海
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海(うみ)は、地球上の地表の70.6%を占める、塩水(海水)で覆われた部分を指す。海の面積は3億6000万km2で、陸地の面積1億5千万km2と比較した場合、陸地の2.4倍となる。
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[編集] 「海」と「洋」
狭義では、小さい区域のみを「海 (うみ)」「sea」と呼んで、大きい区域の海を「洋 (わだつみ)」「大洋」「ocean」と呼んで区別する事がある。〔例:太平洋(Pacific Ocean)、インド洋(Indian Ocean)〕
伝統的に、人間社会との連関の大きい区域(陸地に囲まれている所が多い)は、「海」と付けられる事が多い。〔例:日本海(Japan Sea)、地中海(Mediterranian Sea)、瀬戸内海(Seto Inland Sea)〕
又、海に含まれない場合でも、大規模な塩湖(特に、水面が海水面より低く川による水の流出が存在しない場合)は、「海」と命名される場合がある。(例:カスピ海、死海)
(月面の黒く見える部分を指す「海」については、「月の海」を参照すること。)
[編集] 特徴
海はすべてが互いに繋がっている。ただし、その間での水の交流は激しくはないので、それぞれの海域で海水の性質には差がある。
海水はその表面が波立っていることが多く、これは風によるものである。海水の温度は主として太陽によって暖められ、暖かい水域では低気圧を発生させる原因ともなる。また、海水は大きな流れをなしており、これを海流という。海水面の高さは毎日二回、上下に変化する。これを潮汐という。
[編集] 海の誕生
誕生したばかりの地球は、マグマの海が覆っていた。長い年月をかけて地球が徐々に冷やされると、大気中に水蒸気として存在していた水が雨となって大量に降り続け、海が誕生した。約43億年前といわれている。初めは塩素などが溶け込んでいたため酸性であったが、ナトリウムやカルシウムが溶け込むにつれて中性になった。
[編集] 海と生命
生命の発祥の場所は海であったといわれる。すべての生物の祖先は海で生まれ、次第に淡水から陸へとその成育範囲を広げたものと考えられる。生命の起源を参照。
[編集] 世界の主な海
- 太平洋: ベーリング海 - オホーツク海 - 日本海 - 黄海 - 渤海 - 東シナ海 - 南シナ海 - フィリピン海 - ミンダナオ海 - スールー海 - セレベス海 - モルッカ海 - ナトゥーナ海 - バンダ海 - アラフラ海 - ソロモン海 - 珊瑚海 - コロ海 - タスマン海
- 大西洋: ラブラドル海 - アーミンガー海 - ノルウェー海 - 北海 - アイリッシュ海 - バルト海 - 地中海 - サルデーニャ海 - リグリア海 - ティレニア海 - イオニア海 - アドリア海 - クレタ海 - ミルトア海 - エーゲ海 - マルマラ海 - 黒海 - アゾフ海 - サルガッソ海 - カリブ海
- インド洋: ジャワ海 - バリ海 - フローレス海 - サヴ海 - ティモール海 - アンダマン海 - アラビア海 - 紅海
- 北極海: ボフォート海 - チュクチ海 - 東シベリア海 - ラプテフ海 - カラ海 - バレンツ海 - 白海 - グリーンランド海 - リンカーン海
- 南極海: スコーティア海 - ウェッデル海 - ロス海 - アムンゼン海 - ベリングスハウゼン海
- 塩湖: カスピ海 - アラル海 - 死海
[編集] 海をテーマにした作品
[編集] 音楽作品
- 『12の練習曲Op25より第24番「大洋」』(フレデリック・ショパン)
- 『交響曲第2番「大洋」』(アントン・ルービンシュタイン)
- 『交響詩「海」』(クロード・ドビュッシー)
- 『交響曲第1番「海の交響曲」』(レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ)
- 『童謡「海」』(林柳波作詞・井上武士作曲、文部省唱歌)
- 『合唱組曲「水のいのち」(4番「海」、5番「海よ」)』(高田三郎作曲、高野喜久雄作詞)
- 『合唱組曲「海の詩」』(作詩:岩間芳樹 作曲:廣瀬量平)
童謡
- 海 作詞:文部省唱歌 作曲:文部省唱歌
- われは海の子 作詞:宮原晃一郎 作曲:文部省唱歌
[編集] 関連項目
- 自然: 湾 - 海岸 - 海峡 - 地峡 - 海溝 - 海嶺 - 湖 - 川 - 深海 - 大陸棚
- メカニズム: 海流 - 水面波
- 海洋/海岸構造物: 港 - 防波堤 - 灯台
- 関連産業: 水産業 - 漁業 - 船舶
- 関連学問: 海洋学 - 海洋工学-海岸工学 - 地球科学