貧困
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貧困(ひんこん)は、主に経済的な理由によって生活が苦しくなり、必要な最低限の暮らしもおぼつかない様子をいう。
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[編集] 要因
貧困はその国家の政治体制や政治思想から影響される面もあるが、それ以外の要因も存在する。貧困が発生する原因としては、一部の特権階級や貴族などに搾取されること、経済活動に不況などの何らかの問題があって無収入状態に陥ること、国家経営の破綻などが挙げられる。
[編集] 問題
貧困は生活に大きく関わっているため広い分野において何らかの影響があり、場合によっては国レベルでの問題となったりする。
大きなところでは、貧困によって生活(極端には生命)を維持または向上させるために犯罪に手を染めたり、あるいは犯罪組織等に関わるなどにより、結果的にテロリズムの温床となる問題がある。そのため、為政者や思想家のプロパガンダの材料としてよく用いられるほか、逆にテロリスト等犯罪組織による体制に対する攻撃の口実にも用いられる。
また、社会における貧困層がある一定以上の集団になると、たとえば職を求めて都市に流入しようとするも門前払いとされ、都市の周辺にスラム(貧民街)を形成し治安が悪化する、といった問題も発生する。
貧困の様相が酷くなり、また政治的解決がままならない状態にまで陥ると、暴動や略奪、農民一揆、戦争などに発展することもある。
[編集] 打開の方策
貧困により社会情勢が不安定になるほか、酷い時には国家の存亡に関わるため、法整備などを行い必要最小限度の生活を保障したりするほか、比較的裕福なところから支援が行われたり、あるいは国連などからの援助等で打開や解決の方策を取っている。しかしながら有史以来の問題でもあり、簡単に解決できないのが現状である。
[編集] エンパワメント
貧困は、社会的な基盤整備の問題により、学歴・識字・社会的経験(チャンス)・出自などの、社会的な力を獲得するアクセス権が人々に与えられていない、という見方もある。そこから、貧困層がそうした力を手に入れることで、貧困を打開する道が開かれるとする考え方もある。エンパワメントといい、ブラジルの識字教育の指導者、パウロ・フレイレの『被抑圧者の教育学』から広まってきた見解である。
[編集] 関連項目