小田急1000形電車
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1000形電車(1000がたでんしゃ)は、小田急電鉄の通勤形電車。1988年(昭和63年)3月に営業運転を開始した。
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[編集] 概要
小田急では2600形でVVVFインバータ制御方式の実用試験を行っていたが、その実績から営業用電車で本格的にインバータ制御を採用した。車体についても同社初となる軽量ステンレス鋼を採用している。 9000形に代わる帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)千代田線への直通対応車でもあり、1990年(平成2年)以降小田急持ちの千代田線直通列車にはすべて1000形が使用されている。
2006年4月時点では、4両編成19本(76両)・6両編成12本(72両)・8両編成1本(8両)・10両編成4本(40両)の計196両が在籍している。このうち千代田線への直通対応車は10両編成の全編成と6両編成と4両編成各6本ずつの計100両である。
ブレーキ方式は従来車同様に回生制動併用電磁直通空気制動を採用しているので、2000形以外の現有通勤車全形式と相互連結が可能である。
[編集] 性能
- 設計最高速度120km/h(営業最高速度は100km/h)
- 起動加速度 4,6,8両編成は2.7km/h/s 10両編成は3.3km/h/s
- 常用減速度3.3km/h/s 非常減速度4.0km/h/s
[編集] 編成
- ←新宿・綾瀬・片瀬江ノ島 小田原・箱根湯本・藤沢・唐木田→
- 4両:1051-1001-1101-1151
- 6両:1251-1201-1301-1351-1401-1451/1751-1701-1801-1851-1901-1951(ワイドドア車)
- 8両:1081-1031-1131-1181-1331-1381-1431-1481
- 10両:1091-1041-1141-1191-1291-1241-1341-1391-1441-1491
- 4両編成は小田原・藤沢寄りから7号車、8号車の順で一番新宿寄りが10号車である。それ以外の車両は小田原・藤沢寄りから1号車、2号車の順で一番新宿よりがx号車のx両編成である。
- このため、新宿寄りに4両で小田原・藤沢寄りに6両の10両編成の場合は、小田原・藤沢寄りから1号車、2号車の順で一番新宿寄りが10号車の10両編成となる。
[編集] 各編成の仕様
- 通常タイプのドアを装備する6両編成は全編成が千代田線への乗り入れに対応している。逆にワイドドアの6両編成は千代田線に乗り入れないためATCを搭載していない。
- 8両編成・10両編成・ワイドドア6両編成のドア鴨居部にはLEDが設置され、停車駅案内や「小田急からのお知らせ」を表示している。なお、10両編成には、広告を掲示する枠が設置されていない。
- 8両 - 千鳥配置、白枠
- 10両 - 全ドア上、白枠
- ワイドドア - 全ドア上、黒枠または3000形タイプ
- 1本のみ在籍する8両編成は、小田急の通勤車で初めて自動放送装置を搭載した。
- 8両・10両編成とも電気連結器は通常使用しないため装備していない。
- 6両の1252Fは、日本車輌製造において1989年(昭和64年)に落成した。車内には「昭和64年日本車輌」と記載したプレートがある。
[編集] ワイドドア車
1990年(平成2年)~1991年(平成3年)には、幅2mのワイドドアを採用した車両が登場したが、乗務員室直後のみ幅1.5mである。これらの車両は俗に1500形(4両編成)、1700形(6両編成)に分けられることがある。
この車両にはテスト的施策が多くあり、1次車(1551F・1552F・1751F・1752F)では車内情報案内装置と座席跳ね上げ機構を小田急として初めて搭載している。情報案内装置は1551Fと1751Fに発光ダイオード(LED)式スクロールタイプ、1552F・1752Fに液晶式ディスプレイタイプ(LCD)をそれぞれ採用した。その後新製した2次車(1553~1556F)もLCDを採用したが、液晶の劣化が早く、数年で順次撤去した。
ラッシュ時の乗降をスムーズに行うために幅2mのドアを採用していたが、期待した程の効果が得られなかった事と、閑散時間帯での座席数を増加させるため、1998年(平成10年)に東急車輛製造で、0.4m狭く2000形と同一の幅1.6mに改造した。この際に構体のドア開口部は従来通りとしたため、開扉時に左右それぞれ0.2m引き残している。車内はドア幅縮小に合わせて内装を装備したため、引き残しているようには見えない。
ドア改造の際には1551Fと1751FのLED式装置の一部を1552Fと1752Fに取り付け、1551・1751Fと1552・1752Fでそれぞれ千鳥配置となった。1553~1556の各編成では6両編成化工事の際に新しくLED式スクロールタイプを設置している。これは千代田線直通対応編成である1091~1094Fおよび1081Fと同様のもので、1次車とは若干形状が異なる。ドアチャイムは1754~1756の各編成のみ取り付られている。こちらは千代田線直通対応編成には対応編成がない。
4両編成6本(24両)と6両編成2本(12両)の計36両が在籍していたが、4両編成は一部先頭車を中間車に改造した上で編成を組み換え2004年に解消し、2006年現在は6両編成6本となっている。 2005年より、側面LED表示器を画素の粗い従来のものから、英字も表示可能なものに交換した。
他鉄道事業者のワイドドア車としては東京メトロ東西線用の05系の一部編成に1.8m幅のものを採用した事例がある。
[編集] 最近の動向
- 2001年頃から制御装置と制動装置の交換が実施されている。純電気ブレーキ対応となり、起動・停止時の非同期領域音が変化している。2003年からは千代田線直通編成にも実施している。
- 6両編成の小田原方先頭車の電気連結器は通常使用しないため、撤去を開始している。
- 2000形や3000形8両固定編成の新製と4000形・9000形4両固定編成の廃車で、1000形の4両編成を2本連結した8両編成による運用は少なくなり、4両編成の1000形は6両編成の各形式と併結し、快速急行や急行などの優等運用に就く事が多い。千代田線直通対応車(主に6+4編成)も地上運用の急行に充当されていることが多い。
- 現在、9000形の運用終了に伴い、新製車や検査用車両などの牽引に使われている。