東急目黒線
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目黒線(めぐろせん)は、東京都品川区の目黒駅と神奈川県川崎市中原区の武蔵小杉駅を結ぶ東京急行電鉄の路線。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離:9.1km(このうち田園調布~武蔵小杉間2.6kmは正式には東横線に含まれる)
- 軌間:1067mm
- 複線区間:全線(このうち東横線と並行する田園調布~武蔵小杉間2.6kmは正式には東横線の複々線区間である)
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式 : 車内信号閉塞式 (CS-ATC)
[編集] 概要
目黒駅から武蔵小山駅、大岡山駅、田園調布駅を経て武蔵小杉駅へ向かう路線である。ただし田園調布駅から武蔵小杉駅までの間は東横線の複々線区間のうちの1つの複線を使用しているため、線路戸籍上の目黒線は目黒駅から田園調布駅までである。元々は目蒲線の一部で、「都会のローカル線」ムードを醸していたが、2000年(平成12年)8月6日に目黒線と東急多摩川線に分割され、同年9月26日からは営団地下鉄(現・東京メトロ)南北線、都営地下鉄三田線と相互直通運転を開始、東横線のバイパスの役割を担う通勤路線に生まれ変わった。
路線近代化と周辺地域の環境改善の一環として、1994年(平成6年)11月27日の田園調布駅地下化を皮切りに、1997年(平成9年)6月27日 大岡山駅を地下化、7月27日に地下鉄直通を前に目黒駅を地下化、1999年(平成11年)10月10日に不動前駅付近を高架化したほか、奥沢駅と車両基地の改良を施し、地下鉄直通と同時にワンマン運転を開始、各駅にはホームドアを設置した。ATCとTASCも導入したが、南北線や三田線とは異なり、地上区間が多く、降雨の影響を受けやすいため、ATOは導入されていない。そのため加速は手動で行う。現在は目黒駅から洗足駅までの区間で連続立体交差事業が行われており、2006年(平成18年)7月2日に不動前駅~洗足駅間が地下化され、武蔵小山駅と西小山駅も地下駅となった。また、武蔵小山駅はホームを2面4線化し、急行列車の待避が可能となった。なお、目黒線の急行は東急初のワンマン運転を行う優等列車でもある。
同年9月25日からは急行運転が開始された。目黒駅、武蔵小山駅、大岡山駅、田園調布駅、多摩川駅、武蔵小杉駅に停車し、目黒駅から武蔵小杉駅までの日中の所要時間は13分である。各駅停車の17分から短縮されることで、東横線のバイパスルートとしての利便性の向上が期待されている。
武蔵小杉駅から先への延伸工事も進んでいる。田園調布駅から武蔵小杉駅までと同様に、武蔵小杉駅から日吉駅までの間も東横線の複々線化が行われ、2008年(平成20年)3月にも目黒線の列車が直通する予定である(この件についてはこちらを参考されたい)。さらに日吉駅から2019年(平成31年)度には綱島駅、新横浜駅、横浜羽沢駅(現・貨物)を通って相鉄本線の西谷駅までを結ぶ計画の神奈川東部方面線へ直通することも計画されている。
最近では、埼玉高速鉄道線浦和美園駅と都営三田線高島平駅より横浜高速みなとみらい線元町・中華街駅までの臨時急行列車「みなとみらい号」を運転させるなど、東横線への直通運転を視野に入れた試験的な運行を行っている。なお、2006年8月運転分までは終点の武蔵小杉駅で東横線への転線を行っていたが、12月運転分からは、武蔵小杉駅~日吉駅間の複々線(高架)化工事の影響で武蔵小杉駅からの転線が出来なくなったため、田園調布駅での転線となっている。また、停車駅は2006年8月運転分までは埼玉高速鉄道線・東京メトロ南北線・都営三田線と目黒線内は各駅停車で、東横線と横浜高速みなとみらい線内は急行運転だったが、12月運転分から目黒線内も急行運転に変更する予定である。
[編集] 車両
[編集] 自社車両
[編集] 乗り入れ車両
[編集] 回送車両
[編集] 歴史
※田園調布~武蔵小杉間は東急東横線の項を参照。駅の新設・廃止・改称は目黒~多摩川間の駅のみ記載する。
- 1923年3月11日 目蒲線として目黒~丸子(現・沼部駅)間開業。
- 1923年10月 目黒不動前駅を不動前駅に改称。
- 1923年11月1日 丸子~蒲田間開業(全通)、目蒲線に改称。
