系の製品と共用しているため、正確にはこの商品は車体上部の処理が異なる「タイプ」である。しかし、中間車に限っては07系の転入によりほぼ同形態のものが誕生し、違いは製品の営団マークが07系では帯の配置と東京メトロマークに変わっているという点と冷房が交換前の丸型であるという点である。それ以外は07系の中間車として流用できることになる。ちなみに27編成のクーラーは丸型である。

[編集] 外部リンク

[編集] 参考文献

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