小田急2000形電車
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2000形電車(2000がたでんしゃ)は、小田急電鉄の通勤形電車。1995年(平成7年)3月に営業運転を開始した。 1996年グッドデザイン商品選定。
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[編集] 概要
2600形の老朽取り替えを目的に、1000形を基礎に改良した上で導入された。
客用ドア幅は1000形ワイドドア車の実績から1,600mmとしたが、運転席後部のドアのみ従来通り1,300mmである。行先表示器は前面、側面共に英字入りのLED式を採用した。また車内にもLED式の案内表示器が千鳥配置されている。
車体幅は1000形と同一の2,860mmとなっている。
車内放送装置には1000形8連で試験的に導入した自動放送装置を本格的に採用。
- 1995年に8両編成2本(16両)、1998年(平成10年)に8両編成1本(8両)、2000年(平成12年)から2001年(平成13年)にかけて8両編成6本(48両)が製造され、8両編成の2600形と置き換えた。ただし1995~1998年製造の車両と2000~2001年製造の車両では、吊り革や荷棚などの位置が異なっている。
小田急の通勤電車で初めて電気指令式ブレーキが採用された。加えて8両編成のため他形式との連結ができず、登場以来運用が限定されており、電気連結器の搭載も省略されている。
[編集] 諸元
設計最高速度120km/h(営業最高速度は100km/h)。起動加速度、減速度ともに3.3km/h/s。制御装置は三菱電機製IGBT素子によるVVVFインバータ制御(3レベル)。
小田急電鉄の通勤電車としては最初に全編成のパンタグラフを菱形のPT42形からシングルアーム式に交換した。
[編集] 1次車
1995年製造の2051F~2052Fと1998年製造の2053Fが該当。 2053Fでは通過表示灯を省略した。
[編集] 2次車
2000~2001年製造の2054F~2059Fが該当。 空気圧縮機がレシプロ式からスクリュー式に変更されたほか、屋根上の冷房装置カバーに車外スピーカーが新設された。車内設備では、7人がけシートにスタンションポールが設置されたほか、車椅子スペースが車端部から乗務員室直後に移設された。
[編集] 編成
8両編成9本(72両)が在籍し、将来の10両化を見越した設計となっている。将来的にはATC装置を搭載すれば東京地下鉄(東京メトロ)千代田線にも乗り入れが可能になる。8両編成のため小田原線と多摩線の区間準急や各駅停車を中心に運用している。過去には一部の急行(主に早朝の新宿行きや土・休日の急行小田原行片道1本など)でも運用していた。しかし江ノ島線には基本的に入線しない。
[編集] その他
第4編成(2054F)のモーターは、2000年に廃車になった2600形VVVFインバータ制御改造車(2666F)から流用されたものである。
[編集] 歴史
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