- 1924年6月1日 小山駅を武蔵小山駅に改称。
- 1926年1月1日 調布駅を田園調布駅に、多摩川駅を丸子多摩川駅に改称。
- 1928年8月1日 西小山駅開業。
- 1931年1月1日 丸子多摩川駅を多摩川園前駅に改称。
- 1955年11月5日 架線電圧を600Vから1500Vに昇圧。
- 1994年11月27日 田園調布駅地下化。東横線は1996年に地下化。
- 1997年6月27日 大岡山駅地下化。
- 1997年7月27日 目黒駅地下化。
- 1999年10月10日 不動前駅付近高架化。
- 2000年8月6日 目蒲線から目黒~田園調布間を分離、目黒線に改称。運行系統上は直通運転する東横線田園調布~武蔵小杉間と共に目黒線と呼称、同時に多摩川園駅を多摩川駅に改称、ワンマン運転開始。
- 2000年9月26日 営団地下鉄南北線・都営地下鉄三田線との相互直通運転を開始。
- 2001年3月28日 営団地下鉄南北線を介して埼玉高速鉄道線との相互直通運転を開始。
- 2006年7月2日 不動前~洗足間地下化に伴い、武蔵小山駅・西小山駅地下化。
- 2006年9月25日 目黒線全線で急行運転開始(元住吉車両基地への入庫はこのダイヤ改正に伴う武蔵小杉~日吉間高架化以降は配線の関係上武蔵小杉駅より行っている)。
- 2008年3月 目黒線武蔵小杉~日吉間延長予定(武蔵小杉~元住吉間の一部は旧東横線の地上線を使用)
- 2019年度 相模鉄道との乗り入れを南北線・三田線・埼玉高速鉄道線を含めて開始する予定。
[編集] 列車種別
[編集] 急行
- 停車駅:目黒 - 武蔵小山 - 大岡山 - 田園調布 - 多摩川 - 武蔵小杉(- 日吉)
- (※東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線・埼玉高速鉄道線内は各駅停車)
- 運転間隔は朝間8分30秒、日中30分、夕刻12分となっている。
- 所要時間は目黒~武蔵小杉間最短12分
- 浦和美園・高島平発着の「みなとみらい号」は、2006年12月運転分から急行運転を行う。
[編集] 各駅停車
各駅に停車する。朝夕ラッシュ時の上下線と昼間時の下り(武蔵小杉方面)において、武蔵小山駅で急行との接続をする。昼間時の上り(目黒方面)は、目黒行きの各駅停車が目黒駅にて地下鉄直通の急行に連絡する形態をとる。上り(目黒方面)の昼間時において武蔵小山駅での急行待ち合わせを行わないのは、不動前駅の利用者に配慮したためと思われる。この結果南北線・三田線への相互直通運転を始めた2000年9月以来6年ぶりに日中の目黒折り返しが復活した。
浦和美園・高島平発着の「みなとみらい号」は、2006年8月運転分まで各駅停車で運転していた。
[編集] 駅一覧
駅名 | 駅間 キロ |
累計 キロ |
急行 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
東京地下鉄南北線経由埼玉高速鉄道線浦和美園駅まで直通運転 都営地下鉄三田線西高島平駅まで直通運転 |
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目黒駅 | - | 0.0 | ● | 東日本旅客鉄道:山手線 東京地下鉄:○南北線(N-01)(直通運転) 都営地下鉄:○三田線(I-01)(直通運転) |
東京都 | 品川区 |
不動前駅 | 1.0 | 1.0 | | | |||
武蔵小山駅 | 0.9 | 1.9 | ● | |||
西小山駅 | 0.7 | 2.6 | | | |||
洗足駅 | 0.7 | 3.3 | | | 目黒区 | ||
大岡山駅 | 1.0 | 4.3 | ● | 東京急行電鉄:■大井町線 | 大田区 | |
奥沢駅 | 1.2 | 5.5 | | | 世田谷区 | ||
田園調布駅 | 1.0 | 6.5 | ● | 東京急行電鉄:■東横線(自由が丘・渋谷方面) | 大田区 | |
多摩川駅 | 0.8 | 7.3 | ● | 東京急行電鉄:■東急多摩川線 | ||
新丸子駅 | 1.3 | 8.6 | | | 神奈川県 | 川崎市中原区 | |
武蔵小杉駅 | 0.5 | 9.1 | ● | 東京急行電鉄:■東横線(菊名・横浜方面) 東日本旅客鉄道:南武線、(横須賀線:2009年度開業予定) |